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一人暮らしや同棲をしたいと思っても賃貸物件には必ず入居審査があります。
正社員ならまだしもフリーターやアルバイト、夜の仕事をしていると審査は落ちてしまうというのはよく聞く話。
そこでついついやってしまうのが審査申し込みで職業を偽ったり、年収を水増しです。
今回は賃貸契約の審査申し込み段階での嘘が管理会社や保証会社にばれることがあるのか僕自身の経験も踏まえてご紹介していきます。
入居審査で嘘をつくとばれる?
結論から言えば、書類の提出を求められるもの、証明が発生するものに関してはばれますが、そうでないものに関してはばれるリスクは低いです。
入居審査で虚偽の申告をすることは大家を騙そうとする行為となるため、契約前の審査段階であれば『詐欺未遂罪』、入居後に判明した場合は『詐欺罪』となります。
ただ実際のところはバレたとしても起訴されずに入居できない程度で済む場合がほとんどです。
詐欺で訴えるとすれば、賃借人が賃貸人を騙すために入居申込書に虚偽の記載をしたということを賃貸人が証明しなければなりません。また、上記の条項がある場合でも、裁判所は、実際に賃貸人と賃借人の間で明らかに信頼関係が損なわれると言える様な事実があったか否かを重視する傾向にありますので、たとえ入居申込書に勤務先の虚偽記載があったとしても、家賃が遅滞なく支払われている場合には、信頼関係が破綻したと言える状況ではないと判断されることが多いと言えます。
従って、現在の状況では、直ちに契約を解除することは難しいと考えられます。
参照元:賃貸住宅におけるトラブル
審査が通り、入居してしまうと立ち退き要求は難しいようです。
多少盛る程度なら問題はないものの、明らかな嘘を申告するのはやめておきましょう。
申込項目ごとにばれやすいものとそうでないものがあります。
項目 | バレやすさ |
---|---|
年収 | |
職業 | |
雇用形態 | |
勤続年数 |
1つずつ具体的に紹介していきます。
年収に関する嘘
入居審査の際に最も重要なのは年収で、申し込み書に必ず記入する欄があります。
結論から言えば年収は多少盛って書いて提出しても特に問題ありません。
というのも、審査の際に嘘の年収を書いたとしても審査過程において源泉徴収票などの書類が求められればそちらの記載が重視されるため。
書類 | 書類内容 |
---|---|
所得証明書 | 去年1年間の所得 |
源泉徴収票 | 去年1年間の収入+源泉徴収された所得合計 |
給与明細書 | 1ヶ月分の給与や税金の表 |
雇用契約書 | 就職した際の見込み収入額 |
銀行通帳の写し | 貯蓄額や収入の証明 |
申し込みに書いた年収と違うという結果になったとしても「アバウトに書いたら正確な年収を申告できなかった」というだけの話でスルーされるだけです。
審査と言っても自己申告制で源泉徴収票すら求められないこともあります。
実際僕は今まで源泉徴収票を求められたことは一度もありません。これは稀な例ですね。
物件の家賃がそこまで高くない場合や保証会社を利用していない場合などは審査自体がそれほど厳しくないので源泉徴収票を求められないこともあるようです。
年収の水増しというのは自分からせずとも仲介業者が助長してくるケースも実は多いです。
仲介業者は審査が通らないと利益にならないので「この人はちょっと年収が厳しいかも」と思った場合だと「少し多めに申告しますね」と言われることも。
入居審査には年収・収入が大きく影響すると言われていて、データによっても示されています。
収入 | 入居審査通過率 |
---|---|
家賃の1倍未満 | 40.3% |
家賃の1倍~2倍未満 | 56.3% |
家賃の2倍~3倍未満 | 84.6% |
家賃の3倍~4倍未満 | 87.1% |
家賃の4倍~5倍未満 | 84.8% |
例えば入居したい物件の家賃が5万円で自分の収入が5万円未満であれば入居審査率は約40%となります。
公表データでは家賃の1倍~2倍未満までの入居率は低いですが、家賃の2倍以上であれば入居審査通過率は80%を超えるため、標準的な値にまで持っていくことができます。
家賃6万円であれば最低月収12万円~18万円ほどあれば最低限の条件はクリアしているということになります。
職業に関する嘘
職業に関しては「在籍確認」という電話を勤務先にかけることがあるので全くの嘘であればバレてしまいますが、少し大雑把に書く程度であれば問題ありません。
申し込み欄には職業だけでなく、勤務先の住所を書く欄や電話番号まで書く必要があり、本当に在籍しているか裏を取るために会社に電話してくることがあります。
新卒の場合は内定証明書を求められることがあります。
入居審査で職場に在籍確認の電話が来るってただの噂かと思ってたけど本当だった 今日かかってきた電話を自分で取ってしまって電話の向こう側も本人出ちゃった…的な声色してて気まずい感じに
— よこティブ (@say_tati) October 17, 2016
年収と同様に在籍確認を取らないこともあるので必ずしもバレるわけではありません。
保証会社を利用した場合はほぼ100%在籍確認をされるのでをバレますが、管理会社だけの審査であればそこまでしないことも多いのでバレない可能性は高いです。
職業的に水商売や肉体労働系で審査に通るか不安という人は多いと思いますが、隠したいのであれば保証会社の利用があるかどうかは絶対にチェックしておくべきです。
「保証人不要物件」や「保証会社利用必須」となっている物件は確認されると思っておいたほうが良いです。
フリーターや自営業者、夜の仕事など収入が不安定な職業ほど入居審査率も若干下がります。
職業 | 入居審査通過率 |
---|---|
不安定な地位 | 64.7% |
安定的な地位 | 85.4% |
不安定な職には無職・アルバイトなども含まれているため安定的な職についている人と開きが顕著になっています。
職業も多少なりとも関係性はありますが、不安定な職業は収入も低くなるため相対的に入居審査の通過率も落ちているという点も関係しています。
契約形態(正社員・契約社員など)の嘘
源泉収集票など入居審査に必要な書類には『正社員』『契約社員』など雇用形態についての記載がないため、基本的にばれることはありません。
正社員であることを証明する必要はないので、見逃されるケースは多いです。
ただし派遣社員は派遣会社からの雇用となっているため、派遣先で雇用されていると嘘をつくと『在籍確認の電話』などでばれてしまう可能性が高いです。
また、アルバイトであれば勤務時間によっては社会保険に加入できずに国民保険となっていることでばれる可能性があります。
勤続年数の嘘
勤続年数を多少盛ったところでばれる可能性は低いでしょう。
ただし、就職したばかりでまだ源泉徴収票をもらえていない状態で『3ヶ月→2年』といった嘘をつくとばれてしまいます。
源泉徴収票は12月に行われる年末調整後に発行されます。
1年以上継続して働いている場合は必ずもらえるものとなっているため、提出を求められた時点で所有していなければ問題となるわけです。
ただし、いつから働き始めたのかといったことは確認ができないためばれるリスクは少ないです。
収入ほどではありませんが、勤続年数というのも多少なりとも入居審査に影響しています。
勤続年数 | 入居審査通過率 |
---|---|
2年未満 | 76.3% |
2年以上 | 85.9% |
2年未満と2年以上では約10%ほど通過率が変動します。
転職したばかりだったり、就職したばかりだと少し入居審査に落ちるリスクはありますが、それでも70%以上あるので”収入が基準値に満たない場合”に限り勤続年数が見られるということです。
勤続5年もあるのに10年などの嘘は審査率に大きく影響を与えないため嘘をついてもあまり意味がありません。
今までの入居審査で求められたもの
今まで引っ越しの際に僕自身が求められた書類や、友人2人の審査状況についても把握しているのでその辺のことをお話ししていきます。
1件目の審査【家賃:4万1000円】
この時は大学生だったのであまり参考にならないと思いますが、求められたのは連帯保証人の情報だけです。未成年の場合は親の許可が必要です。
契約者は自分だったのですが、この時は親の年収や職業を申込書に記入しただけでその他に特に必要書類はありませんでした。
審査時の親の職業において在籍確認の電話や源泉徴収票を求められることもなく簡単に入居できました。
2件目の審査【家賃:4万6000円】
大学卒業からちょうど社会人になる際ですね。
これも1件目と同様連帯保証人は親でしたが申込書には自分の年収(超アバウト)や職業を記入しました。
審査では「内定証明書」を求められて提出しましたが他は必要なし。
ちなみにこの時は完全に無職状態(社会人になるまでの期間だったため)でしたが内定証明書のおかげで問題なく入居できました。
3件目の審査【家賃:8万円】
いきなり家賃が跳ね上がってるのは土地と広い部屋を選択したため。この物件は保証人不要物件で代わりに保証会社の利用が必須でした。
当時フリーターで年収は200万円程度でしたが仲介業者に「審査が厳しいので少し水増しした方が良い」と言われて結果40万円程度水増ししました。
その後保証会社から直接連絡が来て「現在の貯金額」を聞かれましたが、これも多少嘘をついて申告。
同様に審査は通りました。
結局源泉徴収票等の提出要求はされませんでした。
友人Aの審査【家賃:5万5000円】
自分の話ではないので詳細まではわかりませんでしたがこちらも保証会社は利用しておりません。
連帯保証人は親で定職についていませんでしたがこちらも源泉徴収票等の提出は必要なく審査に通っています。
友人Bの審査【家賃:7万5000円】
こちらの場合は最初に管理会社の審査をしましたが、残念ながら通らなかったので保証会社を使ってさらに審査。結果源泉徴収票等の提出は必要なく審査を通ったそうです。
もともと保証会社を使う予定ではなかったので連帯保証人を立てていたのが保証会社の審査を通った要因だと思います。
こうやって見てみるとよく言われている「源泉徴収票の提出」や「在籍確認」自体しない会社も非常に多いことがわかるかと思います。
しっかりした会社だと源泉徴収票3ヶ月分の提出を求められることもあるようですが、提出要請がなければ申込書に嘘を書いてもばれることはないということです。
嘘をつかずに入居審査を通すためにできること
嘘をつくと、最悪の場合審査そのものに落ち、管理会社が所有する付近の物件すべてでお部屋が借りられなくなるリスクがあります。
なるべく嘘をつかずに部屋を借りる方法について紹介していきます。
収入に十分見合う家賃帯の物件を選ぶ
入居審査は「ちゃんと家賃を支払ってくれるのか」という面が重要なため、十分収入に見合っているのであれば審査に通るのはそこまで難しくありません。
家賃 | 適正収入 (年収) |
---|---|
4万円 | 144万円 |
5万円 | 180万円 |
6万円 | 216万円 |
7万円 | 252万円 |
8万円 | 288万円 |
9万円 | 324万円 |
10万円 | 360万円 |
11万円 | 396万円 |
12万円 | 432万円 |
こちらは家賃帯と入居審査の通過率を示したデータです。
家賃 | 入居審査通過率 |
---|---|
5万円未満 | 77.7% |
5~6万円 | 83.9% |
7~8万円 | 84.7% |
9~10万円 | 82.5% |
11~12万円 | 80.8% |
13万円以上 | 77.4% |
家賃が低い場合、収入や職業的に不安定な人が選ぶため入居審査率も低くなっています。
また、家賃9万円以降を境に入居審査通過率も下がっているので、よりチェックが厳しくなっていることが推測されます。
年収に見合う家賃帯を選ぶのはもちろん、合わせて審査通過率の高い8万円以下の物件であれば借りやすい傾向があります。
連帯保証人を立てる
連帯保証人を立てることができれば、自分に安定した収入がなくても代わりに保証人の年収を基に審査が行われるためお部屋を借りることができます。
進学時に自分が契約者でお部屋を借りることができるのも連帯保証人を立てているためです。
僕の年収が60万円程度と低収入な時期に部屋を借りる際にも親を保証人にしたことで部屋を借りることができました。
独立系保証会社の物件を選ぶ
家賃保証会社は借主が家賃を支払えなくなった時に一時的に代わりに家賃を管理会社・大家に支払う会社のことです。
大家が家賃保証会社必須としておけば、家賃滞納が行われても困ることはないので最近は必須としている物件が多いです。
保証会社は大きく分けて【独立系】【LICC系】【信販系】があり、利用する保証会社によって審査通過率も変わります。
信販系はクレカ系の会社で、無職だと審査に落ちる可能性が最も高いです。
逆に独立系は入居審査が緩いので、なるべく独立系の保証会社がおすすめというわけです。
レオパレス21 | ミニミニ (直営店) | エイブル (直営店) | 大東建託 | アパマンショップ | ピタットハウス (直営店) | ハウスメイト | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
審査難易度 | |||||||
審査方式 | 独立系 | 信販系 | 信販系 | 協会系 | ー | 独立系 | ・信販系 ・協会系 |
保証会社 | プラザ賃貸管理保証会社 | オリコフォレントインシュア | ・ジャックス ・エポスカード | ハウスリーブ | ー | アシストレント | ・オリコフォレントインシュア ・全保連 |
物件によって保証会社も異なるので、あくまで目安ですが参考にしてみてください。
審査に協力的な不動産を利用する
入居審査には自分の年収や職業などが最重要ですが、仲介業者が協力的かどうかでも審査通過率は変わります。
不安であれば、審査に強いイエプラのような不動産がおすすめです。
運営会社 | 株式会社コレック |
---|---|
口コミ評価(google) | ★★★★☆(4.5) |
対応エリア | 関東・関西 |
店舗数 | 2店舗 |
物件数 | 約10万件以上 |
仲介手数料 | 基本賃料1ヶ月分+税(保有不動産に依存) |
利用料金 | 無料 |
会員登録 | 必要 |
おとり物件 | 0件 |
特徴 | 自宅にいながら部屋探しができる チャットでやり取りが可能 新着物件を手に入れられる 業者専用サイト「ATBB」が見られる 設定できない細かい条件を伝えられる |
イエプラは不動産というよりも部屋を探してもらうサービス会社ですが、2021年5月までの審査通過率は平均で98.1%となっており、利用した人が審査落ちする確率はわずか1.9%となっています。
チャット欄で条件を細かく伝えることができるため「審査が不安なので緩い物件を探して欲しい」と伝えればあとはスタッフが条件に合う物件を探してくれます。
審査を通すのに協力的になってくれるので、普通の不動産を利用するぐらいならイエプラを利用して部屋を借りたほうが審査は通りやすいです。
まとめ
- 多少の虚偽の申告なら間違いや勘違いの範疇なのでバレても問題ない
- 家賃が高い審査が厳しくなるので虚偽の申告はリスクも高くなる
- 家賃の安い物件は確認の電話や源泉徴収票が必要ない場合が多い
- 入居後に虚偽がばれると退去勧告されることもあるが、裁判まで発展すると借主に有利な判決が下ることが多い
- 仲介業者は基本的に味方なので正直に今の現状を話した方が入居までスムーズにいく場合が多い
- 大手の仲介業者は審査する前に断ることもある
余計なトラブルを避けたいのであれば虚偽の申告は一切なく申込みをすべきです。
ただ、実際には提出書類によっては多少盛ってしまってもばれずに、その情報を基に審査が行われることもあります。
入居審査が不安なのであれば、とりあえず担当者に相談するのが一番です。
担当者は契約できるように協力的になってくれることが多く、できる範囲で審査を通そうと頑張ってくれます。