全て自分の条件通りでまさに理想の部屋を見つけられることが出来ればベストですが、譲れない条件が多くなればなるほど家賃も高くなってしまいます。
部屋探しをすると必ずどこかしら自分の条件にマッチしていない部分があり、そこを妥協すべきかどうかで悩むことになります。
この妥協すべき部分は人によって違うと思いますが一人暮らしの経験が長い僕が個人的に妥協すべき点と絶対にこだわっておきたい点についてご紹介していきますので参考にしてみてください。
目次
こだわるべき点(譲れない条件)
at-homeが30歳以下の一人暮らししている人を対象に行った「部屋探しの際に重視した点(譲れない条件)」という質問に対する調査結果がこちらです。
- 通学時間
- 間取り・部屋の広さ
- スーパーの近さ
- 設備
- 最寄駅からの近さ
- 間取り・部屋の広さ
- 通勤時間
- 最寄り駅からの近さ
- 交通アクセスの良さ
- 設備
学生・社会人ともに【通勤・通学時間】と【間取り・広さ】を最も重視していることがわかります。
もちろん重視したからと言って「住んでみて改めて重視して良かった」と感じる人もいれば「そこまで重視しなくてもよかったな」と感じる人もいるのであくまで部屋探しする段階での重視項目に過ぎません。
ここからは僕が実際に一人暮らしをして重要だと思った物件の設備について紹介していきます。
防音性の高い物件
suumoジャーナルの調査によると一人暮らしで後悔したことのトップは「壁の薄さ」となっています。
最初の一人暮らしではとりあえず家賃の安さを重視して木造アパートや軽量鉄骨アパートを選ぶ人も多いですが、住んでみると隣人の生活音がうるさくて後悔するようです。
これは日本建築学会が調査した建物の遮音性と等級の関係性です。
遮音等級 | 建物構造 | 音の聞こえ方 |
---|---|---|
L-35 | 日常生活で気になるような音はほぼ聞こえない | |
L-40 | 鉄筋鉄骨コンクリート造 | 防音性が高く外からの音も軽減される |
L-45 | 子供の泣き声や走り回る音は多少聞こえる | |
L-50 | 鉄筋コンクリート造 | 子供の泣き声や走り回る音は聞こえる |
L-55 | 洗濯機や掃除機は少し聞こえるが気にならない | |
L-60 | 重量鉄骨造 | 足音やドアの開閉音など振動を伴う音が聞こえる |
L-65 | 軽量鉄骨造 | 多少音量は軽減されるが生活音はほぼ聞こえる |
L-70 | 生活音はほとんど筒抜け | |
L-75 | 木造 | 生活音は筒抜けで小さな音まで聞こえる |
木造は最低レベルなので家賃を抑えたいならせめて軽量鉄骨造のアパートにしましょう。理想は鉄筋コンクリートマンション。
物件内部の防音性に関してもそうですが、さらに問題となるのはその物件の場所です。
例えば大通りに面している物件、沿線や踏切近くの物件は総じて外からの音がかなりうるさいです。
もともとあまり気にしないという人ならいいですが、人によってはこの騒音問題でノイローゼ気味になる人もいるんで意外とバカにできませんね。
防音性に関しては個人的に最重要項目だと考えています。
ほとんど家にいない社会人の方にとってはアパートでも問題ないと思いますが在宅ワークや時間に余裕があって家にいることが多い人は鉄筋コンクリートマンションがおすすめです。
家賃の安さ優先なら必然的に捨てるべき条件になってしまいますが、マンションに住むなら防音性の高さを妥協してしまうとマンションに住む意味がありません。
キッチンの広さ
同じくsuumoジャーナルにて後悔したこと第2位となっているのが「キッチンの狭さ」です。
1位の壁の薄さが19.3%に対してキッチンの狭さは19.0%なのでほとんど同程度。
一人暮らしなら広い必要はありませんが、まな板が置けないぐらい狭い物件の場合は料理がかなりしにくくなるので注意。
一口コンロでもそこまで料理に支障は出ませんが、シンク自体が狭いと洗い物がかなりしにくくなりますし、まな板置き場を考えないといけません。
場合によっては洗濯機の上で調理することになったり、別途まな板置き場が必要になります。
まな板が置けないぐらい狭いキッチンはワンルームにありがちで、なおかつ間取りには記載されていないので内見時に必ず確認しましょう。
風呂・トイレ別
ホームズが296名を対象に行った「こだわってよかった設備」についての第1位が「風呂トイレ別」です。
初めて一人暮らしをした時はお風呂とトイレが一緒のユニットバスでしたが、今現在ユニットに住めと言われたら絶対に嫌ですね。
最初にユニットだったのでそこまで不便にも感じませんでしたが、一度風呂トイレ別の部屋に住んでしまったら後戻りできないです。
トイレってどうしても汚いイメージがあるので潔癖気味の人によってはユニットはきついです。
とにかく家賃が安い物件が良いという人は必然的にユニットバスのアパートになると思います。

日当たりの良さ
以前まで日当たりを重視して物件探しをしたことはありませんでしたが、たまたま日当たりの悪い物件に住んでしまった時にめちゃくちゃ後悔しました。
日当たりが悪いと洗濯物の乾きは悪くなりますし、クローゼット等の空気が循環しない場所にカビが生えやすくなります。
布団等の毛布類は常に湿っているような感じがしますし、なにより生活していて気分が悪くるというか気が滅入るようになります。
「社会人だし普段あまり家にいないから日当たりなんて気にしない」って考えの人もたまにいますが、日当たりは自分がいない時間帯にも部屋に影響を及ぼすものなので重要視すべき点です。
日当たりが良い必要はありませんが、全く日が当たらないような物件は避けるべき。

駅からの距離
住宅情報サイト『HOME’S』を運営する株式会社ネクストが720名を対象に「マイホームを購入して後悔していること(周辺環境に関する不満ランキング)」を調査したところ第1位は「駅からの距離が遠い」という結果となっています。
賃貸とマイホームでは永住するかといった違いがありますが、やはり妥協できない条件の一つで僕は基本的に徒歩10分以内の物件を探すようにしています。
時間 | 体感 |
---|---|
徒歩1分 | ストレスフリー |
徒歩5分 | かなり近いと感じる |
徒歩10分 | 人によっては遠いと感じる(自転車を使う人も) |
徒歩15分 | 遠い。自転車を使わないと辛い |
徒歩20分 | かなり遠い。歩きだと苦痛に感じるレベル |
遠くても徒歩15分がギリギリのラインで20分かかると雨の日や風の強い日等が苦痛になります。
滅多に駅を利用しないという人ならいいかもしれませんが通勤・通学で駅を利用する人はこの部分は妥協すべきではないでしょうね。
疲れて帰ってきた時に駅から遠いと地獄ですし、時間がない時に駅から遠いのもネックになります。
慣れるという意見もありますが、個人的には距離は変わらないので遠ければ遠いほど不便さも増すので割とこだわるべき部分だと感じました。
「遠いなら自転車を使えば問題ない」と思っていても、雨の日や雪の日など自転車が使えない日もあるので辛いです。

スーパーの近さ
部屋探しで見逃しがちな部分ですが、実は意外と重要視している人も多く譲れない条件の中では3位にランクインしています。
スーパーは日常的にほぼ必ず利用するものなので近ければ近いほど住みやすさを感じる要因になります。
「面倒だからコンビニでいいや」と思ってコンビニ食品ばかり購入していると食費が高くなってしまいますし、自炊をする人にとってはスーパーじゃなければ買えないものも多いので必要不可欠な存在。
もちろん家から近くなくても帰り道にあればちょうど寄ることができるので良いですね。
最寄り駅の中にスーパーがあれば間違いなく便利ですが。駅周辺のスーパーというのは物価が若干高い傾向があるんで注意が必要です。
部屋探しでの妥協点
先ほどとは真逆で「部屋探しの際に妥協した条件」についての調査結果も紹介していきます。
学生、社会人で若干割合は異なりますがだいたい同じような項目に対して妥協していることがわかります。
最初は「だいたい家賃○○円ぐらい」と家賃設定を行った上で条件を決めていくわけですが、自分が希望する物件の条件というのは設定家賃+1万円ぐらいと言われています。
家賃を妥協できない場合は必ず1万円程度の何かを妥協する必要があるというわけです。
このデータを含めて僕が実際に住んでみて妥協しても問題なかった点、妥協して良かったと感じた点、あまり後悔しなかった設備についてまずは紹介していきます。
築年数
僕が条件の中でも築年数を後回しにしているのには理由があります。
その一つが家賃との兼ね合いですが、築年数が古いと相場よりも明らかに家賃が安くなるのでかなりオトクに部屋を借りることが出来ます。
さすがに築30年以上とかになってくると住むのに抵抗感はありますが、築年数が経っていても内装がキチンとリフォームされていれば新築のような綺麗さなので問題はありません。
リフォーム時に一番お金のかかる部分はキッチンとお風呂場の水回り部分。
この部分をリフォームしてくれている物件だったら築年数が経っていても問題なく住めますね。
以前築年数における虫の発生率についても調べてみましたが新築以外は対して変わりないのでやはりオトクだと思います。
お風呂の広さ
確かにお風呂が広いほうがゆっくりとすることができるので一見すると良いように思えますが、1日の時間のうちお風呂に入るのはせいぜい15分程度となります。
15分という短い時間のためにわざわざ少し高い家賃だったり他の設備を断念してまでこだわる必要はないです。
一人暮らしをしているとガス代の関係からあまり頻繁に浴槽に浸かることはできませんし、シャワーで済ませている人も多いと思います。
僕は一人暮らしを10年ほどしていますが最終的には浴槽すらいらないと感じています。シャワールームだけの物件で家賃が安いなら絶対そっちのほうが良いです。
浴槽は使わないと埃が溜まったり汚れたりするので掃除も面倒ですし、本当にお風呂に入りたいなら狭い家よりも温泉とかいったほうが良い。

コンロの数
ガスコンロには1口コンロ、2口コンロ、3口コンロとあり、料理をする人なら口数が多いほうが便利なのは間違いありません。
ただし、1口コンロだからといって料理が全くできないわけではありませんし同棲でもしていない限りは品数を多く作ることもほとんどないので優先順位としては低めです。
実際、僕が住んでいる物件は2口コンロで毎日自炊していますが両方同時に使う機会は割と少ないです。
一人暮らしならコンロの数にこだわる必要はないと思います。
ただし、キッチンが狭いと料理自体が億劫になってしまうので、せめてまな板を置くスペースがあるぐらいのキッチンを選びましょう。

部屋の広さ
僕も最初は部屋の広さを重視していましたが、実際に生活してみると一人暮らしなら意外と狭くてもなんとかなります。
一人で生活する場合、いつもいる場所というのはある程度限られてくるので6畳あれば十分だったりします。
実際僕は1日のうちほとんどがデスク近くにいて、あとはベッドが置ければ他のスペースはそこまで必要としていない生活をしています。
友人をよく呼ぶとかならまた話が変わってきますが、頻繁に人を呼ばないのであれば部屋の広さは意外と後回しで大丈夫です。
外観
人を呼ぶ前提で部屋探しをしていると外観を気にする人も多いですが、実際に生活する内装と外観は正直言って全く関係がありません。
外観が古ぼけていたり、少々汚かったとしても内装はリフォームされていて新築同様綺麗な物件も多く存在しています。
確かにちょっと古い感じに抵抗がある人は外観すらも妥協できないという感覚は理解できますが、住む上で問題になることはないので妥協すべき点です。
外観が綺麗でオシャレなほうが人に自慢しやすいですが、ほとんどは自分が生活する物件なので人に見せることを考えて部屋探しをすると何も妥協できなくなってしまいます。
セキュリティ(男性の場合)
オートロックや防犯カメラ等のセキュリティ面は女性が住むなら第一条件にも挙げられるほど重要なものですが、男性の場合は被害に遭うことはほとんどゼロに等しいのでこだわる必要はありません。
実際にオートロック物件に住んでみて思ったのが「毎回オートロックを解錠するのが面倒」とか「鍵を無くしたら入れなくなるのが怖い」というデメリットですね。
恩恵としてはエントランスで訪問者を止めることができるのでNHKとかネット回線の勧誘だとかを門前払いできる点ぐらい。
しかもオートロック物件というだけで家賃も高くなるので、そこにこだわるぐらいならもっと綺麗な部屋で好条件の物件に住むことができます。
部屋の階数
基本的に1階の方が家賃が安く、2階以上は家賃が少し高い傾向があります。
1階は虫が多かったり、防犯面を考えると妥協できないという人が多いですが個人的にはこの点は妥協しています。
1階は確かにデメリットも多いですが、階段を登らずに部屋に入れるので忘れ物をした際などはすぐに戻れて便利です。
また、引っ越しをする時や家具・家電を買った時も搬入がかなり楽なのも1階ならではの魅力です。
引っ越し業者に頼もうとしている方にとってはあまり考えなくて良い部分ですが、僕は基本的に自力で引っ越しをしたいタイプなので絶対に2階以上に住みたいとは考えていません。
女性の場合でもオートロックだったら1階でも何ら問題はないと思います。
虫の発生具合については比較するのが難しいですが、1階に住んでいてもGが発生しないこともありますし、逆に2階や3階に住んでいても虫が出る時は出るので物件次第な部分も多いような気がしています。
ちなみに「高層階に住みたい」と憧れる人はよくいますが、景色を見るのは最初の1週間程度で絶対に飽きるのであまりおすすめしません。
家賃を妥協して良い場合とは?
基本的には自分の条件に合う物件の条件は結局家賃を無理してあげることになるので家賃以外を妥協すべきです。
家賃の負担というのは生活してみると意外と大きいもので、毎月数万円という多額のお金が一気に口座からなくなるので精神的にも良くありません。
ただし、初期費用が安く済むのであればトータルのコストが抑えられるので物件によっては家賃を多少妥協しても結果的に安くなることも多いです。
例えば家賃6万円の物件を例にして初期費用の安い物件と比較してみます。
初期費用 | 物件A | 物件B |
---|---|---|
前家賃 | 60,000円 | 60,000円 |
敷金 | 60,000円 | 60,000円 |
礼金 | 60,000円 | 0円 |
仲介手数料 | 66,000円 | 0円 |
火災保険料 | 15,000円 | 15,000円 |
鍵交換費用 | 15,000円 | 15,000円 |
事務手数料 | 10,000円 | 10,000円 |
合計 | 286,000円 | 160,000円 |
同じ家賃でも礼金・仲介手数料が無料になるだけで126,000円も安くなる計算です。
仮に2年間住む前提とすれば家賃を5,250円あげてもトータルのコストは変わりません。
つまり、この計算では家賃65,250円のところに住んでも6万円のところに住んでも初期費用を抑えることができれば同じということです。
5,000円ほど家賃をあげれば設備もグレードをあげることができますし、妥協せずに部屋探しをすることができます。
意外と初期費用を抑えることは注目せずに家賃だけ設定する人も多いので、常にトータルコストの計算をしてみるのがおすすめです。

絶対に妥協できない条件を3つ挙げてみよう
今回は個人的に妥協できない部分と妥協すべき部分についてご紹介しましたが、やはりこの部分は人によって違うと思います。
部屋を探す前や不動産に行く前に必ず自分で条件を決めておくようにしましょう。
条件が多すぎても結局部屋決めできなくなるので最低3つ譲れない条件を決めておくと良いです。
- 家賃6万円以下
- 徒歩10分
- 鉄筋コンクリート造
あまり考えずに不動産屋に行くとどの物件も良いと思えませんし決め手がなくなるので部屋を決めることができません。
譲れない条件が多すぎて困っているという人は自分の条件をランク付けして妥協点を見つけるようにしてください。
部屋決めの鍵を握っているのはやはり家賃ですが、数千円なら家賃交渉という手段があるのであきらめないように。

部屋探しを効率的に行うコツ
条件が多いということは利用する不動産の物件数が多くなければ条件に合う物件は少なくなってしまいます。
一方、スーモやホームズは膨大な物件数を誇りますがおとり物件が多かったりすでに成約済みになっているような物件まで掲載されているので部屋探しとしてはあまり効率的ではありません。
個人的におすすめなのはイエプラというアプリです。
イエプラは部屋を探してもらう系のサービスですが、チャットで条件を伝えることができるので「スーパーが近い物件」や「築年数が古くてもリノベーション済みの物件」など細かい条件を指定することが可能です。
店舗で探してもらうようなことが自宅にいながら可能で、なおかつ物件数は500万件前後とスーモやホームズと同程度。
効率的に探したい人にとってはかなり使い勝手が良いのでおすすめです。