賃貸の先行申し込みで内見後にキャンセルするための理由付け

気に入った物件を内見せずに先に申し込みをして審査を行う先行申し込みはキャンセルすることはできますが、申し込みまでしておいてキャンセルすることに不安を感じる人は少なくありません。

今回は先行申し込みや先行契約とは何なのか説明し、キャンセルするためのもっともな理由付けについてまとめてみました!

先行申し込みはキャンセル可能

先行申し込みというのは退去予定で内見することができない物件や、条件が良くて人気の高い物件に対して内見する前に申し込みを済ませてしまう方法です。

通常の契約までの流れ
  1. 物件への問い合わせ
  2. 内見予約・内見
  3. 申し込み
  4. 審査
  5. 契約
先行申し込み
  1. 物件への問い合わせ
  2. (先行)申し込み
  3. 審査
  4. 希望があれば内見
  5. 契約

簡単に言えば内見の順序が変わることで先行申し込みとなります。

需要の高い物件の場合、内見をしている時間ですでに他に人からの申し込みが入ってしまったり、大家が「内見しなくても契約してくれる人」を優先して募集していることもあります。

こういった場合は内見せずにそのまま申し込みを行うことでよりスムーズに物件を確保することが可能です。

また、新築物件など建設中で内見できない場合にも先行申し込みは使われます。

契約をしていない段階なので、たとえ先行申し込みだろうとキャンセルすることができます。

もちろん契約を行っていないため違約金はかかりません。

先行契約はキャンセル不可

先行契約というのは内見を一切せずにそのまま契約を行うことです。

通常の契約までの流れ
  1. 物件への問い合わせ
  2. 申し込み・契約
  3. 審査

先行申し込みと似ていますが、先行契約の場合は申し込み段階ですでに審査に通過したとき用にあらかじめ契約を結んでいる状態です。

審査が落ちてしまうと契約は破棄されますが、審査に通過すれば契約はすでに済んでいるのでそのまま入居の流れになるというわけです。

審査というのは3日~7日程度かかり、その後契約するかどうか決めるので大家としてはここで借主が契約しないと無駄な期間が生まれてしまいます。

これを防ぐために先行契約という形を取り、より安心したいというのが本音。

後日内見することはできますが、契約をしてしまっている以上不満が見つかったとしても契約を撤回することはできません。

いわゆるキャンセル不可の申し込み=先行契約というわけです。

一見すると借主にデメリットしかないようにも思えますが、通常の審査よりも通りやすいと言われています。

ただ、内見せずにそのまま契約してしまうのはあまりにもリスクが高いので基本的には先行契約はやらないほうがいいです。

内見せずに契約するのは後悔する?入居中で内見できない場合の対処法

先行先行申し込みに必要な書類とは?

先行申し込みするためには必要な書類をあらかじめ揃えておく必要があります。

自分の職業はもちろん、連帯保証人の情報も合わせて用意しておかないと後日ということになり、後日改めて申し込みをしようとすれば他の人に取られているという事態になる可能性もあります。

事前に準備しておくものをまとめてみました。

チェックリスト 項目
入居希望日
氏名
年齢
職業
住所
連絡先
月収・年収
職場の住所
連帯保証人の氏名
連帯保証人の生年月日
連帯保証人の職業
連帯保証人の住所
連帯保証人の連絡先
連帯保証人の月収・年収
連帯保証人の職場住所

自分の情報は問題なくても連帯保証人である親の職業だったり年収等はわからないという人は意外と多いと思います。

申し込み段階では印鑑は必要ないものの、契約する際には親の印鑑も必要になることもあるので事前に用意しておきましょう。

先行申し込みのデメリットとは?

通常とは順序の異なる先行申し込みは不安も大きいですが、実はそれほど大きなデメリットというのはありません。

いくつか注意しておきたい点についてまとめてみました。

すぐに入居できない

まず挙げられるのがすぐに入居できない物件ということです。

即入居可物件の場合は内見することができる一方、先行申し込み物件は退去予定だったり建設中の新築物件に対して採用されている申し込み方法。

すぐにでも入居したい人や現在住んでいる物件の退去予定日が迫っている状態で先行申し込みをしてしまうと、場合によっては入居が間に合わなくなる可能性があります。

他の物件を押さえることができない

原則として申し込みできる物件というのは1件までです。

1つの物件を押さえてもっと良い物件を探す”仮押さえ”と呼ばれる方法を取ることは可能ですが、他に良い物件が見つかった場合は今押さえている物件はキャンセルしなければなりません。

法律上定められているものではないので厳密にいえば複数押さえることに罰則はありませんが、同じ不動産だと大家や管理会社にも迷惑がかかるので拒否されてしまいます。

もし、どうしても複数の物件を押さえたい場合は他の不動産も利用すべき。

内見できない可能性もある

先行申し込み物件の中には契約するまで内見することができないような部屋も存在します。

物理的に内見できないというよりは大家の意向で「内見せずに決めてくれる人を優先したい」という考えがあるためです。

いわゆる先行契約と同じ状態になってしまうため、審査通過後に「内見せずに契約するか、そのままキャンセルするか」を迫られることも。

特にお部屋に自信がないとキャンセルされることもあるので、内見ができないようにうまく不動産も協力していることもあります。



先行申し込みをするメリット

先行申し込みは上記のようなデメリットはあるものの、正直言って気にするレベルではありません。

契約していない限りキャンセルすることができるので融通も効きます。

改めてメリットについてもまとめてみました。

他の人よりも先に物件を押さえることができる

先行申し込みの良いところは、同じように部屋探しをしている人よりも早く物件を押さえることができることです。

通常であれば内見予約→内見という流れになるので、どうしても時間がかかりますし、退去予定物件は退去しても「ハウスクリーニングが終わるまで内見できません」と言われることも多いです。

内見できるようになるのを待っている間に他の人に取られてしまうリスクがある一方、先行申し込みであれば物件を押さえつつ他の物件探しに時間を充てることができます。

条件の良い物件を確保できる

競争率の高い条件の良い物件というのは当然人気が高いので退去した瞬間にはすぐに埋まってしまいます。

逆に言えば退去した後にも募集し続けている物件というのは比較的人気のない(条件があまりよくない)物件ということになります。

つまり先行申し込みをすれば相場よりも家賃が安かったり、設備が整っていたりする物件を市場に出る前に確保できるということです。

先行申し込みをした後のキャンセル理由はどうすべき?

先行申し込みをするというのは大家にとって入居してくれる可能性が高いので、キャンセルされるとはあまり考えていません。

ただし、冒頭でも述べたように契約していない以上はキャンセルが可能です。

納得してもらいやすいようなキャンセル理由について紹介していきます。

「もっと良い条件の物件を見つけた」

最も多いキャンセル理由の1つで「こんなこと言って大丈夫か」と思うかもしれませんが、ストレートに告げたほうがかえって後腐れなく相手にも納得してもらうことができます。

当然「どの部分が気に入らなかったのか」ということに関しては聞かれると思いますが、それもストレートに言って構いません。

すでに物件を他の不動産で見つけているような状態であれば強引に契約させられることもありません。

「他社で契約したほうが初期費用が安かった」

シンプルに交渉事としても使えるのが金額的な不一致です。

具体的には交渉可能である「仲介手数料が他の不動産のほうが安かった」とか「他社だとオプション代がかからない」などは痛いところを突かれるので引かざるを得ません。

特に仲介手数料やオプション代は不動産にとっての収入源となっているので、この部分を突っ込まれると同様に安くする他なくなってしまいます。

場合によっては「うちも安くするので」と言ってもらえる可能性もあるので初期費用の高さが気になるのであればこういった断り方をして相手の出方を伺うのも手です。

「解約に手間取りすぐに引っ越せなくなった」

現在住んでいるところの解約手続きがうまくいかなくて結果的にすぐに引っ越せなくなるというのは現実的にはよくあることです。

退去は引っ越しの1か月前には連絡を入れる必要がありますが、部屋探しにどのぐらいの時間がかかるのかがわからないのでスムーズに引っ越すのは難しいです。

2重家賃になることでもったいないから引っ越せないという理由を言えば「フリーレントを付けるように交渉するので」といった打診があるかもしれません。

フリーレントというのは最初の1ヶ月分ないしは2ヶ月分の家賃が無料になるという特典です。

「仕事の都合で引っ越せなくなった」

仕事を引き合いに出すことによって詳しく説明しなくても断ることができます。

例えば「勤務地の変更で都内に住む予定だったけど、現在いる部署の人員が少ないので異動する必要がなくなった」などは現実的に考えられることです。

深く追求されることもなくスムーズに断りやすいので社会人の場合は仕事を理由にしてキャンセルするのが有効です。

先行申し込みをする際の注意点

先行申し込みする際に最低限聞いておくべき注意点についてまとめてみました。

契約前に内見できるかどうか確認する

基本的には内見することはできるはずですが、大家が内見させたくないといった理由から先行申し込みを受け付けている可能性があります。

申し込んで審査が通過し、いざ契約するときになって「内見はできません」と言われてしまっては時間の無駄になってしまいます。

一応申し込む前に「契約前にしっかりと内見させてください」と念を押しておきましょう。

いつ頃までに入居できるか確認する

先行申し込みする物件は即入居可物件よりも入居できる日数が伸びる傾向にあります。

こちらは退去予定物件が実際に入居できるようになるまでの日数をまとめたもの。

入居までの工程 かかる日数
物件の申し込み 1日
審査期間 3日~7日
初期費用の入金・確認 1日
ハウスクリーニング 退去から1週間~2週間後
書類作成・契約 1日
鍵の引き渡し・入居 1日
合計日数 2週間~3週間

ハウスクリーニング自体は1日で終わりますが、退去してから日取りを決めるまでにだいたい早くても1週間~2週間かかってしまいます。

現在住んでいる物件の退去の兼ね合いもあるので事前にどのぐらいの日数がかかるのか確認しておきましょう。

まとめ

MEMO
  • 先行申し込みは契約前なら内見後にキャンセルできる
  • 先行契約はキャンセルすることが原則としてできない
  • キャンセル理由は正直に理由を話しても問題ない
  • 困ったら仕事の都合や家の都合等でも問題なし

先行申し込みというのは競争率のより高い物件に対して内見する前に申し込んでしまうという方法の1つです。

申し込みをした段階でその部屋の募集はストップさせることができるので、申し込み後にゆっくりと内見するというやり方が取れるのが魅力。

ただし、物件によっては申し込みしても内見ができないこともあるので注意してください。

キャンセルは可能ですが、契約をしてしまうと初期費用のほとんどは返金されないので気を付けましょう。

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