三井ホームの賃貸アパートは騒音が気にならない?足音など音漏れを徹底調査

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三井ホームは木造の注文住宅で有名な大手ハウスメーカーですが、三井ホームエステートが管理している賃貸アパートやマンションも提供しています。

木造と聞くと足音や生活音など騒音がどの程度響くのか気になるところ。

ということで今回は三井ホームの賃貸アパートの遮音性について公表している数値を他のハウスメーカーと比較しつつ、どの程度の防音性なのか紹介していきます。

三井ホームの特徴

三井ホームは注文住宅や賃貸アパート、マンション、施設建設など数多くの建築を手掛ける大手ハウスメーカーです。

モノコック構造の一種である2×4(ツーバイフォー)工法住宅としては業界最大手で、耐震性能の高い物件を数多く手掛けています。

ツーバイフォー工法は、木材を組み合わせて作った枠組みに板材を接合してパネルを作り、それらを床・壁・天井とする6面体の箱を作ります。この箱を基本の構造体として、家を建てるのがツーバイフォー工法です。

『プレミアム・モノコックG』という構法では耐震実験で震度7の揺れを60回も耐えた実績があります。

賃貸物件のメイン構造は木造ですが、耐震性の高い優れたオリジナル技術を用いることにより”4階建て以上の木造マンション”の建築も実現しています。

賃貸物件には『木造を活かした和テイストな物件』や『西洋を思わせる賃貸住宅』などデザイン性にも優れている物件が多いのも特徴です。

三井ホームのアパートの騒音はどの程度聞こえる?

結論から言えば、遮音システムが採用されている三井ホームの賃貸アパートであれば遮音性は高いものの、採用前の従来のものは一般的な住宅より少し良い程度となっています。

三井ホームでは2017年1月から遮音床である『Mute50』を標準仕様として採用、オプション仕様には業界最高レベルである『Mute45』もありますが、こちらはオーナーが望んだ場合のみ採用となっています。

床の防音性壁の防音性
2016年12月以前の物件低い
(推定L-75前後)
低い
(D-40~45)
2017年1月以降の賃貸物件高い
(L-50)
普通
(D-45)

新築や築浅の物件には高遮音床である『Mute50』が標準で採用されているので上階の音はほとんど気にならず、界壁も『二重壁』などを採用しているので木造でありながら鉄筋コンクリートマンションと同等レベルの性能があります。

ただし、築年数の古い技術導入前の物件ではよくある木造住宅となってしまうので選ぶ際には注意が必要です。

具体的にどの程度のレベルなのか詳しく紹介していきます。

足音はどの程度聞こえる?

床の遮音性能はJIS規格によりL値で表すことができ、値が低ければ低いほど聞こえる音も小さくなります。

三井ホームの賃貸住宅では2017年1月より高遮音床仕様として『Mute50』を採用し、以降標準仕様としています。

また、オプション仕様にはさらに遮音性能の高い『Mute45』もあります。

遮音等級建物構造音の聞こえ方
L-35 日常生活で気になるような音はほぼ聞こえない
L-40鉄筋鉄骨コンクリート造防音性が高く外からの音も軽減される
L-45 Mute45子供の泣き声や走り回る音は多少聞こえる
L-50・鉄筋コンクリート造
・Mute50
子供の泣き声や走り回る音は聞こえる
L-55洗濯機や掃除機は少し聞こえるが気にならない
L-60重量鉄骨造足音やドアの開閉音など振動を伴う音が聞こえる
L-65軽量鉄骨造多少音量は軽減されるが生活音はほぼ聞こえる
L-70 生活音はほとんど筒抜け
L-75木造生活音は筒抜けで小さな音まで聞こえる
参考:日本建築学会

標準仕様のMute50は木造建築でありながら、遮音性は鉄筋コンクリート造と同程度であるL-50の性能があります。

子供の声や走り回る音は聞こえてしまうものの、日常のささいな音はほとんど聞こえません。

ちなみにL値には軽量衝撃であるLL値と足音のような重量衝撃LH値に分けることができ、Mute50は『LL-50/LH-50』の性能があります。

足音の種類

軽量衝撃であるLL値はもっと高い数値の遮音システムを採用しているハウスメーカーもありますが、LH値は遮音システムとしては原状最高レベルです。

高クオリティ物件を提供しているシャーメゾンも標準仕様が55、オプション仕様で50となっています。

Mute45の場合は大手ハウスメーカーとしても最高レベルであるL-45の性能となるため、足音ですら緩和してくれるほどの遮音性となっています。

ただし、足音は低音域で衝撃が下階に伝わりやすい性質があるため、完璧な遮音自体は難しいです。

話し声はどの程度聞こえる?

三井ホームが採用している界壁は大きく分けて3種類あり、D-40~D-45程度の遮音性能があります。

千鳥壁
(従来)
二重壁
(従来)
新仕様
壁厚約24㎝約30㎝約29㎝
遮音性能D-40D-45D-45
遮音性能基準3級2級2級
耐力10倍相当20倍相当27倍相当

壁の遮音性能は透過損失を評価する数値のD値で示すことができ、L値とは違い数値が高くなればなるほど防音性も高くなります。

透過損失とは音が通り抜けたときに遮音してくれるdb(デシベル数)のことで、例えばD-40(R-40)の壁に50dbの音がぶつかると、隣に聞こえる音は50-40=10dbとなります。

木造アパートの界壁の防音性はD-40前後と言われているため、以前から採用している千鳥壁の場合は普通のアパートとほとんど性能的には変わりません。

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千鳥配置は直接衝撃が伝わりにくい構造となっていますが、数値として見ると高くありません。

ただ、壁厚のある二重壁や三井ホームの木造マンションに採用されている新仕様はD-45となっているため、重量鉄骨マンション並の性能があります。

D-45での音の聞こえ方をまとめてみました。

音の種類音の大きさ透過損失後聞こえ方
ドアの開閉音75dB30dB聞こえる
掃除機70dB25dB聞こえる。会話には支障なし
洗濯機の音70dB25dB聞こえる。会話には支障なし
テレビ(中)60dB15dBほとんど聞こえない
いびき(大)80dB35dB多少大きく聞こえる
話し声60dB15dBほとんど聞こえない
笑い声80dB35dB多少大きく聞こえる

透過損失後の値が0ではないので、多少聞こえてしまうのの日常的に聞こえる『車の通る音』『換気扇の音』などもあるため、生活音はほとんど気になりません。

ただ、少し大きい衝撃音や笑い声、いびきなどは音量自体も大きいためうるさいと感じてしまうこともあります。

ちなみに三井ホームが独自に測定した『二重界壁構造』の数値は-54dBとなっているので、状況によってはD-50近くの数値が出ることもあるようです。

引用:https://ceresa-fudousan.com/mitsui/

窓の遮音性

三井ホームは外からの騒音や断熱性を高めるために『Low-E複層ガラス』を採用しています。

Low-E複層ガラスは2枚のガラスを組み合わせ、ガラス面には『Low-E膜』と呼ばれる特殊な金属膜をコーティング加工したものです。

ガラスとガラスの間の中空層には断熱性を高める『アルゴンガス』を封入し、遮音性・断熱性を高めています。

具体的な遮音性能についての公表はありませんが、YKK APによれば異厚複層ガラスと断熱サッシを組み合わせることで外からの騒音を約30デシベルほどカットすることが可能となっています。

外壁の遮音性

外壁は注文住宅公表の数値でD-45ほど。

『BSウォール』と呼ばれるオリジナルの高耐久湿式外壁構法により、耐火性や気密性の高い外壁となっています。

同じ木造をメインとして扱っている住友林業・ミサワホームの外壁が推定値D-35、レオパレスがD-40となっているため三井ホームの外壁は高い数値となっています。

ただし、賃貸住宅としての公表はないため、あくまで推定値として考えてください。

三井ホームの物件を選ぶ上での注意点やコツ

住友林業の賃貸物件を選ぶ上で押さえておくべきポイントや選び方のコツについてまとめてみました。

特に防音性を気にするのであれば物件選びは重要となります。

高遮音床・界壁が採用されている物件を選ぶ

三井ホームの高遮音床は2017年1月以降に建設された賃貸住宅に採用されています。

防音性の高い物件に住みたいのであれば2024年時点で築7年以内の物件を選ぶことで快適に過ごすことができます。

2016年以前の物件では高遮音システムが採用されていないため『足音がうるさい』『壁が薄い』と感じるリスクがあります。

最上階を選ぶ

上からの足音や生活音を気にするようであれば、1階ではなく2階や3階など最上階を選ぶようにしましょう。

最上階

高遮音床が採用されている物件であれば問題ありませんが、新築や築浅物件以外は通常の木造アパート床と同じです。

つまり現状ほとんどの物件は高遮音床が採用されていないため、なるべく最上階を選んだほうが良いというわけです。

角部屋を選ぶ

三井ホームの遮音床の性能はハウスメーカーでも最高レベルですが、界壁の遮音性は木造ということもあり、あまり高くありません。

隣人がうるさくするかどうかは実際に住んでみないとわかりませんが、角部屋であれば騒音リスクを2分の1に軽減することができます。

角部屋

中部屋だと両隣りの生活音が聞こえてしまったり、逆に自分が少しでもうるさくしていると苦情が入る可能性が高いですが、角部屋であれば隣人1人のリスクだけで済みます。

また、角部屋は隣人が引っ越し等で空き室になったときに生活音を気にせず快適に過ごすことができます。

他のハウスメーカーと併用して探す

三井ホームの賃貸物件はメインが木造アパートということもあり、比較的手の出しやすい家賃帯です。

ただし、現時点ではまだまだ遮音システムを採用している物件が少ないため、同じ木造系の他のハウスメーカーを併用して部屋探しをするのがおすすめです。

大手ハウスメーカーは遮音システムを採用していて、早いところは2010年あたりからすでに高遮音システムを採用したアパートもあります。

ハウスメーカーメイン構造防音システム採用年月
シャーメゾン鉄骨造シャイド50
シャイド55
2011年
大和リビング鉄骨造サイレントハイブリットスラブ502012年
東建コーポレーション木造TKS50
TKS55
2013年
ミサワホーム木造床制御ダンパー2008年
セキスイハイム鉄骨造床制御ダンパー2011年
レオパレス21木造ノンサウンドシステム2013年
へーベルメゾン鉄骨造ANR(旭化成ノイズリダクション)フロア2018年
大東建託木造ノイズレスフロア2011年

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まとめ

  • 2017年1月以降は遮音システムが標準仕様となっている
  • 三井ホームの床の遮音性能は鉄筋コンクリートと同等レベル
  • 界壁の遮音性は重量鉄骨マンションレベル
  • 耐震性の高い物件が多い

三井ホームは木造という本来遮音性に難ありの構造ですが、独自の遮音技術を採用することにより、特に足音に関しては高い防音性があるようです。

界壁は少しマシ程度なので隣人の生活音は聞こえてきてしまう可能性がありますが、それでも通常の木造アパートに住むよりも快適に過ごせる可能性は高いでしょう。

木造にこだわらないのであれば他の大手ハウスメーカーも遮音システムを採用しているため、他も見ながら後悔しにくい物件を選びましょう。

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