礼金2ヶ月は違法?強気でなぜか高くしている5つの理由

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礼金は初期費用項目の1つで、有無によって費用の高さにも差が出る部分です。

いくら家賃が安くても初期費用が高くなってしまっては意味がありません。

礼金1ヶ月分ならまだしも2ヶ月取るような物件もあり、入居者としてはかなり負担も大きい費用。

そもそも「礼金を2ヶ月以上取るのは違法じゃないのか」「礼金をなくしてもらうことはできないのか」など礼金についてまとめてみました!

礼金交渉に成功した人の体験談から交渉方法をまとめているので、こちらもチェックしてみてください。

礼金2ヶ月は違法?

結論から言えば礼金は1ヶ月だろうと2ヶ月~3ヶ月だろうと法律上の規定で上限は一切ないため違法ではありません。

礼金というのは古い習慣が残ったものと言われていて、昔は賃貸用住宅が少なかったことから貸してくれた大家に対して「ありがとう」というお礼の気持ちとして家賃以外にもお金を包んでいたもの。

外国で言うチップの役割ですね。

敷金とは違い一切返金されることはありません。

最近は賃貸用住宅が人口に比べても多いことからお礼の風習は廃れつつありますが、それでも今だに礼金は存在します。

近年では収益をより安定させるために大家自らが礼金を設けていて、昔とは解釈も異なっています。

国土交通省がまとめている「令和3年度住宅市場動向調査報告書」では『礼金があった』という世帯は45.9%と借りる物件の約4割強が礼金を取っていることがわかっています。

年度礼金あり
平成28年度46.9%
平成29年度41.0%
平成30年度42.0%
令和元年度41.7%
令和2年度41.6%
令和3年度45.9%

年代別に見てみると礼金は年々減少傾向にありますが、令和3年度は急激に増えています。

礼金があった世帯をさらに調べてみると『1ヶ月ちょうどだった』という人は全体の66.8%で最も多くなっています。

礼金の月数礼金相場
家賃1ヶ月分72.1%
家賃2ヶ月分14.7%
家賃1ヶ月~2ヶ月の間5.4%
1ヶ月未満3.5%
家賃3ヶ月分2.7%
その他1.6%

全体を通してみると礼金0円としている物件のほうが多いものの、まだまだ礼金を取っている大家も少なくありません。

ちなみに『礼金が2ヶ月だった』という報告は礼金あり物件の約14.7%です。

礼金に返還義務が発生した判例もある

基本的に返還されることのない礼金ですが、過去の判例では高すぎる礼金に対して返還が求められた裁判もあります。

全国賃貸住宅新聞によれば、大阪簡易裁判所にて支払い済みの礼金12万のうち貸主に対して9万円の返還命令が下されました。

礼金の高さが消費者契約法第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)に違反しているのではないか、という部分が認められたことになります。

入居者である借主は礼金を4か月分払っており、1ヶ月と8日で退去しているため特殊なケースではありますが【礼金が高額×入居期間が短い】場合においては返還されることもあるということです。

同様の訴えは京都地裁の判例でもありますが、こちらは7ヶ月近く入居していたため棄却されました。

礼金は家賃と同じで交渉可能

実は礼金も家賃と同じように交渉することで下げることが可能です。

当サイトで『礼金交渉に成功した人』を調べたところ、礼金2ヶ月の物件で交渉に成功した人は100人中17人と数も多いです。

敷金であれば退去時のクリーニング代として充てられ余ったお金は返金されるので、1ヶ月や2ヶ月分払っても無駄になることはありませんが、礼金や仲介手数料等は入居者にとっては無駄金でしかありません。

礼金を定めている理由は色々とありますが、大家の懐にすべて入るお金であり、法律上は無料でも全く問題がないので気になるのであれば積極的に交渉すべきです。

礼金交渉のコツ
  • 「礼金もしくは家賃を下げてほしい」とダブルバインド方式で選択肢を与える
  • 「半額にしてほしい」ことを伝える
  • 交渉に応じてくれたら即入居&長く住むことを伝える
  • 物件の不備(設備や部屋の汚れ等)を指摘してから交渉する

礼金交渉を嫌がる大家は多いですが、やり方1つで十分に下げることができます。

特に礼金を2ヶ月分取っているような物件であれば「1ヶ月分に減らしてほしい」とお願いすることで妥協してもらえる可能性が高いです。

また、交渉のタイミングも重要。

最初から交渉してうまくいけばいいですが、特に需要の高い物件は交渉を受け付けない姿勢の大家が多いです。

審査を通してもらった後で交渉をすれば審査するためにかかった時間が無駄になってしまうの、で多少の交渉には応じてもらうことができます。

礼金ありなら設定家賃も下げる必要がある

部屋探しでは家賃が重要視されていて礼金というのは無視されがちですが、礼金があるだけでかなり初期費用も高くなりますし、礼金なし物件と比較すると礼金分必ず損をしていまします。

株式会社タスが調査した賃貸住宅市場レポートによれば更新時期(2年)に引っ越す人の割合は約56%~57%と過半数なので2年ごとに引っ越しをする人が多いです。

つまり、礼金があったときに2年間でペイ(回収)できる家賃まで下げる必要があります。

どのぐらい家賃を下げるべきか家賃と礼金を元に計算してみました。

家賃礼金1ヶ月礼金2ヶ月
5万円約2,000円約4,000円
6万円約2,500円約5,000円
7万円約3,000円約6,000円
8万円約3,500円約7,000円
9万円約4,000円約8,000円
10万円約4,500円約9,000円

例えば家賃6万円・礼金2ヶ月分なら家賃6.5万円・礼金なし物件と2年間の総額は同じになるので、別の物件なら家賃を5,000円あげるのと同じというわけです。

礼金ありで家賃を抑えるか、それとも礼金あり物件と比較して礼金なしで家賃をその分あげるかは人によりますが、それだけ家賃を変える必要があるということです。

交渉の金額目安として礼金が無理なら上記の費用分家賃が安くできないか聞いてみるというのも手。

礼金2ヶ月取る強気な理由とは?

礼金の相場は1ヶ月程度ですが、無料にしている物件も多いです。

わざわざ礼金を2ヶ月取っている理由について紹介していきます。

強気な設定でも入居者が集まるから

礼金2ヶ月だと初期費用もかなり高くなってしまうので普通の物件であれば避けますが、それでも入居者が集まれば大家としても問題ありません。

どんなに入居希望者がいてもその部屋に入居できるのは1人だけ。

だったら強気な礼金設定にしてより利益をあげたいと考えるのが普通です。

もし仮に礼金を2ヶ月にしたことによって全く入居者が集まらないなら見直されているはずなので、変えずに募集している=需要のとても高い物件ということになります。

グレードの高い素材・設備の物件だから

賃貸物件は分譲物件のような建物に対してコストを重視し、いかに安く造れるかを追い求めています。

ただし、あえてグレードの高い素材を使っていたり、設備を充実させているような高級コンセプトの物件もあります。

有名ハウスメーカーである『シャーメゾン』『D-room』は外観からこだわった造りで知られています。

オシャレさはもちろん、騒音トラブルが起きないような防音性を保ち、長く住めるような設備を整えているため建設コストとして高くなっています。

その分礼金を高く設定しているというわけです。

即退去されないようにするため

初期費用が安い物件というのは入居者にとってはかなりありがたいですが、仮に入居して部屋が気に入らなかった場合は退去してもそれほど痛手にはなりません。

すぐに退去されてしまうと大家も退去費用や修繕費用を支払わなければなりませんし、部屋の空白期間ができてしまうので頻繁に出入りされるのを嫌がります。

礼金を2ヶ月分とってしまえば入居して少し部屋自体に不満があったとしても「初期費用が高かったし我慢しよう」という気持ちになりますし、貯金を使い果たして新たに引っ越す余裕もなくなります。

つまり、礼金を高くすることで実質的にすぐに退去されるのを防いでいるというわけです。

入居者をより精査するため

需要が高く入居者が多く集まるのであれば、その中で家賃滞納リスクの低い人やトラブルを起こさない人をできるだけ入居させたいと思うのが大家としての本音。

簡単に言えば『入居者の質を高められる』ということです。

礼金を多く取り敷居を高くすることで、高い初期費用を払ってでも借りたいと思ってくれる人、資金的に余裕がある人を選別することができます。

高い初期費用が払えるならある程度貯金的に余裕があることがわかりますし、結果的にトラブルになりにくい人物に入居してもらいやすくなります。

家賃を相場よりも安く見せるため

部屋探しをする際に最も優先しているのは家賃であって、設定した家賃を元に細かい条件を付けくわえていきます。

つまり、家賃を下げて検索条件等に引っかかりやすくして利益もちゃんと確保するために礼金を取っているというわけです。

例えば「家賃7万円以下」で探している人に対して『家賃6.9万円・礼金2ヶ月』であれば検索条件に引っかかりますが『家賃7.1万円・礼金なし』だと検索には引っかかりません。

より多くの人の目に留まるようにするためには家賃の安さを提示するのは重要であり、意外と礼金など他の費用を二の次で考え考えている人も多いので、結果的に入居者が集まりやすいという側面があります。

礼金を2ヶ月分取る物件の特徴

具体的にどういった物件は礼金を2ヶ月取っているのか、その特徴についてまとめてみました。

新築物件

新築物件というのは基本的に需要の高いと言われるお部屋です。

部屋を探している人の中には「新築で誰も住んだことのないような物件に住みたい」と思っている人や「潔癖症だから汚いのは嫌」と考えている人もいます。

こうした人からとても需要があり、入居者もすぐに見つかるのであえて礼金を高くしてより利益をあげています。

必ずしも礼金2ヶ月とっているわけではありませんが、新築や築浅物件は礼金を取っているところがかなり多いです。

逆に古い物件は需要も低くなるので礼金を0円としているところがほとんど。

ペット可賃貸

ペット可賃貸も需要がかなり高く、実際に探してみても利用のお部屋を探すのが難しいほど物件数もそれほど多くありません。

また、ペット可としている場合は犬や猫による予想外の傷やトラブルも絶えないので仕事量が増えたり修繕費用が増えたりします。

修繕費用は敷金でなんとかするとしても仕事量に関しては人件費に関わる問題ともなってくるので礼金として利益をよりあげておく必要があります。

設備が充実している物件

設備が充実しているような物件というのは礼金を取っていることが多いです。

  • オートロック物件
  • 管理人常駐物件
  • コンシェルジュ付き
  • ゲストルームやジム付き
  • 24時間ゴミ出しOK

設備が充実している=それだけ初期投資としても多くなってしまうので早めに出費を回収するには家賃だけじゃなくて礼金という利益も確保する必要があります。

また、管理人やコンシェルジュは人件費というコストがかかってしまうので安定した利益を出すために礼金が必要になってくるというわけです。

間取りの広い物件

1LDK、2LDK、3LDKなど広い間取りになればなるほど大家が負担する清掃費用や修繕費の負担も増えるため、礼金を高くしている物件も増えます。

広い間取りはワンルームと比べると固定資産税も高くなるため、特に新築や築浅物件では礼金を2ヶ月以上取っているところが多くなります。

逆に築年数の古い物件では資産価値も下がり、需要も低くなるため礼金を取らずに募集をかけている物件が増えます。

分譲賃貸などグレードの高い物件

分譲賃貸というのは普通の賃貸物件と違い、もともと売買を前提に建設された物件を人に貸し出しているような状態です。

つまり、賃貸物件と比べると「長く住む」を前提としているので床や窓、壁や設備などに対してかなりコストをかけています。

コストをかけてしまったグレードの高い物件は利益を回収するのも難しくなります。

家賃をできるだけ相場ぐらいに押さえつつ利益を安定して確保するにはやはり礼金というものが必要になってきます。

礼金交渉以外でも初期費用を抑えることはできる

できれば礼金は払いたくないものですが、交渉がうまくいかなかったりそれでもどうしてもその物件に住みたい場合は他の費用をうまくやりくりすれば初期費用も抑えることができます。

家賃交渉をしてみる

まず第一に家賃交渉を行ってみましょう。

家賃は下げられないイメージもありますが、提示された家賃というのは相場から導き出した指標に過ぎません。

当サイトで家賃交渉に成功した100人にアンケート調査を行ったところ、平均額は4,170円、下がった額で最も多かったのは全体の28%で5,000円となっています。

家賃帯や物件によって異なりますが、入居希望者が交渉することにより1,000円~2,000円程度であれば十分に下げることは可能です。

実際に僕も以前住んだアパートの家賃を交渉してもらうことで1,000円下げることができました。

仲介業者に「家賃を少し下げられないか」聞いてみましょう。

連帯保証人を立てる

保証会社必須物件でないなら保証人を用意することにより保証会社利用料がかからないため、結果的に家賃の50%前後の費用をカットすることができます。

保証会社のかかる利用料は家賃を元に決められていて、その相場は初期費用に加算されます。

家賃6万円で利用の有無だけで3万円ほど費用を抑えることができるので、なるべく保証会社を利用しない方向にもっていきましょう。

仲介業者の安い不動産を選ぶ

仲介手数料というのは物件の仲介をしてもらったお礼として定められた額を仲介業者ないしは大家に支払うお金のこと。

部屋を借りた人で「仲介手数料があった」という世帯は全体の50.2%となっています。

部屋を探し、契約する際に必要となる初期費用の一部に仲介手数料がありますが、これはその名の通り仲介してもらった業者に対する手数料です。

同じ物件でも仲介する不動産が異なると仲介手手数料も変わってきます。

一般的には賃料1ヶ月分相当取られますが、安いところなら無料~半額程度にすることが可能。

仲介不動産仲介手数料
UR賃貸住宅無料
ビレッジハウス無料
レオパレス無料
oheyago無料~半額
エイブル(直営店)家賃0.5ヶ月
ミニミニ(直営店)家賃0.5ヶ月
イエッティ家賃0.5ヶ月
AWANAI賃貸家賃0.5ヶ月
いい部屋ネット家賃1ヶ月
アパマンショップ家賃1ヶ月
ピタットハウス家賃1ヶ月
ホームメイト家賃1ヶ月
タウンハウジング家賃1ヶ月
お部屋探しのマスト家賃1ヶ月
イエプラ管理業者により変動

すべての不動産が他社物件も扱えるわけではないので注意が必要ですが、仲介手数料の安さは不動産を決める上でかなり重要な項目です。

こちらで1つ1つ不動産の特徴もまとめています。

オプション代がかからない不動産を選ぶ

初期費用には不動産の利益となるオプションサービスがあります。

具体的には「消毒施工費」や「抗菌」「24時間安心サポート」「防カビ」などが挙げらえます。

オプション代は1つあたり15,000円前後と意外と高額で、利益になるので不動産としても当たり前のように初期費用に含めようとしています。

仲介手数料半額でお馴染みの「エイブル」を例に、賃料60,000円の物件を一般的な不動産と比較してみます。

項目エイブルその他の不動産
前家賃60,000円60,000円
敷金60,000円60,000円
礼金60,000円60,000円
仲介手数料33,000円66,000円
鍵交換費15,000円15,000円
火災保険料20,000円15,000円
コンシェルジュ2419,800円15,000円
消毒施工費15,000円0円
光触媒コーティング・害虫駆除23,650円0円
防カビコーティング13,200円0円
合計309,650円291,000円

エイブルのオプション代は全部合わせると71,650円。

これだけオプション代がかかる不動産自体珍しいですが、そもそもオプション代は任意で拒否できるものです。

強制的に加入させようとする業者も多いので、最初から自社商品としてのオプション代がない不動産を選ぶのほうが手っ取り早いです。

オプション代がかからず仲介手数料の安い物件も同時に探せるおすすめサイトはイエプラ。

イエプラ公式ページへ

運営会社株式会社コレック
口コミ評価(google)★★★★☆(4.5)
対応エリア関東・関西
店舗数2店舗
物件数約10万件以上
仲介手数料基本賃料1ヶ月分+税(保有不動産に依存)
利用料金無料
会員登録必要
おとり物件0件
特徴・自宅にいながら部屋探しができる
・チャットでやり取りが可能
・新着物件を手に入れられる
・業者専用サイト「ATBB」が見られる
・設定できない細かい条件を伝えられる

イエプラでは仲介する際にオプション代は一切かかりません。

また、チャット上で「仲介手数料無料や半額にしている物件のみを探してほしい」と伝えれば、手広いイエプラのは効率的に探すことができます。

家賃交渉・礼金交渉・設備交渉も顔を見ずに”チャット上”ですべて行うことができるため、交渉が苦手な人にこそ有用なサービスとなっています。

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まとめ

  • 礼金は何ヶ月分でも違法ではない
  • 礼金を取っている物件のほうが少ない
  • 礼金を取っている物件の約70%は賃料1ヶ月分
  • 礼金は交渉可能
  • 交渉がうまくいかない場合は仲介手数料やオプション代を抑えよう

礼金はただの契約条件の1つに過ぎず、現在はそこにお礼の意味はほとんどなくなっています。

法律上の規定はないので2ヶ月取るような物件もありますが、あまりにも高くすると入居者自体がいなくなってしまうので、高くても3ヶ月程度が上限です。

礼金は交渉可能な項目の1つなので、どうしてもその部屋に住みたい場合は積極的に交渉してみましょう。

礼金なし物件ならその分の家賃をあげることもできるので結果的に選択肢も多くより良い物件を選べる可能性があります。

礼金ありの物件にもメリットはある?敷金なしで礼金ありの理由とは