賃貸アパートの退去連絡はいつまで?遅れて1ヶ月前でも解約はできる?

退去の連絡をしようと思っていても、住み続けるかどうかで悩んだり忙しくて後回しにしてしまうことも少なくありません。

もし賃貸アパートで退去の連絡が遅れた場合でも解約できるのか、いつまでに連絡すれば良いのかといった退去時の問題について紹介していきます!

賃貸アパートの退去の連絡は最低1か月以上前に行う

基本的には退去の連絡は最低1ヶ月以上前に行わなければなりません。

これは賃貸借契約書の中に解約の申し入れに関しての記載があります。

僕が住んでいる物件の場合は第17条に「本契約の期間内において本契約を解除しようとする場合は、貸主は6カ月、借主は1ヶ月以上の予告期間をおいて書面にてその相手方に通知しなければならない」という記載がありました。

1ヶ月以上前に退去の連絡をしなければならないのにはちゃんとした理由があります。

次の入居者を募集しなければならないため

自分が退去したからといってすぐに入居者を募集できるわけではありません。

通常、入居者の募集は退去通知を受け取り、その上で不動産業者共有のデーターサーバーに登録を行ったり広告を打つことにより行います。

OHEYAGO(オヘヤゴー)の調査によれば、優良物件の平均空室期間は26日間、その他の物件の場合は83日間となっています。

この日数は実際に退去してからハウスクリーニングや修繕作業、次の入居者の審査を含めた期間となっています。

退去の連絡が早ければ早いほど入居者を募集する期間が長く、空室期間を減らすことができるというわけです。

大家にとってみればなるべく空室期間なく部屋を貸したほうが収益を上げられるため早いに越したことはないということ。

ちなみに退去の連絡は1ヶ月以上前となっていますが3ヶ月前でも半年前でも特に規定がないので、どんなに早くても問題ありません。

クリーニング業者の手配等が必要なため

退去してすぐに入居できる状態にするためには、部屋の修繕作業や清掃のためのハウスクリーニングを行う必要があります。

閑散期であれば業者もすぐに手配できますが、1月~3月になると業者も1日何件も回らなければならず予約を取るのも大変な状態です。

こういった業者の手配は早めに予約をしなければうまく日取りを調節できないので1ヶ月以上前に連絡を受けないと貸し出すまでの空室期間が長くなってしまいます。

連絡が遅れて1ヶ月前を過ぎても解約はできる?

賃貸借契約書には『予告期間が1ヶ月に満たない通知によって解約するときは借主は1ヶ月に不足する日数に相当する賃料等相当を貸主に支払うことにより本契約を終了することができる。』といった記述があります。

連絡が遅くなってしまい1ヶ月前を過ぎてしまった場合、解約自体はすることはできますが不足日数分に相当する賃料を払わなければならない可能性があるというわけです。

例えば解約したい予定日の20日前に連絡を入れたとすれば1ヶ月の不足分である「10日分」の賃料も上乗せで支払う必要があるというわけです。

退去の際の賃料というのは1ヶ月ではなく日割り計算されることが多いです。

ただし過ぎた場合の解約は結局のところ1ヶ月前の退去通知と金額は変わらず、不足日数分だけ損をするということになってしまいます。

ややこしいですが、1ヶ月分の賃料を払って20日間住む権利をもらう状態と1ヶ月分の賃料を払って”退去予定日を変更して”1ヶ月住むならどう考えても後者のほうがお得。

過ぎてしまった場合でも退去予定日は1か月先にしてしまったほうが良いというわけです。

交渉次第では無駄な賃料を払わなくて済む

契約上では大家が「1ヶ月分を払って」と言えばそれを支払う義務がありますが、実際の過ぎてしまった場合の対応は管理会社や不動産次第で変わります。

1日、2日ぐらいなら普通にスルーしてくれて無駄な賃料を払わずに退去予定日を合わせてくれることもありますし、優しい大家であれば2週間前でもOKしてくれることもあります。

規則としてマニュアル化されている大手管理会社ほど厳しく、個人経営のオーナーが管理している大家であれば柔軟に対応してくれる傾向があります。

少し過ぎてしまったぐらいなら大丈夫な場合は結構多いので、気づいた時点ですぐに連絡をして相談してみることが大切です。

1ヶ月先が更新日をまたぐ場合はどうなる?

更新料というのは更新した際にかかるお金なので”更新せずに解約しようとしている”場合は更新料を支払う必要がありません。

更新料を請求できるのはあくまで合意して更新した場合のみです。

更新にはお互い合意する「合意更新」と契約書類を交わさない「法定更新」があります。

解約日が更新日を過ぎた場合は原則としては法定更新となり、法定更新に更新料は発生しません。

通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。

引用;借地借家法第26畳

法定更新をした場合、解約するためには3か月前に通知することが民法第617条によって義務付けられていますが、解約の通知が更新前であれば通常の賃貸借契約が適用されるため1ヶ月分の賃料を支払うことで解約が可能というわけです。

ただし退去予定日を更新日後にすると少しややこしくなってしまうので1ヶ月前の連絡であっても更新日前を退去予定日にしたほうが面倒事は避けられます。

何も知らないとそのまま「更新日をまたぐなら更新料を支払って」と言われて合意してしまい、合意更新になって無駄にお金を払う羽目になります。

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退去連絡に必要な項目や退去の流れ

退去する際には色んなところに電話をして契約解除の手続きをしなければなりません。

わかりやすく手順や連絡すべき相手についてまとめてみました。

退去までの流れ
  1. 管理会社に連絡する:退去の1か月以上前
  2. 電気・ガス・水道の契約解除を行う:退去の2週間前まで
  3. ネットの解約を行う:退去の2週間前まで
  4. ガスの立ち合いを行う:連絡した時に日時を決める
  5. 退去の立ち合いを行う:退去日当日に行われることが多いが、ない場合もある

ざっくりですが、だいたいこんな感じの流れです。契約している会社はそれぞれ別なので部屋の解約、電気、ガス、水道、ネットの解約と1つ1つすべて自分で行う必要があります。

退去の立ち合いというのは退去費がどのぐらいかかるのか一緒に傷や汚れを見て負担割合を決めるためです。

立ち合いと言っても30分程度なのでそれほど時間はかかりません。

部屋の解約

解約時期 退去1ヶ月以上前(要)
連絡先 管理会社・大家(契約書類に記載)
必要なもの 住所・氏名・電話番号・新居の住所
立ち合い 基本的には必要
所要時間 10分~20分程度

【電話の掛け方】(例)「お世話になっております、○○アパートの田中と申します。来月までで退去をしたいので解約の手続きをお願いしたいのですが・・・」

冒頭でも紹介したように部屋の解約は基本的に退去の1ヶ月以上前が原則となっています。

退去するまでの流れ
  1. 1ヶ月前に退去の連絡を入れる
  2. 退去日までに荷造りを済ませる
  3. 退去日に立ち会いを行う
  4. 鍵を返却する(郵送のケースもある)
  5. 退去後に敷金の返済が行われる

連絡先は入居時に貰った書類に記載されているのでわかると思います。

多くは管理会社で管理会社の連絡先が書類に記載されています。

新居の住所というのは退去クリーニング代の請求書を送る先になります。

基本的にはクリーニング代の見積もりの為に立ち合いが必要ですが、入居時に定額補修費用を支払っていた場合は立ち合いの必要なし。

敷金の返金は退去後にクリーニング費を差し引いた額が指定した口座に振り込まれます。

ちなみに一人暮らし用物件のワンルームや1Kで普通に過ごした場合の退去費用相場は約50,000円程度となっています。

こちらは無人契約機検索サイト「アトムくん」が行った男女200名による退去費用に関するアンケート調査結果です。

間取り 退去費用の平均額
ワンルーム/1K/1DK/1LDK 49,980円
2K/2DK/2LDK 79,924円
3DK/3LDK/4K~4LDK 90,139円

部屋が広ければ広いほど退去費用も増えますが、部屋をキレイに使っていたりすると安く済ませることができます。

電気の解約

解約時期 退去の1週間~2週間以上前
連絡先 請求書類等に記載
必要なもの お客様番号(請求書に記載)
立ち合い 不要
所要時間 10分~15分程度(繁忙期だと)

【電話の掛け方】(例)「今月引っ越しするので契約解除の手続きをしたいのですが・・・」

電気代は契約している電力会社で人によって違います。

請求書等に【お引越し・ご契約の変更】という番号が記載されています。

電話自体はものの数分で済むんですけど、大手である東京電力の場合はなかなか繋がらないので注意してください。

僕の場合はかけてから15分ほど繋がりませんでした。

アナウンスが流れるので基本スピーカー放置で繋がるまで待ちましょう。

お客様番号というのが請求書等に記載されているので電話する前に用意しておいてください。

引っ越し先住所は退去直前の電気代の請求書・もしくは支払い証明書を受け取るために必要となっています。

ガスの解約

都市ガス プロパンガス
解約時期 退去1週間~2週間前 退去1週間~2週間前
手続きの方法 電話 電話
必要なもの お客様コード お客様コード・預かり証
立ち合い 必要 必要
所要時間 5分 5分

【電話の掛け方】(例)「今月引っ越しするので契約解除の手続きをしたいのですが・・・」

電気・ガス・水道の中で唯一立ち合いが必要なのがガスです。

立ち合いの日程について聞かれますから、電話する前に予定の確認をしておいてください。

時間についてはガス会社によりますが、僕の場合は何時でも大丈夫でした。

好きな日付、好きな時間を指定できますし、立ち合い自体も5分程度で済むのでそこまで手間はかかりません。

プロパンガスの場合はおそらく預り金というものを1万円ほど最初にガス会社に預けていると思います。

その証明紙が立ち合いの時に必要(返却してもらうため)なので立ち合いまでに準備しておいてください。

最悪なくてもかまいませんが、預かり金が返却されなくなってしまいますので注意。

水道の解約

解約時期 退去2~3日前
連絡先 市区役所・水道局
必要なもの 住所
立ち合い 不要
所要時間 5分

【電話の掛け方】(例)「今住んでいる物件を退去するので手続きをお願いします。」

契約と同様すぐに解約することができますが、遅くても退去の2日~3日前ぐらいには連絡できているのが理想です。直前でも一応なんとかなります。現住所や氏名、退去予定日に関して聞かれるのであらかじめ確認しておきましょう。

立ち合いは不要で光熱費の中では最も簡単に解約することができます。

インターネットの解約

解約時期 退去の2週間以上前
連絡先 契約したネット回線・プロバイダ
必要なもの お客様番号(ID)
立ち合い 不要
所要時間 15分程度

【電話の掛け方】(例)「○○と申します。ネットの解約手続きをお願いします」

ネット回線は次の入居者でもそのまま回線を使用できる可能性があるため必ずしも解約が必要とは限りません。

解約する場合ははネット回線プロバイダの両方の会社に連絡しなければならないので若干面倒です。

契約しているところによってこの組み合わせがセットなのか別々なのか違います。

セットならば最初にネット回線の方に連絡すると、同時にプロバイダの解約も一括で出来ます。

セットかどうかわからなくてもネット回線の方に連絡すると担当者が教えてくれるのでその辺は連絡して聞いてみてください。

ネットの解約は基本的にお客様番号が必要になるので、請求書を手元において連絡しないと解約手続きがスムーズに進みません。

ちなみに2年以内の解約は違約金を取られる場合があるので注意してください。ネット会社によって違いますがだいたい1万円前後が相場となります。

ネット回線は新居でも使える可能性があるので解約する必要がないこともあります。

プロバイダの連絡先も同様に請求書に記載されています!

ネットの解約は最悪当日でも大丈夫だそうですが、少し余裕をもって退去の2週間前ぐらいには行っておいたほうが良いでしょう。

僕の場合は毎月ポイントが貯まるシステムで「ポイントを使った後に解約した方が良い」と言われて、そのポイント消費が電話ではできなかったので結局2度手間になりました。

もし契約している会社でポイントが貯まるようなシステムだったら電話する前に自分の保有ポイントを確認しておいた方が効率的です!

解約の連絡を入れると、数週間後に現在使用しているルーターの回収の袋が自宅に届きます。

機器は基本レンタルとなっているのでその袋に機器を入れて終わり。

まとめ

MEMO
  • 退去の連絡は原則として1ヶ月以上前にする必要がある
  • 1ヶ月前を過ぎてしまうと解約は可能だが不足分(合計1ヶ月分相当)の賃料が発生する
  • 過ぎてしまった場合は退去予定日をずらしたほうが結果的に損することを防げる
  • 管理会社や大家によっては1ヶ月未満の連絡でも融通を利かせてくれることもある

退去の連絡はついつい後回しにしてしまいがちですが、基本的には退去予定日の1ヶ月以上前に連絡しないと退去日をずらす羽目になります。

解約できないということはありませんが、無駄に日数分の賃料を払うことになるのですでに新居が決まっている場合は非常にもったいないです。

一応融通を利かせてくれる管理会社や大家もいるので相談してみることが大切です。

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