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普段あまり気にすることもない換気扇ですが、換気扇は空気の入れ替えを行ったりするだけじゃなく、カビ予防や虫予防にもなるので24時間つけっぱなしにしている方も多いと思います。
ただ換気扇をつけっぱなしにしているということは常時電気代がかかっている状態です。
さらに、最近では電気単価も高くなっているため以前と同じような料金ではなくなっています。
今回は換気扇をつけたときの電気代を最近の電気単価(2023年11月時点)をもとに計算し、一人暮らしは換気扇を回しっぱなしにしておいたほうが良いのか調査してみました。
目次
換気扇を24時間フルに使った1ヶ月の電気料金
賃貸物件に備え付けられている換気扇は1つではありません。
キッチンの換気扇はもちろんお風呂場やトイレにも備え付けられています。
場所ごとに換気扇の電力は微妙に異なるので仮に24時間・1ヶ月つけっぱなしにした場合にかかる料金をまとめてみました。
- レンジフード(キッチン):タカラスタンダードVMR-MQ
- お風呂場:マックス社BS-132EHAシリーズ(24時間換気機能付浴室暖房・換気・乾燥機)
- トイレ:Panasonic・FY-17C8(埋め込み式)
場所 | 消費電力 | 1時間あたり | 1ヶ月あたり |
---|---|---|---|
レンジフード (キッチン) | 弱34W 中52W 強94W | 弱1.02円 中1.56円 強2.82円 | 弱734円 中1,123円 強2,030円 |
お風呂場 | 3.5~8W (24時間換気) 15.5W (標準換気) | 0.11円~0.24円 (24時間換気) 0.47円 (標準換気) | 79円~173円 (24時間換気) 338円 (標準換気) |
トイレ | 7.6W | 0.23円 | 166円 |
以前までは1kWh=26円前後が標準的な電気代となっていましたが、2023年からぐんぐんと電気代も高くなっているため換気扇を回しっぱなしにしていた場合の電気代も高くなっています。
お風呂場やトイレの電気代は1ヶ月つけっぱなしにしていたとしても数百円程度で済みますが、キッチンの換気扇は消費電力も高いため料金も千円を超えることがあります。
すべての換気扇を24時間回しっぱなしにした場合、一人暮らしのお部屋では安くても1,000円前後の料金がかかってしまいます。
加えて基本料金+その他の電気代が加算されるため、平均的な費用よりも高くつく可能性があります。
毎月1,000円が固定費と考えると高いような気がしますが、元々のワット数自体はかなり低いです。
物件によっては24時間換気システムを導入していて自動的につけっぱなしになっている場合もあります。
キッチンの換気扇
キッチンの換気扇は部屋の中で最も電力を消費する部分です。
プロペラの形をした『プロペラファン』や長さの短いファンが多数ついている『シロッコファン』があり、築浅の物件では主にシロッコファンのレンジフードが採用されています。
プロペラファン | シロッコファン | |
---|---|---|
消費電力 | 18W | 弱34W 中52W 強94W |
1時間の電気代 | 0.54円 | 弱1.02円 中1.56円 強2.82円 |
1日の電気代 | 13.0円 | 弱24.5円 中37.4円 強67.7円 |
1ヶ月の電気代 | 388.8円 | 弱734円 中1,123円 強2,030円 |
- シロッコファン:タカラスタンダードVMR-MQ
- プロペラファン:Panasonic・FY-25P5
料理の匂いが部屋にこもらないようにするため大きめのファンがついているので自然と電気代は高くなってしまいます。
キッチンの換気扇をつけっぱなしにしておくことで料理の匂いがこもるのを防ぐだけではなく、流しに溜まった食器や生ごみの臭い、排水溝の汚れによる臭いもある程度防ぐことができます。
換気扇を止めるとわかりますが、キッチンは綺麗にしていても臭いが停滞するので全くの無臭を維持するのは引っ越したばかりの頃ぐらいです。
また、換気扇を回しておくことで水滴などもある程度蒸発させることができます。
浴室の換気扇
浴室の換気扇は以前までは直接屋外へ排出するタイプのプロペラファンが主流でしたが、最近の賃貸物件では埋め込み式のプロペラファンや浴室乾燥機に備え付けられているシロッコファンが主流となっています。
プロペラファン | シロッコファン (浴室乾燥機兼用) | |
---|---|---|
消費電力 | 13W | 3.5~8W (24時間換気) 15.5W (標準換気) |
1時間の電気代 | 0.39円 | 0.11円~0.24円 (24時間換気) 0.47円 (標準換気) |
1日の電気代 | 9.36円 | 0.11円~0.24円 (24時間換気) 0.47円 (標準換気) |
1ヶ月の電気代 | 280.8円 | 79円~173円 (24時間換気) 338円 (標準換気) |
- シロッコファン:マックス社BS-132EHAシリーズ(24時間換気機能付浴室暖房・換気・乾燥機)
- プロペラファン:Panasonic・FY-20BAA2
浴室の換気扇はカビ対策が主な目的。
カビの種類 | 特徴 | 主な生息場所 |
---|---|---|
赤カビ | 水のみで繁殖可能 | シンク・浴槽・洗面所 |
黒カビ | ホコリ等の汚れ・皮脂や石鹸カスが餌 | 風呂場の隅・窓・洗面所・壁紙 |
青カビ | 空気中に多く浮遊している | 柑橘類やパンなどの食べ物やクローゼット |
白カビ | 軽くて毒を持つこともある | 押入れ・クローゼット・観葉植物 |
緑カビ | 木材の劣化や腐敗を引き起こす | 畳や木材 |
黄カビ | 比較的乾燥に強いカビ | 糖分や塩分の高い食品・カメラのフィルム等 |
これらのカビはすべて温度や湿度に影響を受けることで繁殖しています。
お風呂上がりはどうしても浴室に水分が残ってしまいますし、一人暮らしだと窓がついていること自体少ないので自然乾燥しようとしても時間がかかってしまいます。
その結果浴室によく発生するぴんくカビの原因になったり、ゴムパッキンや溝に黒カビが発生してしまうというわけです。
換気扇を回していても完全に防ぐことはできませんが蒸発を早めてくれるので使用後はかならず回すべきですね。
ちなみに冬場はつけっぱなしにしておくとシャワーを浴びていても浴室の温度があまりあがらず、空気の循環によって「寒い」と感じてしまうので使用直後に回すのがおすすめです。
トイレの換気扇
トイレの換気扇は部屋の中では最も小さいファンとなっているので電気代も一時間あたりわずか数ワットと非常に小さいのが特徴。
トイレの換気扇には壁上部にパイプを通した『パイプファン』とダクトを通して排気される仕組みの『ダクトファン』の2種類があります。
パイプファン | ダクトファン | |
---|---|---|
消費電力 | 1.7W | 7.6W |
1時間の電気代 | 0.05円 | 0.23円 |
1日の電気代 | 1.23円 | 5.52円 |
1ヶ月の電気代 | 36.7円 | 166円 |
- パイプファン:Panasonic・FY-08PD9D
- ダクトファン:Panasonic・FY-17C8(埋め込み式)
パイプファンは電気代がかなり安く、常時回していたとしても1ヶ月あたり約37円前後しかかりません。
ダクトファンはパイプファンよりは高くなりますが、常時回していたとしても1ヶ月で166円前後なのでわざわざ切っておく必要もあまりないように感じます。
換気扇を回しておくことでトイレを使用した時の臭いを早く外に逃がしてくれます。
一人暮らしの物件はトイレに窓がついていないので換気扇を回さないといつまでも臭いが残ってしまうことも。
基本的には使用後や使用中にピンポイントで回せば問題ありませんが、面倒であれば常時回しておいてもデメリットはあまりありません。
24時間換気扇を付けるメリット
- 有害物質対策になる
- 部屋の嫌な臭いが防げる
- カビが発生しにくくなる
- 虫が侵入しにくくなる
有害物質対策になる
24時間換気した方が良いと言われている理由の1つが気密性の高い建物が多くなったためです。
気密性の高い建物には換気扇の注意書き部分に「24時間つけるようにしてください」などと書かれています。
気密性の高い建物というのは使用している資材から微量ですが有害な物質が分泌されています。例えばホルムアルデヒド等です。
これによって「シックスハウス症候群」になる人が増えたため2003年以降の新築住宅は24時間換気システムが義務化されたというわけです。
住宅の高気密化などが進むに従って、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康影響が指摘され、「シックハウス症候群」と呼ばれています。その症状は、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹など人によってさまざまです。
出典:厚生労働省
本当に微量なので身体に影響がでることはほとんどありませんが、換気をしていないとその有害物質が室内に蓄積してしまうということ。
つまりそこまで気密性に富んでいない一人暮らしの物件(木造アパートなど)は24時間も換気をする必要はないのですが、他にもメリットはあるのでやった方がいいかも!ということです。
部屋の嫌な臭いが防げる
普通に生活しているだけなのになぜか部屋が臭いとか、外から帰ってきた時に変な臭いがするのは空気が入れ替わっていないからです。
嫌な臭いというのは料理や排水溝だけでなく人の臭いも含まれています。特に自分の臭いって普段あまり気にならないですが換気をしないでいると布団やカーペット、カーテン等に付着して臭いが定着してしまいます。
部屋を良い匂いにしたくて芳香剤とか置いてもあまり効果がない場合にはこの換気が適切に行われていないのが原因だったりします。
カビが発生しにくくなる
換気をすることによってカビが発生するリスクを抑えることができ、空気を循環させることが出来ます。
お風呂に入れば浴室だけでなく、蒸気がキッチンや部屋まで漏れ出してしまいますし、鍋でお湯を沸かせば湿度は自然と高くなります。
また、同じ湿度でも空気が動いているかそうでないかでカビの発生率というのはかなり違います。
例えるなら風が吹いている時と無風の時どっちのほうが洗濯物が乾きやすいかを考えればわかりやすいと思います。
特に日当たりの悪い部屋だとクローゼット内部にカビが発生したり浴室やその近くの四隅にいつのまにかカビが発生することがあるので換気扇を回しておくだけでこういったものはある程度防ぐことができます。
虫が侵入しにくくなる
換気扇は虫の侵入経路となりますが、回しておくことでゴキブリやムカデなど比較的大きな害虫が侵入しづらくなります。
換気扇は当然外の通気口とつながっているので小さな虫なら簡単に侵入できてしまいます。
「一体どこから入ってきたんだ?」というような小さな虫たちは全て換気扇が侵入経路です。
しかし、換気扇を常時回しておくことによりその侵入経路を完全とはいかずともある程度ふさぐことができます。
ゴキブリの侵入経路の1つにもなっているので大きい虫は換気扇を回しておけば侵入されにくくなります。
⇒一人暮らしの虫嫌い者超必見!部屋の虫よけ対策グッズ総まとめ
24時間換気扇を付けるデメリット
- 電気代がかかる
- 花粉等が入ってくる可能性がある
- 外の空気が入ってくるので冬場は寒くなる
- 汚れ・ほこりが付着しやすくなる
- 摩耗するので劣化が早くなる
電気代がかかる
最大のデメリットは電気代がかかってしまうこと。
全ての換気扇をつけっぱなしにしておくことで1つ1つの消費電力は小さくても合わせると1ヶ月で1,000円近くかかってしまうのは結構大きいと思います。
一人暮らしの電気代平均は月5,000円前後ですが、換気扇を回さなければ約1,000円節約できると考えると大きい。
わずかとはいえ節約したい人にとっては意外と大きなデメリットだと思います。
花粉等が入ってくる可能性がある
花粉症の人にとっては大問題なのが花粉等を一緒に取り込んでしまうこと。
新鮮な空気を取り込むといってもフィルターは空気清浄機のように細かくはないので粒子の小さい花粉等は簡単に換気扇から取り込んでしまいます。
他にも光化学スモッグだったり、あるいは隣人の料理の臭いなんかがたまに入ってくることがあるのでせっかく新鮮な空気を取り込んでいるのに一時的に部屋が嫌な臭いになってしまうことも。
特に隣人がタバコを吸っている人とかだとその臭いまで取り込んでしまうので最悪です。
外の空気が入ってくるので冬場は寒くなる
常に外の空気が入ってくるということは冬場は寒いです。
エアコンをつけていても換気をしながらということになるので熱効率は悪いですし、空気が循環しているせいで室温よりも寒く感じます。
部屋はまだなんとか耐えられますが浴室の場合はシャワーを浴びても全然身体が暖まらず、出る時も寒くて震えることになります。
汚れ・ほこりが付着しやすくなる
換気扇は室内の空気を吸い上げている状態となっているため、汚れ・ホコリが付着しやすい状態となっています。
いつの間にか換気扇がホコリまみれになっていたなんてことはよくあります。換気扇を回すとその分掃除の手間もかかるということです。
しかも換気扇って掃除がちょっと面倒なのもデメリット。掃除しないでいるとその分退去費も高くなるし油分とか吸着していると換気力が低下するので定期的なクリーニングは必要になってきます。
摩耗するので劣化が早くなる
ずっと回し続けていると劣化のスピードが速く、摩擦等によって音がうるさくなったり、壊れたりする可能性も上がります。使っているとモーターの寿命は短くなるので当たり前と言えば当たり前ですね。
新築や築浅の物件ならまだ換気扇も新しいものなので問題ありませんが、古い物件はすでに劣化した状態なのでこういったトラブルが起こりやすくなります。
ちなみに僕が初めて住んだアパートは換気扇を常時回していたらある日急に破損しました。これも摩耗が原因。
結論:24時間つける必要はない
- 換気扇をずっとつけっぱなしにすると月約1,000円ほど電気代がかかる
- 定期的な換気は窓を開けるだけで効果あり
- 新築なら念のため換気しておくべき(シックスハウス症候群の懸念)
一人暮らしの場合はその人の性格にもよりますが24時間換気システムでもない限りずっと回し続ける必要はないように感じました。
確かに部屋を換気するのは生活する上で大切なことですが一人暮らしで固定費が1,000円かかるのは大きいです。
また、トイレや浴室など全く使用していない時は必要ないことも多いですし、使用する時や料理をした後に換気したい時につけていればしっかりとメリットは感じられます。
24時間つけっぱなしにすることによるデメリットのほうが大きいというのが結論。
僕は今までキッチンの換気扇をずっと弱でつけっぱなしにしていましたが、改めて調べてみると電気代がかかったり埃が溜まったりしているので換気が必要ないときは消した方が良いなと感じました。
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