即入居可物件はやばい?デメリットとメリットを徹底解説

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物件タイプには『即入居可物件』と『退去予定物件』があり、即入居可であれば比較的すぐに入居することができます。

一方で即入居可物件にはやばいと噂されるようなデメリットがあるのも事実。

今回は即入居可物件のメリットとデメリットを徹底的に紹介して、どういった物件を選ぶべきかまとめてみました。

即入居可物件はやばい?意外なデメリットとは

結論から言えば、即入居可物件を選んだからといって後悔するかどうかは物件次第です。

即入居可
入居審査あり
最短入居期間約1週間
最長入居期間約1ヶ月
交渉成功率高い
物件の需要低い

市場に出ている物件の多くは即入居可物件となるため、自分の条件に合っているのであれば選んでも問題ありません。

基本的に即日内見ができるので、入居してから『イメージと違う』と言った後悔が少ないのも即入居可物件ならではです。

ただし即入居可=即日入居ではないので今すぐに入居したいからといって安易に選ぶと失敗しやすいのも事実。

まずは即入居可物件がやばいと言われているようなデメリットについて紹介していきます。

すぐに入居できるわけではない

名前からして『即日入居できる』と勘違いしがちですが、即入居可物件に入居するには最低1週間程度はかかります。

即入居可物件と退去予定物件の違い
入居までの工程即入居可物件退去予定物件
退去するまで最大1ヶ月
物件の申し込み1日1日
審査期間3日~7日3日~7日
初期費用の入金・確認1日1日
ハウスクリーニング退去から7日~14日後
書類作成1日1日
入居日調整・契約1日~2週間1日~2週間
鍵の引き渡し・入居1日1日
合計日数7日~14日約1ヶ月~2ヶ月

賃貸物件には入居審査があり、この審査期間が3日~最長1週間と長いため即日・翌日入居できるわけではありません。

入居審査に通過したあとは不動産屋の書類作成・契約や初期費用の振り込みを行い、ようやく入居できるようになります。

退去予定物件と比較するとかなり早いものの、時間が本当にない人だと予定日までに入居できない可能性があります。

掃除をしていない即入居可物件もある

住んでいる人が退去し、定義上は『即入居可物件』となっているものの、まだハウスクリーニングなど清掃や修繕が行われていない場合もあります。

こういった物件は内見はできるものの、申し込んでから清掃作業が入るため入居できるまでに時間がかかります。

清掃業者に予約を取り付けるのに約2週間ほどかかるため、実際に入居できるのは申し込みから3週間前後となります。

清掃が入るまでの期間

即入居可だからといってすべての物件が早めに入居可能とは限りらないので注意しましょう。

条件の悪い不人気物件の可能性がある

賃貸物件は退去の連絡をした数日後、市場に入居者募集の掲載が行われます。

例えば4月に更新するかどうかの通知が来て5月に『今月末で退去します』と言えば、退去するまでの1ヶ月間ほどは入居者を募集しているということです。

つまり、即入居可物件は1ヶ月入居者を募集していたけど希望者が1人も現れなかった部屋ということになります。

OHEYAGO(オヘヤゴー)の調査によれば、優良物件の平均空室期間は26日間、その他の物件の場合は83日間となっています。

平均空室期間

平均空室期間には申し込みが入ってからも入居審査・ハウスクリーニング・契約などの期間が含まれています。

人気な物件であれば募集から3日~5日ほどで埋まってしまうことが多く、即入居可状態にはなりません。

つまり、即入居可物件として募集しているお部屋は一定の需要がない物件ということになります。

空室期間が長い物件の特徴
  • 築年数の古い物件
  • 立地や設備が悪い
  • 相場よりも条件が悪い
  • 日当たりが悪い

期間によって繁忙期・閑散期があるので問題があるとまでは言いませんが、家賃面や設備面など相場感とずれている可能性があります。

入居日を延ばすことが難しい

即入居可物件は退去予定物件のようにお部屋を押さえておける期間が短いのもデメリットの1つです。

退去予定物件であれば退去するまでの期間1ヶ月+ハウスクリーニングや契約するまでの期間1ヶ月ほどで最大2ヶ月間物件を押さえておけます。

即入居可物件はハウスクリーニングもすでの終えていることが多く、入居審査期間を含めても2週間~1ヶ月程度が限界です。

すぐに入居したいのであれば問題ありませんが『2ヶ月後に引っ越したい』『とりあえず物件をキープしておきたい』という場合にデメリットとなります。

二重家賃を払う可能性も出てくる

今現在も賃貸物件に住んでいて、引っ越し先として即入居可物件を選んだ場合、入居日によっては二重家賃を払うリスクもあります。

二重家賃

退去の連絡は退去したい日の1ヶ月以上前と規約によって定められています。

条件に合う即入居可物件を見つけて入居審査が通ってから退去申請をしても、審査通過から入居日を引き延ばせる期間は2週間程度。

つまり、残りの2週間程度は今住んでいる物件の日割り家賃と入居する物件の日割り家賃を両方支払うことになります。

入居までの期間が”かなり”忙しくなる

即入居可物件を選ぶと入居まで日がないため、引っ越し作業を短期間で行わななければなりません。

引っ越しですべき作業項目
  • 現在住んでいる物件の退去申請
  • 電気・ガス・水道・ネットの解約
  • 引っ越し業者の予約
  • 荷造り・粗大ごみの連絡
  • 転出届等の手続き
  • 新居のネット契約の連絡

これらの作業を約2週間で行わなければなりません。

退去予定物件であれば1つずつ処理していっても間に合うぐらい余裕がありますが、即入居可物件は2週間後には入居となります。

繁忙期によっては『引っ越し業者の予約が取れない』などスムーズな引っ越しが出来ない可能性があります。

長期間空室だとホコリが溜まっている

同じ即入居可物件でも退去したばかりであれば清掃され綺麗な状態ですが、ハウスクリーニングから数か月経っているとゴミやホコリが溜まってしまいます。

換気すらしていない状態となるため、四隅にカビが生えたり、部屋の空気が淀んでカビ臭さを感じることもあります。

基本的に交渉しない限り長期間空室状態でも再度ハウスクリーニングが入ることはないため、入居後に自分で清掃を行う必要が出る可能性もあるというわけです。

虫が湧く可能性もある

長期間空室状態になると普段臭いを抑えておくための配管の水が蒸発していきます。

シンクや浴槽の配管の水が蒸発すると、虫の侵入経路にもなるため上階であっても注意が必要です。

特にゴキブリは配管付近から登ってくるケースも多く、長期間空室状態だと部屋にゴキブリが住みついていたり、内見時に発見されることもあります。

実際僕自身が内見したお部屋はGの死骸が転がっている状態で、かなり嫌な気分になりました。

おとり物件のリスクがある

客寄せのための『おとり物件』がネットに掲載されている場合、必ず即入居可の記載があります。

おとり物件とは好条件の物件を掲載して利用者に問い合わせ、別の物件を紹介させる手法です。

おとり物件の仕組み

公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会の調査ではネット上の掲載物件の約12.2%がおとり広告と認められ、43店舗中15店舗でおとり広告が使用されていることがわかっています。

せっかく好条件の物件を問い合わせたのに、店舗に行ったら「埋まっている」「成約した」と言われるので時間の無駄になってしまいます。

期待していただけに落胆も大きく、次のお部屋を探すのが面倒になるといった精神的落ち込みも少なくありません。

即入居可物件のメリット

即入居可物件はデメリットも多いもののメリットも多いので必ずしも避けるべきとは言えません。

具体的なメリットについても紹介していきます。

内見がすぐに行える

すでに退去している物件であれば誰でもすぐに内見することが可能です。

退去予定物件では退去するまでそのお部屋を見ることができず、人気物件の場合は内見せずに契約に至るケースもあるため先を越されることがあります。

お部屋の写真は物件情報からも見ることができますが、やはり自分の目で確かめたほうが後悔することも少ないです。

実際の部屋の雰囲気や家具が入るか趣味レーションしたり、汚れをチェックするのも内見する目的ですからね。

比較的早く入居できる

即入居可物件であれば最短1週間程度で入居が可能となります。

年収に比べて比較的安価な家賃帯であれば審査に1日~3日程度で通過することもあり、審査が早く終わればより早く入居することもできます。

『すぐに引っ越したい』『○○日までに引っ越さないと住む家がなくなる』という人にとっては即入居可物件しか選択肢はありません。

家賃や初期費用を下げて募集していることがある

募集して一定期間入居希望者がいない場合は家賃を下げたり、礼金など初期費用そのものを下げて再度募集していることもあります。

同じ条件でも入居者が来てくれる可能性が低く、空室期間が長ければ大家はそれだけ家賃収入を得ることができません。

費用が下がっていれば相場よりも安い掘り出し物件に成り代わる可能性もあるため。即入居可物件だからといってバカにできないわけです。

家賃交渉が行いやすい

需要の高い人気物件であれば交渉に応じなくてもお部屋はすぐに埋まるので問題ありませんが、空室期間が長いとどうにか工夫をして入居者を集める必要があります。

具体的には家賃交渉や設備交渉、設備交渉の成功率も高くなるため、交渉前提でお部屋を決めやすくなるのも利点の1つです。

交渉を断ってしまうと次希望者が現れるのがいつかわからないので、多少家賃などを交渉して下げてでも入居してもらいたいと考えています。

退去予定に比べると審査が緩い可能性がある

物件や管理会社、保証会社によって審査の基準は変わりますが、長期間空室状態の即入居可物件では審査が緩くなる可能性があります。

審査基準に全く見合わない場合は落とされてしまいますが、一定の収入があれば審査を通過することができます。

大家としてもいつまでも空室状態では家賃収入を得ることができません。

審査基準ギリギリの状態でも需要がない物件なら入居を許可されることがあるということです。

需要の高い退去予定物件では2番手、3番手で申し込む人もいるため審査基準ギリギリだと、より収入の安定している希望者が選ばれることもあります。

即入居可物件を選ぶ上でのポイントやコツ

即入居可物件を選ぶ上で最低限押さえておきたいポイントやちょっとしたコツについてまとめてみました。

同じ建物の他のお部屋が空いているか確認する

住むか迷った場合は同じ建物で別のお部屋が空室になっていないか調べてみましょう。

需要の低い物件や問題のある物件であれば複数のお部屋が空室状態になっていて、入居者が建物単位で集まっていません。

こういった物件は家賃や初期費用が相場よりも高かったり、入居してもすぐに退去する問題のあるお部屋ばかりということです。

逆に空室がそのお部屋だけなら、すぐに埋まってしまう可能性があるので即決したほうが良いでしょう。

ただしそのお部屋だけ日当たりが悪いなど問題が潜んでいることもあるので注意。

内見時には現地集合を指定する

おとり物件への一番の対策は”現地集合が可能かどうか”を聞くことです。

現地集合可能ならその物件は本当に存在していて、なおかつ内見することができるのでおとり物件ではありません。

おとり物件の場合はすでに成約済みや架空の物件となるため必ず一度店舗へ来るように言われます。

店舗に訪問させて何かと理由をつけて自社の利益率の高い物件を紹介するという流れになるので現地集合可能かどうかで簡単に判断することができます。

仮におとり物件じゃなかったとしても現地集合は利用者にメリットが大きいので損はありません。

退去した時期を聞いておく

念のため、前の入居者がいつ退去したのか担当スタッフに聞いておきましょう。

退去して間もないようであれば、たまたま閑散期で入居者が集まらなかっただけという可能性が高く、数日後には埋まる可能性があります。

3ヶ月や半年間埋まっていないようであれば条件の悪い不人気物件です。

同時に退去した人がどのぐらい住んでいたのかまで聞いておくと住み心地を想像できるのでおすすめです。

申し込み前に交渉をする

退去予定物件よりも即入居可物件のほうが交渉しやすく、固定費を抑えられる可能性があります。

家賃が6.3万円なら『3,000円下げてもらえませんか?』と聞いてみたり、設備に古さを感じるようなら『エアコンを新調してもらえませんか?』とお願いしてみましょう。

交渉は言わなければ対応してくれることがないため、申し込み段階で積極的に担当者に伝えることが大切です。

入居予定日が先の場合はフリーレントをつけてもらえる可能性もあります。

実際、入居希望日が1ヶ月半先であることを伝えたら担当者から『フリーレント1ヶ月分つけます』と言われたことがあります。

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まとめ

  • 即入居可物件を選んでも問題ないことのほうが多い
  • 即入居可といっても実際に入居できるのは1週間~2週間後
  • 人気物件なら『退去予定』の段階で埋まってしまう
  • 最大の問題点は家賃や費用・お部屋の設備などの条件の悪さ
  • 即入居可物件なら交渉前提で申し込むのがおすすめ

即入居可物件だからといってやばいと言われるほど、問題のあるケースは少ないです。

数か月空室なら担当者が大家に相談して家賃を変更したり、設備を新しくするテコ入りがあるので相場感を乖離している可能性は低いでしょう。

ただし、即日すぐに入居できるわけではないのでその点注意してください。

即入居可物件なら交渉が通りやすく、こちらの要望で条件をよくすることも可能です。