鉄筋コンクリートなのにうるさいのはなぜ?壁を叩くと空洞を感じる理由

賃貸で一番トラブルになるのが音に関することです。夜騒いだり、騒いでなくても物件の防音性があまりにも低いと生活音がトラブルの原因になることが多いです。

だからこそ賃貸物件の中でも防音性が高いとされている鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)ですがそれでも隣人の音が聞こえてうるさい場合もあるようです。

今回は鉄筋コンクリートなのにうるさい理由や壁をコンコンと叩くと空洞を感じる理由についてまとめてみました。

鉄筋コンクリート造の壁の厚さや防音性について

鉄筋コンクリート造の防音性というのは賃貸の建造物の中では比較的高いほうです。

遮音性というのはL値で示されており、値が高ければ高いほど音が聞こえやすくなります。

これは日本建築学会が調査した建物の遮音性と等級の関係性です。

遮音等級建物構造音の聞こえ方
L-35日常生活で気になるような音はほぼ聞こえない
L-40鉄筋鉄骨コンクリート造防音性が高く外からの音も軽減される
L-45子供の泣き声や走り回る音は多少聞こえる
L-50鉄筋コンクリート造子供の泣き声や走り回る音は聞こえる
L-55洗濯機や掃除機は少し聞こえるが気にならない
L-60重量鉄骨造足音やドアの開閉音など振動を伴う音が聞こえる
L-65軽量鉄骨造多少音量は軽減されるが生活音はほぼ聞こえる
L-70生活音はほとんど筒抜け
L-75木造生活音は筒抜けで小さな音まで聞こえる

このように防音性には差があり、基本的に鉄筋コンクリート造は防音性が高いと言われています。

鉄筋コンクリートを使用していることにより遮音性が高くなるのも大きいですが、しっかりした建物ほど壁が厚くなるのも理由の1つです。

どんな素材を使用していても壁が厚くなればなるほど当然防音性は高くなります。

壁の厚さ多い構造
120mm木造
150mm鉄骨・鉄筋コンクリート
180mm鉄筋コンクリート造
200mm以上分譲賃貸マンション

昔は鉄筋コンクリート造でも120mm程度の壁の厚さが多かったそうですが、建築基準法が改正されたおかげで最近の建物は最低でも150mm以上あるようです。

分譲賃貸のようなずっと住み続けることを目的とした建物は通常の賃貸に比べて耐震性も高く防音性も考えられているため壁は厚くなる傾向にあります。

壁の厚さは設計図を見ない限りわかりませんが、内見時に営業マンに確認してもらうことも可能です。

内見した際には壁を「コンコン」とノックして空洞がないかチェックして音の響き方を確かめる方が多いと思いますが、この方法は音の響き方はわかっても厚さや防音性をしっかりと確認することはできません。

ちなみに鉄筋コンクリートの場合は叩いた時に「ぺチぺチ」という音がしますが壁に良く使われる素材である石膏ボードが挟んであると同じ鉄筋コンクリートでも空洞があるような響き方をします。

鉄筋コンクリートマンションに住んでいる人の意見

防音性が高いといわれている鉄筋コンクリート造ですが、もちろん完璧に音を防いでくれるほどの遮音性はありません。

実際に住んでいる人の意見についてまとめてみました。

【うるさいという意見】

話し声はかなり防いでくれるようですが足音や直接壁を叩くような音は鉄筋コンクリートと言えど伝わってしまいます。

【静かだという意見】

鉄筋コンクリートに期待しすぎるとうるさく感じることもありますが、木造や鉄骨造から引っ越し人にとってはかなり静かに感じるようです。

鉄筋コンクリート造なのに叩くと空洞を感じる理由

鉄筋コンクリート造の壁は昔までは4種類ぐらいあったそうですが、現在では大きく分けて2種類がよく使われています。

界壁施工の種類について詳しく紹介していきます。

打ちっぱなし等の直貼り

1つは壁全体がコンクリートでその上にクロスを貼っている場合。この壁はどこを叩いてもコンクリート特有の「ぺチぺチ」という音がするのが特徴です。

壁が薄い

細かく言えばコンクリートとクロスの間に遮熱材が吹き付けられています。クロスがない物件は「コンクリート打ちっぱなし」と呼ばれるもので、デザイナーズマンションとかでよく見かけるもの。

防音性はかなり高く、隣人の生活音が聞こえるということはほぼありません。音に関してはかなり優秀。

この物件の場合は空洞そのものが存在しないので叩いても衝撃はコンクリートに遮断されます。

GL工法

もう一つはGL工法と呼ばれる方法で作られた壁。

簡単に説明するとコンクリートの上にGLボンドと呼ばれる特殊な接着剤を等間隔で塗り、その上に石膏ボードを張り付けている壁のことです。

壁をノックしてなぜか空洞があるような音が出るのはコンクリートと石膏ボードの間に隙間があるためです。

【GL工法】

2壁が薄い

一見「結局コンクリートなんだから大丈夫なんじゃないか」と思いますが確かに防音性単体だけならこちらの方が良いと言われています。

しかし、遮音性を考えたときにこの工法は音が反響しやすいので逆にお隣には音が伝わりやすくなってしまいます。

GL工法で張られた場合はふかし壁部分が太鼓現象を招いて隣室の生活音が伝わりやすくなります

参照元:yahoo不動産

太鼓現象というのは音の振動が周りに伝わっていく現象のことです。

例えばこの場合は壁を叩くとまず石膏ボード全体に伝わります。その振動はGLボンドに伝わり、さらにコンクリートに響きます。場合によってはこの振動が隣の部屋まで伝わってしまう可能性があるというわけです。

コンクリートだけなら叩いてもその1点のみにしか振動が伝わりませんが石膏ボードをかませることで振動が広く伝わってしまうということ。

「コンクリート打ちっぱなしとかのほうが安く済むんじゃないの?」と思うかもしれませんが、補修仕上げというものをやらなければならないため実際にはGL工法で表面をきれいに仕上げたやり方のほうが価格も安く抑えられるそうです。

コンクリートはもともとざらざら凸凹しているものなので、その上にクロスをそのまま貼ってしまうと凸凹していびつな状態になってしまいます。

※イメージ

それを滑らかにする工程に時間がかかりコストもかかるのでGL工法のほうが安価でできるというわけ。だからこっちのほうが好まれます。

さすがに木造アパートと同じようなレベルで音が響くわけではないですが、騒いでいたら隣人にその音が伝わってしまう可能性はあります。

もちろんGL工法自体は悪いものではないのでそこだけは勘違いしないように。

ちなみにこの石膏ボードも種類があって厚みが違います。一番薄いもので9.5mmほどで厚いものだと21mmもあり、当然厚いもののほうが防音性は高くなります。

一般的には12.5mmのものが主流ですね。

部屋の仕切りにコンクリートを使っていない物件もある

そもそもRC造と言っても全てをコンクリートにしなければならないという定義はないので主要部分(外壁)だけコンクリートで後は最低限のコストで建設されている物件も稀にあります。

実際、壁部分は木造アパートと同じように石膏ボードだけって物件もありますが、壁の中はプロでも見分けるのが難しいそうなのでノックしたぐらいじゃどんな構造なのかはわかりません。

壁に空洞がある物件の例
  • 家賃が相場よりも安い
  • 叩くと壁全体が響く

コストを削減して建設されているので周辺の同じ鉄筋コンクリート物件よりも家賃が安くなる傾向があります。

それと部屋と部屋の仕切りは石膏ボードになっているため、叩いてみると壁全体に音が響くような伝わり方をします。GL工法と壁部分が似ているので叩いただけで判断するのは難しいです。

外壁部分は確実にコンクリートが使われていますが、間壁の素材は建物が耐えうる構造であればOKなので鉄筋コンクリート物件に住んで「うるさい」と感じるのはこのパターンです。

鉄筋コンクリートで壁が空洞の物件に住んでみた

今まで鉄筋コンクリートマンションには4軒ほど住んだことがあります。いわゆるGL工法の物件でやっぱり壁を叩くと空洞でした。

4軒のうち3軒は通常の鉄筋コンクリートマンションで1件は分譲賃貸。

どのマンションでも生活している上で隣の部屋の声が聞こえてきたことは一度もありません。窓を開けているとたまに隣人が友達と喋っている音だったり、いびきが聞こえてきたことはありますが壁越しで何か聞こえたことはありません。

ただ石膏ボードなので寝返りをうって誤って肘をぶつけてしまったような「ゴンッ」という衝撃音だけは聞こえてしまいます。これは防音性が高い分譲賃貸でも同じ。

それぐらい防音性は高いのが正直な感想。

どちらかというと壁よりも床に対する音のほうが気になりましたね。

横開きで開くタイプのドアがついていた物件はそのガラガラ音というかゴロゴロ音は割とはっきり聞こえました。床に耳を当てるとなんとなく喋っている声が聞こえているのがわかる程度。

それと宅飲みをしていた時に夜中少し騒いでしまったところ下の階に住んでいる住人から苦情が来たことがあります。

鉄筋コンクリートマンションの防音性が高いというのは間違いありませんが、上下の音に関してはそこまで遮音性が高いわけではないので聞こえてしまうようですね。


分譲賃貸の場合は床に使われている素材も良いためなのかはわかりませんが、上下の音も一切聞こえたことはありません。

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防音性が高いかどうかを見分けるためには

その物件の防音性が高いかどうかを判断するために壁をノックしてどの程度響くのかチェックするのも確認方法の1つですが、上記であげたようにGL工法が絶対に防音性が低いというわけでもありません。

物件によっては全く問題ない場合もあれば、逆に鉄筋コンクリートなのに普通に生活音が聞こえてしまうこともあり得ます。せっかく物件の壁が問題ありそうでまた次を探すとなるのは面倒です。

防音性は物件情報だけでもある程度見分けることは可能。

防音性の高い物件の特徴
  1. 楽器可能
  2. ルームシェア可、2人入居可
  3. ペット可
  4. 築年数の浅い物件
  5. 分譲賃貸

2人以上の入居が許されているということは話すことを前提にしていますので壁がしっかりしている可能性が高いです。楽器やペット可物件も音が問題となるのでそれを可としている物件は防音性に自信があるため。

また築年数の浅い物件は比較的防音性がしっかりしていることが多く、壁も全てコンクリートで造られていることが多いです。

逆にRC造なのに「楽器不可」とか「ルームシェア不可」になっているような物件は防音性を疑うべきです。

もちろんトラブルになるのを防ぐために書かれていることも多いですが、楽器可なら確実に防音性は高いので。

築年数が古めの物件も壁に問題ありなことが多いので音を気にするなら避けるべき。

築年数と防音性の関係とは?古いアパートのほうが音は響きやすい?

僕もRC造とSRC造の物件を内見したことがありますが、築年数が20~30年以上だと壁に空洞があることが多いような気がしました。

本気で防音性が高い物件に住みたいのであれば「楽器可」の物件でなおかつ「分譲賃貸」が個人的には最強だと思っています。

壁に使われている素材や厚さそのものが通常とは全く異なります。

分譲賃貸は売買を目的として建設されているので賃貸物件よりもコストがかかっています。壁や窓、床に使われている素材は当然賃貸よりも良いものなので遮音性や防音性が高いというメリットがあります。

分譲賃貸はやめた方がいい?最悪なトラブルや住んで感じたデメリット

鉄筋コンクリートなのにうるさい理由まとめ

MEMO
  • 壁を叩いて空洞を感じるのはGL工法の可能性が高い
  • GL工法は太鼓現象が起きやすいので音が響きやすくなる傾向がある
  • 内壁にコンクリートを使用していない物件も存在する
  • 床の厚さも防音性に関係する

防音性を気にするのであれば壁を叩いた時に空洞があるような物件は一応避けるべきかもしれません。

ただ、なんだかんで建設コストを抑えられるGL工法は建設する側としては人気があるので物件自体も多いですし、僕のように実際に住んでみたらちゃんと防音性が高いって物件も多いです。

鉄筋コンクリート造を選んでいるということはある程度防音性を期待している方が多いと思いますが、この部分は慎重に考えるべきだと思います。

ちなみに先ほど紹介したように壁がGL工法だと床面音が響きやすいので上下階の音が気になる可能性も出てきます。

念のため内見した際に営業マンに仕切りにコンクリートが使用されているか確認するのが確実です。

本気で防音性の高い物件に住みたいなら「楽器可」になっている物件を選ぶか分譲賃貸に絞って探すのが確実です。

防音性の高い物件を効率よく探すには?

防音性で選ぶなら鉄筋コンクリート一択です。

普通にネットで探すとマンションとアパートの括りで検索することになりますが、ホームズの場合は構造別で検索可能なのでおすすめ。

こんな感じ↓

構造別

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