20代一人暮らしの平均家賃はいくら?年収から適正家賃を考える

大学進学や社会人になるとともに一人暮らしを始める人は多いと思いますが、どの程度の家賃が適正なのかいまいちわからないかと思います。

今回は20代で一人暮らししている人の平均家賃はいくらぐらいなのか、細かく調査してみたので家賃帯を考えるときに参考にしてみてください!

20代一人暮らしの平均家賃はいくら?

全国宅地建物取引業協会連合会が2018年にまとめられた「一人暮らしに関する意識調査」によれば20代(18歳~29歳)の一人暮らし男性の家賃平均は5.68万円、女性は5.67万円となっています。

家賃 男性割合 女性割合
2万円未満 2.1% 6.3%
2万円台 6.4% 3.9%
3万円台 17.6% 9.2%
4万円台 17.6% 18.8%
5万円台 16.6% 19.8%
6万円台 17.1% 20.8%
7万円台 9.6% 10.6%
8万円台 5.3% 4.8%
9万円台 2.1% 1.9%
10万円台 5.3% 3.9%

東京都内だけでなく、地方や地方都市に住んでいる20代のデータもすべて総括されていますが、20代なら5.5万円~6.0万円程度の家賃なら平均的ということになります。

ボリュームゾーンは3万円台~6万円台です。

家賃平均は通常、女性のほうがセキュリティー面を考えるので高くなりがちですが、20代の場合は根本的に年収もまだ低く、余裕がありません。

大学生であれば親に出してもらう状況にあるので男性と比較してもあまり差がありません。

18歳~22歳大学生の平均家賃

全国大学生活協同組合連合会による2021年のデータによると学生に絞った家賃光熱費の平均は5.9万円、光熱費の平均が1万円程度なので家賃だけの場合は4.9万円が平均家賃となります。

地方の大学であれば木造アパート等を探せば見つかる家賃額ですが、都内となると家賃5万円以下の物件を探すのは非常に難しいです。

僕が大学生の時に住んでいた物件は都内まで1時間程度のちょっと離れた立地で家賃は3.5万円でした。

賃貸サイト「キャリルーノ」が大学生の男女459名に行った調査によれば家賃をすべて負担してもらっている人の割合は85.4%にのぼります。

大学生になるほとんどの人が家賃を親に負担してもらいながら、足りない部分はさらに仕送りをもらったりバイトをして私生活の稼いで一人暮らしをしているということです。

大学生の仕送り平均額は?家賃抜きでいくらあれば生活できる?

東京都内の平均家賃

総務省統計局のデータによれば全国の平均家賃は55,695円となっていますが、東京都内に絞った平均平均は81,001円と最も高い数値になっています。

ホームズに掲載されている東京23区の家賃相場をまとめてみました。

23区 アパート マンション
千代田区 8.92万円 11.37万円
中央区 8.70万円 10.58万円
港区 9.73万円 12.20万円
新宿区 7.58万円 10.03万円
文京区 8.19万円 9.44万円
台東区 7.58万円 9.83万円
墨田区 6.86万円 9.40万円
江東区 7.39万円 9.77万円
品川区 7.99万円 9.65万円
目黒区 8.63万円 11.12万円
大田区 7.36万円 8.47万円
世田谷区 7.69万円 9.31万円
渋谷区 8.16万円 11.51万円
中野区 6.96万円 9.18万円
杉並区 7.01万円 8.64万円
豊島区 7.58万円 9.10万円
北区 6.79万円 8.47万円
荒川区 6.84万円 8.21万円
板橋区 6.48万円 7.95万円
練馬区 6.71万円 7.66万円
足立区 6.22万円 7.26万円
葛飾区 6.32万円 7.26万円
江戸川区 6.34万円 7.15万円
平均 7.48万円 9.29万円

高い地区では一人暮らし用物件で10万円を超えるところもあります。

特に港区や千代田区、中央区、新宿区、渋谷区あたりは高い家賃となっているので栄えている駅は高額な家賃を支払う羽目になります。

平均はアパートで約7.5万円、マンションだと約9.3万円ほど。

探せば東京都内でも5万円~6万円程度の物件もありますが、駅から遠かったり主要駅から離れていたり、設備不足だったりなどの問題も多いです。

20代で東京都内に住むのであればアパートが必須条件で、なおかつ駅からの距離や築年数などを妥協する必要があります。

20代の一人暮らしに多い間取り

こちらも同じく「一人暮らしに関する意識調査」の結果から。

20代一人暮らしが選ぶ間取り
  • ワンルーム:26.5%
  • 1K:34.0%
  • 1DK:11.2%
  • 1LDK:8.9%
  • 2K:1.4%
  • 2DK:2.3%
  • 2LDK:3.5%
  • 3DK:1.2%
  • 3LDK以上:2.0%
  • 不明:8.9%

ワンルームと1Kが最も多く、全体の約6割を占めています。

単身者であればワンルームや1Kといった間取りでも普通に暮らすことは可能ですし、家賃と生活のバランスを考えれば無理に広い間取りを選ぶ必要がないといったことが数字上にも顕著に表れています。

理想を言えば広くてきれいな部屋に憧れる人は多いですが、現実的なバランスを考えると単身者向けの間取りを選んでいる傾向があります。

20代一人暮らしが部屋探しで優先している条件

20代の場合は快適さというよりも家賃の安さを優先している傾向が強いです。

これはsuumoが20代社会人に行った『部屋探しでの重視条件』調査でも証明されています。(複数回答)

重視条件 男性 女性
家賃 89.8% 96.4%
路線や駅 65.3% 78.3%
駅からの時間 52.1% 70.1%
通勤・通学時間 53.8% 58.4%
間取り 47.0% 58.4%
面積 41.9% 56.1%
立地 37.3% 57.9%
初期費用 41.1% 51.1%
築年数 38.1% 44.8%
設備 23.3% 24.3%

ただし、20代後半に差し掛かってくると恋人と同棲をしたり、結婚して2人で一緒に住むこともあるので広い間取りを選ぶ人も増えてきます。

一人で狭いワンルームに住むよりも2人で2DK等の複数人用の物件に住んだほうが折半することができるので家賃は抑えることができます。

20代が一人暮らしで重視している「建物」の条件

20代の一人暮らしが重視している建物の条件として、男女ともに圧倒的1位は「間取りの広さ」を挙げられています。

ただし、先ほど紹介した通り広い間取りを求めるとそれだけ家賃も高くなってしまうため、結果的にはワンルームや1Kのような手狭な物件で妥協する割合も高いです。

項目 男性 女性
間取りの広さ 64.3% 64.3%
日当たり 43.0% 51.8%
築年数 38.3% 41.8%
構造(木造やRC造等) 37.5% 35.3%
セキュリティ 31.3% 52.3%
駐車場の有無 24.5% 19.5%
ペット可 7.0% 7.0%
その他 4.5% 4.0%

2位・3位を見てみると男性は「日当たり」「築年数」となっていますが、女性は「セキュリティ」「日当たり」という順位になっています。

年齢に関係なく、女性は万が一のことを考えて防犯性能の高い物件(オートロックや管理人常駐物件)を求める傾向にあります。

20代が一人暮らしで重視している「環境」の条件

20代一人暮らしで男女ともに最も重視している環境の条件は「コンビニやスーパーが近くにあること」となっています。

気軽に食べ物を調達できるところが家から近いと無駄な時間を過ごさず、思い立った時に買いに行けるので利便性も高くなります。

項目 男性 女性
コンビニやスーパーの距離 61.0% 66.3%
駅までの近さ 48.5% 62.5%
職場への近さ 55.0% 51.5%
静けさ 28.8% 20.5%
医療機関の有無 23.3% 24.0%
自然環境 8.8% 9.8%
知人の近く 10.8% 10.5%
地域の知名度 5.0% 4.8%
高齢者施設の有無 2.3% 1.5%
その他 1.5% 1.0%

また、新卒の場合は仕事を始めたばかりなので忙しく、職場への近さや駅近くの物件が好まれます。

20代の平均年収から適正家賃を考える

転職・求人サイト「doda」が行った調査によれば20代の平均年収は男性が363万円、女性は317万円となっています。

年齢 平均年収
全体 男性 女性
20歳 271万円 294万円 254万円
21歳 272万円 290万円 258万円
22歳 276万円 289万円 264万円
23歳 291万円 305万円 279万円
24歳 319万円 334万円 303万円
25歳 341万円 358万円 323万円
26歳 360万円 379万円 338万円
27歳 376万円 400万円 347万円
28歳 388万円 413万円 354万円
29歳 398万円 423万円 362万円

大学卒業後は就職してもすぐに退職してしまったり、転職等をして給与が安定しないので22歳~23歳までは不安定なものの、基本的には年齢とともに平均年収も高くなっています。

家賃は年収から決めていくものですが、就職したばかりでは何が起こるかわからない状況にあるため退職や転職をしてしまっても問題ないように平均よりも安い物件を選ぶべきです。

仕事が安定してきた段階で新たに引っ越しを検討すればリスクのない一人暮らしができます。

年収別で見る適正家賃

適正家賃は手取り月収の約3分の1程度と言われています。

いくら年齢があがって平均的な家賃を満たしたとしても、自分が見合わない年収であれば当然適正家賃も変わります。

ボーナス額は職業や景気によってもかなり左右されるのであくまで参考値です。

また、ボーナスは夏と冬の2回しか支給されず、年収から引いた数値を適正年収としています。

ボーナスを加味すると生活が破綻する可能性もあるので気を付けてください。

年収 手取り年収 ボーナス平均 適正家賃
200万円 162万円 なし 約4.5万円
250万円 202万円 約31万円 約4.8万円
300万円 232万円 約41万円 約5.3万円
350万円 278万円 約50万円 約6.3万円
400万円 315万円 約75万円 約6.7万円
450万円 353万円 約77万円 約7.7万円
500万円 389万円 約80万円 約8.6万円

年収200万円の場合はボーナス自体が支給されていないことが多いので加味せずに計算しています。

20代の平均年収は約300万円~350万円程度なので、適正家賃を考えると5.3万円~6.3万円となります。

冒頭で挙げた20代の一人暮らし平均家賃と比較すると妥当な数値です。

ボーナス込みで計算すれば上記の数値以上に高い家賃の物件に住むことはできますが、安定を取るのであれば家賃はできるだけ抑えるべきです。

20歳未満だと審査に落ちる確率も高い

年齢別に入居審査通過率を見てみると20歳未満は他に比べて落ちる人の割合が圧倒的に高くなっています。

年齢 入居審査通過率
20歳未満 46.4%
20代 80.3%
30代 86.5%
40代 82.2%
50代 83.2%
60代 83.2%

アルバイトをしていて収入が低い状態だったり、保証人をつけられない状態だと審査にも落ちてしまうようです。

年齢で見ているというよりは年齢による収入や安定性に違いがみられるため審査の通過率にも影響を与えているのだと思われます。

20代の一人暮らしが1ヶ月にかかる生活費平均

生活費に関しては総務省統計局のデータを参考にしています。

電気代 4,000円
ガス代 4,000円
水道代 3,000円
ネット代 4,000円
食費 40,000円
雑費 10,000円
交際費 20,000円
交通費 10,000円
スマホ代 5,000円
合計 100,000円

人によって娯楽費やお金をかける部分が異なるのであくまで参考値ですが、普通に生活しても生活費だけで約10万円ほどはかかります。

家賃5.5万円で年間総額は186万円、家賃6万円なら192万円ほどの出費。

自炊を中心にすれば食費をもっと抑えることは可能です。

20代の場合は遊びににも多少お金を使いたいところですが、仕事を始めて間もない時期だと慣れることが第一になるので帰って寝るだけの生活になることも多々あります。

自炊をしたいところですが、仕事に慣れていない状態だと作る余裕もないので自然と外食が増えてしまい、結果的に食費を抑えるのは難しいです。

家賃を抑えて良い条件の物件に住む方法

20代の一人暮らしでは年収的にも部屋の快適さよりも家賃の安さを重視してお部屋探しをする必要があります。

とは言っても、住んでから後悔するのでは一人暮らしをする意味がありません。

そこで家賃を比較的抑えつつある程度理想的な物件を探す方法について紹介していきます。

主要駅を避けて探す

山手線のような有名どころの沿線や新宿、渋谷、池袋のような路線数の多い主要駅は利便性が高いためかなり家賃が高くなってしまいます。

それなりに良い物件を探したいなら主要駅は避けてあまり人気のない駅を選ぶようにしましょう。

生活に必要なのは最寄にスーパーや銀行があるかどうか程度なので発展している必要はありません。

1駅離れるだけでも家賃が1万円以上違ったりするので条件に合う物件が見つからない時は検索する駅を変えてみましょう。

築年数が古いリノベーション物件を探す

意外と穴場物件となるのが築年数は古いけど内装はフルリノベーションされている物件です。

古い物件に抵抗を感じる人は多いと思いますが、かなり築年数が古くなると需要が低下して全く入居者が集まらなくなるため内装を全てリノベーションする傾向があります。

内装は新築同様の綺麗さがありながら家賃はかなり安いので住む人にとってはかなりお得で狙い目な物件となるわけです。

外観自体は古いままなのでリノベーションされているからといって人気物件になるわけではないので、かなり掘り出し物件が見つかる確率も高くなります。

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ワンルームや1Kを中心に探す

理想としては広めの物件に住みたい人は多いと思いますが、一人暮らしでしかも社会人であればそこまでの広さは必要ありません。

友人を家に招く機会もあまりないでしょうし、仕事をして寝るだけの生活をしているなら家にいる滞在時間はかなり短くなります。

家賃は専有面積を元に計算されているので、無駄な広さは家賃の無駄になってしまいます。

ワンルームや1Kは間取りの中でもかなり格安なので家賃を抑えたい人にはおすすめ。

1Kで良い物件がないならワンルームにしてみましょう。扉1枚の違いですが家賃は5,000円前後違うこともざらにあります。

ワンルームはやめたほうがいい?住みにくいって本当?

当然デメリットもあるので、検討する場合は参考にしてみてください。

都市ガス物件を選ぶ

同じ家賃帯の物件を選ぶのであればプロパンガスを扱っているお部屋よりも都市ガス物件のほうがガス代を大きく抑えることができます。

項目 都市ガス プロパンガス
基本料金 約759円 約1,500円
1㎥あたり 約145円 約208円
20㎥使用時 約2,900円 約4,160円
1ヶ月の目安合計 約3,659円 約5,660円

基本料金や料金単価もプロパンガスのほうが高いです。

比較してみるとその差は約1.5倍程度あります。

一人暮らしの場合は月々の料金が2,000円近く変わるので、どうしても希望の家賃帯で物件が見つからない場合は家賃を2,000円ほどあげて都市ガス物件に絞るというのも手です。

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効率的に探せる不動産を利用する

基本的に店舗での部屋探しは物件数が少ないので、条件の良い部屋に住みたいなら初めから店舗に行くのはやめましょう。

手始めにスーモやホームズで探すのが無難ですが、ネットでの部屋探しは物件が掲載されるまでに少し時間がかかるので条件の良い物件はすでに成約済みになってしまっていることも多々あります。

店舗の情報スピードとネットの物件数の豊富さを兼ね備えているおすすめサイトはイエプラです。

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運営会社 株式会社エヌリンクス
口コミ評価(google) ★★★★☆(4.5)
対応エリア 関東・関西
店舗数 2店舗
物件数 約10万件以上
仲介手数料 基本賃料1ヶ月分+税(保有不動産に依存)
利用料金 無料
会員登録 必要
おとり物件 0件
特徴 自宅にいながら部屋探しができる
チャットでやり取りが可能
新着物件を手に入れられる
業者専用サイト「ATBB」が見られる
設定できない細かい条件を伝えられる

イエプラは対応エリアの9割以上の物件を網羅していて、なおかつ現時点で空室になった物件を”家にいながら”紹介してもらうことが可能です。

チャット型なので細かい条件を伝えて後は放置していれば条件に合う物件のみを探すことができます。

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URLの持ち込みも可能なので空室確認チェックとしても使えます。

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まとめ

MEMO
  • 20代の一人暮らし家賃平均は男性5.68万円、女性は5.67万円
  • 大学生の家賃平均は光熱費込みで5.9万円、家賃単体で4.9万円が平均
  • 大学生の85%は親に家賃を負担してもらっている
  • 20代の平均年収は男性が363万円、女性は317万円
  • 平均年収における適正家賃は5.3万円~6.3万円程度
  • 家賃を抑えるなら主要駅を避けたりアパートを選ぶのが良い

20代となるとまだ仕事を始めたばかりだったりして就職しても収入が安定しているとは限りません。

下手に高い家賃の物件に住んでしまうと「仕事を辞めたら家賃が払えなくなる」といった心配に陥り、精神的により辛くなってしまいます。

仕事が安定するまではとりあえず住み心地よりも家賃の安さを優先したほうが精神的にも貯蓄額的にもおすすめです。

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