入居審査なしの賃貸物件もある?誰でも借りられる賃貸とは

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過去に滞納や借金があったり、クレジットカードの支払いが滞り、ブラックリストに登録された人にとっては賃貸物件を借りたくても借りられないという状況に陥ってしまいます。

そんな人でも借りられる入居審査なしの賃貸物件はあるのか、誰でも借りられる賃貸について紹介していきます。

入居審査なしの賃貸物件はほとんどない

結論から言えば、入居審査が一切ない物件はほとんどありません。

入居審査では『入居する人が家賃を滞納せずに支払っていけるかどうか』を見極めるために行うものであり、大家としても貸す上で重要なものとなります。

賃貸借契約は借主に対して有利になっていて、一度契約を結んでしまうと多少滞納したところで強制的に追い出すことは困難という点も審査をする理由の1つです。

東京大学空間情報科学研究センターが2020年9月に発表した「民間賃貸住宅市場における入居審査と家賃滞納」のデータによれば、滞納やブラックリスト等により審査に落ちる割合も高くなっていることがわかっています。

入居審査通過率ありなし
滞納履歴72.7%82.9%
信用情報上の問題53.9%82.9%
否認履歴47.8%83.1%

過去に入居審査やクレカ等の審査に落ちた履歴のある人は50%を下回っていることからも、普通に借りること自体難しい傾向があります。

ただし、『簡易的な入居審査のみで済む』ような物件もあるので、滞納歴があったり無職であっても借りられるお部屋は存在します。

前払い制の賃貸物件

賃貸不動産の中には家賃の前払い制を採用しているところもあり、一定の貯蓄があれば無職や滞納歴のある審査に不安な人でもお部屋を借りることができます。

前払い制の場合、1年ないしは2年分の家賃を先払いすることで、支払った期間の住居が保証されます。

現在無職だけど貯金は持っているような人や、滞納歴があるけど資金的には問題ない人であれば契約可能です。

ただし、最初から前払い制にしている賃貸物件はほとんどないため、基本的には交渉する必要があります。

マンスリー物件

通常の物件マンスリー物件
契約形態普通借家契約定期借家契約
家賃普通やや高い
初期費用賃料4か月~5ヶ月分住居期間の賃料+α
審査必要不要
契約期間2年程度自由に設定
契約更新できる原則できない
更新料賃料1ヶ月分程度初期費用分(再契約)
中途解約料無料残存期間の賃料

マンスリー物件は契約期間分の家賃等を前払いすることによって住める部屋のことです。

通常の物件と異なり契約が短期で一括払いなので、普通の賃貸のように家賃を滞納する心配をする必要がないため審査としてはかなり緩いです。

審査と言っても身分を確認したりする程度でお金さえ払えばほぼ間違いなく審査は通るので「金銭的余裕はあるけど部屋を借りられるか心配」という人はマンスリー物件がおすすめです。

マンスリー物件は約3ヶ月までなら普通に部屋を借りるよりも費用が安いので、一時的に部屋を借りたい人にもおすすめです。

シェアハウス

シェアハウスは一人暮らしではなく共同生活をする賃貸物件ですが、審査はほとんどありません。

具体的には家賃1か月分払えるだけの貯金と面接によって人柄が良いと判断されれば住むことができます。

「実家は出たいけど部屋を借りられるだけの収入がない」という人におすすめの物件です。

シェアハウスは相場に比べて圧倒的に家賃が安く、都内でも5万円前後で借りることができます。

シェアハウスと聞くと「赤の他人と共同生活」をイメージしますが、最近は各部屋に鍵がついていてリビングや風呂・トイレのみ共有するというケースが多いです。

ほとんど顔を合わせることもありませんし、他人に介入されることもあまりないので生活しやすいです。

審査に不安な人が入居審査を通す方法

普通の物件を借りたい場合は入居審査を避けることはできません。

ただし、やり方次第で滞納歴があってもブラックリストでも問題なく審査を通すことは可能です。

連帯保証人を立てる

どうしても普通の賃貸物件を借りたい場合は連帯保証人を立てることで、審査に通りやすくなります。

自分の収入に問題があったり、滞納歴やブラックリスト等で審査が難航していいる状態でも、保証人がしっかりとしている場合は滞納の心配がなくなります。

通常、家賃を滞納した場合は連帯保証人に代わりに請求することになるため、大家や管理会社としても滞納のリスクが低くなるというわけです。

無職や学生でも連帯保証人さえいればお部屋を借りることができます。

独立系保証会社を利用する

最近では保証会社必須としている物件が多いですが、保証会社にも種類があるため利用する会社によっては審査が通りにくくなります。

平成28年の国土交通省のデータによれば”賃貸契約の約97%は何らかの保証を求めており、その6割が家賃保証会社を利用している”と公表されています。

保証会社にはクレジットカードを扱っている会社が行う【信販系】、全国賃貸保証業協会に所属している【協会系(LICC)】、独自の基準で審査を行う【独立系】があります。

独立系は中でも審査が緩くなっていて、過去の滞納歴まで調べられることはなく現状の年収や職業で判断されます。

独立系保証会社の審査チェック事項
収入による支払い能力証明が必要
職業在籍確認される
過去の滞納歴確認されない
ブラックリスト確認されない
緊急連絡先確認される

独立系の保証会社であればブラックリストに登録されていたとしても、調べられることがないので審査に影響を与えません。

どの保証会社を利用するかはこちらでは選べず、賃貸不動産と提携している会社を利用することが多いです。

レオパレス21ミニミニ
(直営店)
エイブル
(直営店)
大東建託アパマンショップピタットハウス
(直営店)
ハウスメイト
審査難易度ゆるい厳しい厳しいゆるいバラバラゆるい厳しい
審査方式独立系信販系信販系独立系独立系・信販系
・協会系
保証会社プラザ賃貸管理保証会社オリコフォレントインシュアジャックス
エポスカード
ハウスリーブアシストレントオリコフォレントインシュア
全保連
※スクロールできます

不動産の選び方1つで審査に通りやすくすることも可能。

収入に見合う家賃帯の物件を選ぶ

入居審査には年収・収入が大きく影響すると言われていて、東京大学空間情報科学研究センターが2020年9月に発表した「民間賃貸住宅市場における入居審査と家賃滞納」のデータにも示されています。

収入入居審査通過率
家賃の1倍未満40.3%
家賃の1倍~2倍未満56.3%
家賃の2倍~3倍未満84.6%
家賃の3倍~4倍未満87.1%
家賃の4倍~5倍未満84.8%

例えば入居したい物件の家賃が5万円で自分の収入が5万円未満であれば入居審査率は約40%となります。

公表データでは家賃の1倍~2倍未満までの入居率は低いですが、家賃の2倍以上であれば入居審査通過率は80%を超えるため、標準的な値にまで持っていくことができます。

理想は手取り収入の3分の1程度に家賃を抑えられると通過率も高くなります。

家賃適正収入
(手取り月収)
適正収入
(年収)
4万円12万円144万円
5万円15万円180万円
6万円18万円216万円
7万円21万円252万円
8万円24万円288万円
9万円27万円324万円

手取りの3分の1が家賃目安となりますが、審査が不安なら4分の1以下の家賃帯を選ぶと通過率も高くなります。

預貯金審査をしてもらう

無職でも一定の貯金があることで入居審査に通ることが可能です。

預貯金残高の目安は家賃2年分(24ヶ月分)が目安と言われています。

家賃必要な預貯金残高
4万円96万円
5万円120万円
6万円144万円
7万円168万円
8万円192万円
9万円216万円
10万円240万円

家賃6万円なら最低限144万円以上貯金がないと厳しいです。

家賃2年分が目安となっているのは、入居してから2年経てば大家としても利益を十分に得ることができるため。

預貯金審査をしてくれるかどうかは物件を管理している管理会社次第となるため、まずは担当者に相談しておきましょう。

人気のない即入居可物件を借りる

即入居可物件は現在住んでいる人がおらず、入居審査を通過すればすぐにでも入居可能なお部屋のことです。

当然入居審査はありますが、空室期間が長ったり、建物全体として空室が目立つ場合は審査が緩くて借りやすい傾向があります。

借りやすい即入居可物件の特徴
  • 1ヶ月以上空室状態が続いている物件
  • 建物全体で空室が目立つ物件
  • 築年数が古かったり立地の悪い物件

需用が低いことで入居希望者が現れず、大家としても家賃収入を得られない状態にあるため、安易に審査を落とすのもリスクとなります。

同時に家賃帯が低いと保証人不要だったり、保証会社不要としている場合があるのでチェックしてみましょう。

それでも部屋を借りられない時の対処法

それでも審査に通らない、部屋を借りられない場合の対処法についても紹介していきます。

友人とルームシェアをする

友人や知人とルームシェアをすることでも実質的に審査なしでお部屋を借りることができます。

2人で部屋を借りた場合、入居審査に影響するのは収入のより多い契約者のみとなります。

1人で借りられない家賃帯の場合は合算収入を基に審査をしてもらうこともありますが、基本的には契約者1人の年収に基づいて審査が行われます。

自分は一切審査に影響を与えることなくお部屋を借りることができるので、仲の良い友達がいるのであれば選択肢の1つです。

アリバイ会社を使う

勧められる方法ではありませんがアリバイ会社を利用して審査を通している人も中にはいます。

アリバイ会社というのはその名の通り審査等で必要な証明書に困った時のそのアリバイをより本物っぽく見せるために源泉徴収票や収入明細を作ってくれる会社のこと。

アリバイ会社が「我々のアリバイ会社に勤務している」「提携している会社に在籍している」といった証明書を発行しても文書偽造罪にはなりません。

グレーなやり方ですが会社に在籍させることによって罪に問われない方法を使用しています。

ただし、提携していない会社、架空の会社の名前を使った場合は罪に問われる可能性が高くなるので大手以外のアリバイ会社は避けましょう。

自分で探すとトラブルにもなりやすいので、とりあえず不動産屋に相談してみるのが良いでしょう。

信用情報が回復するまで待つ

『ブラックリストに登録されている』『無職なので部屋が借りられない』など審査に大きく影響を与える問題であれば、信用情報が回復するまで待つのも選択肢の1つです。

審査に落ちる理由別対策
  • ブラックリスト:事故情報が消える5年~10年待つ
  • 無職:一時的にでもアルバイトをして職を持つ
  • 住所がない:シェアハウスや前払い制のお部屋を借りる

ブラックリストは永続的に登録され続けるものではないので、数年我慢すれば信用情報は回復します。

それでも待てないのであれば独立系保証会社を使用している物件を中心に探しましょう。

無職なら一時的にアルバイトをすることで審査通過率をアップさせることができますし、住所がないならシェアハウスを借りれば問題ありません。

信用情報を回復させるだけの準備をした上で普通の賃貸物件を借りるといった方法を取れば審査通過率もあがります。

誰でも借りられる賃貸不動産4選

誰でも借りられると言うと語弊がありますが『簡易的な入居審査のみ』でお部屋を借りられたり『なんとか審査に通してくれる』ような不動産もあります。

信用情報に問題があってもある程度貯金があれば誰でも借りることは可能です。

イエプラ

イエプラ公式

イエプラ公式ページへ

項目イエプラ
入居審査審査のゆるい物件のみを探してもらえる
対応関東・関西
仲介手数料基本無料
内見現地集合可
利用料無料
物件数約10万件以上
魅力業者専用サイトが見れる

イエプラは部屋を探してもらうサービス会社で、2021年5月までの審査通過率は平均で98.1%となっており、利用した人が審査落ちする確率はわずか1.9%となっています。

LINEで条件を細かく伝えることができるため「審査が不安なので緩い物件を探して欲しい」と伝えればあとはスタッフが独立系を使っている物件の中で条件に合う部屋を探してくれます。

審査を通すのに協力的になってくれて直接顔を見ずにチャット上で相談ができるので普通の不動産よりも利用しやすく、親身になってくれます。

2024年3月から仲介手数料が無料になったことで、スーモやホームズに掲載されている物件もURLを送るだけで初期費用を大幅に削減できる使い得のサービスとなっています。

UR賃貸住宅

UR賃貸住宅の特徴やメリット・デメリット!仲介手数料や評判・口コミってどうなの?

UR賃貸住宅のホームページへ

項目UR賃貸住宅
入居審査一時支払い制度や貯蓄基準制度を利用できる
対応全国
仲介手数料無料
内見現地集合可
利用料無料
物件数約72万戸
魅力無駄な費用が一切かからない

UR賃貸住宅は通常の賃貸不動産と違い民間ではなく都市再生機構という独立行政法人が管理している賃貸住宅です。

UR賃貸住宅では通常の入居審査方法とは別に一時支払い制度や貯蓄基準制度があります。

家賃等の一時払い制度や貯蓄基準制度をご利用いただくか、一定の条件を満たす方は収入基準の特例を受けることができます。

参照:UR賃貸住宅

「現在無職で収入は全くないけどある程度の貯金はあるので部屋を借りたい」という人の場合、1年間分を前払いすれば実質審査をせずに部屋を借りることが可能なわけです。

通常の審査では落とされるような人でも他の方法を取ることができるので実質的に審査はむしろゆるいと言えます。

UR賃貸住宅はその他にも初期費用がほとんどかからない点や民間ではないので退去費用もかなり安いので引っ越し費用がかかりません。

レオパレス21

レオパレス公式ページへ

項目レオパレス
入居審査前払いシステムで審査がほぼ不要
対応全国
仲介手数料無料
内見現地集合可
利用料無料
物件数約21,624件
魅力30日から利用可能プランあり

レオパレス21は家具家電付き物件やマンスリープランや短期契約プランが有名な不動産です。

マンスリープランや短期契約プランは通常の契約とは違い基本的に借りる期間の家賃を前払いすることになるため、ほとんど審査はありません。

レオパレスにも通常の賃貸契約方法を取っている物件もありますが、家賃保証会社がレオパレスのグループ会社である「プラザ賃貸管理保証株式会社」の独自系となるため、ブラックリストやクレカの滞納歴等は調べられることはありません。

また、レオパレスの場合は長期で借りる際にもマンスリープラン等で家賃の前払いとなるので無職でも貯金があれば審査はほぼなしで借ることが可能です。

ビレッジハウス

ビレッジハウス公式ページへ

項目ビレッジハウス
入居審査家賃保証会社の利用必要なし
対応全国
仲介手数料無料
内見現地集合可
利用料無料
物件数約1,000物件・10万室
魅力家賃・初期費用が安い

ビレッジハウスは雇用促進住宅を一括借り上げしている不動産会社で保証会社を必要としません。

建物自体の築年数は古いですが、どの物件もリフォーム、リノベーションされているので相場よりも家賃が安いことが特徴です。

ビレッジハウスの入居審査では【国籍・職業・年齢】が不問となっていて家賃保証会社を利用する必要がないというのも審査が他の不動産よりも緩い証拠です。

フリーターでも生活保護受給者でも家賃支払える証明ができればOKみたいです。

家賃が相場よりも安くて初期費用に関しても敷金・礼金・仲介手数料不要なので相対的に審査基準も低くなっています。

ただし、意外と提出書類が多いということなので無職の場合は貯蓄証明等の書類が必要となります。

まとめ

  • 入居審査が一切ない賃貸物件はほぼ存在しない
  • マンスリー物件やシェアハウスなら審査はほとんどいらない
  • 普通の物件を借りたいなら保証人をつけると良い
  • 貯金があるなら預貯金審査をしてもらおう
  • 不動産によっては家賃を前払いして住むこともできる

どの物件でも部屋を貸すにあたって入居審査が必要となってきます。

滞納歴やブラックリストに登録されているのであれば独立系の保証会社を利用すれば避けられますし、無職でも預貯金審査をしてもらえればお部屋を借りることは可能です。

借りれないと思っていても、賃貸物件を借りる手段は色々とあるので不動産の担当者に相談してみるべきです。