賃貸物件は何年住むと得?住み続けるべき居住期間を計算してみた

賃貸物件の場合、賃貸借契約では2年が一般的となっていて2年ごとに住み替える人もいれば更新をしてまで長期的に住むような人もいます。

賃貸物件に住んでいる限り、得をするということはありませんが短期的に引っ越しを繰り返すよりも長期的に住んだほうが得であることは間違いありません。

今回は何年ぐらい住むのがベストなのか世間的な平均居住期間や長期的に住むメリットについてまとめてみました!

平均居住期間は2年が最も多い

世間的には部屋を借りてから次の引っ越しまで2年~4年程度が最も多いようです。

こちらは公共財団法人日本賃貸住宅管理協会がまとめている平均居住期間のデータをまとめたものです。

学生の場合は『1年~2年』と回答した人が全体の1割程度で『2年~4年』と回答している人は全体の8割前後となっています。

専門学校に行っている人は2年、大学生の場合は4年間一人暮らしとして滞在するために2年~4年の居住期間が最も多くなっています。

単身社会人の場合でも『1年~2年』と回答した人は全体の1割程度にとどまっており、約7割は『2年~4年』と回答しています。

社会人の場合は長期的にその職場で働く人とすぐに辞めてしまったり、給与があがることで引っ越す人も一定数いるので長く住む人と短い期間で引っ越す人がわずかに増えているのでしょう。

このデータでは2年未満かどうかの判断がつかないので更新日で引っ越しているのかどうかがわからないため更新率についても調べてみました。

株式会社タスが調査した賃貸住宅市場レポートによれば月別の更新確率平均は繁忙期の引っ越し時期であっても約43%~44%となっています。

更新によって引っ越しているかどうかまではわかりませんが、更新時期に引っ越す人の割合は約56%~57%ということになります。

つまり中央値で言えば平均居住期間は更新が関係する2年程度が最も多いということです。

何年以上住むと得?

賃貸物件に住んでいる限り毎月家賃を支払わなければならないため正確に言えば得することはありませんが、定期的に引っ越すよりは長く住んでいたほうが確実にお得です。

ただ「今住んでいる物件より家賃を下げたらどの程度の期間で得になるのか」については計算することが可能です。

引っ越しにかかるのは現在住んでいる物件の退去費用+新居の初期費用+引っ越し業者依頼費用です。

初期費用の相場は家賃の4か月分~5か月分と言われています。

【家賃を下げて得するまでにかかる期間】

下げる家賃額家賃5万家賃6万家賃7万家賃8万
1,000円25年~28年4カ月~31年8カ月~35年~
5,000円5年~5年7カ月~6年4カ月~7年~
10,000円2年6カ月~2年10カ月~3年2カ月~3年6カ月~
15,000円1年7カ月~1年11カ月2年2カ月~2年4カ月~
20,000円1年3カ月~1年5カ月1年7カ月~1年9カ月~
25,000円1年~1年2カ月1年4カ月~1年5カ月~
30,000円10カ月~1年~1年1か月~1年2カ月~

計算してみたところ今住んでいるところよりも家賃を15,000円程度安くしないと平均居住期間の2年以内に回収することはできません。

得するまでにかかる期間は現在の家賃→新居の家賃の差にもよりますが、1,000円~2,000円程度家賃を安くしたところでかなり長く住まないと元が取れないので多少家賃が高くても長く住んだほうが基本的にはお得ということです。

長く住むことによるメリット

改めて長く同じ物件に住み続けることによるメリットについてまとめてみました。

引っ越し費用がかからない

引っ越す場合はかなりの引っ越し費用がかかります。

家賃6万円でも新居の初期費用だけで平均24万円~30万円。それにプラスして引っ越し業者の費用だったり退去費用もかかるので最大40万円近くが一気になくなります。

家賃初期費用引っ越し費用退去費用費用合計額
5万円約20~25万円約5万円約5万円約30~35万円
6万円約24~30万円約5万円約5万円約34~40万円
7万円約28~35万円約5万円約5万円約38~45万円
8万円約32~40万円約5万円約5万円約42~50万円
9万円約36~45万円約5万円約5万円約46~55万円
10万円約40~50万円約5万円約5万円約50~60万円

引っ越さないということはこういった無駄な費用をゼロにすることができるため住んでいるだけで相対的にはお得になるというわけです。

更新時期に引っ越す人は多いようですが、比較するなら圧倒的に引っ越すよりもそのまま住み続けたほうが金額は安く済みます。

引っ越しの手間が一切かからない

引っ越すのは金銭的負担も大きいですが、手間がかなりかかるのもデメリットです。

現在住んでいる物件の退去連絡や光熱費の解約をしなければなりませんし、引っ越しするために荷造りをしたり引っ越し業者に依頼したり役所に届けを出して住民票を移す必要があります。

学生ならまだしも時間にそれほど余裕のない社会人の場合は大事な休日をすべて引っ越し作業に費やすことになりますし、土日に営業していない役所は有給をわざわざ使う羽目になります。

住み続ければこういった作業が一切不要になるので相対的にメリットが多いです。

周辺環境への理解が深まる

最初は周辺環境に詳しくなくても長く住み続けているとどこに何があるのか把握できるようになりますし、近道や良いお店への理解が深まります。

また、安いスーパーを見つけることで食費を抑えることができたりと地域に詳しくなることができるのが最大のメリットです。

定期的に引っ越しているとこういった情報は積極的に動かないと手に入れることができませんし、精神的にも知らない土地で暮らすよりも住み慣れた土地で暮らしていたほうが安定します。

退去費用が安くなる

長く住めば住むほど部屋は汚れてしまいますが、部屋の設備には耐用年数というものがあり、国土交通省のガイドラインによれば住み続けていると入居者の負担割合は少なくなります。

6畳の部屋(クロス代:48,000円)を例に経過年数ごとの支払い費用を一覧にしてみました。

経過年数費用
1年約39,840円
2年約32,160円
3年約24,000円
4年約15,840円
5年約5,740円
6年1円

クロスはこのように減価償却されて価値が下がります。

※減価償却とは建物の価値が年数とともに下がること。クロスや設備の値段も長く住めば済むほど割り引かれる

フローリングやエアコンなど経年劣化の対象にならないものもありますが、長く住み続けることで負担しなくて良い項目が増えるので全体的な負担割合は減ります。

一人暮らしの退去費用相場は?ハウスクリーニング代はいくらかかるの?

長く住むことによるデメリット

長く住むことも一応デメリットはあります。気づかないうちに損をしている可能性すらあるので注意が必要。

自分の部屋だけいつまで経っても家賃が変わらない

長く住むということは住んでいる物件の築年数はだんだん古くなるということ。

一般的には築年数が古くなればなるほど資産価値は下がっていくので賃貸物件も例外なく家賃というのは下がってきます。

2年程度であればそこまで変わりませんが、4年や6年など長い期間住んでいると借りたときよりも家賃が安くなっているのは珍しくありません。

同じ間取りなのに長く住んでいる自分だけほかの部屋より家賃が高いという状態に陥りやすいです。

家賃が下がった場合、自分から交渉を持ち掛けないとそのままの家賃で更新され続けてしまうので気づかないうちに損をする羽目になります。

設備が古くなるが改善されない

部屋に備え付けられているエアコンやガスコンロ、洗浄便座などは設備ですが、長く住み続けている限りこれらが新しいものに自然と交換されることはありません。

例えば隣の部屋は最新のインターホンを採用しているのに自分の部屋だけ昔の型の古いインターホンだったり、自分の部屋だけ温水洗浄便座がついていないといった問題が発生します。

エアコンも古くなれば燃費が悪く電気代も高くなります。

また、築年数がある程度古くなると部屋自体をリフォーム、リノベーション工事することがありますが住み続けている限りはこういった補修工事をすることができません。

隣の部屋は内装が新築のようにキレイなのに自分の部屋だけ古いままとなっていることもあり得るということです。

いつまでも無駄な家賃を払うことになる

引っ越すよりかは無駄な出費は抑えられるかもしれませんが、例えば持ち家だったり実家だったりと比較すればいつまでも家賃を払い続けるというのは損でかありません。

ずっと住み続けることにより何千万という金額を家賃に払うことになりますし、そのお金があれば一軒家を買う頭金になったり車を買うお金になったと考えるともったいないと思うのは当然です。

賃貸物件なので仕方ない部分ではありますが、家賃は無駄金なのである日急にもったいないと感じるようになるかもしれません。

長く住み続ける上ですべきこと

長く住み続ける上で問題となってくるのは主に家賃に関することです。

2つほど注意しておくべきことをまとめてみました。

定期的に他の部屋の家賃や設備をチェックする

長く住んでいるとどこかのタイミングで他の部屋の家賃が下がったり、設備が一新されるという機会があります。

他の部屋の家賃が下がっている場合は入居中であっても契約期間の途中であっても家賃交渉や設備交渉を行うことができます。

管理会社に連絡して「ほかの部屋の家賃と同じにしてほしい」と交渉を持ち掛けてみましょう。もちろん交渉がうまくいかない場合もありますが、言わなければ無駄に損をするだけです。

長期的に借りている人は大家としても重宝しているので交渉に応じてくれる可能性があります。

家賃が値上がりしそうなら交渉する

家賃はだんだん下がるものというイメージがありますが、需要が高まったり相場自体が値上がりすることによって現在住んでいる物件の家賃自体もあがることがあります。

たいていは更新時にしれっとお知らせで家賃の値上がりが通知されますが、もちろん交渉することが可能です。

僕の物件も調べてみたところ、借りたときよりも3,000円ほど家賃が全体的に高くなっていました。

家賃の値上げに関しては拒否することが可能です。

家賃を値上げするには、大家と入居者、双方の合意が必要なため、大家側の一存で値上げを決めることはできない。 ただし、拒否する場合は、最初から拒否という姿勢を見せる必要がある。 値上げを通知する書類が送られてきた際、「返送してください」と書かれた書類に署名して送り返してしまうと、「合意した」とみなされる可能性がある。

参照:https://mag.re-ism.co.jp/okane/okane066/

合意がなければ家賃が値上がりすることはありません。

賃貸借契約自体は借主にとって優位に作られており、合意できずに済み続けた場合は以前と同じ条件のまま法定更新が行われます。

法定更新する場合は更新料を支払う必要がなくなりますが大家とのトラブルにつながるためあまり推奨される方法ではありません。

賃貸物件で契約更新の連絡がこない場合や書類が届かない場合の対処法

こちらで詳しく解説しています。

とはいえ値上げ交渉に関しては「正当な事由がなければすることができない」とされているのでそのまま簡単に受け入れる必要はありません。

まとめ

MEMO
  • 世間的には居住期間が最も多いのは約2年
  • 更新日を機会に引っ越す人は全体の6割程度
  • 長く住み続けたほうが得なのは間違いない
  • 物件に不満がないなら住み続けたほうがいい

なんとなく2年に1度引っ越すという人は多いと思いますが、金銭的な事情を考えれば無理して引っ越すよりも更新料を支払ってでも長く住み続けたほうがお得です。

長く住み続けていると家賃相場が下がり、住んでいる物件自体の家賃が下がることもあるので管理会社に問い合わせて家賃交渉を行いましょう。

今住んでいる家賃が高いという理由なら家賃を15,000円下げないとあまりお得にはならないので注意してください。

引っ越すか引っ越さないか決断できないときの判断基準とは?