木造と軽量鉄骨はほとんど変わらない?防音性や家賃の違いを比較してみた

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賃貸物件で家賃が安いといえばアパートですが、アパートには木造と軽量鉄骨造の2種類あります。

同じアパートでも引っ越すとなれば家賃や防音性など違いはあるのか気になる部分です。

木造と定量鉄骨造はほとんど変わらないのか、材質による防音性、住み心地の違いについて徹底比較してみました。

木造と軽量鉄骨はほとんど変わらない?

結論から言えば木造と軽量鉄骨造ではほとんど住み心地は変わりません。

木造と軽量鉄骨造はかなり似通っていて、住む上で明らかに優れている部分や劣っている部分はないのでそこまで深く考える必要はありません。

自分が賃貸物件に求めていることを基準に決めるのが良いと思います。

目的選ぶべき構造
家賃の安さ木造
防音性の高さ軽量鉄骨造
見た目のキレイさ軽量鉄骨造
通気性(カビの生えにくさ)木造
虫嫌い軽量鉄骨造
気密性軽量鉄骨造

どちらにも住んだことのある人から見れば「木造のほうが良かった」「軽量鉄骨造のほうが防音性は高かった」と意見もバラバラです。

木造はその名の通り主要構造部に木材を使った建物のことです。

賃貸アパート、テラスハウスや戸建てにも木造が多く存在します。

軽量鉄骨造は主要構造部に鉄骨を使った建物のことですが、見た目としては木造とかなり似ています。

メゾネット物件や最近のアパートは軽量鉄骨を採用することが多いです。

家賃の安さを考えるのであれば建設コストが安い木造アパートを選ぶのが良いと思いますが、少しでも防音性を重視したいのであれば軽量鉄骨造のほうが良いです。

家賃に関しても防音性に関しても住んでいて違いがわかるほど明らかな差というのはないので「絶対に軽量鉄骨のほうが良い」といったようなレベルの差はありません。

木造アパートに住んだ人の意見

木造で調べてみるとやはり防音性の低さに後悔する人は多いようです。

また、大家としてもコスト重視で建設しているせいか設備が充実していなかったり家賃が安い=民度も悪くなる傾向があるようです。

軽量鉄骨アパートに住んだ人の意見

木造と軽量鉄骨造の違いを徹底比較

木造アパートと軽量鉄骨造は何が違うのか、住み心地で特に重視すべき防音性や気密性を数値を用いて比較してみました。

床の防音性の違い

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床の遮音性はL値で示されており、値が高ければ高いほど音が聞こえやすくなります。

これは日本建築学会が調査した建物の遮音性と等級の関係性です。

遮音等級建物構造音の聞こえ方
L-35 日常生活で気になるような音はほぼ聞こえない
L-40鉄筋鉄骨コンクリート造防音性が高く外からの音も軽減される
L-45 子供の泣き声や走り回る音は多少聞こえる
L-50鉄筋コンクリート造子供の泣き声や走り回る音は聞こえる
L-55 洗濯機や掃除機は少し聞こえるが気にならない
L-60重量鉄骨造足音やドアの開閉音など振動を伴う音が聞こえる
L-65軽量鉄骨造多少音量は軽減されるが生活音はほぼ聞こえる
L-70 生活音はほとんど筒抜け
L-75木造生活音は筒抜けで小さな音まで聞こえる

木造は最低レベルで軽量鉄骨のほうが多少マシなレベルですが、施工方式によってはほとんど変わらないレベルです。

上の階からの足音や洗濯機を回す音、トイレの水を流す音等はどちらも聞こえてきます。

鉄骨を使っている軽量鉄骨のほうがやや『軽量衝撃に対して』防音性が高いというぐらいです。

足音や重たいものが落下したときの重量衝撃音はどちらも伝わってしまうため、わずかな差となっています。

界壁(隣室との壁)の防音性の違い

壁の遮音性能は透過損失を評価する数値のDで表すことができます。

L値とは違い、D値は高ければ高いほど防音性能も高くなります。

透過損失とは音が通り抜けたときに遮音してくれるdb(デシベル数)のことで、例えばD-40の壁に50dbの音がぶつかると、隣に聞こえる音は50-40=10dbとなります。

木造アパートの遮音性能はD-40以下、軽量鉄骨アパートはD-40~良くてD-45と大した差はありません。

構造壁の厚さD値防音評価
木造130mm~145mm40以下
軽量鉄骨造100mm~125mm40前後
重量鉄骨造125mm~150mm40~45
鉄筋コンクリート造120mm~180mm45~60

壁の単位面積あたりの質量(面密度)が大きいほど、透過損失が大きく遮音効果が高いことを質量則と言います。

木の重さは1㎥あたり0.3~0.5tに対して、鉄骨は1㎥あたり7.85tあるため、同じ壁の厚さだった場合、鉄を使っている分軽量鉄骨のほうがわずかに防音性が高くなるということです。

仮に軽量鉄骨造のD値を45とした時の木造との生活音の聞こえ方の違いを比較してみます。

音の種類軽量鉄骨
(D-45)
木造
(D-40)
聞こえ方
ドアの開閉音30dB35dB大きく聞こえる
子供の走る音20dB25dB小さく聞こえる
掃除機25dB30dB多少大きく聞こえる
洗濯機の音25dB30dB多少大きく聞こえる
テレビ(中)15dB20dBわずかに聞こえる
いびき(大)35dB40dB大きく聞こえる、通常の会話は可能
大人の足音0dB5dB聞こえない
話し声15dB20dBわずかに聞こえる
笑い声35dB40dB大きく聞こえる、通常の会話は可能

D値が少し変わるだけで低音域、高音域の遮音性もあがるので住み心地の違いを実感できます。

ただし木造でも建設会社によって施工方法が大きく異なるため「軽量鉄骨だから木造より確実に防音性が高い」とは言い切れません。

例えば、壁を厚くして遮音性の高い材料を内壁に使用すれば当然防音性は高くなります。

職人の技術や使用する木材の品質を変えやすい木造は本気を出せば防音性が鉄筋コンクリート造に近い性能を出すことも可能です。

コスト重視で建設する場合はかなり防音性は低いですが、例えば大家が大工で丁寧に作った場合は軽量鉄骨造よりも防音性が高くなるということもあります。

家賃の違い

軽量鉄骨造も木造もアパートという括りになるので家賃帯としてはかなり低いですが、比較すると木造のほうが安い傾向があります。

軽量鉄骨造は工場で必要な材料を加工して製造しているので安定した品質ですが、木造よりも材料費がかかってしまうためその費用が家賃に上乗せされています。

だいたい木造よりも家賃が1,000円~2,000円程度高くなります。

家賃の安さ第一で検討するなら軽量鉄骨造よりも木造を選んだほうが良いと言えます。

耐用年数の違い

木造アパートの耐用年数は22年と構造上最も低くなっています。

構造耐用年数
木造22年
軽量鉄骨造19年~27年
重量鉄骨造34年
RC造47年

耐用年数=住める期間というわけではないですが基本的には耐用年数が低ければ低いほど劣化スピードが早いと考えてもらえるとわかりやすいと思います。

軽量鉄骨造もかなり低いものの骨格材の厚さが3mm以上であれば27年と少し長いです。

同じ築年数となると木造のほうが劣化しやすいので外観が古臭く感じる傾向があります。

空調の効きやすさ

エアコンの暖房や冷房など空調の効きやすさは建物の気密性に依存します。

気密性はC値で表すことができ、構造では木造住宅が最も低いため軽量鉄骨アパートのほうが空調が効きやすいということになります。

構造C値
(㎠/㎡)
木造住宅・木造アパート5.0~10.0
鉄骨造・木質ユニット系5.0
鉄筋コンクリートマンション1.0~1.5
参考:建物の機密性能を表すC値の真実!

木造は部屋が暖まりにくいだけではなく、暖房を消すとすぐに外気の温度まで低下してしまう傾向があります。

最近では木造でも気密性が比較的高い『モノコック構造』『ツーバイフォー(2×4)工法』などを採用している賃貸住宅も増えてきているため、あくまで一般的な目安です。

軽量鉄骨造のほうがカビが生えやすい

気密性が高いのはメリットでもありますが、湿度が高くなりやすいといったデメリットもあります。

通気性は軽量鉄骨造よりも木造のほうが高いため、日当たりの悪い物件なら木造アパートのほうが良い場合もあります。

木材は湿気を吸収したり放出する機能が備わっていて、気密性も低いので部屋の通気性が良くなるため意外にもカビが生えにくいです。

一方、軽量鉄骨造は木材だけでなく鉄骨材を使用しているので気密性がやや高く、結露しやすいためカビも生えやすくなる傾向があります。

ただし、カビの生えやすさは重量鉄骨造やRC造のほうが上ではあるため、そこまで気にする必要はありません。

虫の出やすさ

これも若干の違いですが軽量鉄骨のほうが虫は出にくいです。

木造アパートに関する調査でも『虫が出る』といった意見は散見されています。

30代/男性

アリとか虫がよくでるのが難点。

30代/女性

虫が寄ってきて巣を作ったりして大変だった。

木に卵を産みつける虫は多いので結果的に虫が育ちやすい環境というわけです。

また、気密性も低いので虫が内部に侵入しやすいというのも要因となっています。

虫嫌いな人にとっては最悪な環境。特に1階は地面から近いこともあり虫が入ってきやすいのでどうしても虫嫌いだけど木造に住む場合はせめて2階を選びましょう。

軽量鉄骨も大差はありませんが、気密性や劣化スピードを考えると木造よりはマシ。

家賃を抑えて比較的防音性の高い物件に住む方法

木造や軽量鉄骨アパートは構造上どうしても防音性の低い物件ばかりになってしまいますが、物件の選び方次第でなるべく快適に過ごすことができるようになります。

戸数の少ない物件を探す

生活音が響くかどうかは防音性が影響しますが、そもそも隣人がいなければ木造だろうと軽量鉄骨だろうと生活音が響くことはないので快適に過ごすことができます。

通常の賃貸物件は101号室~105号室といった具合に部屋が複数存在しますが、探してみると101号室~102号室までといった部屋数の少ない物件もあります。

戸建てのような見た目で隣の部屋がないような物件も存在するので、こういった部屋数の少ない物件に着目して探してみると隣人の騒音を一切考えずに生活することができます。

角部屋を選ぶ

隣人がうるさくするかどうかは実際に住んでみないとわかりませんが、角部屋であれば騒音リスクを2分の1に軽減することができます。

中部屋だと両隣りの生活音が聞こえてしまったり、逆に自分が少しでもうるさくしていると苦情が入る可能性が高いですが、角部屋であれば隣人1人のリスクだけで済みます。

また、角部屋は隣人が引っ越し等で空き室になったときに生活音を気にせず快適に過ごすことができる点。

上からの音に関しては我慢するしかありませんが、リスクを少しでも減らしたいなら角部屋は絶対に譲れない条件です。

大通りや路線沿いはなるべく避ける

木造アパートはコストが安く造られているため車や電車、バイクなどの外からの騒音に対してもあまり期待することができません。

木造で大通りとか線路沿いに住むと間違いなく外からの騒音に悩まされることになるので、なるべく路地裏や住宅街を選ぶようにしましょう。

外からの騒音がないだけもかなり静かに過ごすことができます。

2階を選ぶ

上からの足音や生活音を気にするようであれば1階ではなく2階を選ぶようにしましょう。

最上階は若干家賃が高かったり、自力で引っ越し作業をするのは面倒ですがその分防犯面に優れていたり下の階からの生活音はあまり響かないのでメリットも多いです。

アパートだと2階が最上階になっているのでそこまで家賃差を気にすることもないのでメリットは大きいです。

大学近くの物件は避ける

大学生や専門学生から一人暮らしを始める人は多いですが、学生が多い=宅飲みする率や家にいる時間が社会人より長いのでうるさい可能性が高いです。

学校近くは家賃相場も低く、手軽に部屋を借りることができる反面、隣人が騒ぐ可能性はかなり高いので気を付けてください。

もちろん家賃の安さが魅力的で学校まで近いというのは魅力的なので完全否定するつもりはありませんが、家賃相場が低いなら学生があまり借りないマンションで探すというのも手です。

家賃が低い=民度も低くなる傾向があるので安いなりのデメリットはあります。

隣りが空室の物件を選ぶ

防音性というのは結局は隣人が騒ぐかどうかの隣人ガチャによる部分が大きいので、隣人がいない状態では木造であっても静かに過ごすことができますし、自分がうるさくても苦情を言われることはありません。

角部屋でなおかつ隣りの部屋が空き室ならねらい目。

現時点での空き室なので自分が住んでから埋まる可能性は否定できませんが、新築や築浅でない場合は需要が低いので数カ月間は埋まりません。

繁忙期を過ぎても空き室ならその後も埋まる可能性は低いので、時期をずらして部屋探しを行うというのもありです。

大手ハウスメーカー施工の遮音システム採用物件を選ぶ

引用:https://www.daiwahouse.co.jp/release/20121019191557.html

大手ハウスメーカーは遮音性能を高めるために2008年頃から独自のシステムを導入しており、通常よりも防音性の高い物件を提供しています。

ハウスメーカーメイン構造防音システム採用年月
シャーメゾン鉄骨造シャイド50
シャイド55
2011年
大和リビング鉄骨造サイレントハイブリットスラブ502012年
東建コーポレーション木造TKS50
TKS55
2013年
ミサワホーム木造床制御ダンパー2008年
セキスイハイム鉄骨造床制御ダンパー2011年
レオパレス21木造ノンサウンドシステム2013年
へーベルメゾン鉄骨造ANR(旭化成ノイズリダクション)フロア2018年
大東建託木造ノイズレスフロア2011年

木造アパートであれば『レオパレス21』『大東建託』『ミサワホーム』『東建コーポレーション』がメインで取り扱っています。

鉄骨造であれば高品質賃貸ブランドのシャーメゾンやD-roomが利用者から高い評価を得ているのでおすすめです。

細かい条件を設定できる不動産を利用する

木造アパートは全体的に防音性の低い建物となっていますが、上記のような工夫や大手ハウスメーカーが導入している遮音システムのある物件を選ぶと比較的快適に過ごすことができます。

複数の大手ハウスメーカーや「戸数の少ない建物」「角部屋」など細かい条件で探したいなら1つ1つ探す手間を省けるイエプラがおすすめです。

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まとめ

MEMO
  • 木造と軽量鉄骨造はほとんど変わらない
  • 軽量鉄骨造のほうが”若干”防音性が高い
  • 木造のほうがやや家賃は安い
  • そこまで住み心地は変わらないので安いほうがおすすめ

改めて比較してみましたがどちらも若干の差でしかないので、構造で変わるというよりも築年数や住民の質次第ですね。

築年数が古ければ古いほど虫は出やすいですし、住み心地が悪く感じてしまいます。

同じ防音性でも隣人が静かならなんの問題も過ごせますが、騒ぐタイプの隣人なら音が筒抜け状態なのでうるさく感じる可能性は高いでしょう。