今住んでいるお部屋を退去する予定の場合、新に新居を探さなければなりません。
更新時期に引っ越す場合は3ヶ月前に通知がくるため「3ヶ月後に引っ越したい」と考えている人も多いかと思います。
今回は3ヶ月後に引っ越ししたい場合はいつから部屋探しを始めるべきか、契約してから家賃を待ってもらうことはできるのかについてまとめてみました。
3ヶ月後に引っ越したくても押さえておける物件はほぼ存在しない
結論から言えば、3ヶ月後に引っ越したいと考えている場合でも今から部屋探しをするのはあまりにも早すぎます。
店舗に行って部屋探しに対応してもらえる最大の日数は入居したい60日(2ヶ月前)前と言われています。
それ以上前から部屋探しをして良い物件を見つけたとしても押さえておくことができないため、意味がありません。
ちなみに契約をする=家賃が発生してしまうことになるため、基本的には入居日を伸ばしたいのであれば申し込み状態で契約日を延期してもらう必要があります。
早くても引っ越しの2ヶ月前頃から部屋探しを始めるのが理想と言えます。
約1ヶ月間かけてゆっくりと部屋を探し、引っ越しの1ヶ月前までに申し込んでおけば引っ越しのタイミングで新居に入居ができます。
申し込みから1ヶ月程度が待ってもらえる限界
通常はお部屋の申し込みを行ってから2週間程度で契約する羽目になるため、どんなに契約日を引き延ばしたとしても1ヶ月ほどが限界です。
物件には『即入居可物件』と『退去予定物件』があり、それぞれ入居までにかかる日数が異なります。
即入居可物件 | かかる日数 |
---|---|
物件の申し込み | 1日 |
審査期間 | 3日~7日 |
初期費用の入金・確認 | 1日 |
書類作成・契約 | 1日 |
鍵の引き渡し・入居 | 1日 |
合計日数 | 7日~11日 |
即入居可物件というのはすでに入居中の人はおらず、清掃が住んでいて契約を済ませればすぐに住める状態の物件です。
申し込みから審査などを含めると早ければ1週間ほど、遅くても2週間で契約できます。
引き延ばしたいのであれば退去予定物件のほうが押さえておける日数を稼ぐことができます。
退去予定物件 | かかる日数 |
---|---|
物件の申し込み | 1日 |
審査期間 | 3日~7日 |
初期費用の入金・確認 | 1日 |
ハウスクリーニング | 退去から1週間~2週間後 |
書類作成・契約 | 1日 |
鍵の引き渡し・入居 | 1日 |
合計日数 | 2週間~3週間 |
退去予定物件は「まだ人が住んでいる状態」の物件を指します。
だいたい退去日の1ヶ月前になると市場に掲載され募集がかけられ、退去してから清掃を含めて2週間~3週間ほどで入居が可能になります。
【退去までの日数】+【清掃】の時間がかかるため、申し込みから最長で1ヶ月半程度稼ぐことが可能。
入居を待ってもらう交渉は可能
審査が通ってから入居日(契約日)を確定させますが、ある程度の猶予があります。
通常は2週間程度までが常識的な範囲内ですが、うまく交渉が出来れば即入居可物件でも申し込みから1ヶ月程度時間を稼ぐことが出来ます。
大家としては少しでも早く入居してもらい、家賃収入を得たいと考えているため伸ばすと言っても限界がありますが、交渉して損はないので営業マンに相談してみましょう。
長く押さえておきやすい物件の特徴
ある程度入居を待ってもらえる物件というのは特徴があります。
長期間空室の物件
3ヶ月からお部屋探しをして1ヶ月以上掲載されている物件というのは需要が低くため交渉に応じてもらえる可能性は高くなります。
OHEYAGO(オヘヤゴー)の調査によれば、優良物件の平均空室期間は26日間、その他の物件の場合は83日間となっています。
これは通常の物件で退去してから審査、ハウスクリーニング、鍵の引き渡し期間も含まれているので2週間程度さらに短い数値となります。
空室の多い建物の1室
1室ごとにオーナーが違う物件もありますが、通常は建物ごとに企業やオーナーが異なるケースのほうが多いです。
「1室だけ埋まっていない」という状態ならある程度需要の高い物件なので交渉に応じなくてもすぐに入居者は見つかります。
一方「複数のお部屋が空室状態」というのは需要が低く、入居者不足に陥っていて交渉がしやすく、長い期間押さえておくことができます。
物件探しをするときは他に空室の部屋がどのぐらいあるかも同時に確認しておくことで交渉の難易度も判断しやすいです。
建設中の新築物件
建設中の物件というのはだいたい着工から4か月程度を目安に完成することが多く、入居者を募集するのは完成する4か月前~3ヶ月前ぐらいと言われています。
規模により多少前後するものの、1棟10室ほどの賃貸物件は着工からおおよそ4カ月程度で完成するのが一般的です。この、物件が完成するまでの3?4カ月という期間が、入居希望者に物件を訴求する期間として最低限必要な期間といえます。
完成してから入居者を募集していると空室期間が長くなり、家賃収入を得るのが遅くなってしまうので建設途中から募集することがほとんど。
部屋数が少なければ着工とほぼ同時期に入居者も募集し始めます。
3ヶ月前からお部屋探しをしても押さえておくことができるので、早めに物件を決めておきたい人にはちょうど良い物件です。

学生マンション等の合格前予約
学生マンションは一般的な賃貸物件とは少し形態が異なるため、入学する年内に部屋を押さえて3月末から入居することができたりします。
普通は物件を押さえられてもせいぜい1ヶ月程度なので早く決め過ぎると無駄に家賃が発生したり、暇な時期なのに住まなければならないということも発生します。
学生マンションは学生に特化しているのでそういった事情も考慮してくれますし、卒業する4年生は退去の時期もわかっているのでこういった事前予約が可能となっています。
もちろん空き室であれば即入居も可能です。
早めに物件を押さえておきたい学生なら利用価値があります。

フリーレント物件
フリーレント物件というのは「最初の家賃〇ヶ月分を無料にします」といったキャンペーン物件です。
押さえておける期間は他の物件と変わりませんが、実質的な賃料発生を遅らせることができるため、ねらい目の1つ。
また、フリーレント物件はもともと需要の高い物件ではないため入居日をある程度遅らせることが可能です。
フリーレント物件でなくても「フリーレント1ヶ月つけてもらえませんか?」と交渉することも可能で、交渉が成功すれば契約しても1ヶ月間は家賃を発生させずに済みます。

すでに申し込みが入った物件
成約済みとなってしまっている物件でもその物件で契約が決まっていない限りは2番手として申し込むことが可能です。
1番手の人がキャンセルした場合、2番手で申し込みんだ人が繰り上がりで契約することが可能です。
1番手が物件を押さえている期間+自分が入居審査に費やされる期間がまるまる消費できるため、ある程度長い期間押さえておくことができます。
ちなみに最初に申し込んだ人がそのまま契約する確率は約60%前後です。
逆に言えば2番手で申し込んでも約40%程度は契約できるということになります。
契約しない限りは途中キャンセルもできるので、2番手で複数の物件に申し込みを入れておくというのも1つのやり方。

3ヶ月後に引っ越したいならすべきこと
部屋探しは1ヶ月もあれば入居までこぎつけることが可能ですが、更新するか退去するかで早めに物件を見つけておきたい場合は猶予を持たせることも大切です。
3ヶ月後に引っ越したい場合にすべきことについてまとめてみました。
3ヶ月前:どこに住むか・物件の条件を決めておく
まずは次にどこへ引っ越すのか、立地や譲れない物件の条件を明確にしておきましょう。
なんとなくで部屋探しをしてしまうと、決め手に欠けるのでいつまで経ってもお部屋を決めることができません。
必須条件を3つほど挙げておき、優先順位を最初からつけておくと迷ったときにも即決することができます。
住みたい場所も最寄り駅を1つ変えるだけで家賃に大きく影響するので大切です。
この段階では「どんな物件があるか」程度でいいのでスーモやホームズなど取扱い物件数の多いサイトの利用が望ましいです。
2ヶ月前:実際に部屋探しを行う
退去の連絡は退去希望日の1ヶ月以上前と定められているため、更新せずに退去する場合は猶予が1ヶ月しかありません。
ここからは実際に住む前提として部屋探しを行います。
店舗に行って探してもらうのも手ですが、物件数が少なく効率が悪いです。
スーモやホームズは物件数が多い反面、リアルタイムで空室情報が反映されるわけではないのでスピード感に欠けています。
おすすめは家にいながら部屋探しができるイエプラ。
運営会社 | 株式会社エヌリンクス |
---|---|
口コミ評価(google) | ★★★★☆(4.5) |
対応エリア | 関東・関西 |
店舗数 | 2店舗 |
物件数 | 約10万件以上(市場の8割) |
仲介手数料 | 基本賃料1ヶ月分+税(保有不動産に依存) |
利用料金 | 無料 |
会員登録 | 必要 |
おとり物件 | 0件 |
特徴 | 自宅にいながら部屋探しができる チャットでやり取りが可能 新着物件を手に入れられる 業者専用サイト「ATBB」が見られる 設定できない細かい条件を伝えられる |
イエプラの場合は家にいながら店舗で探してもらうのと同じスピード感で空室情報が手に入ります。
対応エリアであれば市場の8割~9割を取り扱っており、他社サイトが扱っている物件もURLを送るだけで紹介可能。
チャット欄があるので細かい条件を指定したり、家賃交渉・設備交渉・入居日交渉も顔を見ずに行えます。
1ヶ月前:住んでいる部屋の退去の連絡・引っ越し手続きを行う
現在一人暮らしをしているならお部屋の退去の連絡は最初に行いましょう。
すでに次の引っ越し先の申し込みを済ませて審査が通っているのであれば引っ越し業者への予約も早めにしておいたほうが困らずに済みます。
国土交通省が調査した大手引っ越し業者の引っ越し件数によると3月~4月がピークとなっています。
1月~3月など繁忙期であればだいたい1ヶ月前ぐらい前を目安に予約を入れるようにしましょう。
これは引っ越し侍がまとめた引っ越し依頼のタイミングに関する表です。
見積もり依頼のタイミング | 通常時期(4月~12月) | 繁忙期前(1月~3月) |
---|---|---|
前日~1ヵ月前 | 74.8% | 68.5% |
1ヶ月~2ヶ月前 | 20.3% | 25.7% |
2ヶ月~3ヶ月前 | 4.9% | 5.8% |
やはり繁忙期のほうがやや早めに行動を心がけていることがわかります。
3ヶ月前に良い物件を見つけたときの対処法
3ヶ月後に引っ越しを計画してなんとなく物件を探した時に好条件のお部屋を見つけても、他の人に取られてしまうため損をした気になります。
もし、早めに良い条件の物件を見つけたときにどうすればいいのか紹介していきます。
問い合わせや内見を行う
何もしなければ自分が引っ越したい時期にはその物件は成約済みとなってしまいます。
まずは問い合わせを行い、実際に内見してみて本当の良い物件なのか確かめてみましょう。
意外と表面上の条件は良くても「日当たりが悪い」「思ったよりデッドスペースが多い」「隣人がうるさい」などの問題が見つかることがあります。
自分の目で確かめてみないと細かい部分までわからないので内見を行うことは大切です。
もし、その物件に住めなくても次に候補となる物件との比較になります。

営業マンに相談してみる
「3ヶ月後に引っ越したい」と言っても長い期間家賃を発生させずに押さえておくことはほぼ不可能です。
ただし、交渉事は営業マンの力次第で専門知識もあるため自分で考えるよりも相談してみることが先決です。
「絶対に住む」という気持ちであればある程度の期間を押さえてもらい、フリーレントを付けたり、それが無理でも家賃や設備の交渉で条件を良くしてくれる可能性があります。
そこまで需要の高い物件でなければ大家の了承次第で住める可能性もゼロではありません。
まとめ
- 3ヶ月後に引っ越したいなら部屋探しは2ヶ月前から
- 良い物件を見つけても待ってもらえるのは申し込みから1ヶ月程度が限界
- 空室物件が多い建物ほど交渉に応じてもらいやすい
- フリーレント物件を選ぶのも手
3ヶ月後に引っ越しを考えているなら早くても部屋探しは2ヶ月前からにしましょう。
1ヶ月あればお部屋探しには十分な期間ですし、申し込み後1ヶ月はある程度交渉で待ってもらうことができます。
あまりにも早くお部屋を見つけてしまった場合でもあきらめずに担当の営業マンに相談してみることをおすすめします。
