とにかくおしゃれな部屋と言えばデザイナーズ物件が思い浮かびますが、実際に住むことになればオシャレさよりも住み心地が重要になってきます。
またデザイナーズマンションはやめておいたほうがいいとアドバイスする人も中にはいるので今回はデザイナーズマンションを借りるメリット・デメリットについてご紹介していきます!
目次
デザイナーズ物件に定義はない?
デザイナーズ物件と聞くとおしゃれな外観や独自のデザイン、変わった間取りをイメージしますがこれらは建築家が作りたいと考えるデザインががっつりと取り入れられている物件のためです。
デザイナーズ物件には明確な定義はなく床材が通常とは違うというだけでもデザイナーズ物件と言われることもあるぐらいです。
「外観はおしゃれだったのに内装は普通」とか「普通の賃貸と何が違うのかわからない」というレベルの物件も存在ます。
ちなみに有名な建築家が手掛けるような物件や監修がいる物件は間取りもかなり独自性が強いです。
通常の物件というのはデザインよりもコストパフォーマンス優先になるので、どこも似たような造りになってしまいますが、デザイナーズ物件は建設コストよりもデザイン重視になるので見たこともないような物件が多いです。
デザイナーが手掛けているとどの物件もオシャレです。
利便性を重視しているか、デザイン優先なのかは建設家によって異なります。
何度も言うようですがデザイナーズ物件と言っても全てがオシャレとは限らないので注意してください。
デザイナーズマンションのデメリット
- 家賃が高い
- 家賃交渉がしにくい
- 物件数が少ない
- 冬場は寒い
- ベランダが存在しない、もしくは干すことが不可
- 結露しやすくカビが生えやすい
- 収納スペースが少ないことが多い
- 利便性よりもオシャレさが重視されている
デザイナーズマンションが住みにくいと言われている理由は多々ありますが上記のような理由が多いです。
1つ1つ解説していきます。
家賃が高い
デザイナーズ物件というのは建設費用を抑えることよりも建築家の考えを優先させるため、相対的に建設コストが高くなる傾向があります。
建設コストが高くなるということは賃貸物件の場合はその分賃料が高くなります。
都心部ともなるとワンルームなのに平気で10万円を超える物件も数多く存在します。
実際に山手線内で同じ間取りで似た条件の物件を比較してみました。
場所 | デザイナーズ物件 | 通常の物件 |
---|---|---|
大塚(1R) | 88,000円 | 85,000円 |
渋谷(1DK) | 153,000円 | 137,000円 |
巣鴨(1K) | 119,000円 | 93,000円 |
一人暮らし用の普通のマンションと比べると、家賃は大体1.3~1.5倍ぐらいするところが多いようです。
通常の物件は数も多いので比較すると当然ながら同条件でも安い物件は多いです。
家賃交渉がしにくい
デザイナーズ物件は賃料が高いですが、それでも需要が高くて人気物件になる場合が多いです。
そのため、家賃交渉に応じてくれるところが少ないのもデメリットの一つ。
仮にあなたが契約しなくてもすぐに成約するので交渉に応じる必要性がありませんからね。
物件数が少ない
一人暮らし用のデザイナーズ物件ともなるとかなり数は限られてしまいます。
山手線 | 物件数 |
---|---|
総物件数 | 70,873件 |
デザイナーズ物件 | 19,679件 |
ホームズで調べてみたところデザイナーズ物件呼ばれるものは山手線内で約2万件見つかりました。
これだけ聞くと多いようにも思いますが、そもそもデザイナーズの定義が非常に曖昧で、どう見ても普通の物件も多く見受けられました。
本当に独自性のあるデザイナーズ物件はグッドルームで調べてみても3,000件ほどしかありませんでした。
自分の条件に合わない物件が必然的に多くなるのもデメリットの1つです。駅から遠かったり、賃料は予算オーバーだったりすることも多いので妥協することになるでしょう。
例えば「もっと安ければ」と思っても同条件でデザイナーズ物件は存在しないことも多いです。
冬場は寒い
先ほど「コンクリート打ちっぱなしの物件が多い」という話をしましたが、コンクリート打ちっぱなしの物件というのはめちゃくちゃ寒いです。
- 気密性が高い
- 耐火性や耐震性が高い
- 結露しやすい
- 断熱性が高い
- 熱伝導率が高い
コンクリートは熱を吸収しやすい性質(断熱性)があるので、コンクリート打ちっぱなしのような物件は夏場は暑く、冬場はかなり寒いです。
夏場はまだ我慢できるレベルですが、冬場は暖房をつけても部屋が暖まるのにはかなりの時間がかかってしまいます。
ベランダが存在しない、もしくは干すことが不可
内見した際にも見落としがちな部分ですが、デザイナーズ物件は景観を維持するためにベランダに洗濯物を干すことがNGとなっていたり、そもそもベランダ事態が存在していないところもあります。
基本部屋干しとなりますから、いくら部屋がおしゃれでも洗濯物を室内に干すとなるとちょっと見栄えが悪いですよね。
こういった場合は浴室乾燥機がついている可能性もあるので、それで代用はできます。
ちなみに一人暮らしの場合は風呂とトイレが一緒のところも多く、私の友人がデザイナーズ物件に住んでいるので一度見に行ったことがあるのですが、その物件も案の定ユニットバスでした。
とは言っても一般的なイメージのユニットバスよりはだいぶ広く作られていておしゃれなので、思ったよりも悪くはありませんが、一応これもデメリットです。
場所によってはすりガラスになっていて外から中の様子が見える物件も意外と多いので嫌な人は嫌でしょうね。
結露しやすくカビが生えやすい
これはコンクリート打ちっぱなしの物件に限った話ですが、コンクリートの特性上気密性が高いの防音性には優れている一方で湿気がこもりやすく、コンクリートに空気中の水分が付着することで結露しやすいというデメリットがあります。
普通の賃貸物件の場合、例え鉄筋コンクリートマンションでも壁やコンクリートの上に石膏ボードを重ねて、さらにその上にクロスを貼るので木材やクロスが余計な湿気を吸ってくれます。
コンクリートがむき出しの場合、空気中の水蒸気が付着した瞬間に温度が下がるのでそれが結露になって現れます。
窓ガラスも同じような現象で結露するわけですが、これが壁一面と考えるとかなり湿度の高い環境になっていることが想像しやすいと思います。
その結果カビが生えてしまうことにも繋がるのでオシャレさと引き換えに住み心地は悪くなるというわけです。

収納スペースが少ないことが多い
デザイナーズ物件は見た目のオシャレに全振りしているので収納スペースがしっかりと確保できていないことが多いです。
デザイナーの意図としては部屋にあるデザインを活かして住んでほしいという思いがあるので”そんなに物は置かないで住んでほしい”と考えての設計なのでしょう。
ただ、荷物が多い人にとっては当然ながら住みにくいですし、結局自分で収納スペースを作らないといけない羽目になったりするのでコストもかかり、部屋も狭くなるというデメリットがあります。
もちろん全てのデザイナーズ物件が同じとは限りませんが、こういった傾向があるので内見時にはしっかりと収納スペースがあるかどうかはチェックすべき点ですね。

利便性よりもオシャレさが重視されている
普通の賃貸物件はオシャレさよりも住みやすさを重視しているので収納スペースはもちろん、ベランダまでの同線等がしっかりと確保されています。
デザイナーズ物件の場合は極端な話利便性よりも見た目のオシャレさを重要視しているのでなぜかキッチンの横にトイレがあったり、トイレと浴槽、洗面台が一緒になっていたり、ガラス張りになっているなど生活する上で気になる部分がいくつもあります。
住んで最初はそのオシャレさに感動するかもしれませんが1週間もすればその住み心地の悪さが嫌になる可能性は十分に考えられます。
例えるなら高層マンションに住んで最初は景色が良くて最高だけど住んでいるうちに景色すら見なくなるような感覚と似ています。
デザイナーズマンションのメリット
- 部屋がめちゃくちゃオシャレ
- 開放感がある
- 遮音性が高い
- 友人に自慢できる
部屋がめちゃくちゃオシャレ
最大の魅力はなんといっても部屋がおしゃれな事。
デザイナーズマンションと一口に言ってもさまざまで、普通の一人暮らしでは味わえないような間取りになっていることが多いです。
全体的に統一感があり「部屋をいかにおしゃれに見せるか」と頭を悩ませる必要も全くありません。
適当に家具家電を揃えてもオシャレな部屋です。
また、マンション自体がデザインされているためエントランスも綺麗だったりと、ちょっと自分が偉くなったようなそんな感覚を味わうことが出来るのもデザイナーズマンションの魅力です。
開放感がある
デザイナーズ物件は通常の賃貸物件に比べて天井が高かったり、1つの部屋にゆとりを持たせて造っていることが多いです。
開放感ある物件に住みたいならデザイナーズ物件がもっていこい。普通の物件はどこも似たり寄ったりなので自分の思い描くオシャレな部屋はなかなか探せません。
防音性が高い
コンクリート打ちっぱなしの物件が多いので防音性が高く、ちょっとやそっとのことでは隣りに響かない造りになっています。
仕事部屋として使うには理想的ですし、人を呼ぶにしても余計な心配がいらない魅力があります。
アパートなんかだと隣の人の話し声が聞こえてきたり、少し笑っただけで壁ドンされたりなどちょっとした隣人トラブルは日常的に発生するので防音性が高さはやはり重要です。
友人に自慢できる
やっぱりオシャレな部屋というのは誰しも見てみたいものです。普通に友人を招いて自慢するのもいいですが、デザイナー物件を口実にして女性を部屋に招く・・・なんてこともできるかもしれません。
友人に羨ましがられることはまず間違いないでしょう。
住民の質が高い
デザイナーズ物件は学生が住むような物件とは違い、ある程度経済的にも精神的にも余裕がある人が住む傾向が高いです。
つまりそれだけ住民の質が高いということ。
住民の質が高ければそれだけ隣人トラブルは起きにくいですし、常識のある人が住んでいるので不審者が住んでいるという可能性も低くなります。
安いアパートだと宅飲みとかで騒いでいたり、意味もなく壁ドンされたりしますし、ゴミ捨ての日じゃないのにゴミが捨てられていたりポスト周辺がチラシで散らかっているということも多いので住んでいる上で住民の質は結構重要。
住んだ人の口コミや評判を集めてみた
【良い意見】
遅めの夏季休暇をつかって引越をしたけど、本当に引越して良かった!素敵すぎるデザイナーズ物件で、素敵に生活を楽しんでると気分が上がって嬉しい。我が家っぽい感じにこなれていくのは追い追いだけど、だんだん馴染んでくるだろう。
— KCCO (@k_c_c_o_k) September 6, 2020
若かりし頃、姉とシェアルームしてデザイナーズ物件に住んだの超良かった
姉の結婚でシェア解散したあとも、2軒くらい同じ建築家の物件追っかけして住んだ集合住宅をよく設計している人で、有名な人ではないし事務所のサイトもパッとしないけど、好きだった。
— さとみ (@_haco28) July 25, 2018
先日まで住んでいたマンションがこだわりの物件でした。
結論から言うと、住み心地は最高でした。
概観は全てテラコッタとレンガでパターンが組まれており、玄関、室内の窓周り、ベランダ、バルコニー、駐車場の床まで全てテラコッタという懲り様です。
壁紙も個性的なデザインで、室内の床は建物によってカリン、ナラ、チークやもみじの無垢材で統一されていました。
ちなみに建具は木製部分には柿渋が塗られていました。
(傷は付きやすいですが、好きな質感でした)40?の1Kですが、ウォークインクローゼットがついていた為ワンルーム特有の狭さは無し。
システムキッチンはファミリー向けのものが採用(!)されており、壁から天井まで全て白いタイル張り。
始めはお洒落だな~という点だけで入居したのですが、その空間の心地よさに作り手のこだわりを感じました。物件というより、作品に近い建物だったと思います。
なのに大都市のベッドタウンというだけで、家賃
6万でした。 今は仕事の関係でコーポに住んでいますが、新築なのに全体的な質感の低さが・・戻りたいです。参照元:大手小町
【悪い意見】
排水溝のつまりで11万ワロタ
デザイナーズマンションはまじでやめとけよ
機能障害が多すぎる— アゲリシャス (@naogatagata) August 11, 2020
しかしデザイナーズマンションに住んでみたいと迷う若人よ・・・コンクリート打ちっぱなしはやめとけ。
夏は灼熱、冬は極寒。寝てる時に少しでも肌に触れると飛び起きるぞ。— かなたろ@暑さに弱い (@38_8) April 7, 2020
デザイナーズマンションと言っても確かに分類上そうなっているだけで、はっきりいって普通のマンションとどう違うの?と言う物件も多いです。
デザイナーズと言う言葉がつくだけで高くなる物件も多いので、それならデザイナーズマンションに負けないくらいの物件も同時に捜したほうがいいと思います参照元:マンションコミュニティ
こうしてみるとデザイナーズマンションにはメリットよりもデメリットの方が多いような気がします。
デザイナーズ物件と言っても物件ごとに全然違うので”部屋の間取りや設備に問題ないか”を考えて住めば後悔する率は低そうですね。
極端な話「オシャレだけど住みにくそう」と思えるような物件だったらやめておたいほうがいい。
デザイナーズマンションはやめとくべき?
デザイナーズ物件は通常の物件よりも不便という噂をよく耳にしますが、これにはちゃんと理由があります。
- ベランダがなくて外に干したくても干せない
- 収納が少ない
- 照明が無駄におしゃれでかえって使いにくい
- なぜかキッチン部分が極端にせまい
- コンクリート打ちっぱなしのせいで寒い
- なぜかバスルームがすりガラス
- デッドスペースがある
【物件によって異なる】というのは大前提ですが、デザイナーズ物件はこういった特徴をもっていることが多いのも事実です。
極端な話、デザイナーズマンションの良いところってその見た目のオシャレさ1点に尽きるので、オシャレさを求めていないならやめておいたほうが良いです。家賃も高いので。
これらは内見したときに確認すればわかることなので、自分の目で見て不便そうだと思ったらやめておいた方がいいかもしれませんね。
一人暮らし歴の長い僕からすれば、どの物件も住めば慣れるのでめちゃくちゃ不便に感じることは滅多にないかと思います。
賃貸物件の場合は入居してもらわないと赤字なのである程度利便性を確保している傾向があるので気にならないかもしれません。
最近は言われなければわからないデザイナーズ物件も増えているのでそれを考えると一概に不便とは言い切れません。
デザイナーズ物件の探し方
デザイナーズ物件は物件数自体がそれほど多くないので普通に探していても条件に合う物件を探すこと自体が大変ですし、あまりデザイナーズ物件っぽくない情報も出てくるので効率的ではありません。
ということでデザイナーズ物件を効率的に探せるサイトを2つほど紹介します。
グッドルーム
グッドルームはテレビとかでもたびたび紹介されていましたが一言で言えば「オシャレな物件を集めたサイト」です。
サイトを見てみるとわかりますが、本当にオシャレで見ているだけでも十分満足できるようなオシャレ部屋も多く紹介されていますし、普通の物件をリノベーションした物件(こっちのほうが家賃が少し安い)も数多く取り扱っています。
人気の物件には謎の一言メモが添えられているのでどんな物件なのか想像しながら見てみるのも楽しいと思います。
R-STORE
R-STOREは実店舗を持たないネット型の不動産サイトです。
東京都・神奈川・埼玉県の物件を中心に取り扱っており、おしゃれで開放的なデザイナーズ物件を多く取り扱っています。
通常の物件もありますがグッドルームと同様、変わった部屋が多いので見ているだけでも楽しいです。
アプリ版があるのでどういった部屋があるのか見てみるだけでも面白いですよ。
ちなみに実店舗がなく営業車というものも存在しないので内見時には現地集合・現地解散が基本となります。
無駄に店舗で時間を取られることがないのが魅力です。
イエプラ
イエプラは家にいながら不動産に行った時と同じように部屋を探してもらえるサイトです。
スーモやホームズだとあくまで自分で検索を行う必要があり、細かい条件が設定できない場合がありますがイエプラの場合はチャットで専門スタッフに条件を伝えることができるので「○○がオシャレな部屋を探して欲しい」と伝えることができます。
物件数自体も多く、物件情報も不動産に行った時と同じスピードで得られるので普通の部屋探しとしても重宝できるサイトです。
サービスは無料で使えるものなので引っ越す予定がなくても”どんな部屋が今あるのか”興味本位で使うこともできます。
【結論】住み心地はよくないけどオシャレさ優先なら気にならない
個人的には冬場がめちゃくちゃ寒いのは正直嫌ですが、それ以外はそこまで気になる部分もないかもしれません。
僕の友人もデザイナーズ物件で一人暮らしをしてトイレとお風呂場が同じユニットバスタイプだったんですけど空間が広くて「快適」と言っていました。
利便性をそこまで追求しない人やとにかくオシャレさ優先の人にとっては住みづらいとは感じないのかもしれません。
賃料がやや高いのでそこさえ気にならなければデザイナーズ物件もありだと思います。

