プロパンガスは絶対にやめとけ!4年間の一人暮らしで感じたデメリット

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「プロパンガスの物件は高いからやめといたほうがいい」とか「絶対に都市ガスの方がいい」といったことを聞いたことはありませんか?

都市ガス、プロパンガスというのは物件に使われるガスの種類のことで、この2種類のどこらかになるかは自分で決めることはできず、最初から物件ごとに決まっています。

デメリットが多いと言われるプロパンガス物件に4年以上一人暮らしをして感じたデメリットについてまとめてみましたので住むか迷っている方は参考にしてみてください!

プロパンガス物件に住んだ時の実際の料金公開

1年間プロパンガス物件に住んだ実際のガス料金がこちらです。

基本料金が2,035円とちょっと高いですが、比較的ガス代には気を遣って生活していました。

プロパンガス年間使用量(一人暮らし)
料金
1月4,930円
2月5,546円
3月5,299円
4月5,238円
5月5,176円
6月3,759円
7月3,451円
8月3,513円
9月3,636円
10月4,191円
11月4,437円
12月5,792円

夏場は比較的安いですが、冬場になるとだんだん料金が高くなっています。

ガスは料理を作るときとシャワーを浴びたりお風呂に入るときに水をお湯に変える際に使用します。

冬場の場合、冷たい水を温かいお湯にするのにかなりエネルギーを消費するため料金も跳ね上がる傾向があります。

プロパンガス物件は高いというのは知っていたので、湯船には月1回程度でシャワーを浴びる時間も1回あたり10分程度と短かったのにこの金額です。

いくら節約しても基本料金の高さが値段に直結しているような印象を受けます。

ちなみにこの料金は都市ガスで同棲した際のガス代より高かったです。

プロパンガスは絶対にやめとけ!4年間住んで感じたデメリット

個人的にもネットの意見としてもプロパンガスは絶対にやめたほうがいいです。

項目都市ガスプロパンガス
料金安い高い
(約1.5倍~2倍)
料金区分公共料金自由料金
火力弱い強い
熱量約11,000kcal約24,000kcal
原料メタン天然ガスプロパン・ブタン液体石油ガス
重さ空気より軽い空気より重い
保証金なしあり
立会いありあり

理由については主に料金面ですが、他にもいくつかプロパンガスが故のデメリットについてまとめてみました。

料金単価が高い

2023年9月の東京ガス都市ガス料金単価と一般社団法人プロパンガス消費者協会によるプロパンガスの料金単価について比較してみました。(東京都の場合)

項目都市ガスプロパンガス
基本料金約759円約1,855円
1㎥あたり約144円約689円
5㎥使用時約720円約3,445円
1ヶ月の目安合計約2,343円約5,300円
計算方式:熱量差により都市ガスを(1㎥×約2.2倍)で計算

これを見ると一目瞭然で、プロパンガスは都市ガスに比べて料金が2倍以上高いことがお分かりいただけると思います。

ガス単価もさることながら基本料金が都市ガスの2倍以上という高さもプロパンガスがやめとけと言われる点。

「あまり使わないようにして安く済ませよう」と考えたところで必ず都市ガスよりも高くなってしまうわけです。

ガスは料理とお風呂で水をお湯に変える時に使用されるので、生活している以上は必ず使うものですし、安く済ませたくても難しいのが現状。

20円~30円程度の違いならまだしも1,000円単位で値段が違ってくるので毎月の出費としては痛手です。

プロパンガスに住むなら家賃2,000円~3,000円高い都市ガス物件に住むのとトータルコストは変わりません。

使用時に保証金を支払わなければならない

都市ガスの場合は保証金が必要ありませんが、プロパンガスの場合は利用時にガス会社に5,000円~1万円程度の保証金を支払う必要があります。

保証金というのはプロパンガス会社が行っている未払い金の対策です。

仮に入居者がガスを未払いする場合は保証金からガスの使用料金がそのまま引かれます。

利用者が未払いでそのまま転居してしまうと追うことができず、そのまま料金を踏み倒されることになってしまうので保証金という制度を設けています。

未払いしなければ退去時に返金されるお金なので正確にはデメリットではないですが、引っ越したばかりで手持ちに余裕がない時に1万円を払うのがしんどいという人も多いと思います。

よくわからずいきなり保証金が発生するので払いたくない人も多いはず。

保証金を渡す際に預かり書を渡されますが、なくしてしまうと返金されなくなるためしっかりと保管しておく必要があります。

火力が特別強いわけでもない

よく言われているのが「プロパンガスは都市ガスより高いけど、その分火力も2倍あるからお湯をすぐに沸かせる」という話。

実はこの話は正確ではありません。

確かにガス自体は熱量が2.2倍ありますが、賃貸物件の場合、それを出力するホースの規格はどちらも同じなので、都市ガスと同じ火力しか出ないのが実際のところ。

中華料理店とかだと規格の制限がないので一度に大火力を出すためにプロパンガスが使用されていますが、賃貸物件は違いが出ないようにコンロが調節してしまっているというわけです。

例えるなら都市ガスが本気を出しているのにプロパンガスは半分の力しか出していないけど同じ火力ということです。

使用する熱量を抑えられるので料金としては安くなるものの、それでも実際に比較するとプロパンガスのほうが高くなってしまうのです。

湯船に浸かるのが躊躇われる

僕がプロパンガス物件で生活していて感じたデメリットの1つです。

お風呂を沸かす(200L)都市ガスプロパンガス
ガス代約52円約98円
水道代約40円約40円
合計約96円約138円

料理を作る時よりもお風呂に入る時のほうがガスの消費量は多くなると言われているため、長風呂だったり湯船のお湯を張ると金額はかなり高くなってしまうのがプロパンガスの嫌なところ。

せっかく追い焚き機能+自動でお湯を沸かせるタイプの物件なのに、毎日そんなお湯を張った生活をしていると簡単に料金が1万円ぐらいかかってしまうので、節約するために我慢していました。

お風呂が良い設備でもプロパンガスというだけで生活に制限がかかってしまうのはデメリットだと思います。

利用するガス会社によって単価が異なる

プロパンガスは利用するガス会社によって基本料金もガス使用に対する料金単価も異なります。

基本的には自分で自由に選ぶことができますが、どのガス会社が安いのか調べるのは大変で、プロパンガスは総じて基本料金が高いのもネックな点です。

わざわざ1つ1つ自分で調べていくのは大変ですし、都市ガスのようにかなり安くなるわけでもないので労力の割に合わないような気がします。

契約するまで料金目安がわからないことも多い

大手のガス会社であれば料金表を公開しているので基本料金がいくらかかるのか、単価はいくらなのかを見ることができますが、プロパンガスのような地域のガス会社はホームページすらないような小さい規模のところも多いため、契約するまで料金表の確認ができないことも多いです。

「契約してみたら相場よりも高かった」なんてこともよくある話です。

どうしても確認したい場合は直接電話するしかなさそうですが、地味に面倒。

実際、僕が契約しているガス会社も基本料金が相場より高いことを請求がきて初めて知ったぐらいです。

基本的にガス会社の変更ができない

プロパンガスは自由化のおかげで消費者が自由にガス会社を選ぶことができますが、実は賃貸物件のほとんどはガス会社を自分で選ぶことができません。

プロパンガス供給に必要な設備であるガス管ですが、同じ建物内であれば、たとえ複数の世帯が住んでいたとしても、世帯ごとに違うガス管があるわけではなく、建物に住んでいるすべての人が同じガス管を共有することになります。同じものををみんなで使っているので、「この家のガス管は○○社、その隣の家のガス管は△△社」という風に、複数の会社で管理をするのが物理的に困難なのです。

参照:selectra

集合住宅だと配管が1つでガスを各部屋に供給する形になるため【101号室でA会社のガス】【102号室ではB会社のガス】と分配することができないのです。

また、ガス会社の変更の決定権というのはオーナーである大家にあります。

変更=全ての部屋のガス会社が変わるということなので1個人でどうにかすることができません。

ただし分譲賃貸ような物件ごとに違うオーナーがいる場合はそれぞれ独立して契約が可能なので、ガス会社の変更ができる可能性は高いです。

プロパンガスの料金が高い理由

ガス運搬のコストがかかるため

都市ガスの場合は地下に埋め込まれている配管を通して物件へガスを供給しています。

一方、プロパンガスというのはおおきなガスボンベを手作業によって物件に設置して使用しているので、運搬コストだったり人件費が上乗せされているため料金単価も高くなってしまっているのが現状です。

仕組みそのものに上乗せコストがかかっているため、今後何年かかったとしてもプロパンガスはずっと高い料金のままというわけです。

料金を比較しにくいため

プロパンガスは自由化なので自分で好きなガス会社を選ぶことができますが、都市ガスと違って会社の数もかなり多いのが特徴です。

しっかりと料金を表示している大手から、ホームページすら持たないような小さなガス会社まで様々あり、必ずしも料金が公表されているわけではありません。

つまり、知らない間に高いガス会社で契約してしまっていて、比較しにくいせいで他と比べて高いかどうかがわかりづらくなってしまっているのも競争力に影響を与えています

プロパンガス=高いものという認識があるせいで、料金を安くしているガス会社があっても規模が小さければ目に止まらないですし、自由化自体を知らない人も多いので選ばれないので大手ガス会社が価格が当たり前になっていることも。

プロパンガスのメリット

料金が高いってだけで正直選びたくはないですし、都市ガスのほうが優れているのは身をもって体験していますが一応メリットもあるのでまとめてみました。

プロパンガスのメリット
  • 災害時の復旧が早い
  • 未払いになっても保証金のおかげで急に供給停止されることがない

日常的に恩恵を感じることはありません。

ガスが独立しているおかげで災害時にすぐに使用できたり、保証金のおかげでお金がなくなって未払いでも一定期間は使えたりするのが良さです。

本当にそのぐらいしかメリットはありません。

プロパンガスでも後悔しにくい場合の特徴

プロパンガスには大したメリットがなく、同じ条件であれば間違いなく都市ガスのほうが良いです。

ただし、人によってはそれほど後悔せずに生活できることもあるため、特徴についてもまとめてみました。

『良い条件だとプロパンガスだから迷っている』という人は参考にしてみてください。

シャワーしか浴びない

プロパンガスは使わなくても基本料金が高く、使えば1㎥あたりの単価が高いため料金も高くなりますが、どちらかと言えば使わないほうが都市ガスとの差は小さくなります。

ガス代を最も多く使うお風呂の時間が短い人は後悔しにくいです。

湯舟に浸からない人やシャワーのみの数分で済ませる人にとっては料金もそれほど高くならずに済みます。

迷っている物件より家賃が3,000円以上安い

一人暮らしで迷っている物件よりも家賃が3,000円以上安いのであれば、よほどガス使用量が増えない限り損をするということはありません。

物件の条件によってはプロパンガスのお部屋のほうが快適に過ごせる場合もあるため、家賃が安いのであれば検討の余地があります。

ただし家賃1,000円ほどの違いで同条件であれば都市ガス物件のほうがどんな状態でもトータルコストは安くなるので注意しましょう。

相場よりも基本料金や単価が安い

上記で紹介したプロパンガスと都市ガスの料金差は、あくまで相場通りに計算した場合のものです。

相場よりも圧倒的に基本料金が安く、ガス単価も安いのであれば使用していてもそれほど高くつきません。

プロパンガスの料金相場は住む地域によっても違いがあるため『プロパンガス料金消費者協会』等で適正かどうかの確認を行いましょう。

内見時に『利用しているプロパンガスの会社を教えてほしい』と言えば担当者が調べてくれるので、契約前に知ることも可能です。

まとめ

MEMO
  • プロパンガスは都市ガスに比べて2倍以上料金が高い
  • 料金が高いせいで湯船に浸かりづらくなったりガスを使用しにくくなる
  • メリットは災害時の復旧の早さぐらい
  • 一人暮らしだと都市ガスと2,000円~3,000円程度差が出る
  • 冬場に長風呂すると平気で1万円以上かかることも

基本的には料金の高さが一番のデメリットとなります。

プロパンガスだと絶対に高くなってしまうのでお湯に浸かりたくても我慢したり、煮込み料理を控えたりとか生活を制限しなければならないのが個人的にはかなり嫌な点だと思いました。

お風呂が好きな人とか自炊する人にとってはかなり差が出る部分なので妥協せずに都市ガス物件を探した方がいいと思います。

季節によって差はありますが、最低でも月2,000円前後の違いが出るのでプロパンガス物件で条件の良さそうな物件を見つけた時には「家賃を2,000円~3,000円あげて同条件の都市ガス物件が見つかるか」検索してみたほうがいいです。

『シャワーしか浴びない』『自炊しない』のであればプロパンガスでもデメリットは少ないので選択肢としてありでしょう。