賃貸物件の契約更新はいつまで?忘れて更新日が過ぎたらどうなる?

部屋を借りている場合、通常は2年で契約を更新しなければなりません。

しかし、初めての一人暮らしの方やこれまで親に全て任せていた場合はその辺りがよくわからないですよね。

今回はそんな一人暮らしの方のために契約更新のやり方や手続きはいつまでにしなければならないのかについてまとめてみました。

契約更新の流れ

「イメージが湧かない」という方のために、まずは簡単に契約更新の流れについてご説明します。

契約更新の流れ
  1. 更新日1ヶ月~3ヶ月前にお知らせが届く
  2. 管理会社に連絡をする(お知らせに書いてあります)
  3. 管理会社から書類が届く
  4. 記入して返送
  5. 入金・または引き落とし
  6. 更新完了

その物件の仲介業者や管理会社によって違いはありますが、多くの場合こういった流れになります。

更新の際に、契約の変更があった場合は直接店舗に赴く場合がありますが、基本的には自宅に書類が届き、返送して入金するだけなので忙しい人でも問題ないと思います。

それと基本的に更新は2年に1回となっており、家賃1ヶ月分~2ヶ月分がかかります。

いつまでに更新の連絡をすべき?

更新するにしても退去するにしても原則として更新日の約1ヶ月前には連絡する必要があります。

更新をする場合は更新する旨を電話やメールで伝えると、更新のための書類が送られてくるため、送られてきたらそれを不備がないように記入し返送します。

管理会社によっては最初から更新&解約の書類が一緒に送られてきて、希望するほうの書類に記入して提出することもあります。

書類が郵送されてきてから返送するのを忘れてしまう方も多いようですが、やはりこれも更新日の2週間前までには済ませておくべきです。

もし仮に更新日ギリギリになってしまった場合は、返送する前にその旨を連絡してもらえれば変なトラブルにもならずに済みます。

賃貸借契約では原則1か月以上前になっていますが、実際にはそこまで細かく考える必要はありません。意外と融通が利くので不安になる必要はないでしょう。

【2年契約の賃貸物件】引っ越しのタイミングはいつ?更新すべき?

うっかり更新日が過ぎてしまったら?

「更新の連絡は来ていたけど忙しくて忘れていて更新日を過ぎてしまった」場合や「更新の連絡自体がこなかった」ということも稀にあります。

こういった場合どうなるのか法律に基づいて紹介していきます。

更新の連絡が一切なく更新日が過ぎてしまった場合

更新日が過ぎてしまった場合の更新は「法定更新」となります。

通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。

参照;借地借家法第26畳

「法定更新」とは・・・賃貸契約が期間満了時までに整わなかった場合、借主さんの立場を守るために「法律」で更新されたことを保証するもので、その場合は、家賃などの基本的な条件は以前と同じで「期間の定めの無い」契約が更新された事になります。

参照元:うちコミ!

法定更新となってしまった場合、契約を解除する場合は通常退去時の1ヶ月前にする連絡を3ヶ月以上前に連絡しなければならないようです。

そして気になる更新料ですが法定更新となってしまった場合は貸し手側が更新料を請求することが出来なくなります。

つまり・・・意図的に更新せずに更新日を過ぎてしまうことが出来れば更新料は払う必要がないということです。

ただ、契約書に「法廷更新の場合も更新料として賃料の1か月分を支払う」などという記載があった場合は更新料は支払わなければなりません。

詳しくはこちらをご覧ください。

賃貸物件で契約更新の連絡がこない場合や書類が届かない場合の対処法

契約更新しようとして忘れて更新日が過ぎた場合

今度は管理会社等からしっかりと書類は届いていたけれどうっかりと忘れてなんだかんだで更新日が過ぎてしまったケース。

こちらも合意のもとで更新がされていないので法定更新となります。突然追い出されるようなことはありません。

ただし、更新料というのは大家にとっても大事な収入源となるので更新日を過ぎても「再契約」をするように通知がくるはずです。

僕が住んでいる更新通知に記載されていた内容がこちら。

【お手続きの内容をご確認の上、期間満了日の1か月前までに更新、又はご解約のご意向を表明くださいますようお願いいたします。なお、期日までにご回答なき場合は更新に合意しているものとみなし、お手続きを進めさせていただきます。

実際には法定更新ではなく合意更新となるケースがほとんどです。

再契約となっても実際にかかる費用は更新料と同額です。

解約しようと思っていたが連絡し忘れた場合

この場合も先ほどと同様に「法定更新」が適用されてしまいます。

解約の手続きは通常1か月以上前に行うことで大家が次の入居者を募集する期間に充てることができます。この場合の更新方法を合意更新と言います。

「じゃあ更新日が過ぎても1ヶ月経てば解約できるのか?」と言うと法定更新のせいでそれができなくなっています。

法定更新をした場合、解約するためには3か月前に通知することが民法第617条によって義務付けられているのです。

法定更新は更新料がかからないのでお得ですが、解約したかった場合は結局そこから最低でも3か月間住み続けなければならないので賃料負担のほうが多くなってしまうというわけです。

まだ新居の契約を行っていない場合は一度保留にしないと二重家賃になってしまいます。

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契約更新でかかる費用

契約更新の際にかかる費用を項目ごとにまとめてみました。

項目 相場
契約更新料 家賃1か月分
翌月の家賃 家賃1か月分
火災保険料 約15,000円程度
更新保証料 約10,000円程度
事務手数料 0円~5,000円程度

更新料は家賃1か月分程度ですが、その上翌月の家賃支払いも行わなければならないので実質2カ月分以上の金額を一度に払う必要があります。

しかし、更新料は実はこれだけではないのです。

賃貸借契約書をよく見て頂けるとわかると思いますが、契約更新の場合この他に火災保険料も2年に1回料金が発生します。

そして、契約更新にかかる事務手数料がかかることも多いです。

ちょっとわかりにくいと思うので例を出します。

【アパートの家賃60,000円・更新料1ヶ月分の場合】

  • 更新料:60,000円
  • 火災保険料:15,000円
  • 事務手数料:5,000円
  • ※賃貸保証料:24,600円

※賃貸保証料とは連帯保証人がいない人が保証がいない場合に発生する保証会社の手数料のこと

更新料は家賃の1ヶ月分と言っておきながら実際には他にもこういったお金が取られてしまいます。

これを知らないで「更新料は大丈夫」と思っていると思った以上にお金がかかるので覚えておいてください。

また、保証会社を利用している場合は契約期間の更新とともに保証会社利用料が請求されるので覚えておきましょう。

更新料の支払いを待ってもらうことはできる?

賃貸の契約更新は更新する意思があることを示しただけでは終わりません。

当然更新料がかかってくるので提示された金額を期日までに手動で振り込む必要があります。

結構な料金がかかるので人によっては「更新料を支払うことのはきつい」となって今すぐに支払うことができない状況になることも十分考えらえます。

実は更新料というのは更新日と違って明確な支払いルールというのは定められておらず、法的な縛りなども実はありません。

期日を過ぎたからといって契約更新が行えないということもないというわけです。

つまり、更新料が現時点で支払えなさそうな場合は待ってもらうことが可能です。

待ってもらう場合は事前に管理会社に「○○日まで待ってほしい」という旨を伝えることが大切です。

更新する際には家賃の値下げ交渉もできる

契約更新する際には入居時と同様、家賃の値下げ交渉が可能です。

例えば経済状況が変わり、周りの物件の家賃価格が下がっている場合なんかは値下げ交渉もスムーズです。

■例「契約更新についてですが、周囲の物件の価格が下がっているようなのでこちらの物件も○○円ほど安くしていただけないでしょうか?賃料据え置きの場合は引っ越しを検討していますので○○日までに回答いただけると幸いです。」

特に入居時が新築だった建物などは数年で資産価値が下がるので当然賃料も安くなっていることが多いです。

これを忘れていると隣の部屋と同じ間取りなのに数千円も高い家賃を払い続けなければならなくなるので注意が必要です。

現在住んでいる物件の家賃を知りたい場合はネット検索で「住んでいる地域+建物名」を入れると空き室に関する情報が出てくるので現段階での家賃を知ることができます。

契約は双方の合意があってこそのものです。家賃に不満があるようなら積極的に交渉すべきです。

引っ越しよりも契約更新した方が安い?

株式会社タスが調査した賃貸住宅市場レポートによれば月別の更新確率平均は繁忙期の引っ越し時期であっても約43%~44%となっています。

更新を機に引っ越しているかどうかまではわかりませんが、更新時期に引っ越す人の割合は約56%~57%ということになります。

契約更新のタイミングで引っ越しをされる方が多いですが、実際どのぐらい差が出るのか計算してみました。

■賃料6万円(敷金1か月・礼金0円)の場合

 

【契約更新】

  • 更新料:60,000円
  • 家賃:60,000円
  • 火災保険料:15,000円
  • 事務手数料:5,000円
  • 合計:140,000円

【引っ越し】

  • 前家賃:60,000円~
  • 敷金:60,000円
  • 仲介手数料:64,800円
  • 火災保険料:15,000円
  • 事務手数料:5,000円
  • 合計:204,800円+α(保証会社利用料など)

差額は64,800円で契約更新の方が安いです。

もし仮に引っ越し先の物件が礼金1ヶ月も含んでいると12万円以上の差が出ます。

逆に仲介手数料0円物件や敷金0円物件で契約するともう少し安くすることは可能です。

基本的には更新する方が安いですが、今の部屋に不満があるようなら初期費用が安い物件を探してみるのもありです。

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まとめ

MEMO
  • 賃貸の契約更新は基本的に1ヶ月前までに通知する必要がある
  • うっかり過ぎてしまっても更新することは可能なことが多い
  • 更新料の払い忘れがされても更新することはできる
  • 再契約の内容に同意できずに更新日を過ぎてしまった場合は法定更新となる
  • 引っ越すよりは更新したほうが費用としては割安

契約更新の手続きは部屋を借りるよりもラクにできるので能動的に何かをする必要はありません。

たとえ更新日が過ぎてしまっても焦る必要は全くありません。海外に比べて日本は借主が割と優遇されている傾向がありますし、法律的にも守られているので大丈夫です。

僕も書類関係は面倒で後回しにしてうっかり2週間前ぐらいになってしまったこともありますが、解約せずに更新なら普通に対応してもらえました。

少しでも参考になれば幸いです。

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