賃貸アパートで楽器音がうるさい!ギターの音に悩まされたときの対処法

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賃貸アパートは隣室との壁が薄く、契約内容に『楽器不可』を盛り込んでいるケースは多いです。

アパートだと楽器の練習は一切行うことはできないのか、持ち込みすら不可なのかは気になるところ。

また、隣室からギターやベースなど演奏の音が聞こえてきたときに苦情を入れても良いのか細かく解説していきます。

アパートで楽器演奏は不可能?

楽器の種類にもよりますが、基本的にアパートでの演奏は不可となっている物件が多いようです。

物件の備考欄等に何も書かれていない場合は楽器の演奏しても規約違反にはなりませんが、これは本来楽器不可と書きたいところを人集めのために書いていないだけです。

家主も家賃収入で儲けるのが目的ですから、あまり厳しい規約にしてしまうと人が集まらなくなって困ってしまうため人気物件以外は空欄になっていることが多いです。

楽器を演奏してほしくないというのはアパートに限らずマンションでも同じです。

僕は現在鉄筋コンクリート造の比較的防音性の高いマンションに住んでいますが、こういったマンションでさえ備考欄に楽器不可と書かれていました。

一応規約上なにも書かれていないのであれば楽器練習は相談が必要、不可と書かれていれば練習することはできません。

賃貸の楽器不可ってどこまでダメなの?バレたらどうなるのか

規約違反でも強制的に退去させることは難しい

例えば「楽器不可」と書かれているアパートで隣人がギターやピアノを演奏していた場合、これは賃貸借契約の規約違反となります。

債務不履行状態となるため、貸主は入居者に対して3つの手段を講じることができます。

債務不履行状態の対処手段
  • 履行の強制:強制的に契約内容を守らせる(注意や警告)
  • 損害賠償請求:契約を守らないことで生じた損害(他住人の退去)を請求する
  • 契約の解除:強制的に退去させる

最も重い対処は『契約の解除』による強制退去ですが、実際に実行されるケースは少なく、ほとんどの場合は『履行の強制』で済みます。

賃貸借契約において借主というのはかなり強い立場となります。

消費者契約法等で守られている立場にあるため、ちょっとした規約違反や問題行動を数回起こした程度では注意しかできないのが現状です。

特に居住用物件においては入居者が追い出されてしまった場合、命にかかわることもあるため、法律では個人による強制執行を禁止しています。

引用:ビジアナオーナー

こっそり楽器を演奏するよりも大家にとって辛い家賃滞納を繰り返している人が即時退去させられていないことからも借主の立場がいかに強いかがお分かりいただけるかと思います。

全力で退去させたい場合は裁判をして立ち退き命令を出してもらう他ないため、その労力や金銭的負担を考えると割に合わないというのも大きな要因となっています。

楽器可物件でうるさい場合は苦情を入れてもいいの?

通常のアパートやマンションで楽器不可と明記されている物件については弾いている時点で規約違反となりますが、楽器可と謳っているにもかかわらず普通に音が漏れてしまうこともあります。

こうした物件の場合「楽器可だから我慢するしかないのかな」とも思いますが、一応苦情を入れておくことは大切です。

本来であれば楽器可物件はかなり防音性が高い(楽器を演奏しても音が漏れにくい)はずですが、アンプなどに繋いでギターを爆音で鳴らせば聞こえることはありますからね。

管理会社に連絡して苦情を言うことでボリュームを下げてもらったり、深夜は控えるように注意してくれたりするので音が迷惑だと感じるなら我慢せずにそのことを伝えましょう。

昼間の時間帯は容認されやすい

うるさいと感じるかどうかは人によって違いますが、ある程度の基準値というのは平成10年に公布された環境省の告示によって定められています。

 昼間
(6:00~22:00)
夜間
(22:00~6:00)
音の大きさ55デシベル~45デシベル~

夜間である22:00以降は睡眠をとっている人も多いので隣人トラブルに繋がりやすいものの、昼間の時間帯は許容されやすい傾向にあります。

最近ではテレワークも増えて昼間でも自宅にいる時間が増えている人が多くなっています。

こういった昼間の時間帯に楽器音が聞こえてくると苦情を入れたくなりますが、昼間は睡眠妨害にならず、精神的ストレスを感じさせにくいので許容されやすいというわけです。

昼間は他人に迷惑がかかりにくい時間帯であり、例え楽器不可で演奏している人がいても管理会社はスルーしがちです。

一応「楽器不可物件なのに昼間に演奏している隣人がいます。仕事の迷惑になって困っています」ということは伝えるべきですが、何もしてくれないこともあるということを覚えておいてください。

楽器の音はどれぐらい聞こえる?

楽器平均音量
(dB)
最大音量
(dB)
アコースティック・ギター77.593.2
エレキ・ギター(生音)68.872.4
エレキ・ギター(アンプあり)8591.2
ベース(指弾き)50.055.0
ベース(スラップ)70.082.0
ピアノ80.090.0
エレクトーン(電子)77.086.0
電子ドラム70.090.0

最も手にしやすいエレキギターの生音は平均で約70デシベルほどですが、この音量がそのまま隣室に伝わるわけではありません。

賃貸物件には『界壁』と呼ばれる隣りとの仕切りが設けられていて、これによってある程度遮音されて隣室に伝わります。

透過損失
構造D値隣室に聞こえる音
(エレキギター)
木造40以下約30dB
軽量鉄骨造40前後約30dB
重量鉄骨造40~45約25dB
鉄筋コンクリート造50前後約20dB

木造アパートでカットできる音量は約40デシベル(D-40)程度となるため、生音は隣室に約30デシベル程度伝わります。

無音になるということはありませんが、昼間だったらほとんど気にならない程度の音量です。

ただし、アンプに繋いで音を増幅させると苦情が来るレベルの音量となってしまうため、弾く場合には注意が必要です。

逆に隣室の音があまりにも大きく感じられる場合、問題行為として管理会社に報告すべきでしょう。

隣人が楽器を弾いていてうるさかったらどうするべき?

強制退去させることは難しいですが、楽器不可物件であればある程度改善させることは可能です。

管理会社に連絡する

直接苦情を言いに行くのが一番手っ取り早いですが、たいていの人はそんなことできません。

なので管理会社に連絡を入れておきましょう。

「○○○号室の方が深夜にも関わらず楽器を弾いていてかなり迷惑しているのですが、なんとかしていただけませんか?」と伝えてみてください。

これを伝えると管理会社の方からその人に騒音トラブルに関しての通知が行きます。

もちろん誰が苦情を言ったのかは絶対伝えないのでその辺は安心してください。その人が角部屋で自分自身が隣人だとバレる可能性は高いですが。

大抵の人は通知があった時点で控えるようになります。

それでもやめないようであれば再度管理会社に連絡してください。

そもそも大抵の賃貸物件では一切の楽器演奏は禁止されています。これはピアノだろうが笛だろうが同じです。

ただ、それを平気で破る住人に対して大家も『管理会社』も“手出し”は出来ません。裁判所に訴えても勝訴できる(=『明渡命令』が取れる)かどうか疑問です。

参照元:教えて!goo

管理会社やオーナーには「使用収益をさせる義務」があり、騒音被害に困っていることを放置することはできません。

具体的な証拠を提示すると動いてくれやすい

管理会社によっても対処の仕方は異なり、しっかりと問題のあるお部屋に対して連絡を入れることもあれば、建物全体に対して手紙を配布するのみで終わらせることもあります。

より確実に対処してもらいたいのであれば『証拠』の提示がおすすめです。

証拠の例
  • うるさいと感じたときに音声アプリを使って騒音状態を保存しておく
  • 実際に響いてくるデシベル数を測り、メモを取っておく
  • 具体的な日時やうるさくなりやすい時間帯のメモを取っておく

管理会社へ苦情の連絡を入れるときは証拠を合わせて提示すると動いてくれる率が上がります。

楽器音がうるさいならその瞬間を録音して証拠としてメール等で送っておきましょう。

警察に連絡する

管理会社に連絡するのが正攻法ですが、それでも楽器を弾き続けていて迷惑しているようなら警察に連絡するのも1つの手。

警察は通報があった以上は動かなければならないので「騒音被害に遭っています」と伝えましょう。

実際に警察がやってくれることは民事不介入なので注意程度ですが、警察がきたという事実は結構大きいので管理会社から注意するよりもおとなしくなる可能性が高いです。

僕の後輩も学生の時によく宅飲みをしていて警察に注意をされていました。匿名で通報ができるので本当に困っている時は110番通報してみてください。

直接苦情を言いに行く

管理会社に連絡してもすぐに対応してくれなかったり、24時間サポートしてくれるとは限らないので深夜帯に音を出されると警察に連絡するか自分で対処するしかありません。

正直あまりおすすめはしませんが、人の迷惑になっていることを伝えるためにあえて直接苦情を言いに行くのが最も効果的だったりします。

明らかに悪いのは音を出している相手なので注意をされればほぼ間違いなくおとなしくなります。

ただ、この方法は自分が男の場合に限ります。女性で相手が男性の場合はトラブルに巻き込まれる可能性もありますし、反抗的になる可能性もあるため。

直接苦情を言ってしまうと後日ばったり会ったりした時に気まずくなるのでその点は注意してください。

最終手段として考えましょう。

ちなみに僕は外に風鈴を飾っておいたところ深夜に下の階の人が訪ねてきて「風鈴の音がうるさいので対応してもらえませんか?」と言われたことがあります。

本人は「うるさくしていない」つもりで音をだしている可能性もあるので迷惑していることを伝えるのは効果的。

音で対抗する

楽器を演奏している人は自分がどれだけ迷惑をかけているのかをわかっていないケースが多いです。

実際物件によって音の聞こえ方はまちまちですし「隣りは話し声とかも全く聞こえてこないから防音性は高いのだろう」という勝手な思い込みで音を出していることは十分考えられます。

そこであえてこちらも少し大きな音を出して「このぐらい聞こえている」ということを示します。音楽とか理想的。

この方法は逆に苦情を入れられる可能性があり、なおかつ注意されると自分が悪い立場になるので方法の1つ程度として考えてください。

まとめ

MEMO
  • 楽器不可物件では音がなる楽器全般の演奏・練習が禁止されている
  • 規約違反していても強制退去させることは保護法によりかなり難易度が高い
  • うるさいと感じたら管理会社に連絡するのが正攻法
  • 民事不介入だが騒音被害は警察に連絡するのもおすすめ(注意してもらえる)
  • 楽器演奏者はそこまで音が聞こえてしまっていると思っていない可能性が高い

賃貸物件で一番トラブルに繋がるのは騒音に関することです。

これは楽器の音だけでなく宅飲みによるうるささだったり、夜中に洗濯機を回す音がうるさいなど色々と種類があります。

多少の音は仕方ないですが、あまりにもうるさくて生活に影響が出るようなら取りあえず管理会社に連絡して注意してもらうようにしましょう。

【壁が薄い】隣室の話し声がうるさいと感じたときの防音対策

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