賃貸物件で一人暮らしするなら築何年まで快適に住める?

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賃貸物件には今にも倒壊してしまいそうなかなり築年数の古い物件もあれば、人気の高くてかなり内装もキレイな新築物件や築浅物件も存在します。

そもそも賃貸物件は築何年まで住むことができるのか、どの程度の築年数までなら快適に過ごせるかについて調査してみました!

部屋探しをしている人はひとつの目安として参考にしてみてください。

賃貸物件は築何年まで住めるの?

賃貸物件には法定耐用年数というものが定められています。

法定耐用年数とは建物の減価償却費を計上できる期間のことで、その期間であれば税金が安くなるというものとなっているので正確には寿命とは異なりますがこれが1つの目安となっています。

補修工事をすれば耐用年数以上に寿命を延ばすことができるので一概に「○○年まで」という明確な数値を出すことはできませんが、ある程度の目安についてまとめてみました。

構造耐用年数建物の寿命
木造22年約30年
軽量鉄骨造19年~27年約50年~60年
重量鉄骨造34年約50年~60年
RC造47年約65年~100年

構造によってかなり異なるものの、木造アパートでもこまめにメンテナンスをすれば築30年も余裕で、中には築100年近くになるようなものも存在します。

賃貸物件の場合は何年まで住めるかが重要で、メンテナンスをすれば長期的に住むことはできるものの大家が修繕工事をすることで赤字になる場合は取り壊しを行う可能性が高くなります。

耐用年数を超えると簡単に言えば税金が高くなってしまうので、入居率が悪くなれば建て直しを図ったり、取り壊しを選択する大家も少なくありません。

調べてみるとわかりますが賃貸物件で築30年を超える木造物件が少ないのも利益第一の考えが影響しているためです。

耐用年数を超えているからと言って建物が崩れたり、耐震性が低くなるといったことはありませんが、部屋を借りる場合に住める目安は寿命よりも耐用年数を目安に見ておきましょう。

築年数は何年まで妥協できる?

新築や築浅物件のほうが設備も整っていたりキレイなので快適に過ごせるのは間違いありませんが、その分家賃も高くなるので”どこまで妥協できるのか”が重要になってきます。

CHINTAIが女性100人に調査したアンケートによると大半は”築10年以下”と回答しています。

「築10年以下」が全体の41%と大半を占め、「20年~40年以下」が同程度、「30年以下」に関しては築年数自体をあまり気にしていない人の割合でしょう。

こうしてみると新築じゃなくともせめて築10年以内じゃないと嫌という女性が多いようです。

築年数が浅いほうが良い意見
  • 新しい物件のほうがセキュリティー的に充実してそう
  • 古い物件は虫が出るイメージが強いので嫌
  • 設備故障に対応できないため
  • 地震が怖いため

ただし、実際に部屋を選ぶとなったときには多くの人が築年数を妥協しています。

at-homeが30歳以下の一人暮らししている人を対象に行った「部屋探しの際に妥協した条件」についての調査結果がこちら。

妥協点

学生、社会人で若干割合は異なりますが、第1位で挙げられるのが築年数で約3割は妥協していることがわかります。

ある程度キレイと感じるのも築10年程度となっているのでこの辺りが快適に過ごせるラインなのかもしれません。

一人暮らしするなら築何年までなら快適に住める?

実際に築何年までなら快適に過ごすことができるのかデータ等を元に目的別に合わせてまとめてみました。

ゴキブリ等の虫が嫌いなら築10年以内の物件

一人暮らしだと虫が出てしまったときに自分1人で処理をしなければなりません。

虫嫌いであれば築10年以内の物件を選ぶことで比較的遭遇率を抑えることができます。

オウチーノが568名に対して行った「住居内の「虫トラブル」実態調査」がこちら。

築年数ゴキブリクモ
1年~5年1.43回7.36回4.25回
6年~10年1.87回9.43回6.45回
11年~20年3.23回12.96回5.46回
21年以上13.91回13.91回8.48回

グラフを見る限りでも築年数が古くなればなるほど比例して虫の出現率も高くなっていることがお分かりいただけると思います。

築10年以内であればそこまで顕著に遭遇率も高くなっていませんが、11年を超えてくるとゴキブリだけでなく蚊の出現率もかなり高くなっています。

虫に関しては階数や立地等もかなり影響していますが、築年数も関係があるので重視すべきです。

理想を言えば虫がまだ住みついていない新築物件がおすすめですが、家賃や初期費用が高くなるため妥協できる金額かどうかは難しいところ。

耐震性を重視するなら築23年以内

大通りなど振動を伴う揺れを抑えたいなら木造で築23年以内、RC造等それ以外なら築42年以内がおすすめです(2023年現在)。

耐震性能は木造や鉄筋コンクリート造等の構造によって大きく左右されるものですが、実は築年数によっても左右されます。

建築基準法は1981年と2000年に大規模な改正が行われています。

耐震性が影響する建築基準法の改正
  • 1971年:震度5程度の中規模の地震で大きな損傷を受けないこと→震度6程度の大規模な地震で建物の倒壊や損傷を受けないこと
  • 2000年:木造における耐震性が見直され「耐震等級1級(震度7でもすぐに倒壊しないレベル)」が義務化

耐震性はいわば建物の強度。

強度が高ければ高いほど厚みを持たせたり、使う資材が変わるため耐震性はもちろん防音性にも影響します。

建築基準法によれば壁の厚さに対しての基準値は設けられていませんが、床の厚さ(スラブ)は下限値が設けられていて古い建物だと120mmで最近のものは150mm前後と言われています。

実は昔、一般的なスラブ厚は120mmでしたが、近年は150mmが標準です。また分譲マンションや優良住宅などは遮音性を確保する目的で、スラブ厚を180以上とします。

参照:http://kentiku-kouzou.jp/tekkinkonkurito-surabuatu.html

木造アパートに限り2000年の6月に建築基準法が改正されています。

2000年の改正内容
  • 地盤調査が事実上の義務化
  • 金物仕様が事実上の義務化
  • 耐力壁の配置にバランス規定が定められる

耐震等級1級の取得が必須となったため、耐震性が強化されています。

耐震等級1級は「震度6~7程度に対しても倒壊や崩壊しない」というレベルのでかなり強い地震が起こったとしても安心して生活できます。

2000年の改正によって木造であっても振動を感じにくいようになったため、日常的には大通り沿いの物件がトラック等の車が通ったときに揺れの影響を受けにくくなっています。

建物が建てられた時点で合法であった場合、改正前に建設された物件では法令改正による影響を受けません。

防音性を重視するなら築10年前後が目安

大手ハウスメーカーでは2010年前後から独自の技術を採用しています。

ハウスメーカー防音システム採用年月
シャーメゾンシャイド50
シャイド55
2011年
大和リビングサイレントハイブリットスラブ502012年
東建コーポレーションTKS50
TKS55
2013年
ミサワホーム床制御ダンパー2008年
セキスイハイム床制御ダンパー2011年
レオパレス21ノンサウンドシステム2013年
へーベルメゾンANR(旭化成ノイズリダクション)フロア2018年
大東建託ノイズレスフロア2011年

建設されるすべての物件に採用されているわけではありませんが、防音技術の実用化が2010年前後。

つまり、築10年以内の物件であれば防音システムを採用した物件や近年の技術が施工に採用されているため、防音性も高い傾向があるというわけです。

設備のキレイさを取るなら築10年以内が目安

部屋に設置されている設備のキレイさや流行りというのは築年数に左右されます。

築年数の古い物件は3点ユニットバス(風呂・トイレ・洗面台が一緒)が主流だった影響で多く、風呂釜もバランス釜と呼ばれる古いタイプのものが採用されています。

現在は『モニター付きインターホン』『フローリング』『湯沸し器』が主に採用されています。

新築や築浅のほうが設備もキレイで理想を言えば築年数5年以内、古い雰囲気の物件が嫌ならせめて築10年以内が理想的です。

築年数が古くてもリノベーションされていると内装がかなりキレイで設備も最近のものになっていることもあるので築年数だけでは図れない部分もありますが、水回りを一新するのはかなりコストがかかるため水回りだけ古いということも。

築年数の古い物件にもメリットはある

築年数が古いことで虫が出やすかったり、耐震性が低かったり、設備が古かったりなどの問題もありますが、その反面メリットもあるので一概に古い=やめたほうがいいというわけでもありません。

築年数が古いなりのメリットについてまとめてみました。

相場に比べて家賃が安い

最大のメリットはお察しの通り、家賃が安いことです。

人気の高い物件ほど家賃は高く、築年数経つごとに人気は落ちてくるので家賃は低くなります。

また、築20年以内だったら許容できる人はある程度いるので人気もそこまで落ちませんが、それを越えると一気に人気がなくなると家賃も激減する傾向があります。

本当に人が入らないような物件だとびっくりするぐらい安い家賃だったりすることも。

ちなみによく古い建物は防音性が低いと言われますが、防音性はそのマンション、もしくはアパートによって異なるので古い建物だからと言って音が響くわけではありません。

例えば新築の木造アパートは古い木造アパートと同じように防音性が低いですし、その逆もしかり。

物件数が多くなるので条件に合う物件を選びやすい

最初に決める条件として希望家賃がありますが、築年数を気にしないような人であればかなり細かい条件を満たすことができます。

新築と築年数が20年や30年経っている物件を比較するとかなり家賃に差があります。

築年数を後回しにすることで広い部屋に住めたり、駅近、設備なども妥協しなくてよくなるかもしれません。

古い建物は建設ラッシュ時に建設されたものなので数が多いです。”築年数さえ妥協できれば”他を妥協しなくてよくなると考えるとメリット。

需要が低いため家賃や設備交渉しやすい

新築や築浅物件は当然人気が高く、交渉をする余地なんてありませんが、人気がある程度落ちている物件だと大家側も入居者を捕まえようと必死なので色々と交渉できます。

家賃交渉、室内のエアコンを追加したり、畳を一新してもらったりとこちらが優位に契約することができます。

家賃交渉だけじゃない?部屋を借りる時に交渉できる5つの項目

交渉可能なのは家賃だけじゃないので参考にしてみてください。

初期費用が安いことも多い

古い物件だと敷金はともかく礼金が0円だったりフリーレント物件などキャンペーンを行っていたりして初期費用を大幅に削減することができます。

国土交通省がまとめている「令和3年度住宅市場動向調査報告書」では『礼金があった』という世帯は45.9%と借りる物件の約4割強が礼金を取っていることがわかっています。

新築・築浅物件は礼金を取る傾向があり、中には礼金2ヶ月~3ヶ月といった物件も見受けられます。

古い物件であれば浮いたお金で家具家電を購入したり、貯金できるので引っ越し時のお金を節約することができます。

リフォーム済みだと新築に近い内装で綺麗

上記でも述べましたがある程度築年数を重ねている物件は人が入らなくなってしまうので内装をリフォームすることもあります。

【築43年】

リフォーム済み

【築51年】

築51年

いつリフォームしたのかにもよりますが、内装は新築同様になっていてお風呂場も最新になっていたりと過ごしやすい部屋になっている可能性があります。

家賃が安いのに新築に住むのと変わらないと考えるとかなりの魅力。

リノベーション物件を効率的に探すコツ

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まとめ

MEMO
  • 快適性と家賃のバランスを考えるなら築10年前後の物件がおすすめ
  • 築年数が20年前後だと古さを感じるようになる
  • 建物自体は築100年でもメンテナンスをすれば維持できるが赤字のリスクが高いので賃貸なら耐用年数程度が限界
  • 古い物件は家賃が安かったりリノベーションされて内装がキレイだったりとメリットもある

築10年前後の物件なら古臭さは感じませんし、虫の出現率や耐震性、防音性も悪くないので快適に過ごすことができます。

どの程度妥協できるのかは人によりますが、結局部屋を決める際に重要なのが家賃になってくるので築年数を妥協することで帳尻を合わせている人はかなり多いようです。