高級低層マンション最上階のデメリットとは?タワマンとどっちがいいの?

誰しもが一度は憧れるのがタワーマンションですが、お金持ちが最終的に行き着くのは低層マンションと言われています。

普通の低層マンションに加えてあえて低層階にしている高級低層マンションという種類も存在します。

そんな低層マンション最上階に住むデメリットについて高層マンションやタワーマンションと比較しつつまとめてみました。

低層マンションにも種類がある

マンションと言っても低層マンションからタワーマンションのような超高層マンションまであり、それぞれ特徴が異なります。

項目最上階
低層マンション2階~3階
中層マンション4階~5階
高層マンション6階~20階未満
超高層(タワーマンション)20階以上

一般的には低層マンション=2階~3階程度で高くても4階ほどしかありません。

通常の低層マンション、高級低層マンション、タワーマンションで何が違うのかを簡単にまとめてみました。

低層マンション

通常の低層マンションは鉄筋コンクリート造の他にも鉄骨造で3階程度の物件のことを指します。

オートロックや防犯カメラが備え付けられていなかったり、敷地に余裕がなかったり築年数が古かったり等の問題はありますが住宅街に建てられていることが多いので比較的周辺環境は静かです。

高級低層マンション

高級低層マンション

高級低層マンションに定義はありませんが一般的には低層マンションに充実したセキュリティやコストをよりかけていることが多いです。

設備例
  • オートロック・防犯カメラ
  • 管理人常駐
  • コンシェルジュサポート
  • 専用テラス

敷地にゆとりを持たせることによりエントランスまでの導線に草木を植えていたり、部屋ごとにコンセプトの違う間取りにしていたりと様々で”高級”とつくものはデザイナーが手掛けているケースが多いです。

また、通常の低層マンションと同様住宅街に建設されることが多いので緑地や公園があったり、静かで落ちついた生活がしたい人に向いています。

ペット可や相談可としている物件も多く存在していてペット専用の洗い場を設けていることも。

タワーマンション

タワーマンションは1つの建物内で基本的な生活のほとんどを完結することがコンセプトで建設されていることが多いです。

具体的にはマンション内にコンビニが入っていたり、身体を動かすことのできるジムやプール、さらには部屋とは別に複数の客人を招待するためのゲストルームがついていることもあります。

また、高級タワーマンションではお酒を飲めるバーがあることも。

都心に多く存在するので大通り近くに建設されていることが多いですが敷地にゆとりがあるのでそれほど騒音は響きません。

基本的にはペット不可となっていることが多いです。

低層マンション最上階のデメリットとは?

低層マンション×最上階ではどういったデメリットがあるのかまずは紹介していきます。

エレベーターが設置されていないことが多い

建築基準法によれば高さ31メートルを超えるような建物に対しては「非常用昇降機(エレベーター)」の設置が義務付けられています。

高さ31メートルというのはマンションで言うところの7階~10階程度の高さなります。

逆に言えば最大6階建てのマンションならエレベーター設置は義務付けられていないので低層マンションの場合は高くても4階程度で設置されていないことが多いというわけです。

階段を毎回使わないといけないので特にスーパーの帰り等で大荷物の時は階段の使用がかなり面倒に感じられます。

普段は最低限の運動になるので恩恵もありますが、荷物を持っているときや体調不良の際にかなり苦痛に感じてしまいます。

眺めがそれほど良くない

低層マンションの階数は3階で高くても4階程度となっているので最上階と言ってもそれほど地上から高いわけではありません。

1階や2階に比べるとある程度周りを見渡せるとは思いますがタワーマンションや高層マンションに比べると当然見晴らしの良さは劣ります。

「景色の良い物件に住みたい」と思っている人にとっては1つ魅力を失うことに繋がります。

タワーマンションのような高級マンションじゃなくても9階建てや11階建てのようなマンションも存在するため、たいして変わらない家賃なのに劣ることがあるというわけです。

景色は住んで1週間もすれば飽きると言われているので実際の生活ではたいしたデメリットにはなりませんが、友人に自慢したいとか異性を連れ込もうと思っている人には魅力が半減するでしょう。

夏場暑くなりやすい

これは低層マンションだけの話ではありませんが、最上階というのは夏場がとにかく暑いです。

最上階は天井部分が直射日光を受ける影響により、断熱材を用いてもその影響を受けやすいと言われています。

1階~中階層では上階に守られているため天井から日光の影響を受けることはまずありません。

この影響により1階と最上階では約2℃の差が出るとも言われています。

最上階は日当たりが良いのは魅力的な部分でもありますが夏場になると途端にデメリットになってしまいます。

虫の出現率が高い

1階に比べたら当然虫が出る確率は低くなるものの低層マンションなので最上階といってもタワーマンション等に比べてしまうとゴキブリ等を見る機会は増えてしまいます。

不動産サイト「オウチーノ」が行った563人によるアンケート調査で階数ごとのゴキブリ出現率についてまとめられています。

この調査では「1年間のうちにどのぐらい虫を見たのか」に対しての遭遇回数を平均化したものとなっています。

階数ゴキブリクモ
1階~2階3.39回7.46回4.59回
3階~5階3.61回15.21回8.43回
6階~10階1.28回8.06回4.06回
11階以上0.07回5.54回0.21回

多少のばらつきはありますが、基本的には地上から高くなればなるほど虫の出現率は徐々に低下しています。

低層マンションは高くても3階や4階程度なので対策しないと1年に数回ゴキブリを見てしまうというリスクがあります。

虫嫌いで資金的に余裕があるのに低層マンションを選んでしまうと思わぬデメリットを感じてしまう可能性があるということです。

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高級低層マンションゆえのデメリットは?

高級低層マンションにおけるデメリットについても紹介していきます。

家賃が高い

高級低層マンションと呼ばれるものはその名の通り賃料が高い傾向にあります。

実際に白金台にある似たような物件をそれぞれ比較してみました。

種類場所間取り築年数家賃共益費
高級低層マンション白金台徒歩5分1K(33㎡)新築15.8万円
高級低層マンション白金台徒歩2分1K(30㎡)8年11.4万円
タワーマンション白金台徒歩4分1R(30㎡)16年16.9万円
タワーマンション白金台徒歩8分1R(24㎡)7年14.9万円
マンション白金台徒歩10分1K(20㎡)20年9.3万円
マンション白金台徒歩10分1K(20㎡)20年8.8万円

タワーマンションとはさほど変わりませんが、セキュリティや設備が充実しているせいか低層階なのに価格は高層階に住んだ場合とほとんど変わりません。

通常の低層マンションと比較すると顕著に差が出ており、高級という名にふさわしい賃料となっています。

最初から高級低層マンションを狙っている人にとってはあまり気にならない賃料かもしれませんが、毎月の出費が大きいのはやはり客観的に見てもデメリットです。

ただしタワーマンションと比較するなら若干安い程度となるので高級低層が選ばれるのも納得がいきます。

共有施設が少ない

タワーマンションのような高層マンションであればエレベーターはもちろん、ラウンジ(休憩所)やコンビニ、身体を動かせるジムなんかもついているところが多いです。

高級低層マンションはセキュリティ面が充実していたりキレイではあるもののマンション内で生活が完結できるような物件にはなっていないので煩わしさを感じることもあります。

また、タワーマンションではゲストルームと呼ばれる設備を使用できることも多いですが低層マンションではそれができません。

狭い部屋を借りてしまうと友人を招くのも自分の部屋になってしまうのでホームパーティー等はしにくいかもしれません。

低層マンションならではの魅力とは?

低層マンションは物件としてのデメリットは少ないように感じます。

逆に低層マンションならではのメリットのほうが多く、需要が高くなっているのも事実です。

壁式構造が多く防音性が高い

高層マンション=家賃も高くて防音性も高そうですが、実は低層マンションのほうが構造上防音性が高い傾向があります。

鉄筋コンクリート物件には【ラーメン構造】と【壁式構造】の2種類があります。

ラーメン構造というのは柱と梁のみで建物の骨格を作り、その上で壁が貼られていて例えるなら学校にある椅子のような構造。

柱で支えているので大して壁が重要ではなく、厚みもそれほど必要ありません。

一方、壁式構造とは柱や梁を使わずに床や壁といった平面的な構造となっていて例えるならティッシュ箱のようなもの。

柱がない分、壁という面で支えなければならないのである程度の厚みが必要となります。

当然ラーメン構造よりも壁式構造のほうが壁が厚く、防音性も高いわけですが高層マンションのような背の高い建物に壁式構造を採用することができません。

これは全面に厚みを持たせていること(コンクリートを使わないとけない等)によって重さが生じてしまうせいです。

建築基準法によれば一定の基準を満たさない限り、壁式構造の建築物は5階以下と定められています。

つまり、低層マンションには防音性の高い壁式構造が多く採用されている一方高層マンションは防音性の低くなってしまうラーメン構造が使われているということです。

戸数が少ないので隣人との鉢合わせが少ない

タワーマンション、高層マンションと比べると低層マンションは住んでいる人の数が少ないので住人と鉢合わせてしまうことが少ないのも利点です。

鉢合わせてしまったからといってデメリットはありませんがなんとなく気まずかったり、知名度のあるタレント等であれば身バレしてしまいます。

エレベーターを使うことがないのも鉢合わせしにくい理由の1つで気まずい思いをしたくない人には向いています。

災害時に強い

低層マンションは高層マンションに比べて地震等の災害時に揺れ幅を抑えることができ、壁式構造を多く採用していることによりラーメン構造よりも耐震性は高いと言われています。

災害時に低層マンションのほうが逃げやすいのは明らかですし、倒壊の危険性も低いというのは生活する上で重要な利点となります。

僕自身、9階に住んでいたときに地震が起こり身の危険を感じました。揺れ幅は大きく、すぐに外に出ることはできないというのは生活する上でかなりの不安要素です。

そう簡単に倒壊しないとわかっていても怖さは段違いに高層マンションのほうが上です。

外に出やすい

災害時もそうですが、低層マンションはすぐに外出しやすいというのもメリットです。

高層マンションであれば玄関を出てもそこからエレベーターを待ち、乗り込んでエントランスを抜けてやっと外に出ることが出来るのでどうしても時間がかかってしまいます。

忘れ物をしてしまった際に戻るのも面倒ですし、駅から近い物件でも外に出るまでに数分かかって電車に乗り遅れるようなこともあります。

こういった煩わしい部分が一切なく、生活しやすいのが低層マンションならではのメリットです。

専有面積が広め

普通のマンションやタワーマンションに比べると低層マンションは部屋数が少ないおかげで同じ1Kでも広く造られていることが多いです。

特に高級低層マンションは家賃比較表でもわかる通り1Kでも30㎡前後の広さがあるほどゆとりのある部屋が多くなっています。

タワーマンションを選択してしまうと同じ家賃では狭いワンルームにしか住むことができませんが低層マンションを選ぶことによって広い部屋に住むことができるのが比較したときの利点です。

まとめ

MEMO
  • 低層マンションはエレベーターがないので最上階だと若干不便に感じる
  • いくら高級で最上階でも低層マンションの虫出現率は高めなので注意
  • タワーマンションに設備やサービスは劣るが部屋が広くてゆとりがあるのが高級低層マンションの強み
  • 地震などの災害時でもすぐに外に出れたり住人との鉢合わせがないのも魅力

低層マンションの懸念点は虫の出現率やエレベーターがない点ですが、タワーマンションに比べて外に出やすかったり部屋の広さにもある程度ゆとりがあるので一長一短といったところです。

同じ家賃帯のタワーマンションと比較するなら居心地の良さを重視するなら高級低層マンションで人を呼んだり外に出るのが面倒に感じるならタワーマンションが向いています。

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