一人暮らしというのはご存知の通りかなりのお金がかかります。
初期費用や家賃を支払い、せっかく一人暮らしライフを楽しんでいたのに退去時にもお金がかかります。
引っ越しをする際には引っ越し費用、入居先の初期費用等かなりお金がかかりますが、その上退去する時にも退去費用がかかります。
今回は一人暮らしの気になる退去費用の相場についてまとめてみました。
目次
退去費用はハウスクリーニング代と原状回復費用の2つある
基本的に賃貸物件は必ず退去クリーニング代というものがかかります。退去の際に払わない場合でも入居時に払っていたり”敷金”という名目で必ず支払っています。
借りた部屋なので、退去時は借りた状態にして返さなければならないというのが基本的なルール。これが現状回復の義務と言われているものです。
借りてる側(借主)は汚れていた場合はお金を支払わなければならないのです。
とはいえどんなに綺麗に使おうとも長く住めばそれなりに汚れてきてしまいます。
生活する上で古くなってきてしまうのは「通常損耗」と言い、このお金は支払う必要がありません。
- 畳み・フローリングの色落ち・日焼け跡
- 窓際の結露後のフローリングの色落ち
- 家具設置によるへこみ
- 電気跡
- 寒暖差による窓のひび割れ
しかし、床に傷をつけてしまったり、壁に穴をあけてしまった場合は通常損耗ではないので私達はそのお金をクリーニング代・退去金と称して払う必要があります。
- 畳み・フローリングの傷
- 壁に穴が開いている
- 窓が割れている
- カビ
- タバコのヤニ
通常損耗かどうかは細かい規定がありますが、実際にこの規定を守っているかどうか、退去費として請求される見積もりが正しいかどうかをこちらが判断することは難しいです。
もう1つはどんなに綺麗に使っていても必ず発生する”ハウスクリーニング代”というものです。
ハウスクリーニングというのは部屋を綺麗にするための清掃のことでフローリングのワックス掛けやキッチンの水垢落とし等の清掃作業が含まれています。
綺麗に使っていても次の人に貸すためには必ずハウスクリーニング代だけは必ずかかるというわけです。
退去費用の平均相場はいくら?
こちらは無人契約機検索サイト「アトムくん」が行った男女200名による退去費用に関するアンケート調査結果です。
間取り | 退去費用の平均額 |
---|---|
ワンルーム/1K/1DK/1LDK | 49,980円 |
2K/2DK/2LDK | 79,924円 |
3DK/3LDK/4K~4LDK | 90,139円 |
一人暮らし用物件のワンルームや1Kで普通に過ごした場合の退去費用相場は約50,000円程度となっています。
もちろんこれには1DKや1LDKも含まれた結果となるのでワンルームならもう少し実際には安いことが多いです。
僕が実際に退去費として請求された額
平均はともかく僕が実際に退去費として請求された額についてご紹介します。
あくまで目安として見て頂ければ幸いです。
1件目:木造アパート
【家賃35,000円(約4年間住んだ物件)】
この時の退去費用は約5万円でした。
高くなってしまった原因は2つあります。
1つは貰った鍵を無くしてしまったことで「鍵交換費」として約15,000円請求されていること。
もう一つはクローゼットがなかったので100円均一で買える両面テープがついたフックを壁につけ、さらにアロンアルファを使ったことで取れなくなってしまったためです。
当時の内訳については覚えていませんが、この2つによって退去費が跳ね上がってしまい、敷金として1ヶ月分払っていましたがプラスで払う羽目になりました。
2件目の木造アパート
【家賃44,000円(約2年住んだ物件)】
定額補修プランに加入していたので退去後に請求されていませんが、このプランは最初に敷金の代わりに払うようなものなので結局同じことですね。
割と綺麗に使っているつもりでしたが約35,000円かかってしまいました。余ったお金は後日返金されました。
内訳にはクリーニング代固定で30,000円と細かい部分の補修費が含まれていました。
3件目:鉄筋コンクリートマンション
【家賃65,000円(約4年住んだ物件)】
退去費用は約40,000円で敷金1ヶ月分を払っていたため余ったお金は返金されました。
実はこの物件は住んでいる時に窓ガラスが割れてしまったのですが、退去の立ち合いの時に「この傷は自然にできたものですね」と言われ、窓ガラスの補修費は払わずに済みました。
この物件も固定費として30,000円とクロス等細かい補修費でした。
全体的に見ると平均値よりも退去費は高くなってしまっています。
綺麗に使っても固定で取られる場合もあるので、100%0円で済むことはないみたいです。
ただ、長く住めば済むほど補修費割合も減る経年劣化を考えると実際はもっと安く済むような気がします。
この辺は専門知識を用いてごねることもできますが、法外な額を請求されているわけではないので特に交渉を持ちかけたりしませんでした。
あくまで僕が住んだ時にかかった退去費用なので参考程度にとどめておいてください。
退去費用の内訳と料金相場
ここからは実際に退去費用として請求される項目の内訳について解説していきます。
項目 | 料金相場 |
---|---|
ハウスクリーニング代 | 約32,000円(20㎡前後) |
壁紙(クロス)の張り替え | 約1,200円(1㎡) |
フローリングの張り替え | 約8,000円~20,000円(1㎡) |
畳の張り替え | 約4,000円~35,000円(1畳) |
エアコン清掃費 | 約10,000円~13,000円(1台) |
ハウスクリーニング代
ハウスクリーニング代と大雑把に書かれていますが、依頼する業者によって内容は微妙に異なります。
多くの清掃業者は単品での価格とセット価格というものを用意していて、室内の清掃セットパックの料金がだいたい32,000円前後としていることが多いですね。
フローリング部分の清掃およびワックス掛け、キッチンの清掃、トイレの黄ばみや黒ずみの清掃、浴室の水垢等の清掃等が含まれています。
セット料金に水垢等が含まれている場合はいくら退去時に掃除して水垢を落としても意味がありませんが、含まれていないことも稀にあるので掃除すべきかどうか難しいところ。
セット意外のものはオプション代として別途料金がかかるので、その料金が退去費用として上乗せされるわけです。
壁紙(クロス)の張り替え
6畳(40㎡) | 約48,000円 |
---|---|
7畳(43㎡) | 約51,600円 |
8畳(48㎡) | 約57,600円 |
9畳(51㎡) | 約61,200円 |
10畳(54㎡) | 約64,800円 |
11畳(57㎡) | 約68,400円 |
壁紙はタバコのヤニ等で汚れてしまったり、破けてしまった場合に別途退去費用がかかるものです。
全ての壁紙を張り替えるとかなりの値段になりますが、実際は一部分だけの張り替えで済むことが多いので上記のような金額を請求されることは少ないです。
また、物件の設備には耐用年数というものがあり、壁紙の場合の耐用年数は6年です。
6畳の部屋(クロス代:48,000円)を例に経過年数ごとの支払い費用を一覧にしてみました。
経過年数 | 費用 |
---|---|
1年 | 約39,840円 |
2年 | 約32,160円 |
3年 | 約24,000円 |
4年 | 約15,840円 |
5年 | 約5,740円 |
6年 | 1円 |
クロスはこのように減価償却されて価値が下がります。
※減価償却とは建物の価値が年数とともに下がること。クロスや設備の値段も長く住めば済むほど割り引かれる
どんどん割引されていって貸主負担割合が多くなるので長く住んでいるなら破れていても費用は安く済みます。

フローリングの張り替え
フローリングはちょっとしたことでも凹んでしまったり傷がついてしまう部分なので退去費として請求される可能絵師も高いです。
どんなに小さい傷だったとしても1㎡あたりの値段で請求されるのであまり大きさは関係ありません。
ただし、フローリングの場合は生活に問題ないレベルの小さな傷はそのまま修繕されずに次の入居者に貸し出されることも多いので退去費用として請求されないこともあります。
賃貸のフローリングは物件ごとに素材が違うので料金も素材ごとに異なります。
ちなみにフローリングの耐用年数は木造アパートで22年ですが国土交通省のガイドラインによるとフローリングは経年劣化の対象にならないので壁紙のように割り引かれることはありません。

畳の張り替え
畳の場合は家具を置いた時の凹みや飲み物をこぼしてしまった時のシミなどが退去費用の対象となります。
畳の張り替えには「裏返し」「表替え」「新調」の3つの方法があります。
◆裏返し
その名の通り汚れた畳を裏返して再利用する方法です。畳には表と裏があり、裏返すことで新品のように使うことができるので軽度の傷等であれば裏返しが行われます。
◆表替え
畳の表面を新しくするという方法で正確には畳自体を替えるわけではありません。
飲み物の汚れとか中程度の傷、すでに裏返しが採用された畳の場合は表替えが行われることがあります。
◆新調
その名の通り畳を新しくするということです。すでに表替えや裏返し等を行っていたり、損耗が激しい場合なんかは新調することがあります。
張り替え方法 | 退去費用(1畳) |
---|---|
裏返し | 約4,000円 |
表替え | 約5,000円~20,000円 |
新調 | 約10,000円~35,000円 |
値段にばらつきがあるのは畳のグレードによるものです。イグサなら安く済みますがカビやダニが発生しにくい素材だとその分張り替え費用も高くなります。
だいたいこのぐらいの金額が相場なので、退去費用として高額請求された場合は素直に払わずに交渉しましょう。
少しの凹み程度であれば大家が負担してくれたり、畳の日焼けは通常損耗(普通に生活するだけで劣化する範囲)となるので請求されないことも多いです。
エアコン清掃費
ハウスクリーニング代に含まれそうなエアコン清掃費ですが、清掃業者のサイトを調べてみたところエアコンクリーニングはオプション代として別途請求しているところが多いです。
実際に賃貸物件でも退去費用としてエアコンクリーニング費が請求されることがありますし僕も払ったことがあります。
料金相場は1台あたり10,000円~13,000円前後で大手なのか地域密着型の業者なのかで料金が変わります。
エアコンはどんなに慎重に使っていても汚れてしまうのでいわばハウスクリーニング代と同じように固定費になっています。
内部はカビや埃の汚れがどうしても溜まってしまい、素人に清掃することはまず不可能な箇所となっているので仕方ありません。
もちろん、管理会社によってはエアコン清掃費は請求しないこともあるので物件次第です。
まとめ
退去費用は汚していても綺麗に使っても必ずかかってしまうものですが、破損箇所の多さによって費用は変わってきます。
だいたい5万円が相場になっているので、綺麗に使っているのにそれ以上請求されたら高額請求されている可能性が高いと考えてください。
退去費用を支払う際には必ず見積もり書を送ってもらい何にいくらかかっているのか教えてもらいましょう。
不服があれば相談することもできますし、高額請求の場合には消費者生活センターに問い合わせてみることで改善されることもあるようです。
少しでも参考になれば幸いです。
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