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一人暮らしというのはご存知の通りかなりのお金がかかります。
初期費用や家賃を支払い、せっかく一人暮らしライフを楽しんでいたのに退去時にもお金がかかります。
引っ越しをする際には引っ越し費用、入居先の初期費用等かなりお金がかかりますが、その上退去する時にも退去費用がかかります。
今回は一人暮らしの気になる退去費用の相場についてまとめてみました。
目次
敷金なしの一人暮らしの退去費用平均相場はいくら?
こちらは無人契約機検索サイト「アトムくん」が行った男女200名による退去費用に関するアンケート調査結果です。
間取り | 退去費用の平均額 |
---|---|
ワンルーム/1K/1DK/1LDK | 49,980円 |
2K/2DK/2LDK | 79,924円 |
3DK/3LDK/4K~4LDK | 90,139円 |
敷金を払っていない場合、一人暮らし用物件のワンルームや1Kで普通に過ごした場合の退去費用相場は約50,000円程度となっています。
敷金ありの場合は退去費用として充てられ、余った分は退去後に返金されます。
家賃6万円で敷金1ヶ月分を例にすると約1万円ほどは返金される計算です。
上記のデータは1DKや1LDKも含まれた結果となるのでワンルームならもう少し実際には安いことが多いです。
「敷金を払っていないと退去費用も高くなるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、どちらでも実際にかかる金額は変わりません。
ただ、敷金がないと退去費用を必ず用意する必要があるので高く感じてしまうという一面があります。
敷金を払った人の返金率はどのぐらい?
引っ越し侍が2,754人を対象に行った調査によれば敷金を支払って返金された人の割合は約32%です。
データを見る限り返金された人(32%)よりも返金されなかった人(36%)のほうが割合的には高いので「敷金を払っているからいくらか戻ってくる」といった前提で次の引っ越し等はあまり検討しないほうが良さそうです。
ちなみにスーモが2013年に行った調査によれば返金される場合は額も多いものの、追加で払う場合も同様にかなり高額になるケースが多いようです。
間取り | 返金額平均 |
---|---|
ワンルーム | 約2.9万円 |
1K | 約3.7万円 |
1DK | 約4.6万円 |
1LDK | 約6.6万円 |
2DK | 約3.4万円 |
間取り | 追加支払い額 |
---|---|
ワンルーム | 約6.9万円 |
1K | 約7.7万円 |
1DK | 約9.1万円 |
1LDK | 約12.7万円 |
2DK | 約9.2万円 |
これだけを見ると「高額請求するような管理会社も多い」という側面があることも頷けます。
ただし、2020年4月に施行された改正民法の条文で敷金返還義務や原状回復についてのルールが明文化されたおかげで高額請求というのは以前よりもしにくくなっています。
僕が一人暮らしで退去費として請求された額
平均額は極端に高い人や低い人の値も含まれて計算されているため、ややデータとしての信ぴょう性は低く、参考になりにくいのも事実です。
実際に僕が過去に住んだ物件でかかった退去費用がこちら。
種類 | 居住期間 | 退去費用 |
---|---|---|
木造 | 4年 | 約5万円 |
木造 | 2年 | 約3.5万円 |
RC造 | 4年 | 約4.0万円 |
住んだ期間や管理会社によって同じ使い方をしても退去費用には差が出ます。
さらに詳しく部屋の様子や敷金の有無等について詳しくまとめてみました。
1件目:木造アパート
【家賃35,000円(約4年間住んだ物件)】
この時の退去費用は約5万円でした。
高くなってしまった原因は2つあります。
1つは貰った鍵を無くしてしまったことで「鍵交換費」として約15,000円請求されていること。
もう一つはクローゼットがなかったので100円均一で買える両面テープがついたフックを壁につけ、さらにアロンアルファを使ったことで取れなくなってしまったためです。
当時の内訳については覚えていませんが、この2つによって退去費が跳ね上がってしまい、敷金として1ヶ月分払っていましたがプラスで払う羽目になりました。
2件目の木造アパート
【家賃44,000円(約2年住んだ物件)】
定額補修プランに加入していたので退去後に請求されていませんが、このプランは最初に敷金の代わりに払うようなものなので結局同じことですね。
割と綺麗に使っているつもりでしたが約35,000円かかってしまいました。余ったお金は後日返金されました。
内訳にはクリーニング代固定で30,000円と細かい部分の補修費が含まれていました。
3件目:鉄筋コンクリートマンション
【家賃65,000円(約4年住んだ物件)】
退去費用は約40,000円で敷金1ヶ月分を払っていたため余ったお金は返金されました。
実はこの物件は住んでいる時に窓ガラスが割れてしまったのですが、退去の立ち合いの時に「この傷は自然にできたものですね」と言われ、窓ガラスの補修費は払わずに済みました。
この物件も固定費として30,000円とクロス等細かい補修費でした。
全体的に見ると平均値よりも退去費は高くなってしまっています。
綺麗に使っても固定で取られる場合もあるので、100%0円で済むことはないみたいです。
ただ、長く住めば済むほど補修費割合も減る経年劣化を考えると実際はもっと安く済むような気がします。
この辺は専門知識を用いてごねることもできますが、法外な額を請求されているわけではないので特に交渉を持ちかけたりしませんでした。
あくまで僕が住んだ時にかかった退去費用なので参考程度にとどめておいてください。
退去費は入居者負担と借主負担の2つある
退去時にかかる清掃費用はこちらが負担しなければならないものもありますが、大家自らお金を出して修繕しなければならない項目もあります。
これは国土交通省が定める「原状回復のガイドライン」によって定められています。
退去するときに掃除をすれば安くなるという話もありますが、もともと大家負担の項目をなんとかしようとしても時間の無駄です。
大家負担と入居者負担の項目について具体的にまとめてみました。
通常損耗:貸主(大家)負担
借りてる側(借主)は汚れていた場合はお金を支払わなければならないのです。
とはいえどんなに綺麗に使おうとも長く住めばそれなりに汚れてきてしまいます。
生活する上で古くなってきてしまうのは「通常損耗」と言い、このお金は支払う必要がありません。
項目 | 大家負担 |
---|---|
床(畳やフローリング) | ・畳の裏返し・表替え ・家具設置による床の凹み・設置跡 ・日光や結露による変色・色落ち ・ワックスがけ |
壁や天井のクロス等 | ・テレビ・冷蔵庫等の背面の黒ずみ ・ポスターや絵画の跡 ・画鋲・ピン等の穴 ・エアコン ・クロス(壁紙)の変色 |
建具や柱 | ・網戸の張替え ・地震で破損したガラス ・熱割れなどによるガラスの傷や破裂 |
設備等 | ・全体のハウスクリーニング ・エアコンの内部洗浄 ・消毒(台所・トイレ) ・浴槽・風呂釜等の取り換え ・鍵の取り換え ・機器の故障等 |
ガイドラインでは意外と多くの項目が大家負担となっています。
特に”通常のハウスクリーニングは大家負担”となっているので本来であれば基本的な清掃費用というのは大家が出さなければなりません。
ただし、賃貸借契約には「特約」という形でハウスクリーニング費用を借主(入居者)に負担させることができるのです。
契約書にサインをしてしまっている以上、抗議をしてもこの問題は覆らないので厄介ですが最低限のハウスクリーニング代はどんなにキレイに使っていても請求されるというわけです。
入居者負担の分類
床に傷をつけてしまったり、壁に穴をあけてしまった場合は通常損耗ではないので私達はそのお金をクリーニング代・退去金と称して払う必要があります。
項目 | 入居者負担 |
---|---|
床(畳やフローリング) | ・飲み物等をこぼしたことによるシミやカビ ・冷蔵庫下のサビ跡 ・引っ越し作業や模様替え時に生じた傷 ・借主の不注意でできた床の色落ち(雨が吹き込む等) |
壁や天井のクロス等 | ・日常の清掃を怠ったことによる台所の油汚れ ・結露放置により拡大したカビやシミ ・クーラーからの水漏れを放置したことによる壁の腐食 ・タバコ等の屋に・臭い ・くぎ穴・ネジ穴 ・天井に直接つけた照明器具の跡 ・落書き等の故意によるもの |
建具や柱 | ・飼育ペットによる柱等のキズや臭い ・落書き等の故意によるもの |
設備等 | ・ガスコンロ置き場や換気扇等の油汚れ・すす ・風呂・トイレ・洗面台の水垢やカビ ・不適切な手入れや用法違反による設備の故障 ・鍵の紛失または破損による取り換え ・庭に生い茂った雑草 |
例えば画鋲程度の小さい穴であれば負担する必要はありませんが、ネジやくぎ穴ぐらいの大きさだと入居者が負担しなければなりません。
また、日常生活で手入れを怠ったことによる傷だったり汚れ・シミというのは”防ぐことができた”と判断されるので入居者負担となるようです。
鍵に関しても「ストーカー被害等で鍵を開けられた」とか「鍵穴を接着剤で塞がれた」といった問題であれば防ぐことが不可能なので大家が負担しなければなりませんが、鍵の紛失や破損自体は入居者自身のミスということなので負担しなければなりません。
上記のものはあくまで規定であり、悪質な管理会社ではガイドラインを守らずに高額な退去費用を請求してくることもあります。
退去費用の内訳と料金相場
実際に退去費用として請求される項目の内訳について解説していきます。
項目 | 料金相場 |
---|---|
ハウスクリーニング代 | 約32,000円(20㎡前後) |
壁紙(クロス)の張り替え | 約1,200円(1㎡) |
フローリングの張り替え | 約8,000円~20,000円(1㎡) |
畳の張り替え | 約4,000円~35,000円(1畳) |
エアコン清掃費 | 約10,000円~13,000円(1台) |
ハウスクリーニング代
ハウスクリーニング代と大雑把に書かれていますが、依頼する業者によって内容は微妙に異なります。
多くの清掃業者は単品での価格とセット価格というものを用意していて、室内の清掃セットパックの料金がだいたい32,000円前後としていることが多いですね。
フローリング部分の清掃およびワックス掛け、キッチンの清掃、トイレの黄ばみや黒ずみの清掃、浴室の水垢等の清掃等が含まれています。
セット料金に水垢等が含まれている場合はいくら退去時に掃除して水垢を落としても意味がありませんが、含まれていないことも稀にあるので掃除すべきかどうか難しいところ。
セット意外のものはオプション代として別途料金がかかるので、その料金が退去費用として上乗せされるわけです。
壁紙(クロス)の張り替え
6畳(40㎡) | 約48,000円 |
---|---|
7畳(43㎡) | 約51,600円 |
8畳(48㎡) | 約57,600円 |
9畳(51㎡) | 約61,200円 |
10畳(54㎡) | 約64,800円 |
11畳(57㎡) | 約68,400円 |
壁紙はタバコのヤニ等で汚れてしまったり、破けてしまった場合に別途退去費用がかかるものです。
全ての壁紙を張り替えるとかなりの値段になりますが、実際は一部分だけの張り替えで済むことが多いので上記のような金額を請求されることは少ないです。
また、物件の設備には耐用年数というものがあり、壁紙の場合の耐用年数は6年です。
6畳の部屋(クロス代:48,000円)を例に経過年数ごとの支払い費用を一覧にしてみました。
経過年数 | 費用 |
---|---|
1年 | 約39,840円 |
2年 | 約32,160円 |
3年 | 約24,000円 |
4年 | 約15,840円 |
5年 | 約5,740円 |
6年 | 1円 |
クロスはこのように減価償却されて価値が下がります。
※減価償却とは建物の価値が年数とともに下がること。クロスや設備の値段も長く住めば済むほど割り引かれる
どんどん割引されていって貸主負担割合が多くなるので長く住んでいるなら破れていても費用は安く済みます。
賃貸でのタバコのヤニによる退去費用はいくら?ヤニ汚れは落とせる?
フローリングの張り替え
フローリングはちょっとしたことでも凹んでしまったり傷がついてしまう部分なので退去費として請求される可能絵師も高いです。
どんなに小さい傷だったとしても1㎡あたりの値段で請求されるのであまり大きさは関係ありません。
ただし、フローリングの場合は生活に問題ないレベルの小さな傷はそのまま修繕されずに次の入居者に貸し出されることも多いので退去費用として請求されないこともあります。
賃貸のフローリングは物件ごとに素材が違うので料金も素材ごとに異なります。
ちなみにフローリングの耐用年数は木造アパートで22年ですが国土交通省のガイドラインによるとフローリングは経年劣化の対象にならないので壁紙のように割り引かれることはありません。
賃貸で傷だらけのフローリングや床のへこみの退去費用はいくら?
畳の張り替え
畳の場合は家具を置いた時の凹みや飲み物をこぼしてしまった時のシミなどが退去費用の対象となります。
畳の張り替えには「裏返し」「表替え」「新調」の3つの方法があります。
◆裏返し
その名の通り汚れた畳を裏返して再利用する方法です。畳には表と裏があり、裏返すことで新品のように使うことができるので軽度の傷等であれば裏返しが行われます。
◆表替え
畳の表面を新しくするという方法で正確には畳自体を替えるわけではありません。
飲み物の汚れとか中程度の傷、すでに裏返しが採用された畳の場合は表替えが行われることがあります。
◆新調
その名の通り畳を新しくするということです。すでに表替えや裏返し等を行っていたり、損耗が激しい場合なんかは新調することがあります。
張り替え方法 | 退去費用(1畳) |
---|---|
裏返し | 約4,000円 |
表替え | 約5,000円~20,000円 |
新調 | 約10,000円~35,000円 |
値段にばらつきがあるのは畳のグレードによるものです。イグサなら安く済みますがカビやダニが発生しにくい素材だとその分張り替え費用も高くなります。
だいたいこのぐらいの金額が相場なので、退去費用として高額請求された場合は素直に払わずに交渉しましょう。
少しの凹み程度であれば大家が負担してくれたり、畳の日焼けは通常損耗(普通に生活するだけで劣化する範囲)となるので請求されないことも多いです。
エアコン清掃費
ハウスクリーニング代に含まれそうなエアコン清掃費ですが、清掃業者のサイトを調べてみたところエアコンクリーニングはオプション代として別途請求しているところが多いです。
本来であればエアコンの清掃費はガイドライン上は大家負担となっていますが、ハウスクリーニングと同様に「特約」により入居者負担になっていることも珍しくありません。
実際に僕も払わされたことがあります。
料金相場は1台あたり10,000円~13,000円前後で大手なのか地域密着型の業者なのかで料金が変わります。
エアコンはどんなに慎重に使っていても汚れてしまうのでいわばハウスクリーニング代と同じように固定費になっています。
内部はカビや埃の汚れがどうしても溜まってしまい、素人に清掃することはまず不可能な箇所となっているので仕方ありません。
もちろん、管理会社によってはエアコン清掃費は請求しないこともあるので物件次第、契約書次第です。
まとめ
- 一人暮らしの退去費用相場約5万円ほど
- 敷金を払っている場合の返金される確率は約30%ほど
- 退去費用には大家が負担しなければならない項目もある
- 長く住むことで安くなる項目もある
退去費用は汚していても綺麗に使っても必ずかかってしまうものですが、破損箇所の多さによって費用は変わってきます。
だいたい5万円が相場になっているので、綺麗に使っているのにそれ以上請求されたら高額請求されている可能性が高いと考えてください。
退去費用を支払う際には必ず見積もり書を送ってもらい何にいくらかかっているのか教えてもらいましょう。
不服があれば相談することもできますし、高額請求の場合には消費者生活センターに問い合わせてみることで改善されることもあるようです。