木造アパートがやめとけと言われる理由!騒音は意外と気にならない?

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家賃も安く初めて一人暮らしで選びやすい木造アパート。

家賃の安さは非常に魅力的ですが『うるさい』『やめとけ』といった意見があるのも事実です。

今回は木造アパートは本当にうるさいのか、住み心地はどうなのか住んだことのある100人に聞いてみました。

【住んだ100名に調査】木造アパートがやめとけと言われる理由

木造アパートに住んだことのある100人にアンケート調査を行ったところ、『やめたほうがいい』と回答したのは全体の54%と過半数が否定的な意見となりました。

木造アパートはやめたほうがいいか
  • 調査対象:『木造アパート』に住んだことのある人
  • 調査期間:2023年3月9日~2023年3月10日
  • 調査年齢:20代~60代
  • 調査性別:男性41人/女性59人
  • 調査機関:クラウドワークス
  • 有効回答数:100

否定的な意見も多いものの、「木造アパートでも問題ない」といったポジティブな意見もあり、数値的には拮抗しています。

木造アパートがやめとけと言われるのは住み心地がどの構造よりも悪いため。

構造木造鉄骨造RC造SRC造
家賃とても安い安い高いとても高い
遮音性低い低い高い高い
耐震性低い低い高いとても高い
耐火性低い低い高いとても高い
気密性低い 低いとても高いとても高い
耐用年数22年19年~27年34年47年

家賃は安いものの壁が薄いため、騒音トラブルに発展することも少なくありません。

具体的なデメリットを紹介していきます。

騒音が聞こえやすくてうるさい

木造アパートがやめとけと言われる一番の理由は防音性の低さ。

国土交通省がまとめている「令和3年度住宅市場動向調査報告書」では、賃貸住宅に入居した39.4%が『近隣住民の迷惑行為』に対して困ったと回答しています。

また、suumoが300名に行った住んでみて後悔したことランキングでは第1位が『壁が薄い(19.3%)』と回答。

つまり、防音性の低さ=最も後悔する可能性が高いということです。

当サイト”ヒトグラ”にて生活音の聞こえ方について100人に調査を行った結果、『かなり気になった』と回答したのが38%、『少し気になった』が51%で、合計すると89%の人が壁や上下階の騒音に対して気になったと回答しています。

木造に限らず、住んでから思った以上に壁が薄くて隣人の騒音がストレスに感じて後悔する人は多いようです。

音の種類音の聞こえ方
足音聞こえる
話し声小さく聞こえる
笑い声大きく聞こえる
生活音聞こえる

木造アパートの防音性は構造上最低レベルとなっているため、日常生活におけるあらゆる音は聞こえてしまいます。

うるさいという意見

30代/女性

隣人や上の階の音がかなり響くので自分の音も聞こえてると思い音をたてないように神経を使った。

40代/男性

上階からの足音・物音、隣室からの話し声など、一度気になるともうダメです。騒音の頻度が高ければ早めに管理会社に相談したほうが良いと思います。

20代/男性

人の声や足音が聞こえやすいため友人を呼んで遊ぶなんてことはあまりできなかった。

50代/女性

上階の騒音が気になりました。住んでみないとわからないし、自分ではどうすることもできないので、運不運もあると思います。

100人中57人が木造アパートの問題点として「騒音がうるさい」という点を挙げていて、中でも『かなり気になる』と回答したのは全体の38%。

少し気になるという意見

『少し気になる程度』と回答したのは全体の51%です。

40代/女性

隣人の話声までは聞こえませんでしたが、少し音が気になる事はありました。ただ、そこも住人のマナーの問題なので、鉄筋でも同じだと思います。

30代/女性

階段を昇る音や誰かが話しているのが聞こえるのは気になる。自分が物を落としてしまったときなどに音が出ると申し訳なく思う。

30代/女性

隣の人の電子レンジの音とか生活音が聞こえるのは夜中とかだと少し気になった。

生活音が聞こえてしまうのはある程度仕方ないとして、それが当たり前となると慣れるといった意見もあります。

自分が寝る真夜中でなければ多少音が聞こえてきても生活に支障をきたすことがないため、案外気にならないようです。

気にならないという意見

40代/男性

木造で大丈夫かなという不安はありましたが、住んでみると意外と何も無かったです。住めば都ですね。

40代/男性

木造で大丈夫かなという不安はありましたが、住んでみると意外と何も無かったです。住めば都ですね。

20代/女性

隣人や上下の騒音は気にならないが、道路からの騒音は気になった。

100人中11人が『全く気にならない』と回答しています。

うるさくなるかは隣人次第ですが、多少の生活音が聞こえてくることは間違いありません。

遮音性能は床に対する衝撃音数値であるL値と、空気音の遮音性能を示すD値というものがあり、床と壁でそれぞれ異なります。

木造アパートでどの程度聞こえるかをさらに詳しく見ていきます。

上階からの騒音(床の防音性)

床に対する遮音性はL値で示されており、値が高ければ高いほど音が聞こえやすくなります。

これは日本建築学会が調査した建物の遮音性と等級の関係性です。

遮音等級建物構造音の聞こえ方
L-35 日常生活で気になるような音はほぼ聞こえない
L-40鉄筋鉄骨コンクリート造防音性が高く外からの音も軽減される
L-45 子供の泣き声や走り回る音は多少聞こえる
L-50鉄筋コンクリート造子供の泣き声や走り回る音は聞こえる
L-55 洗濯機や掃除機は少し聞こえるが気にならない
L-60重量鉄骨造足音やドアの開閉音など振動を伴う音が聞こえる
L-65軽量鉄骨造多少音量は軽減されるが生活音はほぼ聞こえる
L-70 生活音はほとんど筒抜け
L-75木造生活音は筒抜けで小さな音まで聞こえる

木造アパートの遮音等級は物件で最低レベル(L-75)となっています。

基本的な生活音はほとんど筒抜け状態になっているのが木造アパートの特徴です。

上からの足音はもちろん、掃除機をかける音、洗濯機を回す音、トイレを流す音なども聞こえてきます。

隣人の騒音(壁の防音性)

壁の遮音性能は透過損失を評価する数値のDで表すことができます。

透過損失とは音が通り抜けたときに遮音してくれるdb(デシベル数)で、例えばD-40の壁に50dbの音がぶつかると隣に聞こえる音は50-40=10dbとなります。

建築基準法施行令第22条の3によれば、界壁の遮音性能についての技術的基準値が定められていて、透過損失がそれぞれ同表の下欄に掲げる数値以上が義務化されています。

振動数(ヘルツ)透過損失
125(低音域)25dB
500(中音域)40dB
2,000(高音域)50dB
※周波数ごとのD-40の透過損失

こちらは日本建築学会による遮音性能基準と目安となる構造です。

遮音等級D値構造目安
特級D-55RC造・SRC造
1級D-50RC造・SRC造
2級D-45重量鉄骨造・RC造
3級D-40木造・軽量鉄骨造

木造アパートの遮音性能は最低レベルのD-40以下ですが、基準値に満たなければ建築基準法違反となるため”最低限”は保証されています。

木造の界壁

基本的な界壁構造は木造とグラスウールの空間+石膏ボード×2枚(12.5mm×2)となっています。

D-40の内壁で音の種類ごとにどのように聞こえているのかを表したものがこちら。

音の種類音の大きさ透過損失後聞こえ方
ドアの開閉音75dB35dB大きく聞こえる
子供の走る音65dB25dB小さく聞こえる
掃除機70dB30dB多少大きく聞こえる
洗濯機の音70dB30dB多少大きく聞こえる
テレビ
(中)
60dB20dBわずかに聞こえる
いびき
(大)
80dB40dB大きく聞こえる、通常の会話は可能
大人の足音45dB5dB聞こえない
話し声60dB20dBわずかに聞こえる
笑い声80dB40dB大きく聞こえる、通常の会話は可能

テレビをつけている音、話し声はわずかに聞こえ、笑い声やいびきはうるさいと感じるレベルとなります。

基本的に生活音がすべて聞こえてしまうのが木造アパートの特徴。

何をしゃべっているかわからないものの、誰かと喋っていることは確実に聞こえるぐらいには壁が薄いです。

テレビの音も大きくしすぎてしまうと聞こえてしまうため、ある程度音量を下げておく必要があります。

僕も2軒ほど木造アパートに住んだことがありますが、いびきはよく聞こえてきました。

虫が出やすい

木造は木材なので虫にとって好ましい素材です。

湿気を含む木造のほうがコンクリート造などに比べて虫が集まりやすくなります。

木に卵を産みつける虫は多いので、結果的に虫が住み着きやすい環境というわけです。

30代/女性

虫が寄ってきて巣を作ったりして大変だった。

30代/男性

アリとか虫がよくでるのが難点。

また、気密性も低いので虫が内部に侵入しやすいというのも要因となっています。

虫嫌いな人にとっては最悪な環境。

木造アパートは高さが2階までしかないことが多いのも、虫が発生しやすい要因となっています。

外気の影響を受けやすい

木造アパートの気密性は構造上かなり低いので、外気の影響をもろに受けてしまいます。

気密性の値はC値(隙間相当面積)で示すことができ、C値は低ければ低いほど良いとされています。

構造C値
(㎠/㎡)
木造住宅・木造アパート5.0~10.0
鉄骨造・木質ユニット系5.0
鉄筋コンクリートマンション1.0~1.5
参考:建物の機密性能を表すC値の真実!

比較してみると木造は5.0~10.0㎠/㎡と隙間の多い構造であることが一目瞭然です。

住んでみると「寒い」「暑い」というよりも、空調が効きにくいというのが難点です。

冬場はなかなか部屋が暖まりにくいですし、エアコンを消すとすぐに外気と同程度の温度に戻ってしまいます。

30代/男性

音は対して気にならなかったが冬場寒かった。

40代/女性

とにかく寒かったです。妊娠中だったので本当に辛くて辛くて・・・。後悔しています。

実際に住んでいる人の声を聞いてみると「夏場はともかく冬場がかなり寒い」といった意見が目立っています。

劣化スピードが早い

木造アパートの耐用年数は22年と構造上最も低くなっています。

構造耐用年数
木造22年
軽量鉄骨造19年~27年
重量鉄骨造34年
RC造47年

劣化スピードが速いということは同じ築15年の物件でも木造建築のほうが鉄骨造や鉄筋コンクリート造よりも見た目上古く感じるというわけです。

家賃は築年数に比例して安くなりますが、木造アパートを選ぶと見た目が古いのにそこまで家賃が下がっていないこともあるというわけです。

民度が低い

家賃が安いのはメリットですが、家賃が安ければ安いほどそこに住む住民の質は下がってしまいます。

木造アパートの民度が低くなる理由
  • 家賃が安いため非常識な人でも入居審査に通りやすい
  • 外国人入居率が高くなるため
  • 社会的地位の低い人の入居率が高くなる傾向があるため

20代/女性

下の階の住人がクレーマー気質で度々、もめて大変だった。

50代/男性

1件目:20代前半若い人ばかりの木造(6世帯)に住んだ時ドラムの練習を足と手でする人がいて私の部屋からは横の人に聞こえ文句を言いに行ったら斜め上の人だった。

・2件目:2階に小さいお子さんが住まれていることを内見でわからず契約休日も夜も走りまわる足音で体が休まず結局半年で引っ越ししました。

常識のない人が隣人だったり、夜中に大声をあげる人や騒ぐ人、いやがらせ行為をする隣人の確率が高くなります。

僕が学生の時に借りた木造アパートでは、うるさくしていないのに毎日壁ドンをしてくる頭のおかしな隣人がいました。

次に引っ越した時も木造アパートでしたが、隣人が社会人の方だったため少しうるさくしても何も言われることはありませんでしたし、挨拶をしてくれるほど常識のある方でした。

隣人はある意味運ですが、家賃が安ければ安いほどおかしな人が隣人になってしまう確率が高くなります。

防犯性能が低い

木造アパートはなるべく低コストで建設することを目的として造られているため、賃貸だとセキュリティ面が非常に甘いことが多いです。

防犯カメラがない、オートロックなし、エントランスなし、窓ガラスが薄い・割れやすい、ピッキングしやすい鍵等の問題があります。

40代/女性

窓や玄関のセキュリティが弱いので怖い。

不審者が本気で侵入しようと思えば簡単に侵入できてしまう構造となっているので防犯性にはあまり期待しないほうがいいです。

管理体制もしっかりしておらず、建物の電灯が切れても交換されていなかったり、廊下に落ちているチラシ等がそのままになっていることも。

ただし、最近の物件は木造でもオートロックを採用していたり防犯設備が整っていることもあるため、あくまで傾向としてのデメリットとなります。

木造アパートに住んでみた感想まとめ

木造アパートには2軒ほど住んだことがあります。

1軒目は初めての一人暮らしで大学近くのアパートに4年間住みました。

2軒目は2年ほど住んだので防音性や音の伝わり方などを細かくまとめてみました。

1軒目:かなりうるさかった

1軒目は大学近くということもあり、同じアパートには学生も多く住んでいました。

当時は一人暮らし初めてということもあり、木造アパートでしたが壁ドンをかなりされたのが印象的。

中部屋に住んでいたこともあり、ちょっとした物音を立てるとすぐに隣人が壁ドンをしてきて、それが一番のストレスでした。

宅飲みをしていると壁ドンされますし、上の階の人の足音もよく聞こえていた印象。

ただ隣人は普段から人を呼ばないタイプなのか話し声が聞こえてきたことはほとんどありませんでした。

たまに彼女と思わしき女性の声が聞こえてくるぐらいでしたが、それに対してうるさいと感じたことはありません。

壁ドンがなければそこまで悪い物件だったようには思えませんでしたが、回数が異常だったので住民の質はかなり低かったように感じます。

僕も当時は学生だったので、あまり隣人のことを考えずに騒いでしまっていたのは反省点です。

他の部屋では隣人に何度か警察を呼ばれている光景を目にしているので、騒音問題に発展しやすいので注意して生活する必要があります。

2軒目:意外と静かだった

2軒目も築15年ぐらいの見た目はきれいな木造アパートでしたが、1軒目と違って大学近くでもなかったためか隣人の騒がしい音はほとんど聞こえてきませんでしたし、壁ドンをされたことも1度もありませんでした。

洗濯機を回す音だったり、上の階の人がトイレを流した時の水の流れる音や朝早くに掃除機をかける音は聞こえていましたが、話し声やテレビの音はほぼゼロでした。

防音性が高いというよりは住民の質(特に隣人)が良かったおかげでストレスを感じることなく2年間過ごすことができました。

僕自身もあまり人を呼ぶことがなくなったおかげかもしれませんが、たまに宅飲みを友人としていても壁ドンされることもなくてかなり過ごしやすかったです。

木造アパートに住むメリット

木造アパートならではの魅力というのもいくつか存在します。

木造アパートに住むメリット調査結果

壁が薄いのは難点ですが、それ以上に木造アパートを選択肢に入れるのがありと思わせるメリットもあります。

家賃が圧倒的に安い

木造の最大の魅力はなんといっても家賃の安さです。

40代/男性

やはり鉄筋造アパートに比べて家賃が安い。費用を安く抑えたい人にとっては良い選択肢だと思います。

40代/女性

家賃がやすく、初期費用も断然安くすんだ。

同じ”アパート”の括りである軽量鉄骨造と家賃額における東京都内の物件数をそれぞれ比較してみました。

家賃帯木造アパート
(築10年以内)
軽量鉄骨アパート
(築10年以内)
8万円以下10,302件1,116件
7万円以下7,833件548件
6万円以下3,298件123件
5万円以下496件5件
参考:2023年9月時点のHOME’s掲載データ

木造アパートは材料費も安く建設コスト自体もかなり抑えられるため、相対的に賃料を安く設定することが可能です。

一人暮らしの家賃は無駄金なので「一人暮らしできればいい」「社会人でほとんど家に帰ることはないから」という人にとっては理想的な部屋です。

マンションと比較すると1万円以上の差がある物件も多く、年間にすると木造アパートに住むだけでトータルコストをかなり抑えることができます。

また、防音性が低くても家にいる時間が短いのであればそこまで快適性を重視する必要がないので家賃の安さは大事。

家賃が安いと後悔する?安い物件に住んで感じたデメリット

物件数が多くて条件をこだわりやすい

木造アパートは家賃が安い上に物件数も豊富となっているため、ある程度条件にこだわったとしても希望の物件を見つけることができます。

ホームズで表示された東京都内の物件数を構造別でまとめてみました。

 家賃物件数
すべて251,370件
木造アパート63,231件
軽量鉄骨アパート24,311件
重量鉄骨マンション39,968件
鉄筋コンクリートマンション125,285件
参考:2023年9月時点のHOME’s掲載データ

鉄筋コンクリートマンションには劣りますが、軽量鉄骨アパートの約3倍、重量鉄骨マンションの約1.5倍ほどの物件数とっています。

通気性が良いのでカビが生えにくい

木造と聞くとカビが生えやすいイメージがありますが、気密性の低い木造アパートのほうが気密性の高い鉄筋コンクリート造に比べてカビが生えにくいのです。

30代/男性

木材は湿気を吸収します。なので夏場でも湿気に関しては比較的不快感が取り除かれて良かったです。

日本ではジメジメした梅雨や結露しやすい冬場がありますが、木造アパートは木材が湿気を吸ってくれるおかげでこまめに換気をしなくてもカビを心配する必要はありません。

日当たりの悪い物件だとカビが生えることもありますが、他の構造よりも気密性が低いというのはメリットでもあります。

梁や柱の出っ張りがないため部屋を最大限活かせる

鉄筋コンクリート造などの防音性の高い物件ではコンクリートや骨組みの太い鉄骨を使用するため、それを支えるための柱や梁も自然と太くなります。

木造アパートではそこまでの太さを必要としないため四隅の梁も細くなり、デッドスペースが生まれにくくなります。

【鉄筋コンクリート造の例】

【木造の場合】

出っ張りがないおかげで自由に家具を置くことができますし、模様替えのレパートリーも多いため部屋を最大限活かすことができます。

部屋探しの際には意外と気にしない人も多いですがデッドスペースの有無は大きいです。

比較的防音性の高い木造アパートの選び方

木造アパートの最大の問題は『壁の薄さ』であり、それ以外は些細な問題にすぎません。

ただし、木造アパートだったとしても物件の選び方次第で騒音が気にならず快適に過ごすことも可能です。

木造を選ぶときのポイントについてまとめてみました。

2000年以降に建築された物件を選ぶ

木造は2000年の6月に建築基準法が改正されています。

2000年の改正内容
  • 地盤調査が事実上の義務化
  • 金物仕様が事実上の義務化
  • 耐力壁の配置にバランス規定が定められる

耐震等級1級の取得が必須となったため、さらに耐震性が強化されています。

耐震等級1級は「震度6~7程度に対しても倒壊や崩壊しない」というレベルのかなり強い地震が起こったとしても安心して生活できます。

2000年の改正によって木造であっても振動を感じにくいようになったので、日常的には大通り沿いの物件がトラック等の車が通ったときに揺れを感じることが少なくなっています。

耐震性の強化により遮音性能も高まっているので、築24年以内の木造住宅はそれ以前よりも防音性が高い傾向があります。

木造自体の防音性はもともと低いのでそこまで差は感じないかもしれませんが、少しでもマシな物件を選ぶなら築24年以内を目安に探してみましょう。

戸数の少ない物件を探す

生活音が響くかどうかは防音性が影響しますが、隣人がいなければ木造でも生活音が響くことはないので快適に過ごすことができます。

通常の賃貸物件は101号室~105号室といった具合に部屋が複数ありますが、木造アパートなら101号室~102号室までといった部屋数の少ない物件もあります。

戸建てのような見た目で隣の部屋がないような物件も存在するので、部屋数の少ない物件に着目して探してみると隣人の騒音を一切考えずに生活することができます。

『1フロア1世帯』のような横が一切ない木造アパートであれば家賃も安くて隣人の音に悩まされないので快適です。

角部屋を選ぶ

隣人がうるさくするかどうかは実際に住んでみないとわかりませんが、角部屋であれば騒音リスクを2分の1に軽減することができます。

角部屋と中部屋の違い

中部屋だと両隣りの生活音が聞こえてしまったり、自分が少しでもうるさくしていると苦情が入る可能性が高いですが、角部屋であれば隣人1人のリスクだけで済みます。

また、角部屋は隣人が引っ越し等で空き室になったときに生活音を気にせず快適に過ごすことができる点。

上からの音に関しては我慢するしかありませんが、リスクを少しでも減らしたいなら角部屋は絶対に譲れない条件です。

角部屋1階は最強?賃貸物件で最も防音性が高い部屋の位置とは

大通りや路線沿いはなるべく避ける

木造アパートはコストが安く造られているため車や電車、バイクなどの外からの騒音に対してもあまり期待することができません。

外壁の問題もありますが、木造アパートはマンションに比べると窓ガラスが薄いのが原因です。

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構造ガラスの厚さ透過損失
アパート3mm~5mm25db~30dB
マンション6.8mm~32db~33dB
参考:http://www.itakyo.or.jp/upload/kenchiku23.pdf

木造で大通りや線路沿いに住むと外からの騒音に悩まされることになるので、なるべく路地裏や住宅街を選ぶようにしましょう。

外からの騒音がないだけもかなり静かに過ごすことができます。

2階を選ぶ

上からの足音や生活音を気にするようであれば1階ではなく2階を選ぶようにしましょう。

最上階は若干家賃が高かったり、自力で引っ越し作業をするのは面倒ですが、1階より防犯面に優れていたり下の階からの生活音はあまり響かないのでメリットも多いです。

アパートだと2階が最上階になっているので、そこまで家賃差を気にすることもないのでメリットは大きいです。

大学近くの物件は避ける

大学生や専門学生から一人暮らしを始める人は多いですが、学生が多い=宅飲みする率や家にいる時間が社会人より長いのでうるさい可能性が高いです。

実際僕も学生のときは友人を呼んで宅飲みをする機会も多く、騒いでしまった経験があります。

学校近くは家賃相場も低く、手軽に部屋を借りることができる反面、隣人が騒ぐ可能性はかなり高いので気を付けてください。

もちろん家賃の安さが魅力的で学校まで近いというのは魅力的なので完全否定するつもりはありませんが、家賃相場が低いなら学生があまり借りないマンションで探すというのも手です。

家賃が低い=民度も低くなる傾向があるので安いなりのデメリットはあります。

大手ハウスメーカーの遮音システム採用物件を選ぶ

引用:https://www.daiwahouse.co.jp/release/20121019191557.html

大手ハウスメーカーは遮音性能を高めるために2008年頃から独自のシステムを導入しており、通常よりも防音性の高い物件を提供しています。

ハウスメーカーメイン構造防音システム採用年月
シャーメゾン鉄骨造シャイド50
シャイド55
2011年
大和リビング鉄骨造サイレントハイブリットスラブ502012年
東建コーポレーション木造TKS50
TKS55
2013年
ミサワホーム木造床制御ダンパー2008年
セキスイハイム鉄骨造床制御ダンパー2011年
レオパレス21木造ノンサウンドシステム2013年
へーベルメゾン鉄骨造ANR(旭化成ノイズリダクション)フロア2018年
大東建託木造ノイズレスフロア2011年

木造アパートであれば『レオパレス21』『大東建託』『ミサワホーム』『東建コーポレーション』がメインで取り扱っています。

鉄骨造であれば高品質賃貸ブランドのシャーメゾンやD-roomが利用者から高い評価を得ているのでおすすめです。

一人暮らしにおすすめの賃貸ハウスメーカーランキング!防音性の高いメーカーとは?

細かい条件を設定できる不動産を利用する

木造アパートは防音性の低い建物となっていますが、大手ハウスメーカーが導入している遮音システムのある物件を選ぶと比較的快適に過ごすことができます。

複数の大手ハウスメーカーや「戸数の少ない建物」「角部屋」など細かい条件で探したいなら1つ1つ探す手間を省けるイエプラがおすすめです。

イエプラ公式

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新着物件を手に入れられる
業者専用サイト「ATBB」が見られる
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木造アパートでも快適に過ごすための防音対策

防音対策
  • 窓に遮音シートを貼る
  • 家具を壁際に設置する
  • 防音マットを設置する
  • コルクマットやジョイントマットを使う
  • 音が出るものをなるべく壁から離す

家具を壁沿いに設置するのは防音効果が期待できますが、テレビやベッドをぴったりとつけてしまうとこちらの音が隣人まで響いてしまいやすくなるので注意してください。

外からの騒音対策
  • 遮光カーテンを設置する
  • 断熱シートやプチプチを窓に貼る
  • 隙間テープを張り付ける
  • 給気口や換気口を閉める

騒音対策として有効なのは窓の対策です。

窓を閉め切っていても隙間はできてしまうので隙間を埋めるためのテープを貼るのがおすすめです。

まとめ

「やめとけ」という意見があるのは仕方ないことですが、家賃を重視するのであれば当然選択肢としてはありですし、隣人が常識のある人なら意外と静かで快適に過ごすこともできます。

家賃が安かったこともあり、個人的に2件ほど木造アパートに住んでどちらも後悔は一切しませんでした。

MEMO
  • 木造アパートの防音性が低いのは確か
  • 基本的に生活音はほとんど聞こえてしまう
  • 隣人が静かな人であれば快適に過ごすこともできる
  • 防音性重視なら木造アパートはやめておいたほうがいい
  • 家賃重視なら木造アパートはむしろおすすめ

木造アパートは家賃を第一に考えたときの選択肢となるので防音性には期待しないほうがいいです。

隣りの部屋が空き室だったり隣人が常識人であれば生活に支障がでるレベルで問題が起こることはないので問題ありません。

木造アパートで快適に過ごせるかどうかは隣人ガチャです。

隣人が騒がしい人なら毎日うるさくて不快に感じるでしょうし、静かな人であれば「あれ?防音性高い?」と勘違いするほど静かです。

「木造は不安だけど家賃の安さは重視したい」というのであれば軽量鉄骨アパートという手もあります。

音の種類木造軽量鉄骨
床の遮音等級L-75L-65
壁の遮音等級D-40D-40~
大人の足音聞こえない聞こえない
ドアの開閉音大きく聞こえる多少大きく聞こえる
テレビの音わずかに聞こえる非常に小さく聞こえる
洗濯機の音多少大きく聞こえる聞こえる
会話わずかに聞こえる非常に小さく聞こえる
いびき大きく聞こえる多少大きく聞こえる
掃除機多少大きく聞こえる多少大きく聞こえる

若干の違いですが軽量鉄骨のほうが防音性は優れているので、不安な場合は選択肢として検討してみてください。

軽量鉄骨アパートはうるさい?住むのはやめとくべき?