エアコンがあれば除湿機はいらない?ドライ機能と除湿器の違いとは?

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一人暮らしをしてみると洗濯する時間が取れなかったり、洗濯が面倒になって溜まっていってしまい、やろうと思ったら雨続きで干せなかったりと意外と苦労することも多いです。

湿度が高いと部屋にカビも生えやすくてあまり良いことはありませんが、そうなると「除湿器って必要なんじゃない?」と思えてきます。

今回はエアコンのドライ機能と除湿器の効果を比較してみて除湿器は必要なのか、それともエアコンで代用できるのかまとめてみました。

エアコンのドライと除湿器の違いについて

結論から言えば、エアコンには除湿機能が備わっているため基本的には新たに除湿器を購入する必要はありません。

エアコン除湿器
除湿機能・弱冷房除湿
・再熱除湿
・コンプレッサー式
・デシカント式
・ハイブリット式
除湿機能20L~36L
(1日あたり)
2L~15L
(1日あたり)
電気代約4.1円~14.9円
(1時間あたり)
約7円~15円
(1時間あたり)
水の排出自動排出手動排出
料金約5万円~7万円約3万円
性能部屋全体を除湿しやすい特定の範囲を除湿しやすい

エアコンは部屋全体をすばやく除湿することに長けていて、除湿器はある特定の範囲内に対して除湿しやすいといった違いがあります。

単純な性能差で言えば圧倒的にエアコンのほうが上ですが、除湿器の場合は持ち運びができるため除湿したい場所を厳選することができます。

まずは2つの仕組みの違いについて説明していきます。

エアコンのドライ機能

エアコンのドライ機能というのは大きく分けて「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類あります。

弱冷房除湿

弱冷房除湿の特徴
  • 室内の空気から”湿度”を取り除く
  • 電気代が比較的安価
  • 室温が下がってしまう

部屋の空気をいったんエアコン内部に取り込み熱交換器によって温度を下げることによって水蒸気を水分に変化させ、その空気を部屋に戻すことで部屋内部の湿度を下げるというメカニズムです。

例えるなら冷たいコップを置いておくと水滴がつくのと同じです。

余った水はホースにより外に排出されます。

部屋が涼しく感じるのは単純に湿度が下がっているだけで温度自体は変わっていません。

再熱除湿

再熱除湿の特徴
  • 室内の空気から”湿度”を取り除いて暖めなおす
  • 空気を暖めるため電気代が高くなりやすい
  • 室温を一定に保つ

空気をエアコン内部に取り込んで湿度を下げること自体は弱冷房除湿と変わりません。

ただ除湿をすると湿度が下がった分温度が低く感じてしまうので再熱除湿ではその分の体感温度をなくすために一度空気を暖めて排出しています。

CASIOが提供している『高精度計算サイト』を使って湿度を下げたときの体感温度を見ていきます。

湿度(%)体感温度(℃)
80%29.1℃
70%28.3℃
60%27.5℃
50%26.7℃
40%25.9℃
※湿度と体感温度の関係

実際の温度は変わりませんが、湿度によって体感温度には変化が見られます。

弱冷房除湿よりも機能的に優れている半面、空気を暖めるために電気代が少し多くかかってしまうデメリットがあります。

よく冷房とドライの違いがよくわからないという人がいますが、冷房は部屋の温度を下げるのが目的なので多少の除湿はされていますが、完璧な除湿機能はありません。

除湿器の機能

除湿器にも「コンプレッサー式」「デシカント式」「ハイブリッド式」の3種類あります。

ハイブリッド式に関しては2種類のちょうど中間あたりの機能なので説明に関しては省きます。

コンプレッサー式

除湿器の仕組みも基本的にエアコンのドライとほとんど変わりません。

エアコンの場合は熱交換器で空気中の水分を集めていましたが、除湿器も冷却器で水分を集めてそれを除湿器内部に貯めているだけです。

ある程度溜まったら捨てなければならないというデメリットが発生します。

デシカント式

デシカント式では内部に乾燥剤を利用していて乾燥剤で空気中の水分を吸い取ってヒーターによって熱せられたのち、熱交換器で室温まで下げてから排出されます。

デシカント式の場合はヒーターを利用している分電気代が高くなり、室内の温度も少しあがってしまうという懸念点があります。

どちらかというと冬場などの気温の寒い日向きで梅雨など夏場には向きません。

エアコンのドライ機能と除湿器どっちがいいか徹底比較

さらに細かくエアコンと除湿器の方式ごとの違いを比較してみました。

電気代で比較

除湿器は温度の設定ができませんが、エアコンの場合は設定温度によって電気代も変わってくるので梅雨の時期の平均気温である24℃で比較してみました。

エアコン(24℃)電気代(1h)
弱冷房除湿約4.1円
再熱除湿約14.9円
参考:東京電力
除湿器電気代(1h)
コンプレッサー式約7円
デシカント式約15円

再熱除湿とデシカントの値段はほとんど同じです。

賃貸に限った話でいえばエアコンは多機能性ではなくコスパ重視になっているのでほとんどは弱冷房除湿となります。

エアコンの弱冷房除湿と除湿器のコンプレッサー式を比較すると1時間あたり約3円はエアコンのほうが安いです。

除湿効果で比較

エアコン除湿量/日
弱冷房除湿約20L
再熱除湿約25L~36L

エアコンが除湿できる量は1日あたり20L~最大36L程度です。

除湿器除湿量/日
コンプレッサー式約6L~15L
デシカント式約2L~10L

除湿器の場合は2L~最大15L程度となります。

6畳や8畳などひとつの空間に対する除湿量に関して言えば圧倒的にエアコンのほうが圧倒的に上です。

除湿器は数も多く、性能もバラバラでコンパクトサイズのものだと1L以下だったり、大容量タイプのものだと10L以上のものと幅広いです。

平均値で言えば6L前後と言われています。

単純な除湿量だけで考えればエアコンのほうが上ですが、実際のところエアコンは位置が固定されているので”部屋干しの洗濯物を乾かす”などピンポイントな除湿効果はそれほど期待できません。

一方除湿器の場合は洗濯物の近くに置いておけるのでピンポイントで乾かしたりすることもできるので特別劣っているとも言えないのが現状です。

ちなみに東京電力によると実はエアコンのドライ機能よりも冷房機能のほうが除湿量は上とのことです。

除湿量が多いのは冷房運転ですが、同時に室温も下がります。
気温が高く蒸し暑い時期は冷房運転、梅雨など室温を保ちたい時期は除湿運転など、目的に合わせたご使用をおすすめします。

参照:東京電力

東京電力

冷房は温度を下げるのが目的となっていますが、温度を下げることにより相対的に空気中の水分を飽和させることができるので結果的に除湿効果が発揮できるのでしょう。

除湿器を買った方が良い場合の特徴

多機能であるエアコンのほうが除湿機能も上回っていることからも除湿器を新たに購入する必要はありません。

部屋の日当たりが悪い

逆に部屋が広かったり、もともと日当たりが悪い物件、エアコン自体が古めで除湿の効果が十分でない場合は除湿器を購入した方が良いかもしれません。

例えばエアコンのドライ機能と除湿器を併用して使えば電気代は少し上がりますが、効果は単純に2倍以上になるため部屋干しの臭いになる前に洗濯物も乾かすことが可能です。

1日中つけている必要はありませんから電気代もそこまで高くなることはないでしょう。

除湿器の良いところは部屋干しした洗濯物やエアコンの風が届きにくいクローゼット、お風呂場等の湿度をコントロールできることです。

持ち運びができる分自由度が高いので、自分の悩みに合わせて使うことができます。

除湿によって室内の温度が下がってしまう場合

エアコンの「弱冷房除湿」では除湿できるものの部屋の温度自体が下がってしまうため、梅雨になったばかりのまだ寒い時期には向きません。

除湿器は部屋の温度を下げずに除湿ができるので、時期によっては向いていると言えます。

ただし、冬の時期に除湿したいならエアコンの暖房機能で部屋を暖めつつ乾燥させることができるので、除湿器のほうが良い時期というのは限られています。

広い部屋に住んでいる場合

2DKや2LDKのような広い間取りでは各部屋にエアコンが設置されていないケースも多く、エアコン1台ではすべて空間の除湿は行えません。

広い間取りでかつ部屋干しをする機会があるなら、特定のエリアの除湿に向いている除湿器のほうが早く洗濯物を乾かすことができます。

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最近では『衣類乾燥機能』のついた除湿器もあるため、よりすばやく除湿を行うことが可能となっています。

まとめ

MEMO
  • 除湿器よりもエアコンのほうが除湿性能は圧倒的に上
  • 基本的な除湿なら除湿器は買わなくても良い
  • 「日当たりが悪い」「部屋干ししたい」ならピンポイントで使える除湿器が良い
  • 除湿器を買うなら除湿機能の優れているものを選ぼう

単純性能だけ比較すればエアコンのほうが圧倒的ですが、ピンポイントに使える除湿器は自由度が高いので部屋干しやバスルーム付近の除湿に向いています。

除湿器を選ぶときはとにかく除湿機能が優れていないとお話にならないので「1日あたりの除湿能力」を見るようにしてください。

1L以下とかではほぼ意味をなさないので最低でも5L以上は欲しいところです。

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