礼金ありの物件にもメリットはある?敷金なしで礼金ありの理由とは

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敷金は退去費用に充てられるため払っても損ではありませんが、礼金は初期費用が高くなる上に一切の返金もないため「できることなら払いたくない」という方も多いかと思います。

礼金ありの物件を選ぶことにメリットなんてあるのか、なぜ礼金を取るのか解説していきます!

礼金なしに越したことはない

結論から言えば、礼金あり物件にもメリットはあるものの初期費用が高くなる負担に比べると微々たるものなので、礼金なし物件に越したことはありません。

礼金なし物件のデメリット
  • 住民の質が低くなりやすい
  • 築年数が古いなど立地や設備の悪い物件が多い

礼金というのは古い習慣が残ったものと言われていて、昔は賃貸用住宅が少なかったことから貸してくれた大家に対して「ありがとう」というお礼の気持ちとして家賃以外にもお金を包んでいたもの。

敷金とは違い一切返金されることがないため、礼金が高ければ高いほど負担も大きくなり入居者は損をします。

礼金の仕組み

ワンルームなど単身者向けの物件では礼金1ヶ月程度で済みますが、1LDKや2LDKのような広めの物件になると礼金2ヶ月・3ヶ月取るような物件もあります。

礼金を払ったからと言って入居後の対応が良くなったり、他の費用が安くなるわけではないため、入居者が得られるメリットは少ないです。

礼金ありの物件にもメリットはある?

礼金ありの物件には入居者にとってどんなメリットがあるのか紹介していきます。

物件の条件が良いことが多い

礼金を取っている物件は総じて一定の需要が見込めるお部屋です。

入居者にとっては「なるべく初期費用は抑えたい」と考えているので礼金無料の物件に絞っている人も多いですが、裏を返せば礼金を取っても入居者が決まりやすい物件ということ。

事実、高品質賃貸を提供しているシャーメゾンでは礼金を1ヶ月~2ヶ月程度とっている物件が多いです。

つまり、初期費用以外の条件が良くて設備に不満を抱きにくいということになります。

礼金を取る物件の特徴
  • 新築物件・築浅物件
  • ペット可賃貸
  • オートロック・管理人常駐物件
  • 24時間ゴミ出し可能物件
  • 分譲賃貸

上記のような物件は礼金を設定していても入居者が集まります。

お部屋探しの選択肢の幅が広がる

「礼金あり」の物件も選択肢として加えることで物件の選択肢は約2倍となります。

国土交通省がまとめている「令和3年度住宅市場動向調査報告書」では『礼金があった』という世帯は45.9%と借りる物件の約4割強が礼金を取っていることがわかっています。

年度礼金あり
平成28年度46.9%
平成29年度41.0%
平成30年度42.0%
令和元年度41.7%
令和2年度41.6%
令和3年度45.9%

物件の質も考えると実質的な選択肢の幅は2倍以上となります。

礼金なし物件だけに絞って探してしまうと需要の低い物件しか見られないことも多々ありますが、礼金あり物件も視野に入れると入居後の快適性が良い可能性が高いというわけです。

住民の質が高くなりやすい

物件の住民の質は家賃や初期費用の高さに比例します。

家賃の安い物件や総合的に初期費用が安くなることは確かに魅力的ですが、不安定な職の人や常識のない人でも借りやすいため、夜中に騒ぐような隣人にもなりやすいです。

礼金を取ることにより、初期費用の安さを優先している人を排除できるため、通常よりも住民の質は全体的に高くなります。

賃貸物件では防音性も大切ですが、結局は隣人が騒ぐ人か静かで常識のある人かによって快適性は変わるため、住民の質は重要です。

その分の家賃を抑えられる

礼金を取っている理由の1つとして「家賃を最小限に抑えている」こともあります。

本当は家賃9万円で募集をかけたいけど、家賃をこれ以上高くしてしまうと入居者も集まらなくなってしまうので家賃を上げる代わりとして礼金を取り、利益のバランスを取っています。

表記された家賃だけを見ても安さを感じることはありませんが、オーナーが本来望んでいる家賃が実はもっと高いということは十分考えらえます。

ぱっと見の条件は良さそうなのに礼金を取っていて悩ましいと感じるのは、家賃のバランスが考えられているためといっても過言ではありません。

こういった物件は長期的に住むとお得になるため、数年引っ越す予定がないなら選ぶ価値があります。

敷金なしで礼金ありの理由とは

敷金を取っていないのに礼金だけ1ヶ月や2ヶ月分取るような物件もあります。

あえて敷金を取っていないのには理由があります。

初期費用負担と利益のバランスを取るため

礼金は大家にとって大事な収入源となりますが、敷金まで1ヶ月分取ってしまうと初期費用が高くなってしまうのでバランスを取るために礼金だけ取っていることがあります。

「敷金1ヶ月・礼金無料」のほうが入居者にとってはありがたいですが、大家からすれば礼金を取った方が利益となるため敷金だけ取らないということがあります。

敷金無料としていても結局は退去費用として請求されるため取っても取らなくても総合的な金額は変わりません。

敷金分を「清掃費」として回収しているため

契約するまで気づきにくいですが、敷金無料と謳っていても実は契約時に清掃費として固定額を回収している物件も多いです。

この場合「基本クリーニング代として32,400円」などの記載があり、ぱっと見の物件情報だけでは判断がつかないので注意しましょう。

手持ちの資金的余裕がなく、初期費用の安い物件を選びたい場合は落とし穴となります。

こちらも総合的に払う金額は変わらないので最初に払ってしまうか、退去時に払うかの違いしかありません。

礼金は交渉可能な項目

実は礼金も家賃と同じように交渉することで下げることが可能です。

敷金であれば退去時のクリーニング代として充てられ余ったお金は返金されるので1ヶ月や2ヶ月分払っても無駄になることはありませんが、礼金や仲介手数料等は入居者にとっては無駄金でしかありません。

礼金を定めている理由は色々とありますが、大家の懐にすべて入るお金であり、法律上は無料でも全く問題がないので気になるのであれば積極的に交渉すべきです。

礼金交渉のコツ
  • 「礼金もしくは家賃を下げてほしい」とダブルバインド方式で選択肢を与える
  • 「半額にしてほしい」ことを伝える
  • 交渉に応じてくれたら即入居&長く住むことを伝える
  • 物件の不備(設備や部屋の汚れ等)を指摘してから交渉する

礼金交渉を嫌がる大家は多いですが、やり方1つで十分に下げることができます。

礼金を無料にするのが難しい場合は「半額にしてほしい」といった減額交渉も可能です。

20代/女性

【賃料2.5ヶ月分→賃料1.5ヶ月分】

不動産会社にすぐに契約するので礼金安くならないかと聞いたところ、オーナーに確認してもらったら半額になった。

また、交渉のタイミングも重要。

最初から交渉してうまくいけばいいですが、特に需要の高い物件は交渉を受け付けない姿勢の大家が多いです。

審査を通してもらった後で交渉をすれば審査するためにかかった時間が無駄になってしまうので多少の交渉には応じてもらうことができます。

礼金分を敷金に変えてもらう交渉も可能

交渉は単に下げてもらうこともできますが、大家が損するだけとなってしまうため受け入れてくれないことも多いです。

敷金無料・礼金1ヶ月のような物件であれば「敷金1ヶ月分支払うので礼金を無料にしてほしい」といった妥協案を提示することで受け入れてくれる可能性があります。

敷金は退去費用として充てられ、余ったお金はすべて返金されるためこちらにとって損はありませんし、大家にとっても敷金を貰うことで家賃滞納・退去費用未納のリスクを防ぐことができます。

礼金あり物件に住みたいなら他の費用を抑えよう

自分が住みたいお部屋の条件だと礼金あり物件ばかりということも珍しくありません。

礼金あり物件のほうが条件が良いので当然ですが、初期費用が高くなってしまうため他の費用を抑える必要があります。

礼金分の家賃交渉をしてみる

礼金を無料に交渉できれば一番良いですが、応じてくれないことも多いため家賃交渉を行ってみましょう。

株式会社タスが調査した賃貸住宅市場レポートによれば更新時期(2年)に引っ越す人の割合は約56%~57%と過半数なので2年ごとに引っ越しをする人が多いです。

つまり、礼金があったときに2年間でペイ(回収)できる家賃まで下げることができれば実質的な損はなく、長期で住めば住むほどお得になります。

どのぐらい家賃を下げるべきか家賃と礼金を元に計算してみました。

家賃礼金1ヶ月礼金2ヶ月
5万円約2,000円約4,000円
6万円約2,500円約5,000円
7万円約3,000円約6,000円
8万円約3,500円約7,000円
9万円約4,000円約8,000円
10万円約4,500円約9,000円

交渉額としては高い気もしますが、当サイトで家賃交渉に成功した100人にアンケート調査を行ったところ、平均額は4,170円、下がった額で最も多かったのは全体の28%で5,000円となっています。

単身者用物件なら数千円の値下げ交渉が成功することもあるため「家賃を下げてもらえないか」交渉してみましょう。

実際に下がった人の交渉方法についてまとめているので参考にしてみてください。

仲介手数料の安い不動産を利用する

利用した仲介不動産に対して手数料を支払うわけですが、この仲介手数料は仲介業者によって金額が異なります。

同じ物件を紹介できる不動産でもA社は賃料1ヶ月分なのにB社は賃料0.5ヶ月分としていることもあるため、安くしたいなら手数料にも着目してみましょう。

仲介不動産仲介手数料
UR賃貸住宅無料
ビレッジハウス無料
レオパレス無料
oheyago無料~半額
エイブル(直営店)家賃0.5ヶ月
ミニミニ(直営店)家賃0.5ヶ月
イエッティ家賃0.5ヶ月
AWANAI賃貸家賃0.5ヶ月
いい部屋ネット家賃1ヶ月
アパマンショップ家賃1ヶ月
ピタットハウス家賃1ヶ月
ホームメイト家賃1ヶ月
タウンハウジング家賃1ヶ月
お部屋探しのマスト家賃1ヶ月
イエプラ管理業者により変動

すべての不動産が他社物件も扱えるわけではないので注意が必要ですが、仲介手数料の安さは不動産を決める上でかなり重要な項目です。

仮に仲介手数料を無料にできれば礼金1ヶ月分取られても総合的な金額は礼金無料物件と同じになります。

連帯保証人を用意して保証会社利用必須物件を避ける

保証人を用意していない場合、基本的に家賃保証会社を利用することになり、利用料がかかってしまいます。

利用料の相場は賃料の50%+α程度となるため、無視できない金額です。

最近では保証会社の利用を必須としている物件が増加傾向にありますが、何も記載がない場合は保証人を用意すれば払わなくてよくなるため初期費用を抑えることができます。

オプション代のかからない業者を利用する

消毒施工費、入居安心サービス費などのオプション代は仲介不動産が用意しているもので、利用料がかかります。

例えば仲介手数料半額でお馴染みのエイブルは一見安いようにも思えますが、オプション代がかかるため総合的にはあまり安くなりません。

項目エイブルその他の不動産
前家賃60,000円60,000円
敷金60,000円60,000円
礼金60,000円60,000円
仲介手数料33,000円66,000円
鍵交換費15,000円15,000円
火災保険料20,000円15,000円
コンシェルジュ2419,800円15,000円
消毒施工費15,000円0円
光触媒コーティング・害虫駆除23,650円0円
防カビコーティング13,200円0円
合計309,650円291,000円

オプション代というのは法律的には任意のサービスなので拒否も可能ですが、抱き合わせ商法のように契約に必須のような勧め方をするため断るのも大変です。

最初からオプション代がかからない不動産を利用すれば労力を使わずに安くすることができるのでおすすめ。

交渉しやすい不動産を利用する

礼金交渉や家賃交渉は営業マンと直接話す必要があるので「下げてもらいたいけど言う勇気がない」という人も多いと思います。

対面で交渉打診をしたくないならイエプラがおすすめです。

イエプラ公式ページへ

運営会社株式会社コレック
口コミ評価(google)★★★★☆(4.5)
対応エリア関東・関西
店舗数2店舗
物件数約10万件以上
仲介手数料基本賃料1ヶ月分+税(保有不動産に依存)
利用料金無料
会員登録必要
おとり物件0件
特徴自宅にいながら部屋探しができる
チャットでやり取りが可能
新着物件を手に入れられる
業者専用サイト「ATBB」が見られる
設定できない細かい条件を伝えられる

イエプラはチャットで部屋を探してもらうアプリなので、礼金・家賃交渉もすべてチャット上で行うことができます。

一言「礼金や家賃を安くできないか交渉してもらいたい」と伝えればいいだけなので簡単です。

他社物件も紹介可能な上、無駄なオプション代もかからないので部屋探しサイトとしては有用です。

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まとめ

MEMO
  • 礼金ありの最大のメリットは部屋探しの選択肢が広がること
  • 総合的なメリットは微々たるものなので、ないほうが良い
  • 礼金交渉で安くしてもらうこともできる
  • 礼金交渉に失敗したら他の費用を安く抑えよう

魅力的な物件の多くは礼金ありとなっていますが、いずれも一定の需要があることが関係しています。

時期によっては交渉に応じてもらいやすくなったり、家賃交渉も視野に入れることで負担を減らすことができます。

交渉が無理なら不動産選びに注目し、より安く入居できる業者を利用することで実質的な負担も少なくなります。