一人暮らしはIHとガスコンロどっちがいい?ガス代・電気代を徹底比較

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一人暮らしのキッチンは最近だとIHクッキングヒーターを設備しているところも増えてきています。

ガスコンロとIHの違いはわかるけど生活する上でどっちの方が便利なのか、電気代はどっちの方が安いのか気になる方も多いと思います!

今回は『都市ガス』『プロパンガス』『IHコンロ』それぞれの料金を徹底比較していき、どれがいいのか紹介していきます。

一人暮らしならIHよりもガスのほうがおすすめ

一人暮らしで最も重要なのは使い勝手の良さよりも料金の安さです。

結論から言えば電気代の安さを考えると一人暮らしに最もおすすめなのはIHではなく都市ガスです。

ガスには【都市ガス】と【プロパンガス】の2種類があり、それぞれ料金は異なります。

また、電気を使用するIHの場合は電気料金の単価に段階があったり、正確な料金比較を算出するのは難しいのですが、数字上では意外とIHは割高。

それぞれ1時間使用した料金がこちら。

1時間あたりの料金都市ガスプロパンガスIH
強火
(2.97kW)
約34.5円約66.9円約72.0円
中火
(1.68kW)
約19.5円約37.8円約36.0円
弱火
(0.38kW)
約4.4円約8.6円約7.2円
※都市ガス:東京ガス2024年1月時点の基準単位料金145.31より計算 ※2プロパンガス:一般社団法人プロパンガス消費者協会より東京都の619円で計算 ※3IH:東京電力2段階料金より計算

都市ガス>>IH>プロパンガスという順番となっていて、IHは都市ガスよりは高いもののプロパンガスよりはやや安いという結果になりました。

IHの場合はガスよりも火力が低い点も関係あります。

1時間強火で使い続けることなんてないためあくまで数字上の話ですが、弱火でことこと煮込むことは料理好きならよくあることなので参考にしてみてください。

都市ガス

都市ガスは3つのうちでは圧倒的に金額が安く、料理好きだったりお風呂に浸かりたい人にとっては条件を設定してでもつけたい設備です。

料金計算方法は以下。

【計算式】出力(kW)×3.6MJ/h×時間(h)÷ガスの発熱量(MJ/㎥)×ガス料金(円/㎥)

ガスの発熱量は45MJ/㎡でガス料金単価は145.31円/㎡で計算しています。

【都市ガス】

【強火】2.97(kW)×3.6MJ/h×1(h)÷45(MJ/㎥)×145.31(円/㎥)=約34.5円

【中火】1.68(kW)×3.6MJ/h×1(h)÷45(MJ/㎥)×145.31(円/㎥)=約19.5円

【弱火】0.38(kW)×3.6MJ/h×1(h)÷45(MJ/㎥)×145.31(円/㎥)=約 4.4円

都市ガスは2024年1月時点の東京ガスの公式ページに算出されている数字を参考にしています。

ただし、都市ガスというのはその名の通り東京や大阪近郊などの都心部にしかありません。

地方だとキレイな物件でもプロパンガスやIHが主流になっているので使いたくても使えないという可能性も高いのが難点です。

また、都市ガスにしたくても条件に合う物件がすべてプロパンガスということも少なくありません。

僕が住んでいるマンションもプロパンガスが採用されています。

プロパンガス

プロパンガスはIHよりもやや割安なものの、都市ガスと比較するとかなり料金的には高いです。

計算方法は以下。

【計算式】出力(kW)×3.6MJ/h×時間(h)÷ガスの発熱量(MJ/㎥)×ガス料金(円/㎥)

プロパンガスの場合の発熱量は99MJ/㎡でガス料金単価は619円/㎡として計算していきます。

【プロパンガス】

【強火】2.97(kW)×3.6MJ/h×1(h)÷99(MJ/㎥)×619(円/㎥)=約66.9円

【中火】1.68(kW)×3.6MJ/h×1(h)÷99(MJ/㎥)×619(円/㎥)=約37.8円

【弱火】0.38(kW)×3.6MJ/h×1(h)÷99(MJ/㎥)×619(円/㎥)=約8.6円

プロパンガスの料金単価は一般社団法人プロパンガス消費者協会による2024年1月時点の東京都の単価で計算しています。

単純な火力だけで言えばプロパンガスのほうが都市ガスより約2.2倍の熱量があるので高火力なのはプロパンガスです。

ただし、火力が強いからといってプロパンガスのほうがお湯を早く沸かせられるわけでも、調理がしやすいわけでもありません。

都市ガスはプロパンガスと同じ火力を出すためにガスを噴出するノズル部分が大きくなっています。

逆にプロパンガスは火力が出過ぎるので調節するために一度に噴出するガスのノズル部分は小さくなっています。

このため都市ガスでもプロパンガスでも家庭用ガスコンロでの火力は同程度になってしまっています。

また、プロパンガスの場合は利用時にガス会社に5,000円~1万円程度の保証金を支払う必要があります。

この保証金というのはプロパンガス会社が行っている未払い金の対策です。

プロパンガス物件で一人暮らしした際のガス料金をまとめているので合わせて参考にしてみてください。

IHクッキングヒーター

IHはガスに比べて火力が低いものの、熱効率が良いので実質的には低火力でも同じ速度で熱を伝えることが可能です。

火力が低いと言っても強火の場合は2000Wほど消費するので、契約ワット数によってはエアコンや電子レンジと併用するとブレーカーが落ちるといったリスクもあります。

ただしガスコンロと違って平面なのでキッチン部分が狭い一人暮らし用物件の場合は一時的なまな板置き場として利用できたり、掃除がしやすいという面もあります。

IHはガスではなく電気代なので計算方法も異なります。

【計算式】消費電力(kW) × 使用時間(h) × 電力量料金 = 電気代

電気料金には使用している会社や契約方法によって違いが出てくるので今回は2024年1月時点で東京電力に掲載されている2段階料金単価36円/kWhを参考にさせていただきました。

料金単価は3段階に分かれていて約30円~40円とふり幅も多いのであくまで目安程度に。

【IHクッキングヒーター】

【強火】2.0(kW) × 1(h) × 36 (円)=約72.0円

【中火】1.0(kW) × 1(h) × 36 (円)=約36.0円

【弱火】0.2(kW) × 1(h) × 36 (円)=約7.2円

プロパンガスよりも安いものの、電気料金は段階的に単価が高くなる仕組みです。

1段階料金、2段階料金、3段階料金となっていて電気を使えば使うほど単価も高くなるため、場合によってはプロパンガスよりも高い可能性もあります。

ガスコンロ物件に住んで感じたメリットとデメリット

今まで住んだ物件のほとんどはガスコンロを設置するタイプの物件で、今現在住んでいるところもガスコンロタイプです。

使用感についてまとめてみました。

ガスコンロのメリット

メリット
  • 電気に干渉しないのでブレーカーが落ちない
  • 火力が高いので料理しやすい
  • 火加減を細かく調節することが可能
  • フライパンが振れる・傾けられる

ガスコンロで料理する一番のメリットは火元からフライパンを離しても熱が伝わるのでフライパンを振ったり、何かと料理しやすいことが挙げられます。

例えばチャーハンなどの炒め物はフライパンを振ることで均一に素早く味を調えられますし、一人暮らしだと揚げ物をする時もフライパンを傾けることで少ない油で揚げることが可能。

ハンバーグのタレを作るときにも傾けますし、料理って意外とフライパンを傾けたり振ったりする機会は多いのでやりやすい。

また、契約した電気のワット数が低いとブレーカーがすぐに落ちてしまいますが、ガスを使用しているのでエアコンが付いていたり、ヒーターを付けていても電気が落ちる心配がありません。

実際に生活する上で感じたメリットは正直そんな多くないです。

ガスコンロは昔から当たり前のように使われているのでIHを一度使わないとガスコンロの良さには気付きにくいと思います。

ガスコンロのデメリット

デメリット
  • キッチンが暑くなりやすいので夏場は地獄
  • 掃除がしにくい
  • 火事のリスクが高い
  • うっかりガスコンロからフライパンを落とすことがある

デメリットはいくつか感じました。まず、火を使うのでキッチン周りが暑くなりやすいことです。

冬場は逆にありがたいですが、夏場は一気に地獄と化します。

特に調理時間がない料理なんて作ると汗をかきながら料理する羽目になるのが難点の1つ。

それとガスコンロタイプは掃除がしにくいという点もあります。

凸凹しているので油や食べ物のカスを拭き取ろうとしても時間がかかりますし、隙間があるせいでゴミが隙間に入り込んで取れないということも頻繁に起こります。

火を使っているせいで火事になりやすいというのもデメリットの1つ。近くにキッチンペーパーや布製品を置いていたせいで引火したり、栓の閉め忘れでガス漏れのリスクもあります。

一人暮らし用の物件だとキッチン自体が狭かったりするのでガスコンロ周りに調味料等の物を置けないのは地味にデメリットです。

他に置き場所を確保する必要が出てきますからね。

IH物件に住んで感じたメリットとデメリット

過去に1件だけIHを常設している物件に住んだことがあるので、その時に感じたメリットとデメリットについてご紹介していきます。

IHのメリット

メリット
  • 掃除がしやすい
  • キッチンが狭くても工夫して料理しやすい
  • 火力を段階的に調節することが可能
  • 周辺が暑くなりにくい

ガスコンロとは違い凹凸の少ないIHクッキングヒーターは掃除が非常にしやすいです。ほんと台拭きでささっと拭くだけで綺麗な状態を簡単に保つことができるので綺麗好きな人にとってはかなり大きなメリット。

また、一人暮らし用の物件ってキッチンが狭くてまな板すら置けない場合がよくありますが、IHを採用しているならIHの上にまな板を置いて炒める前の調理を済ませることができます。

IHの物件に住んでいる人がよくやる方法ですが、まな板置き場代わりとして使えるのも地味に大きいなと感じました。

まな板置き場がないような物件でIHを採用している理由の1つに「一時的なまな板置き場として利用して」という意味が込められているような気がします。

それと揚げ物をする時の油は「220℃で揚げる」など細かい調節が必要で、これはIHじゃないとできないな、と感じました。

段階に分けて細かく調節できるIHは揚げ物をする時にかなり使い勝手の良さを感じます。

IHのデメリット

デメリット
  • ブレーカーが落ちることがある
  • 対応している調理器具を買う必要がある
  • 点灯しているのに気付かずにやけどする可能性がある

ガスではなく電気を利用しているため、例えばエアコンをつけて電子レンジを使いつつ、調理しようとすると契約アンペア数の低い部屋ならそれだけでブレーカーが落ちます。

先ほども紹介したようにIHは地味に電気代が高いのでそれだけ電力を消費してしまうということ。

僕が住んでいた物件はオール電化だったせいもあり、頻繁にブレーカーが落ちて大変でした。調理する時はエアコンを消したり、給湯器を消したりしてかなり面倒に感じました。

また、IHの場合はそれに対応している調理器具を揃える必要があるので初めての一人暮らしならまだしも、ガスからIH物件に引っ越す人は一から揃えなきゃいけないので無駄にお金を使ってしまいます。

ガスの場合は付いていればすぐにわかりますが、IHは表面が熱くなっていてもわかりづらいので、気づかずに触れてやけどする可能性も高いです。

料理し終わったから安心して触ってみたら、まだ熱くてやけどしたことが何回かあります。

どのぐらいで冷めるのかは経験しないとわかりません。

結局IHとガスコンロどっちがいいの?

都市ガスなら料金的に見ても間違いなくガスコンロの方がお得ですが、プロパンガスとIHを比較すると料金はそれほど大きな違いはありません。

ガスコンロ使用がおすすめな人

個人的にはガスを使って調理した方が料理している感があって好きですが、これはほんと好みが分かれる部分で人によってはIHの方が使い勝手が良いという人も多いと思います。

【ガスコンロがおすすめな人】

  • 料理好きの人(フライパンを振ることができるため)
  • 料金を安くしたい人(IHのほうが単価が高いため)
  • 契約ワット数が低い人
  • 実家がガスコンロだった人

フライパンを振ったりできますし、都市ガスの料金はかなり安いので基本的にはガスコンロのほうがおすすめです。

火加減を目で見て確認できるので料理に慣れている人なら非常にわかりやすいですし、感覚的にごはんを作ることができます。

ただ、その一方でコンロ回りは汚れやすく凹凸があるせいで掃除しにくいのが難点です。

IH使用がおすすめの人

【IHがおすすめの人】

  • 安全性を求めたい人
  • キッチンが狭い物件(まな板置き場として使える)
  • 料理は二の次の人
  • IH専用のフライパンや鍋を持っている人

IHは初めて料理する人にとってはボタンでどの程度の火加減なのかを調節できるのでおすすめです。

揚げ物などの温度調節が肝心な料理ではIHよりも正確に調節することはできない点も魅力な理由。

ただし、ガスコンロと比較すると高火力が出るのは電気ではなくガスなので、一度に大量のものを短時間で炒めたいときには若干やりにくさを感じます。

また、IHの物件からガスコンロ設置の物件に引っ越すのはありですが、逆にガスコンロからIHの物件に引っ越すのは調理器具を買い替える必要が出てきてしまうので、それを踏まえるとガスコンロの方が無難なのかな、と感じます。

「絶対にIHはやめとけ」とか「ガスコンロは避けるべき」ってほどでもないので、それで物件を判断する必要はないかと思います。

料金的に見るなら都市ガスがかなり安いので料理好きなら都市ガス一択。

ガスコンロの代わりにIHは設置可能?

「ガスはガス漏れの心配がある」とか「コンロ周りが汚れるのが嫌」という理由でIHを好む人もいます。

もちろんガスコンロの代わりにIHを自分で設置することは可能ですが、ビルトインタイプ(埋め込み式)とは違い、据え置き型になるので下手に安価なものを購入してしまうと火力不足になってしまう可能性もあります。

ビルトインタイプは200Vの電圧によってある程度の火力がでますが、据え置き型で安価なものは100V以下のものも多いのでその分火力が出にくいというわけです。

IHを自分で選ぶ時は「電源工事不要か」「火力は最低限出るのか」を基準に選びましょう。

工事が必要なIHは賃貸では使用することができません。

ちなみにIH物件からガスコンロに変えたい場合もガスが通っているなら使用可能です。しかし、オール電化のようにガスを一切使っていないような物件だといくらガスコンロを買ってもガスを供給できないため使えません。

IHが備え付けられている場合キッチンにガスが供給されていない可能性が高いので、現実的にはカセットコンロのようなものを使用する他ありません。

購入前にしっかりと確かめておかないと無駄な出費をすることになるので気を付けてください。

まとめ

MEMO
  • 一人暮らしなら都市ガスが圧倒的におすすめ(金額が安い)
  • 料理好きならガスのほうが使い勝手が良い
  • IHは平面なので狭いキッチンでもまな板置き場などに使いやすい
  • IHは専用のフライパンや鍋を購入する必要がある

少しでも料理をするのであればガスを選んでおけば間違いありませんが、IHとプロパンガスを比較すると料金的な差はそれほど大きくないのでどっちを選んでも良いと思います。

ただ、IHのほうが使い勝手としては悪いので後悔が少ないのはガスコンロタイプ。

IHは専用のフライパンや鍋を必要とするため、初めての一人暮らしならともかく2回目や3回目の引っ越しで選ぶ部屋だと後悔しやすいです。

キッチン用品を買え替える必要が出てきますからね。

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