一人暮らしをしてみると洗濯する時間が取れなかったり、洗濯が面倒になって溜まっていってしまい、やろうと思ったら雨続きで干せなかったりと意外と苦労することも多いです。
湿度が高いと部屋にカビも生えやすくてあまり良いことはありませんが、そうなると「除湿器って必要なんじゃない?」と思えてきます。
今回はエアコンのドライ機能と除湿器の効果を比較してみて除湿器は必要なのか、それともエアコンで代用できるのかまとめてみました。
目次
エアコンのドライと除湿器の違いについて
除湿する方法は色々とありますが、雨の日に洗濯物を乾かそうと思う場合は浴室乾燥機がないと部屋干しするしかありません。
エアコンのドライ機能というのも除湿方法のひとつですし、除湿器も梅雨の時期には重宝するアイテムです。
まずはこの2つの仕組みの違いについて説明していきます。
エアコンのドライ機能
エアコンのドライ機能というのは大きく分けて「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類あります。
◇弱冷房除湿
部屋の空気をいったんエアコン内部に取り込み熱交換器によって温度を下げることによって水蒸気を水分に変化させ、その空気を部屋に戻すことで部屋内部の湿度を下げるというメカニズムです。
例えるなら冷たいコップを置いておくと水滴がつくのと同じです。
余った水はホースにより外に排出されます。
部屋が涼しく感じるのは単純に湿度が下がっているだけで温度自体は変わっていません。
◇再熱除湿
空気をエアコン内部に取り込んで湿度を下げること自体は弱冷房除湿と変わりません。
ただ除湿をすると湿度が下がった分温度が低く感じてしまうので再熱除湿ではその分の体感温度をなくすために一度空気を暖めて排出しています。
弱冷房除湿よりも機能的に優れている半面、空気を暖めるために電気代が少し多くかかってしまうデメリットがあります。
よく冷房とドライの違いがよくわからないという人がいますが、冷房は部屋の温度を下げるのが目的なので多少の除湿はされていますが、完璧な除湿機能はありません。
除湿器の機能
除湿器にも「コンプレッサー式」「ゼオライト式」「ハイブリッド式」の3種類あります。
ハイブリッド式に関しては2種類のちょうど中間あたりの機能なので説明に関しては省きます。
◇コンプレッサー式
除湿器の仕組みも基本的にエアコンのドライとほとんど変わりません。
エアコンの場合は熱交換器で空気中の水分を集めていましたが、除湿器も冷却器で水分を集めてそれを除湿器内部に貯めているだけです。
ある程度溜まったら捨てなければならないというデメリットが発生します。
◇ゼオライト式
ゼオライト式では内部に乾燥剤を利用していて乾燥剤で空気中の水分を吸い取ってヒーターによって熱せられたのち、熱交換器で室温まで下げてから排出されます。
ゼオライト式の場合はヒーターを利用している分電気代が高くなり、室内の温度も少しあがってしまうという懸念点があります。
どちらかというと冬場などの気温の寒い日向きで梅雨など夏場には向きません。
エアコンのドライ機能と除湿器どっちがいいか徹底比較
電気代で比較
除湿器は温度の設定ができませんが、エアコンの場合は設定温度によって電気代も変わってくるので梅雨の時期の平均気温である24℃で比較してみました。
エアコン(24℃) | 電気代(1h) |
---|---|
弱冷房除湿 | 約4円 |
再熱除湿 | 約15円 |
除湿器 | 電気代(1h) |
---|---|
コンプレッサー式 | 約7円 |
ゼオライト式 | 約15円 |
再熱除湿とゼオライトの値段はほとんど同じです。
賃貸に限った話でいえばエアコンは多機能性ではなくコスパ重視になっているのでほとんどは弱冷房除湿となります。
エアコンの弱冷房除湿と除湿器のコンプレッサー式を比較すると1時間あたり約3円はエアコンのほうが安いです。
除湿効果で比較
エアコン | 除湿量/日 |
---|---|
弱冷房除湿 | 約20L |
再熱除湿 | 約25L~36L |
エアコンが除湿できる量は1日あたり20L~最大36L程度です。
除湿器 | 除湿量/日 |
---|---|
コンプレッサー式 | 約6L~15L |
ゼオライト式 | 約2L~10L |
除湿器の場合は2L~最大15L程度となります。
6畳や8畳などひとつの空間に対する除湿量に関して言えば圧倒的にエアコンのほうが圧倒的に上です。
除湿器は数も多く、性能もバラバラでコンパクトサイズのものだと1L以下だったり、大容量タイプのものだと10L以上のものと幅広いです。
平均値で言えば6L前後と言われています。
単純な除湿量だけで考えればエアコンのほうが上ですが、実際のところエアコンは位置が固定されているので”部屋干しの洗濯物を乾かす”などピンポイントな除湿効果はそれほど期待できません。
一方除湿器の場合は洗濯物の近くに置いておけるのでピンポイントで乾かしたりすることもできるので特別劣っているとも言えないのが現状です。
ちなみに東京電力によると実はエアコンのドライ機能よりも冷房機能のほうが除湿量は上とのことです。
除湿量が多いのは冷房運転ですが、同時に室温も下がります。
気温が高く蒸し暑い時期は冷房運転、梅雨など室温を保ちたい時期は除湿運転など、目的に合わせたご使用をおすすめします。参照:東京電力
冷房は温度を下げるのが目的となっていますが、温度を下げることにより相対的に空気中の水分を飽和させることができるので結果的に除湿効果が発揮できるのでしょう。
結局エアコンがあれば除湿器はいらないの?
ここまで見ていただければわかるようにエアコンのドライ機能と除湿器は機能的にそれほど差はないので、代用することは十分可能です。
部屋自体がそれほど広くなくて、部屋干し時にエアコンのドライで賄えるのであれば除湿器を新たに購入する必要はありません。
逆に部屋が広かったり、もともと日当たりが悪い物件、エアコン自体が古めで除湿の効果が十分でない場合は除湿器を購入した方が良いかもしれません。
例えばエアコンのドライ機能と除湿器を併用して使えば電気代は少し上がりますが、効果は単純に2倍以上になるため部屋干しの臭いになる前に洗濯物も乾かすことが可能です。
1日中つけている必要はありませんから電気代もそこまで高くなることはないでしょう。
除湿器の良いところは部屋干しした洗濯物やエアコンの風が届きにくいクローゼット、お風呂場等の湿度をコントロールできることです。
持ち運びができる分自由度が高いので、自分の悩みに合わせて使うことができます。
一人暮らしにおすすめの除湿器
基本的に部屋干しをする人だったり、エアコンを使っても乾きが悪いようなら除湿器の購入をすべきです。
一人暮らし用にコンパクトサイズのものが売っていますが、コンパクトだとその分除湿機能が十分ではないので辞めた方がいいです。せっかく買うなら効果があるものがいいですからね。
除湿器のタイプは電気代や機能性を考えるとコンプレッサー式かハイブリット式のどちらかがおすすめ。
それを踏まえておすすめなものをいくつか紹介していきます。
コンプレッサー式除湿器
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コンプレッサー式の中でもかなりの除湿量があり、なおかつ値段が相場より安いのがおすすめ理由です。
1日あたり11.4Lの除湿量は結構圧倒的で、タンク自体は1.8Lまでとなっていますが満水になると自動で止まってくれるので溢れることはありません。
湿度を何%にするかボタン1つで決めることができたり、集中モード等の多機能なので除湿器としての機能は問題ないです。
若干モーター音がするという点だけマイナス評価ですね。
ハイブリット式除湿器
ハイブリットタイプが良いという場合はこちら。
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さすがにハイブリット式だとかなり値段が高いですが、この除湿器は1日の最大除湿量が12.5L!!
説明欄には「梅雨時でも洗濯物約2㎏相当の衣類を、約43分※2で乾かすことが可能。洗濯物が乾きにくい梅雨時や台風の時期もすばやく乾かすことができる。」
と書いてあり、口コミもかなり高いです。
エアコンのドライ機能とは比べものにならないほど早く洗濯物を乾かすことができます。
まさにスピード重視の除湿器で性能的には全く問題ありませんが、値段が高いのが唯一ネックです。
まとめ
- 除湿器よりもエアコンのほうが除湿性能は圧倒的に上
- 基本的な除湿なら除湿器は買わなくても良い
- 「日当たりが悪い」「部屋干ししたい」ならピンポイントで使える除湿器が良い
- 除湿器を買うなら除湿機能の優れているものを選ぼう
単純性能だけ比較すればエアコンのほうが圧倒的ですが、ピンポイントに使える除湿器は自由度が高いので部屋干しやバスルーム付近の除湿に向いています。
除湿器を選ぶときはとにかく除湿機能が優れていないとお話にならないので「1日あたりの除湿能力」を見るようにしてください。
1L以下とかではほぼ意味をなさないので最低でも5L以上は欲しいところです。
少しでも参考になれば幸いです。

