木造と軽量鉄骨はほとんど変わらない?防音性や家賃の違いを比較してみた

賃貸物件で家賃が安いといえばアパートですが、アパートでも木造と軽量鉄骨造の2種類あります。

内装としてはあまり変わらないので気にしていない人も多いようですが、家賃や防音性等住み心地は若干の差があります。

今期あは木造と軽量鉄骨造の違いについて細かく比較してみたので迷っている方は参考にしてみてください!

木造と軽量鉄骨はほとんど変わらない?

結論から言えば木造と軽量鉄骨造ではほとんど住み心地は変わりません。


どちらにも住んだことのある人から見れば「木造のほうが良かった」という意見もあれば「軽量鉄骨造のほうが防音性は高かった」と感じる人もいるので意見もバラバラです。

木造はその名の通り主要構造部に木材を使った建物のことです。

賃貸アパートはもちろん、テラスハウスや戸建てにも木造が多く存在します。

軽量鉄骨造は主要構造部に鉄骨を使った建物のことですが、見た目としては木造とかなり似ています。

メゾネット物件や最近のアパートは軽量鉄骨を採用することが多いです。

床の防音性の違い

遮音性というのはL値で示されており、値が高ければ高いほど音が聞こえやすくなります。

これは日本建築学会が調査した建物の遮音性と等級の関係性です。

遮音等級建物構造音の聞こえ方
L-35日常生活で気になるような音はほぼ聞こえない
L-40鉄筋鉄骨コンクリート造防音性が高く外からの音も軽減される
L-45子供の泣き声や走り回る音は多少聞こえる
L-50鉄筋コンクリート造子供の泣き声や走り回る音は聞こえる
L-55洗濯機や掃除機は少し聞こえるが気にならない
L-60重量鉄骨造足音やドアの開閉音など振動を伴う音が聞こえる
L-65軽量鉄骨造多少音量は軽減されるが生活音はほぼ聞こえる
L-70生活音はほとんど筒抜け
L-75木造生活音は筒抜けで小さな音まで聞こえる

木造は最低レベルで軽量鉄骨のほうが多少マシなレベルですが、施工方式によってはほとんど変わらないレベルです。

上の階からの足音や洗濯機を回す音、トイレの水を流す音等はどちらも聞こえてきます。

鉄骨を使っている軽量鉄骨のほうがやや防音性は高いというぐらいです。

内壁(境壁)の防音性の違い

壁の遮音性能は透過損失を評価する数値のDで表すことができます。

L値とは違い、D値は高ければ高いほど防音性能も高くなります。

透過損失とは音が通り抜けたときに遮音してくれるdb(デシベル数)のことで、例えばD-40の壁に50dbの音がぶつかると、隣に聞こえる音は50-40=10dbとなります。

木造アパートの遮音性能はD-40以下となっています。

壁の単位面積あたりの質量(面密度)が大きいほど、透過損失が大きく遮音効果が高いことを質量則と言います。

木の重さは1㎥あたり0.3~0.5tに対して、鉄骨は1㎥あたり7.85tあるため、同じ壁の厚さだった場合、鉄を使っている分軽量鉄骨のほうがやや防音性が高くなるということです。

軽量鉄骨造のD値を45とした時の木造との生活音の聞こえ方の違いを比較してみます。

音の種類軽量鉄骨(D-45)木造(D-40)聞こえ方
ドアの開閉音30dB35dB大きく聞こえる
子供の走る音20dB25dB小さく聞こえる
掃除機25dB30dB多少大きく聞こえる
洗濯機の音25dB30dB多少大きく聞こえる
テレビ(中)15dB20dBわずかに聞こえる
いびき(大)35dB40dB大きく聞こえる、通常の会話は可能
大人の足音0dB5dB聞こえない
話し声15dB20dBわずかに聞こえる
笑い声35dB40dB大きく聞こえる、通常の会話は可能

こうしてみると大差ないようにも思えますが、D値が少し変わるだけで低音域、高音域の遮音性もあがるので住み心地の違いを実感できます。

ただし木造でも建設会社によって施工方法が大きく異なるため「軽量鉄骨だから木造より確実に防音性が高い」とは言い切れません。

例えば、壁を厚くして遮音性の高い材料を内壁に使用すれば当然防音性は高くなります。

職人の技術や使用する木材の品質を変えやすい木造は本気を出せば防音性が鉄筋コンクリート造に近い性能を出すことも可能です。

コスト重視で建設する場合はかなり防音性は低いですが、例えば大家が大工で丁寧に作った場合は軽量鉄骨造よりも防音性が高くなるということもあります。

家賃の違い

軽量鉄骨造も木造もアパートという括りになるので家賃帯としてはかなり低いですが、比較すると木造のほうが安い傾向があります。

軽量鉄骨造は工場で必要な材料を加工して製造しているので安定した品質ですが、木造よりも材料費がかかってしまうためその費用が家賃に上乗せされています。

だいたい木造よりも家賃が1,000円~2,000円程度高くなります。

家賃の安さ第一で検討するなら軽量鉄骨造よりも木造を選んだほうが良いと言えます。

耐用年数の違い

木造アパートの耐用年数は22年と構造上最も低くなっています。

構造耐用年数
木造22年
軽量鉄骨造19年~27年
重量鉄骨造34年
RC造47年

耐用年数=住める期間というわけではないですが基本的には耐用年数が低ければ低いほど劣化スピードが早いと考えてもらえるとわかりやすいと思います。

軽量鉄骨造もかなり低いものの骨格材の厚さが3mm以上であれば27年と少し長いです。

同じ築年数となると木造のほうが劣化しやすいので外観が古臭く感じる傾向があります。

カビの生えやすさ

通気性は軽量鉄骨造よりも木造のほうが高いと言われています。

木材は湿気を吸収したり放出する機能が備わっていて、気密性も低いので部屋の通気性が良くなるため意外にもカビが生えにくいです。

一方、軽量鉄骨造は木材を使用しているものの鉄骨材を使用しているので気密性がやや高く、結露しやすいためカビも生えやすくなる傾向があります。

例えば「日当たりがあまりよくない物件」という条件であれば軽量鉄骨造よりも木造のほうが後悔が少ないということです。

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虫の出やすさ

これも若干の違いですが軽量鉄骨のほうが虫は出にくいです。

木に卵を産みつける虫は多いので結果的に虫が育ちやすい環境というわけです。

また、気密性も低いので虫が内部に侵入しやすいというのも要因となっています。

虫嫌いな人にとっては最悪な環境。特に1階は地面から近いこともあり虫が入ってきやすいのでどうしても虫嫌いだけど木造に住む場合はせめて2階を選びましょう。

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軽量鉄骨も大差はありませんが、気密性や劣化スピードを考えると木造よりはマシ。



木造と軽量鉄骨どっちのほうがいい?

木造と軽量鉄骨造はかなり似通っていて、住む上で明らかに優れている部分や劣っている部分はないのでそこまで深く考える必要はありません。

自分が賃貸物件に求めていることを基準に決めるのが良いと思います。

目的選ぶべき構造
家賃の安さ木造
防音性の高さ軽量鉄骨造
見た目のキレイさ軽量鉄骨造
通気性(カビの生えにくさ)木造
虫嫌い軽量鉄骨造

家賃の安さを考えるのであれば建設コストが安い木造アパートを選ぶのが良いと思いますが、少しでも防音性を重視したいのであれば軽量鉄骨造のほうが良いです。

家賃に関しても防音性に関しても住んでいて違いがわかるほど明らかな差というのはないので「絶対に軽量鉄骨のほうが良い」といったようなレベルの差はありません。

木造アパートに住んだ人の意見

木造で調べてみるとやはり防音性の低さに後悔する人は多いようです。

また、大家としてもコスト重視で建設しているせいか設備が充実していなかったり家賃が安い=民度も悪くなる傾向があるようです。

軽量鉄骨アパートに住んだ人の意見

確かに木造アパートよりも軽量鉄骨造のほうが防音性は高いですが、気持ち程度の差しかないので完全に隣人次第で住み心地は変わります。

軽量鉄骨だからといって防音性が高いわけではないので住む上では注意しておきたい部分です。

家賃を抑えて比較的防音性の高い物件に住む方法

木造や軽量鉄骨アパートは構造上どうしても防音性の低い物件ばかりになってしまいますが、物件の選び方次第でなるべく快適に過ごすことができるようになります。

戸数の少ない物件を探す

生活音が響くかどうかは防音性が影響しますが、そもそも隣人がいなければ木造だろうと軽量鉄骨だろうと生活音が響くことはないので快適に過ごすことができます。

通常の賃貸物件は101号室~105号室といった具合に部屋が複数存在しますが、探してみると101号室~102号室までといった部屋数の少ない物件もあります。

戸建てのような見た目で隣の部屋がないような物件も存在するので、こういった部屋数の少ない物件に着目して探してみると隣人の騒音を一切考えずに生活することができます。

角部屋を選ぶ

隣人がうるさくするかどうかは実際に住んでみないとわかりませんが、角部屋であれば騒音リスクを2分の1に軽減することができます。

中部屋だと両隣りの生活音が聞こえてしまったり、逆に自分が少しでもうるさくしていると苦情が入る可能性が高いですが、角部屋であれば隣人1人のリスクだけで済みます。

また、角部屋は隣人が引っ越し等で空き室になったときに生活音を気にせず快適に過ごすことができる点。

上からの音に関しては我慢するしかありませんが、リスクを少しでも減らしたいなら角部屋は絶対に譲れない条件です。

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大通りや路線沿いはなるべく避ける

木造アパートはコストが安く造られているため車や電車、バイクなどの外からの騒音に対してもあまり期待することができません。

木造で大通りとか線路沿いに住むと間違いなく外からの騒音に悩まされることになるので、なるべく路地裏や住宅街を選ぶようにしましょう。

外からの騒音がないだけもかなり静かに過ごすことができます。

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2階を選ぶ

上からの足音や生活音を気にするようであれば1階ではなく2階を選ぶようにしましょう。

最上階は若干家賃が高かったり、自力で引っ越し作業をするのは面倒ですがその分防犯面に優れていたり下の階からの生活音はあまり響かないのでメリットも多いです。

アパートだと2階が最上階になっているのでそこまで家賃差を気にすることもないのでメリットは大きいです。

大学近くの物件は避ける

大学生や専門学生から一人暮らしを始める人は多いですが、学生が多い=宅飲みする率や家にいる時間が社会人より長いのでうるさい可能性が高いです。

学校近くは家賃相場も低く、手軽に部屋を借りることができる反面、隣人が騒ぐ可能性はかなり高いので気を付けてください。

もちろん家賃の安さが魅力的で学校まで近いというのは魅力的なので完全否定するつもりはありませんが、家賃相場が低いなら学生があまり借りないマンションで探すというのも手です。

家賃が低い=民度も低くなる傾向があるので安いなりのデメリットはあります。

隣りが空き室の物件を選ぶ

防音性というのは結局は隣人が騒ぐかどうかの隣人ガチャによる部分が大きいので、隣人がいない状態では木造であっても静かに過ごすことができますし、自分がうるさくても苦情を言われることはありません。

角部屋でなおかつ隣りの部屋が空き室ならねらい目。

現時点での空き室なので自分が住んでから埋まる可能性は否定できませんが、新築や築浅でない場合は需要が低いので数カ月間は埋まりません。

繁忙期を過ぎても空き室ならその後も埋まる可能性は低いので、時期をずらして部屋探しを行うというのもありです。

まとめ

MEMO
  • 木造と軽量鉄骨造はほとんど変わらない
  • 軽量鉄骨造のほうが”若干”防音性が高い
  • 木造のほうがやや家賃は安い
  • そこまで住み心地は変わらないので安いほうがおすすめ

改めて比較してみましたがどちらも若干の差でしかないので、構造で変わるというよりも築年数や住民の質次第ですね。

築年数が古ければ古いほど虫は出やすいですし、住み心地が悪く感じてしまいます。

同じ防音性でも隣人が静かならなんの問題も過ごせますが、騒ぐタイプの隣人なら音が筒抜け状態なのでうるさく感じる可能性は高いでしょう。

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