へーベルメゾンとシャーメゾンの違いとは?どっちがいいか徹底比較

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旭化成ホームズが施工を手掛ける賃貸住宅「へーベルメゾン」と積水ハウスの賃貸住宅である「へーベルメゾン」はどちらも大手ハウスメーカーです。

名前は非常に似ていますが、何が違うのかよくわからないという人は多いと思います。

今回はへーベルメゾンとシャーメゾンの違いを家賃や防音性、サービスなどあらゆる面から徹底比較してみました!

へーベルメゾンとシャーメゾンの違いを徹底比較

へーベルメゾンは旭化成ホームズが手掛ける外壁にALCコンクリートを使用しているハウスメーカーです。

へーベルメゾン

ALCは製造にあたって「JIS A 5416軽量気泡コンクリートパネル」という基準があり、日本ではALC協会に入っている3社企業しか使用していません。

シャーメゾンは積水ハウスが手掛ける賃貸住宅で、品質を特に重視している不動産となっています。

シャーメゾン

どちらも軽量鉄骨アパート、重量鉄骨マンションを主軸として提供しています。

簡単に違いを表すとへーベルハウスは「中~高品質」の物件、シャーメゾンは「高品質」の物件を取り扱っています。

部屋を借りる上で重要となってくるのは防音性などの住み心地はもちろん、家賃や初期費用、その他のサービスも考慮しなければなりません。

 シャーメゾンへーベルメゾン
物件数多い少ない
家賃高いやや高い
初期費用高いやや高い
防音性高いやや高い
防犯性高いやや高い
サービス少ない普通
入居審査やや厳しい厳しい
設備・機能性豊富豊富
快適性かなり高い高い

どっちが良いかはネットでも意見が分かれるほどとなっています。

それぞれの違いを調査し、徹底比較してみました。

物件数の違いを比較

物件数の数はシャーメゾンのほうが約6倍ほど多いです。

全国賃貸住宅新聞が発表している「2022年管理戸数ランキング」によればシャーメゾンを運営している積水ハウスは全国2位に対して、へーベルメゾンの旭化成は9位となっています。

企業名管理戸数
積水ハウスグループ67万4125戸
旭化成不動産レジデンス11万1050戸

管理戸数から見てもかなりの差に感じますが、一括借り上げして管理している物件も含まれているため、公式ページより実際に表示される物件数についても見ていきます。

物件数シャーメゾンへーベルメゾン
山手線460件123件
京浜東北線976件70件
埼京線634件48件
中央線457件186件
南武線384件7件

東京都内の物件数も見てみても、同様にシャーメゾンのほうが圧倒的に多くなっています。

物件数が多ければ多いほど、自分の条件に合ったお部屋を探しやすくなるので、シャーメゾンのほうが理想のお部屋は見つけやすいということになります。

家賃の安さを比較

家賃の手ごろさで言えばシャーメゾンよりもへーベルメゾンのほうが若干安い傾向があります。

山手線内にある似た条件の物件で家賃をそれぞれ比較してみました。

構造シャーメゾンへーベルメゾン
1K11.1万円9.5万円
1K9.0万円9.0万円
1K9.1万円8.4万円
1K7.9万円8.0万円
1K8.9万円8.6万円

シャーメゾンのほうが全体的に家賃が若干高く、共益費のかかる物件が非常に多いため総合的な金額も高くなります。

へーベルメゾンも一般的な物件と比べるとやや高い傾向がありますが、シャーメゾンより抑えることができます。

シャーメゾンが高い理由はやはり高品質な物件をコンセプトにしているだけあって使用される素材や設備にこだわっているためです。

へーベルメゾンは一人暮らし向けの物件が多く、同棲向けやファミリー向けの物件は少ない傾向があります。

初期費用の安さの違いを比較

家賃や物件による敷金・礼金以外の費用を見てみるとどちらもほとんど同じです。

ただし、シャーメゾンのほうが礼金を多く負担しなければならない物件が豊富となっているため、相対的に初期費用もへーベルメゾンより高くなる傾向があります。

 シャーメゾンへーベルメゾン
仲介手数料賃料1ヶ月分+税賃料1ヶ月分+税
保証会社利用料22,000円+毎月賃料の1%等賃料50%+2万円/2年毎
火災保険料15,200円15,400円
入居安心サポート月額880円15,000円(My Concier Club会費)
ハウスクリーニング費44,000円~(1K)44,000円~(1K)

シャーメゾンのほうが保証会社利用料や入居安心サポート費が少し安いですが、保証会社は物件ごとに費用が異なりますし、サポート費用の初期費用は安いものの長く住めば住むだけ負担額も大きくなります。

防音性の違いを比較

住み心地を大きく左右する防音性に関してはシャーメゾンのほうが全体的に高くなっています。

シャーメゾンは高品質な賃貸住宅をコンセプトにしているだけあって基本的な防音性能もさることながら、近年採用された防音システムの品質も高くなっています。

シャーメゾンもへーベルメゾンも主な構造は軽量鉄骨アパートや重量鉄骨マンションです。

鉄骨造シャーメゾンへーベルメゾン
防音システム・シャイド50
・シャイド55(標準仕様)
ANR(旭化成ノイズリダクション)
採用年数2011年11月以降2018年5月以降
重量床衝撃音・LH-55(シャイド55)
・LH-50(シャイド50)
LH-55
軽量床衝撃音・LL-55(シャイド55)
・LL-45(シャイド50)
LL-50
界壁遮音等級D-50相当(千鳥配置)D-45

シャーメゾンは2011年という早い時期から防音システムを導入しており、それ以降に建設された物件は基本的にすべての物件でシャイド55システム以上が採用されています。

対して、へーベルメゾンが防音システムを採用したのは2018年5月以降の物件で、性能も床・壁においてシャーメゾンより若干劣っています。

床と壁それぞれの防音性の違いをさらく詳しくまとめてみました。

床の防音性の違い

床の防音性はL値によって表すことができ、L値は低ければ低いほど遮音性が高くなります。

L値には足音などの重量衝撃音LHとスプーンなど軽いものを落とした時の衝撃である軽量衝撃音LL値にさらに分かれています。

シャーメゾンはシャイド55システムが「L-55(LH-55・LL-55)」で、より防音性に特化したシャイド50は「L-50(LH-50・LL-45)」となっています。

へーベルメゾンの高遮音床は「L-55(LH-55・LL-50)」です。

それぞれの音の聞こえ方を遮音等級ごとに示したものがこちら。

遮音等級建物構造音の聞こえ方
L-35 日常生活で気になるような音はほぼ聞こえない
L-40鉄筋鉄骨コンクリート造防音性が高く外からの音も軽減される
L-45 子供の泣き声や走り回る音は多少聞こえる
L-50鉄筋コンクリート造・シャイド50子供の泣き声や走り回る音は聞こえる
L-55へーベルメゾン・シャイド55洗濯機や掃除機は少し聞こえるが気にならない
L-60重量鉄骨造足音やドアの開閉音など振動を伴う音が聞こえる
L-65軽量鉄骨造多少音量は軽減されるが生活音はほぼ聞こえる
L-70 生活音はほとんど筒抜け
L-75木造生活音は筒抜けで小さな音まで聞こえる

標準仕様のシャイド55に関してはへーベルメゾンのほうが軽量衝撃音に対しての性能は上ですが、プレミアム仕様であるシャイド50はRC造並とかなり遮音性能は高いので総合的にはシャーメゾンのほうが上。

通常の物件ならへーベルメゾンのほうが若干性能が上ということですが、LL-55→LL-50の違いだけなので正直大きな差はありません。

界壁の防音性の違い

隣りの部屋との仕切りである界壁に関しては、透過損失を表すD値で示されており、値が高ければ高いほど遮音性能も高くなります。

構造壁の厚さD値
木造130mm~145mm40以下
軽量鉄骨造100mm~125mm40~
重量鉄骨造125mm~150mm40~45程度
鉄筋コンクリート造120mm~180mm50~60

透過損失とは音が通り抜けたときに遮音してくれるdb(デシベル数)で、例えばD-40(R-40)の壁に50dbの音がぶつかると、隣に聞こえる音は50-40=10dbとなります。

シャーメゾンが鉄骨造で採用しているのは「βシステム工法」というもの。

吸音材55mmと石膏ボードを2重張りにして、さらに千鳥配置にすることで壁を固定する木材が互いの壁に接しないよう配置されるため直接音が隣りまで響きにくくなります。

公式ページ上ではなぜか建築基準最低値である「D-40」と表記されていますが、千鳥配置は遮音性能を高める工法となるため実測値ではD-50相当となります。

大東建託のオリジナル高遮音界壁では同じ千鳥配置で「Rr-55(D-50相当)」の遮音性を実現していることからも、表記ミスの可能性があります。

D-50での音の聞こえ方を計算してみました。

音の種類音の大きさ透過損失後聞こえ方
ドアの開閉音75dB25dBほとんど聞こえない
子供の走る音65dB15dB聞こえない
掃除機70dB20dBほとんど聞こえない
洗濯機の音70dB20dBほとんど聞こえない
テレビ(中)60dB10dB聞こえない
いびき(大)80dB30dB小さく聞こえる
大人の足音45dB0dB全く聞こえない
話し声60dB10dB聞こえない
笑い声80dB30dB小さく聞こえる

隣人が話している声は通常ボリュームであればほぼ聞こえません。

叫んだり、大笑いをすれば聞こえる可能性もありますが、数デシベル程度は外からくる車の騒音や冷蔵庫の運転音、換気扇の音によってかき消されます。

ただし、築年数の古い物件では遮音性の高い技術が取り入れられていないため、シャーメゾンであってもある程度生活音が聞こえてしまいます。

へーベルメゾンの壁の遮音性能は標準仕様でD-45となっています。

防音性能は重量鉄骨マンションと同等、もしくは少し高い程度となっています。

へーベルメゾンでは種類の異なる石膏ボードを2重張りにしており、グラスウールよりも高価で低音をより吸音しやすいロックウールが使われています。

正直高い数字ではないけど、壁が薄いと言われるほどの低い数値でもありません。

D-45としたときの音の聞こえ方がこちら。

音の種類音の大きさ透過損失後聞こえ方
ドアの開閉音75dB30dB聞こえる
掃除機70dB25dB聞こえる。会話には支障なし
洗濯機の音70dB25dB聞こえる。会話には支障なし
テレビ(中)60dB15dBほとんど聞こえない
いびき(大)80dB35dB多少大きく聞こえる
話し声60dB15dBほとんど聞こえない
笑い声80dB35dB多少大きく聞こえる

テレビがついている音や普通に話しているぐらいの音量であればほとんど聞こえませんが、大声で笑ったり咳き込んだり、いびきのような重低音は防ぐことができずに聞こえてしまいます。

へーベルメゾンも2018年5月以降の採用となっているため、それ以前の物件はもっと音が聞こえやすいです。

防犯性の違いを比較

防犯性能は物件の設備によって差が出てくるものの、力を入れているのはへーベルメゾンです。

へーベルメゾンでは一人暮らしの女性のための共有賃貸「New Safole」を提供しています。

オートロックや防犯カメラなど基本的な対策はもちろん、1階は窓を覗かれないための電動シャッターの導入、道路向き住戸では二重フェンスで中が見えない&侵入しにくい構造になっています。

ラウンジ部分は帰宅時のことを考えて明るくしており、入居者がくつろげるようなブックコーナーを用意しています。

また、物件を建設する際に周辺環境調査を行っており、夜もしっかりと明るくて女性一人でも帰宅できる立地であることを確認しています。

シャーメゾンにもホームセキュリティや基本的な防犯性能はありますが、へーベルメゾンほど力を入れているわけではありません。

ただ、シャーメゾンは物件自体のクオリティが全体的に高いため、通常の物件よりも格段に被害に遭いにくくなっています。

サービスの違いを比較

独自サービスはどちらもそこまで豊富ではありませんが、入居者にとって若干お得なのはへーベルメゾンです。

 シャーメゾンへーベルメゾン
サービス内容・保証人不要でらくらく契約
・入居サポートサービス
・My conier Club Off:全国の施設割引
・24時間受付住まいのトラブル対応
・連帯保証人不要システム

よくある保証人不要制度や入居安心サポートはどちらにもあり、内容的にも変わりません。

ただし、へーベルメゾンにはMy conier Club Offという全国の施設が割引になる会員になることができます。

My conier Club Offでは全国にある20万件以上の施設が最大80%割引で利用することができます。

旅館やホテルはもちろん、遊園地や水族館などのテーマパーク、さらに映画館も会員優待価格となります。

あまり外に出歩かない人にとっては割引制度を利用できず、得にはなりませんが旅行好きや遊びが好きな人には良いサービスです。

ただし、会員になるためには初期費用として15,000円ほどかかるのがネックな点。

とは言っても入居安心サポートでシャーメゾンも費用を取っているので、サポート費+会員費で同額程度で収まるへーベルメゾンのほうがお得です。

入居審査の違いを比較

入居審査難易度はどちらも同じぐらい厳しいですが、最終的な入居審査通過率で言えばシャーメゾンのほうが若干緩いです。

入居審査シャーメゾンへーベルメゾン
保証会社・らくらくパートナー賃貸保証
・株式会社Casa
・旭化成不動産サポート
・オリコフォレントインシュア
・オリエントコーポレーション
審査難易度厳しい
(再審査は緩い)
厳しい

保証会社には審査が比較的甘い【独立系】とクレジットカード会社が行う【信販系】、過去の家賃滞納歴をデータベースから調べる【LICC系】があります。

シャーメゾンは信販系となるため、過去のクレジットカード滞納歴や家賃滞納歴等をチェックされてしまいます。

ただし、最初の審査に落ちた場合は株式会社Casaという独立系の会社が審査を行います。

独立系は独自の審査基準に基づいて審査が行われ、滞納歴等はチェックされないため審査も相対的に緩くなる傾向があります。

へーベルメゾンが最初に審査をするのは旭化成不動産サポートという独立系の保証会社です。

独立系と言ってもへーベルメゾンの場合は少し特殊で、独自の厳しめな審査基準を持っているので年収が満たない場合は落ちる可能性が高いです。

再審査はカード会社でお馴染みのオリコが行うため、審査の厳しい信販系です。

トータルで見るとへーベルメゾンのほうが入居までの難易度が高いことがわかります。

設備や機能性の違いを比較

どちらの物件も充実した設備や機能性があり、それぞれの良さが異なります。

単純な物件のクオリティならシャーメゾンですが、へーベルメゾンは断熱性が高かったりペット共生物件が充実しています。

シャーメゾンの物件特徴
3・4階建て「ベレオ」高性能構造の「フレキシブルβシステム」を採用
2階建て「プロヌーブ」室内共用廊下採用でホテルライクな造り
環境配慮の「ZEH」太陽光発電で光熱費36%カット
シャーメゾンプレミア高遮音床採用で高耐震・高遮音の重量鉄骨

シャーメゾンはフレキシブルβシステムという可変性のある天井高を採用したり、柱の位置もある程度自由に設定できるのでオーナーの意向で仕様の変更が可能となっています。

よくある同じ間取りの連結ではなく、部屋ごとにリビングの寝室の広さを設計しています。

また、屋内共用廊下にしてホテルのようなパブリックスペースを備えていたり、モバイル端末からお部屋の家電を操作できる「IOT物件」など見た目的にも機能性も備えた物件もあります。

へーベルメゾンの物件特徴
ALCを使用した外壁耐火性能が高く、外壁遮音性能はD-40
連続布基礎震度7でも耐えられる高耐震性能
高断熱仕様「ZEH」世界最高レベルの断熱性ネオマフォームを使用
ペット共生型賃貸住宅「しつけ無料相談」「健康無料相談」などサポート性の高いサービスが充実
プレミアム賃貸デザイン性や設備の充実性に特化したプレミアム仕様

へーベルメゾンの物件はすべて外壁がALC(気泡発泡コンクリート)を使用しており、断熱性はRC造の約10倍あります。

また、ペット共生型住宅も充実しており、無料相談・サポートもついていたりペット審査もあります。

快適性で比較

快適性は物件による断熱性によって比較することが可能であり、より室温を一定に保てるのはわずかの差ですがシャーメゾンのほうが上です。

シャーメゾンもへーベルメゾンもZEH(ゼッチ)と呼ばれる『ゼロエネルギーハウス』を提供しています。

UA値シャーメゾンへーベルメゾン
特徴ZEHの先駆けALC+高性能断熱材ネオマフォーム
UA値
(基準0.87以下)
0.4~0.5
(2023年4月1日以降標準化)
0.6以下
(2017年5月1日以降標準化)

積水ハウスのシャーメゾンは2023年2月25日に住宅性能表示制度の省エネルギー対策等級の上位となる『断熱等性能等級5』と『一時エネルギー消費量等級6』の仕様を標準化すると発表しています。

断熱等性能等級5というのはZEH基準のUA値0.6以下。

UA値は「熱がどのぐらい逃げやすいかを示す数値」であり、数値が小さければ小さいほど断熱性が高いと評価されます。

へーベルメゾンのUA値は0.6以下となっていますが、シャーメゾンはそれ以上の断熱性能である0.4~0.5。

さらに言えばシャーメゾンではこの断熱性の高さが標準仕様となります。

つまり、シャーメゾンのほうが熱暖房効率が良く、光熱費を抑えて快適に過ごすことができるというわけです。

ただし、へーベルメゾンでは2017年5月以降に建設された物件はUA値0.6以下が標準となっているため、新築・築浅物件であれば快適に過ごすことができます。

まとめ

防音性にこだわりたいシャーメゾン
こだわりの条件が多いシャーメゾン
女性向けのお部屋を探しているへーベルメゾン
春夏秋冬快適に生活したいシャーメゾン
ペットを今後飼いたいへーベルメゾン
家賃や初期費用を抑えたいどちらも同じぐらい
審査が不安シャーメゾン
地震が怖いへーベルメゾン

シャーメゾンはもちろん、へーベルメゾンも品質は高いのである程度クオリティの高い物件に住みたいならどっちに住んでも後悔することは少ないです。

ただ、防音性の観点から言えば2011年以降高遮音床を導入しているシャーメゾンのほうが防音性が高くなります。

へーベルメゾンは防音システムの採用が遅かったため、防音仕様の物件自体は新築もしくは築浅を選ぶしかありません。