ペットを飼わないのにペット可賃貸に住むのってどうなの?

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ペット可賃貸と言えばペットを飼いたい、飼っている人が借りる物件ですがペットを飼っていなくても入居することはできます。

ただ、犬や猫を飼っていないのにペット可賃貸に住むと通常の物件とは住み心地が全く違ったり思わぬデメリットを感じる可能性もあります。

今回は「ペットは飼わないけど条件の良い物件がペット可だったんだけど住むべき?」といった疑問を解消していきます!

ペットを飼わないのにペット可賃貸に住むデメリットとは?

結論から言うとペットを飼わない・飼う予定が一切ないのに物件の条件が良いからという理由だけでペット可賃貸に住むのはおすすめできません。

住んでみると想像以上にデメリットが多く、引っ越すことになれば初期費用や退去費用・引っ越し費用の無駄になってしまいます。

実際にどういったデメリットがあるのか飼わない人がペット可賃貸に住むデメリットをまとめてみました。

ペットの鳴き声がうるさく感じやすい

自分がペットを飼っているなら隣りからペットの鳴き声が聞こえても「お互い様だな」と思えるので多少我慢できるかもしれませんが、ペットを飼っていない場合は一方的に鳴き声を聴く羽目になるためイライラすることも多くなります。

猫の鳴き声は『約75デシベル』であり、犬の鳴き声は『90~100デシベル』ほど。

隣室の音は界壁(隣との壁)によってある程度は遮音されます。

構造防音性D値ネコの鳴き声犬の鳴き声
木造 40以下35dB50~60dB
軽量鉄骨造 40前後35dB50~60dB
重量鉄骨造 45前後約30dB45~55dB
鉄筋コンクリート造 50前後約25dB40~50dB

いずれの構造でも鳴き声をすべてシャットアウトすることはできないため、隣室のペットが鳴けば、その声は聞こえてきてしまいます。

騒音かどうかの基準値は平成10年に公布された環境省の告示によって定められています。

 昼間
(6:00~22:00)
夜間
(22:00~6:00)
音の大きさ55dB~45dB~

約50デシベルが目安となっていて、これ以上は『うるさい』と感じるレベルの音量となります。

昼間ならまだしも夜中もペットがずっと鳴いていたら睡眠不足に繋がりますし、苦情を入れたくなりますが人間ではなくペットが原因でしかもペット可物件なので我慢するしかありません。

防音性の高い物件でも犬の低い鳴き声や猫の高い鳴き声というのは遮音できずに漏れてしまいやすいので鉄筋コンクリートマンションだからといって防音できるわけではありません。

共用部分のニオイ気になることがある

ペットを飼っていない人からすれば他の人が飼っている犬や猫の匂いというのは気になる可能性が高いでしょう。

特に犬が散歩帰りに必ず通る廊下部分や密閉空間であるエレベーターは獣臭がしているという話はよく聞きます。

それだけならペット好きな人なら問題ありませんが、飼い主のしつけがちゃんとできていなかったり住人の質が悪いとエントランス付近にフンをしてそのまま放置されていたり、ベランダでトイレをするようにしつけていてその匂いが風に乗って伝わったりといった最悪な環境になっていることもあるようです。

ペット可物件でなければこういった問題はまず起こらないのでペット可物件ならではのデメリット。

健康被害に遭う可能性がある

フンをそのまま放置していたり、おしっこを水で流さずに放置していると匂いの原因になるのはもちろん、人によっては健康被害を及ぼす可能性すらあります。

臭い場所というのはそれだけ菌が漂っている証拠ですから、通常の物件なら絶対に遭わないような健康被害を被るケースもあるので注意してください。

自分の知らないアレルギーを発症する可能性がある

「犬や猫は好きだけど飼っていない」という人は実は気付いていないだけで猫アレルギーだったり、動物アレルギーである可能性も否定できません。

飼わないからこそ今まで知らなかっただけでペット可賃貸に引っ越してみたらやたら咳が出るとかかゆみが出て全身が真っ赤に腫れ上がるような症状が出ることも十分考えられます。

好きとアレルギー症状は全くの別物なので、アレルギー症状を発症して結局引っ越す羽目になれば初期費用も退去費用も無駄になってしまいます。

初期費用が高くなりやすい

通常の物件であれば一人暮らしなら高くても敷金1か月・礼金1か月分ほどが相場ですが、ペット可賃貸の場合は敷金2カ月~3か月が相場になってきます。

これはペットを飼うことにより匂いや汚れ等の修繕費用が高くなると想定されるので最初から多めに取っておくという考えに基づいています。

敷金は退去資金に充てられ、余ったお金は返金されるので損ではありませんが、ペット可賃貸に住むならある程度の貯金が必要になるのはデメリットです。

また、ペット可賃貸で新築や築浅物件は物件数が少なくて需要もかなり高いため礼金を2か月分以上取るような物件も多いです。

敷金はともかく礼金は完全なる無駄金なのでかなり損をすることになります。

ペットを飼っていない場合、敷金が多く取れないことも多いですが、礼金はいずれにしてもかかるので費用負担が大きくなってしまいます。

物件数がそもそも少ない

東京都物件数
総物件数261,915件
ペット相談可賃貸46,979件
ペット相談+徒歩10分以内38,397件
HOME’S(2023年11月データ)

ペット可相談・可能な賃貸物件は総物件数の約6分の1程度となっています。

これに加えて『徒歩10分以内』『築浅物件』など条件を加えていくと、さらにヒットする物件数は少なくなってしまいます。

物件数がそもそも少なければその分条件に合う部屋も少なくなってしまうのでいつまで経っても良い物件に巡り合えなくなるというわけです。

たまたま住みたい物件がペット可だった状態ならいいですが「今後もしかしたらペットを飼うかもしれないから探す」といった段階だと普通の物件のほうが絶対に条件の良い部屋が見つかります。

家賃が相場よりも高い

ペット可物件は通常の物件とは違い、ペットを飼うことにより匂いや汚れが付きやすくそれを修繕・補修するための維持費が必要になるため相場よりも家賃が高くなる傾向があります。

通常の物件と比較するとペット可賃貸の家賃は相場の1割~2割程度高くなっているようです。

例えば通常の物件で家賃8万円なら同じ条件のペット可賃貸だと8.8万円ほどになってしまうわけです。

家賃は毎月払うものなので年間の出費を考えるとかなり高くついてしまうのがデメリット。

ペットを飼わない人でもペットを飼う人と条件が全く一緒になることがほとんどなので無駄な家賃分まで負担することになります。

飼わないのにペット可賃貸に住むメリット

ペットを飼うならまだしも買わないのにあえてペット可賃貸に住むのはそこまでたいしたメリットはありません。

友人のペットを預かることができる

友達がペットを飼っているのであれば一時的にペットを預かることができるのがペット可物件の強みです。

通常の物件だと一時的であってもペットを預かること自体が規約違反となりますが、ペット可物件は最初から許容されているので部屋に入れることができます。

友人から見ても頼みやすいですし、一生面倒見るわけではないので一時的に飼い主の気分を味わうことができます。

動物と触れ合える機会が増える

ペット可物件では他人のペットとすれ違う機会が多くなります。

例えば犬を飼っている人がいるなら散歩が必要になりますし、ちょうど出かける際に散歩から帰ってきた犬とすれ違うことができます。

触れ合えるかどうかは物件次第、他の飼い主と仲良くなろうとする行動力次第ですがペット好きとしてはまさに最高の環境です。

飼いたくなったときにすぐに飼える

通常の物件だと「ペットが飼いたい!」→「ペット可物件を探して引っ越す」→「ペットを飼う」という流れになるため、わざわざ引っ越す手間もかかりますし、ペットを飼うお金や引っ越し資金などの大金が必要になります。

最初からペット可物件に住んでいればペットショップ等でどうしても飼いたい犬や猫をすぐに引き取ることができるのでかなりスムーズにペットを飼うことができます。

ペットショップでは時間が経てば他に引き取りてが出てしまいますし、友人から「子猫が増えるから引き取ってほしい」と言われることもペット不可物件ではありませんからね。

例えるなら赤ちゃんが生まれる前からある程度準備をしておくようなもの。

ペットも受け入れ準備をしていたほうが行動できるようになるので、ペットを飼う決心がつかない人は一度ペット可物件に住んでそれから考えるというのも手。

ペット可賃貸に住む上で確認すべきこと

ペットを飼わない人からすればペット可賃貸はデメリットが多いですが、たまたま自分の条件に合う物件がペット可だった場合は住んでから後悔しないためにもいくつか確認すべきことがあります。

飼っていいペットの種類を事前に聞いておく

同じペット可物件でも物件によって飼える物件の種類は異なります。

『猫のみOK』なところもあれば『大型犬もOK』としているところもあり、様々です。

犬をNGとしているペット可賃貸であれば比較的騒音も抑えられるので、ペットを飼わない人にもおすすめできます。

逆に大型犬も許可している物件は鳴き声も大きく、騒音に悩まされるリスクがあるので注意しましょう。

内見時に住人の質やしつけできているか確認する

ペットを飼わないのであれば内見がかなり重要になってきます。

同じペット可物件でも住人の質が高ければペットをしっかりとしつけているので無駄に犬を吠えさせて放置したり、エントランス付近でフンやおしっこをさせるようなことはまずさせません。

部屋の中というよりも物件回りをまずは確認してみましょう。

「匂いはどうか」「フンがそのまま放置されていないか」をチェックします。かなり気になるようであれば住むべきではありません。

内見時に音漏れがどの程度か確認する

どの程度音漏れするのか内見時に確認することができます。

木造アパートよりも鉄筋コンクリートマンションのほうが防音性は高いですが、同じ鉄筋コンクリートでも壁に使われる素材によって遮音性というのは変わります。

通常であれば内見できる昼の時間帯は飼い主も仕事等で外出しているので音の確認をすることはできませんが、ペット可賃貸では犬や猫がそのままお留守番をしている状態なので吠えていれば一発でわかりますし、足音の響き方まで確認することが可能。

隣人がペットを飼っているか確認する

ペット可物件といってもすべての住人がペットを飼っているわけではありません。

物件によってはペット可なのに誰もペットを飼っていなかったり、逆にほぼ全員がペットを飼っていることも。

ペットを飼っている人が多いかどうかは「ペット可」なのか「ペット相談可」なのかである程度判断できます。

ペット可物件は小型犬や猫OKのところが多いですが、相談可物件は大家が個別に承認しているので実は犬を飼うことができないような物件も多いです。

また、物件の需要が減ったので最近ペット可物件になっている場合もあります。

少なくとも隣人がペットを飼っているかで生活の質が変わるので内見時に営業マンに「隣に住んでいる人はペットを飼っていますか?」と聞いてみましょう。

まとめ

MEMO
  • ペットを飼う予定がないならペット可物件はやめた方がいい
  • ペット可物件は通常の物件よりも圧倒的にデメリットが多い
  • 自分の知らないアレルギー症状が出ることもあるのでもし住むなら事前に検査しよう

総合的に考えるとペットを飼わない・飼う予定が全くないのにペット可賃貸に住むのはメリットよりもデメリットのほうが圧倒的に多いのでやめた方がいいです。

家賃や初期費用も高い上にペットの鳴き声や匂い等に悩まされることに繋がるのであえて自分からデメリットの多い物件を借りようとしているようなものです。

今後ペットを飼う可能性がある人なら事前に借りておくのはありです。