物件には色々とアピールポイントが書かれていますが、その中に「保証人不要」をアピールしている物件があります。
なんとなく審査も楽ですぐに入居できそうなイメージがありますが、そういう意味ではありません。
保証人不要物件はやばいという噂もあるので今回は保証人不要物件のデメリットや保証人不要なのに結局保証人が必要になる例についてまとめてみました!
目次
保証人不要物件とは?
通常、部屋を借りる際には自分一人では契約できません。基本的に「連帯保証人」という家賃が払えなかった時の請求先をもう一人立てるのが一般的です。
システム的には借金をする時と同じようなものです。
しかし、保証人不要と書かれている物件にはその連帯保証人が不要となります。
これが保証人不要物件というわけです。
ただ、いくら保証人不要と言っても必ずしも入居しやすいわけではありません。
保証人を立てる代わりに家賃保証会社の利用を必須としている場合がほとんどです。
家賃保証会社というのは契約者がもし家賃を滞納してしまった時に代わりにお金を払ってくれる会社のこと。もちろんこの場合一時的に借金扱いとなるので後で保証会社に滞納した家賃を返済しなければなりません。
- 一般的な物件→保証人が必要で場合によって保証会社を利用する
- 保証人不要物件→保証人は基本的には不要だが保証会社の利用は必須となることが多い
普通の物件と保証人不要物件では大雑把にこのような違いがあるので覚えておきましょう。
保証人不要物件はやばい?意外なデメリットとは
保証人が不要ということは親がすでに他界していたり、保証人を立てられない人にとっては非常に助かるシステムです。
「不要」と聞くと良い提供をしているように思いますが、実際には初期費用が高くなったりすることもあります。
やばいと言われている理由についてデメリットをまとめてみました。
保証会社利用料がかかる
保証会社を利用するには手数料として家賃の数%分を初期費用として納め、毎月定められた手数料を利用料として支払わなければならないのです。
つまり、普通に借りる場合と比べると、例え家賃を滞納しなくとも手数料は払わなければならないので余計なお金がかかってしまいます。
保証人不要です!→へ~
家賃+保証会社への保証料がかかります→は?こういうのを世の中からなくしたいのだが、神になって別の宇宙を創らないとだめか!
— ユウ@無敵の人 (@yuuthese) March 6, 2021
利用料については保証会社にもよりますが、賃料の50%~80%ほどが相場です。
家賃6万円で保証会社を利用した時の初期費用の差を表にしてみました。
初期費用項目 | 通常の物件 | 保証人不要物件 |
---|---|---|
前家賃 | 60,000円 | 60,000円 |
敷金 | 60,000円 | 60,000円 |
礼金 | 60,000円 | 60,000円 |
仲介手数料 | 60,000円 | 60,000円 |
火災保険料 | 15,000円 | 15,000円 |
鍵交換費用 | 15,000円 | 15,000円 |
事務手数料 | 10,000円 | 10,000円 |
保証会社利用手数料 | 0円 | 30,000円 |
合計 | 280,000円 | 310,000円 |
初期費用は他の項目の費用も高いのであまり変わらないようにも思えますが、最低利用料だったとしても50%で3万円も差があります。
お金の負担が大きくなるのはかなりのデメリットですね。
保証人がいない人によっては仕方ない部分かもしれませんが、例えば親が連帯保証人になってくれる人だと保証会社の利用は間違いなくデメリットです。無駄にお金がかかるだけなので。
保証人不要というのはアピールポイントのように見えますが、保証人を用意できる人に取っては確実に保証会社を利用しなくてはならないのでデメリット。
保証会社の更新料がかかる
初期費用だけでなく、保証会社利用には火災保険や家賃と同様に更新料というものがかかります。
保証会社によって異なりますが、1年ないしは2年ごとに更新料が初期費用時にかかった金額と同程度かかってしまいます。
通常の更新料+火災保険料+保証会社の更新料を払うことになるので、長期的に住む人にとってはかなり痛手です。
保証会社が保証人必須の場合がある
これが保証人不要物件の落とし穴。
「保証人不要!」と謳っているにも関わらず保証会社の利用時に連帯保証人が必須となってしまっていることがあります。
そうなんですか…保証人不要物件でも保証会社から保証人要求されるって…。
さすがに40過ぎで実家在宅自営業のままってのは…と思い始め、物件をユルユルと探し始めていたのですが…そうか…希望かと思ってたのになぁ、保証会社。
意味ないどころかむしろ…な存在だったとは…。>RT— KZMT (@kzmt_hobby) August 5, 2021
賃貸保証会社と保証人
会社多数ありますが、初回支払保証料は月々支払総額の30~120%くらいで50%の所が多い
保証会社に加入しても、連帯保証人必要なところもあって、保証人あり、なしで保証料が変わるところもある保証会社は保証人不要で審査しても、家主(管理会社)側で必要と言われる場合も・・・
— 賃貸のアシスト不動産 (@asisuto_inc) February 11, 2021
以前はこんなことはほとんどなかったんですけど、最近はかなり増えてきているように思えます。
ちなみに保証会社は電気のように自分で決めることはできません。
なぜこういう矛盾が起きるかというと物件を仲介している会社、管理している会社、保証会社がそれぞれ別の会社になってしまっているためです。
仲介業者はとにかく契約させるのが目的です。
いくら大家が「保証人不要でもいいよ」と言っていても保証会社の加入を代わりに必須にさせてしまっていて、保証会社側が「こっちの審査では保証人つけてもらなわないと困る」となれば結局保証人が必要になってしまいます。
結局保証人が必要になってしまうのであれば正確には保証人不要物件じゃないということになります。
実際僕も保証会社を利用したことが2回ほどありますが(保証会社利用必須物件だった)どちらも連帯保証人の記載欄がありました。
幸い親が連帯保証人になってくれたので審査も無事通りましたが、これじゃあ本当に本末転倒です。
こういったことを避けるためにも申し込み時に「保証人がつけられない」ことはしっかりと主張して、保証会社にもその旨を伝えてもらえるようにしないと審査で落とされてしまいます。
不人気物件の可能性が高い
保証人不要物件はその他の物件よりも人気が低い傾向があります。
なぜ保証人を不要としているのか考えてみるとわかりやすいと思います。
先ほども言いましたが、おそらく最初は普通に入居者を募集していたのでしょう。しかし全然入居者が集まらないので保証人を不要としてでも入居者を集めたい!と頭を悩ませた末のアピールポイントだと思います。
- 家賃が相場よりも高い
- 駅から遠い
- 周りにコンビニやスーパーがない
- 建物・部屋が古い
- 内見しないとわからない訳あり物件
保証人を不要にするのは他にアピールポイントが見つからないためにやむなく大家が設定した条件に過ぎません。
全てに当てはまるわけではないですが、もし「保証人不要!」と謳っている物件を借りようと思っているのであれば、内見はしっかりと行い、問題がないか確かめるように注意してください。
保証人不要物件のメリット
保証人不要物件を利用するメリットって実はそれほど大きくなく2つほどしかありません。
口座振替になるので賃料払いがラク
保証人不要物件では保証会社を利用することになりますが、保証会社を利用した場合は賃料が口座振替になることも多く、わざわざ毎回家賃を振り込まなくて良くなります。
通常の物件の場合は管理会社が賃料を管理することになるので毎月自分で会社に手動で振り込む必要がありますが、保証会社利用の場合は賃料の払い先が保証会社になるので口座振替で対応してもらえるというわけです。
手間もそうですが毎回振り込んでいると振込手数料が地味に痛いので、その点に関してはメリットです。
ちなみに保証会社を利用しない場合の手動振込は銀行に行って手続きを行うことで毎月振り込んでもらうことは一応可能。
保証人を立てなくて良い
保証人不要物件は基本的には連帯保証人を確保する必要がないので諸事情により親に保証人になってもらえないとか、保証人がいない人にとってはメリットです。
ただしデメリットでも挙げたように、保証会社の利用時に保証人を立てなければならない場合があったり、保証人が立てられない場合は利用料が割り増しされるなどの問題もあるので個人的には「保証人不要物件はおすすめ」とは思えません。
書類を揃えるのがラク
保証人を立てる場合、仮に親を保証人にした場合は親の住所、勤め先、会社名、連絡先、年収等の細かい項目を埋めなければなりません。
さらに保証人は印鑑を押す手間がかかるので、契約時には一度親に書類を渡したり親に勤め先等の情報を教えてもらう必要があるので実際にやってみるとかなり面倒な手続きとなります。
一方、保証人を立てなくても良い場合は自分の情報だけで済むのでわざわざ第三者を手続き工程に踏まえる必要はなく、簡略化できます。
保証人不要物件でも審査はある
保証人不要と謳っている物件ですが、当然ながら入居するためには審査が必要です。
この場合の審査は大家よりも保証会社の方が重要ですね。
大家は例え入居者が家賃を滞納しても保証会社から支払われますが、保証会社は連帯保証人もいないので他に取り立てるところがありません。つまり、例え保証人不要だからと言って審査が甘くなるということはないということです。
保証会社によって審査基準はバラバラですが、カード会社が母体となってる保証会社は審査が厳しいので注意が必要です。
審査では、クレジットカードの滞納履歴から携帯・電気ガスなどの滞納履歴まで、過去5年分を調べられたうえで、審査の合否が出ます。
参照:https://sumai-kyokasho.net/rent-guarantor-unneeded/#index01
連帯保証人がいる場合はたとえ契約者に経済能力がそれほどなくとも、連帯保証人がしっかりしていれば審査は通ります。
しかし、保証人がいない場合は契約者自身の経済能力だけでしか判断できないのでしっかりとした職を持っていないと審査落ちする可能性は高いでしょう。
⇒無職が賃貸物件の入居審査を通りやすくするための7つのテクニック
まぁ保証人不要となっている物件の多くは人気がなく、人が入らない物件なので入居者候補の倍率を考えるとある意味入りやすいのかもしれません。
過去に風呂なしキッチンなしの激安な部屋が「保証人不要・無職相談可」となっている物件を見たことがあります。多分この物件は審査はほぼないようなものでしょう。
何かしら事情がある人のためにこのような条件になっていたのだと思いますが、保証人を不要にしてまで入居者を集めたいというのが本音なのかもしれませんね。
気になる場合は保証会社不要物件を探そう
保証人不要物件の大きなデメリットは保証会社利用によってお金がかかってしまうこと、そして保証会社利用によって結局保証人が必要となることがある点です。
保証人不要物件を探している人って連帯保証人を立てられない前提なのにこれでは本末転倒。
こういうのが気になる場合は保証人不要・保証会社利用不要物件を探すのが効率的です。
こういった物件はその名の通り保証人を立てる必要がなく、なおかつ保証会社を利用しなくて済むので余計な費用がかかりません。
一昔前までは保証人不要物件=保証人がいらないという認識になっていましたが、最近では保証会社の利用が代わりに必須になって、なおかつ連帯保証人も必要条件になっているところが増えてきたので探す時は注意。
ちなみに保証人不要・保証会社利用不要物件は数が少ないので選択肢としては少ないですね。
まとめ
- 保証人不要物件は保証会社利用することで初期費用が高くつくことが多い
- 保証会社利用時に保証人を立てる羽目になることも
- 保証人が立てられないのであれば最初からその旨を営業マンに伝えておこう
- 保証人不要物件はやばいというほどではないが意外と知らない落とし穴もある
保証人不要物件は一見手間が省けて便利そうな印象を受けますが結局保証会社を利用して手数料を多く支払わなければならないのは正直デメリットでしかありません。
連帯保証人が立てられるような人なら逆に避けるべき物件の条件かもしれません。
そろそろ親も保証人には厳しくなってくると、保証会社使うか保証人不要なURなんだけど保証会社は大家さんにとって便利なシステムで借りる側にとってのメリットは特にないってこの間不動産屋さんに言われてなるほどと思った。
— マルシェノスノス (@marchenosnos) March 5, 2021
一般的な物件でも本人の経済状況が悪ければ「こいつ滞納しそうだな」と思われて保証会社の利用を必須とすることも多いので注意が必要。
逆に保証人が立てられない人にとっては利用価値が高い、というかこういった保証人不要物件に絞って探すしかありません。
保証人が立てられない場合は申し込み前に「保証会社利用時に連帯保証人が必要になりますか?」と聞いておくようにすべきです。
保証人不要物件を探すには?
保証人を必要としない物件を探すには不動産のサイトで検索カテゴリーから「保証人不要」をチェックするか店舗に足を運ぶなら営業マンに事情を説明すると手っ取り早いです。
営業マンは契約させるのが目的なので保証人を立てられないことを告げると保証人が必要ない物件のみを探してもらえます。
ネットで探す方法としてはイエプラやイエッティなどの部屋を探してもらえるサービスを利用するのも一つの手です。
イエプラやイエッティはチャットでのやり取りが基本となるので「保証人が立てられないので不要物件を探してほしい」と伝えれば良いので直接言うよりも気持ち的に楽です。
入居審査にも協力的なので追い払われるということもありません。
イエプラはやり取りが1分以内に返ってくるなどイエッティよりも優れている点が多いです。
⇒イエプラのホームページへ
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