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家賃の安さは部屋探しで最初に設定しなければならないほど優先順位の高いものです。
都内なら1Kでも7~8万円かかると言われていますが、中には相場よりも格段に家賃が安い物件が存在します。
安いほうが利用者にとって嬉しいものの、相場よりも安いと「なぜこんなにも安いのか」不安に思う方も多いでしょう。
今回は部屋の家賃が相場より安い物件は危ないのか、安い価格に設定している理由について紹介していきまs。
家賃が相場より安い物件は危ない?
結論から言えば、相場よりも少し安い程度の物件は数多く存在しているため、家賃が数千円安い程度であれば危ない物件ではありません。
家賃は周辺の相場から建物の設備や築年数等を考慮して算出されるため、基本的には相場と同程度の価格になる傾向があります。
少し安くしているのには必ず理由がありますが、それほど気になる点ではないことの方が多く、家賃の安さを優先する人にとってはお得な物件とも言えます。
いくつか相場より安い理由について紹介していきます。
建物の構造によって安くなっている
同じ広さで内装も綺麗なのに片方が安い理由としてよくあるのがマンションではなくアパートなど建物の構造が違うためです。
アパート・マンションというくくりだとさすがに気付く人も多いですが、マンションの中で鉄骨造と鉄筋コンクリートでは全く防音性が違うので注意してください。
鉄骨造はマンションの中で比較的家賃も安くて部屋自体も綺麗なものが多いですが、アパートに毛が生えた程度の防音性しかありません。
一方鉄筋コンクリート造は高い防音性があり、同じ間取りでも1万円以上の差が出ることもあります。
「なんかこの物件安いな」と感じたら構造を確認してみましょう。
ロフト付き物件
ロフト付き物件は部屋の広さの割に相場よりも家賃が安く感じられることがあります。
ロフト部分は「小屋裏物置等」として位置づけられているため、建築基準法では居室としては認められず専有面積にカウントされません。
家賃は専有面積から1㎡あたり○○円と相場を算出するため、ロフト部が専有面積に含まれないロフト付き物件は”家賃が安く感じる”というわけです。
もちろんロフトならではの問題というのもあるので、それを知った上で考えるべきです。
- 夏場暑く、冬は寒い
- はしごが面倒・危ない
- 圧迫感が気になる
- 荷物をロフトに運びにくい
路線近くの物件
路線沿い、踏切近くの物件は外からの騒音がうるさいので相場よりも安くなる傾向があります。
踏切近くだと電車が通るたびに「カンカン」と高い音を鳴らせていますし、線路沿いでは電車が定期的に通ることになるので昼寝がしにくかったり、通る瞬間テレビや友達との会話が全く聞こえなくなるなどの弊害があります。
建物自体にはなんの問題がなくても外からの影響によって需要が低く家賃が下がっていることもよくある理由の1つです。
駅からの距離が少し遠くて立地が悪い
物件は駅から遠くなればなるほど家賃が安くなる傾向があります。
当然駅から1分や3分などの好立地であれば利便性も需要も高くなるので家賃は相場より高くなりますし、逆に駅から15分~20分など離れている物件は設備も充実しているのに駅近物件よりも格段に安くなります。
駅からの距離を重要視する人が多いため、需要と供給のバランスで家賃が高くなったり安くなったりしています。
日当たりが悪い
日当たりが悪い部屋というのは需要がかなり低くてみんな避ける傾向にあるので家賃が安いです。
日当たりというのは立地も関係ありますが、例えば隣に高い建物があるせいで1部屋だけ日当たりが悪いというケースもあるため物件単位で見るよりも部屋ごとに家賃を見てみるとわかりやすいです。
日当たり自体は実際に内見してみるまでわからないことも多いので注意してください。
ちなみに日当たりが悪いとカビが生えやすくなったり、洗濯物が全然乾かないなどの弊害があるのであまりおすすめはしません。
治安が悪い
治安が悪い地域にある物件は相場よりも家賃が安くなる傾向にあります。
例えば暴力団施設があったり宗教団体の拠点があればそれだけ勧誘が多くなったりトラブルに巻き込まれる危険性も高くなるので家賃は安くなります。
また、夜のお店が多かったりするとそれだけ治安も悪いなるので、家賃的には少し安くなっていることもあります。
過去に泥棒や空き巣に入られたことのあるような物件も家賃が安くなる傾向があります。
治安は警視庁の公式ページでも確認することができますし、最寄のコンビニのトイレを確認したりするだけでも確認可能。
閑散期に家賃を下げているだけ
1月~3月は不動産にとって繁忙期と呼ばれ、1年の中で最も物件成約数が多くなる時期です。
繁忙期を過ぎてしまうと成約してくれる可能性が低くなってしまいます。
大家から見れば繁忙期を過ぎてしまうとこの先1年間家賃収入を得ることができず、維持費だけかかってしまうという負の連鎖に陥るため閑散期になると家賃を下げてでも入居者を募ろうとすることがあります。
これによって相場よりも家賃が少し安かったりすることがあるものの、入居者側から見れば少し家賃が安くなっているオトクな物件ってだけなので借りる上でのデメリットはありません。
しいて言えば繁忙期に成約が決まらなった売れ残り物件なので好条件の可能性は低いです。
キッチンや浴室など水回りが狭い
水回りの設備というのは部屋の中でもかなりコストのかかる部分です。
設備 | 費用相場 |
---|---|
エアコン | 約5万円前後 |
オートロック | 1戸あたり約15万円 |
フローリング | 約6万円~18万円(6畳) |
浴室乾燥機 | 約5万円~20万円 |
水回り | 約200万円 |
設備は色々ありますが、キッチンだけで約50万円~200万円、浴室は50万円~150万円、トイレは10万円~50万円程度かかると言われています。
水回りは設備の中でも圧倒的に高いので狭いキッチンや最低限の広さの浴室にすればその分費用を抑えることができます。
まな板も置けないほどのキッチンやシャワールームのみであればコストを抑えることができるのでその分家賃も安くすることが可能というわけです。
家賃が安すぎる物件は危ない!注意すべき理由
周りの物件と比較しても数千円安いというレベルではなく、格安物件だった場合は別の原因があります。
あまりにも安い場合は住むと後悔しやすい危ない物件の可能性が高いので注意してください。
いくつか考えられる可能性について挙げてみました。
お墓の近く
物件の裏手が墓地になっていて、窓を開けるとお墓が見えるような物件は需要が低く、家賃が格段に安くなる傾向があります。
誰もお墓の近くになんて住みたいとは思いませんし、需要が減る分家賃を下げないと入居者が決まらないという状態になってしまっているのでしょう。
実際、僕が良いと思って内見した物件は歩いて10秒ほどの場所にお寺があり、お墓が部屋から見える状態となっていました。
部屋もキレイで駅から割と近く、家賃も安いので即決しようとしているほどでしたが、内見するまでお墓の近くということはわかりませんでした。
しっかりとGoogleマップ等で調べれば周辺施設を知ることができますが、ぱっと見では気づきにくいのが難点です。
築年数が30年以上経っている
築20年ぐらいの物件なら割とよく見かけますし、そこまで安いという印象はありませんが、これが築30年とか40年とかになってくると格段に家賃が安くなります。
僕は以前築48年の物件に住んだことがあって、その物件は内装がリフォームされてとても綺麗でした。
相場はだいたい7万円ほどの地域でその物件は5万円ちょっとです。
その部屋は日当たりが悪い上にリフォームしているせいかフローリングが薄くてジャンプすると部屋全体が揺れるような耐震性に不安のある物件でした。
リフォーム済みの物件は内装が綺麗で安価なので選択肢としては悪くありませんが、虫が出やすかったり意外な問題もあるので即決せずにちゃんと内見して決めたほうが良いです。
デッドスペースが多くて使いにくい
部屋の構造が普通と違って台形のような形をしていたり、柱のせいで自由に模様替えを行いにくいようなデッドスペースのある部屋は家賃が安くなります。
使い勝手が悪い部屋ってことですからね。
間取りを見たり実際に内見してみて明らかに普通の部屋と違うようならデッドスペースが原因で安くなっていると考えてよいでしょう。
ただ、こういった部屋は物件によっては「デザイン性の高い部屋」として紹介されていたりするので一概に家賃が安くなるとは限らないので見分けるのが難しいです。
おとり物件
おとり物件とはその物件をエサにして問い合わせや予約をさせて、いざ店舗に行くと「その物件成約済みになってしまいました」と理由をつけて他の物件を紹介させるために使う物件のこと。
すでに入居者が住んでいる物件だったり、ひどい場合は物件自体が存在しないというものも。
おとり物件なので当然ながら好条件で、どう考えても相場よりもお得になっているのが特徴です。
公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会の2020年11月~12月調査では掲載物件の約12.2%がおとり広告と認められ、43店舗中15店舗でおとり広告が使用されていることがわかっています。
日付:2017年9月6日
ミニミニグループで仲介事業を行うミニミニ福岡(福岡市)が8月30日、おとり広告で福岡県から行政処分を受けた。
少なくとも今年3月から5月にかけて、実在しない架空の物件情報23件を、自社サイトなど3つのポータルサイトに掲載していた。
福岡県が立ち入り調査をした結果、景品表示法に違反している架空物件だったことが判明し、同社に表示の取りやめや再発防止策を求める措置命令を下した。
引用元:全国賃貸住宅新聞
物件情報に住所の詳細が載っていなかったり、現地集合が拒否されるようならおとり物件の可能性大なので注意してください。
住むのに必要な設備が整っていない
物件の間取りを見れば一発でわかることですが、設備が整っていない物件は相場に比べて格段に安くなります。
- トイレがない
- 浴槽がない
- クローゼットなどの収納スペースがない
- エアコンがついていない
- 洗濯機を置く場所が外
こういう物件は総じて安いです。特に引っ掛かりやすいのが洗濯機が部屋に置けない物件。
よく見るとベランダやドア外に洗濯機置き場が設置されているパターンだったり、洗濯機を設置する場所がなくコインランドリーしか使えないというパターンもあります。
見落としやすい部分なのでよくチェックしてみましょう。
設備が壊れたままだったり故障している
大家には原状回復の義務があり、基本的に部屋の設備というのは使える状態にしなければなりませんが、あまりにも修理費が高かったりまだ使えるレベルで「直す必要はないな」と思ったらそのまま修理・清掃しないことがあります。
僕が以前住んだ2DKの物件はところどころ見えない部分の故障が酷く、キッチン下の引き出しは最後まで開けてみると壊れた部分をガムテープで補強しているだけというひどさでした。
さらに夏場になるとお風呂の換気扇部分から虫の死骸が降ってくるという恐怖の物件でした。
配管自体が古くなっていてどうしようもないのでこのような事態になっているのだと思いますが、キッチンの引き出し部分については明らかに手抜き。
隅々まで内見時にチェックしないと気付かないような問題もあるので注意が必要です。
定期借家
定期借家は契約期間があらかじめ決まっており、その期間になったら契約更新するのではなく、大家によっては契約終了となって出ていかなければならないような特殊な物件のことを指します。
普通借家契約 | 定期借家契約 | |
---|---|---|
契約期間 | ||
契約更新 | ||
更新料 | ||
中途解約料 | ||
解約通知(大家) | ||
解約通知(借主) |
簡単に言えば借主よりも貸主に有利な契約方法の賃貸物件のことです。
だいたい契約期間は1年ぐらいですが、物件によっては数か月だったり半年ぐらいと短いです。また、大家次第で契約を更新するか契約終了となるか決まるというのもネックな部分。
ただし、物件は相場に比べて格安となっていることも多いです。
内装も綺麗、築浅で駅から近いのに明らかに家賃が安いようなら契約情報を見てみてください。
定期借家は契約期間が短ければ短いほど家賃も安くなる傾向があります。
1万円~2万円ぐらいは平気で安いので思わず事故物件を疑ってしまいますが、こういう物件はたいてい定期借家です。
安すぎる=事故物件とは限らない
家賃が安すぎると聞くと=事故物件なのではないか、と思いがちですが意外とその可能性は低いです。
もし本当に事故物件なら「心理的瑕疵物件」と表記したり、それを伝える義務があります。
死が発覚してから概ね3年間を経過した後は、原則として、借主に対してこれを告げなくてもよい。ただし、
引用:宅地建物取引業者のガイドライン
事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案はこの限りではない。
以前は『一度誰かに短期間貸し出せば告知義務がなくなる』といった抜け穴のような手法が設けられていましたが、2021年5月に国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取り扱いについて」というガイドラインを発表したため明確化されました。
事故から3年経たない限りは告知義務が発生し、また問い合わせにあった際には3年以上でも回答する必要があります。
本当に事故物件の場合は家賃が通常の半額以上安くなるのでかなりわかりやすいです。
他の部屋の家賃価格と比較すれば一目で見分けが付きます。
家賃が半額以下なら事故物件の可能性あり
本当に事故物件だとすれば賃料は通常の半額以下になっているので一目で見分けがつきます。
例えば通常の賃料が8万円なら4万円とか2万円とかありえない額になっています。
例えば独立行政法人が運営しているUR賃貸住宅では、公式ページにて『特別募集住宅』として家賃半額で募集をしています。
どんなに問題がある物件でも事故物件でない限り、相場の半額以下ってのはほとんど存在しないので見分けようと思えば簡単。
ただ、もともと事故物件だったとしても一定期間他の人に貸して住まわせると事故物件扱いとならないため、それを伝える義務も発生しないのが厄介なところ。
家賃が安い物件を選ぶ際の注意点
家賃が安い物件は確かにお得ですが、ただ単に安いだけなのか安くなっている理由があるのかをしっかりと見極める必要があります。
安い物件を見つけた際の注意点についてまとめてみました。
周辺の環境をよく調べる
「実は大通り沿いで騒音がかなりひどい」という理由が隠されていたり「駅からの距離が明記されているよりずっと長い」ということも考えられます。
また、建物自体に問題がなくてもスーパーが遠かったり、各駅しか止まらない駅だったり利便性が悪い可能性も否定できないので、実際に調べてみましょう。
その地域が全体的に相場が安くなっているだけって可能性もありますし、近くにお墓やお寺があるといった環境もあり得ます。
大島てるで事故物件かどうかを調べてみる
かなり相場よりも家賃が安くなっているなら事故物件の可能性も否定できません。
告知義務のある部屋ならともかく、年数が経っていて一切記載されていない可能性もあるので念のため大島てるという事故物件かどうかわかるサイトで調べてみてください。
その部屋が事故物件かどうかもわかりますし、他の部屋が事故物件で同時に安くなってしまっていることも考えられます。
相場より安くなっている理由を営業マンに聞いてみる
なぜ家賃が安いのかはたいてい実際に内見したり、物件情報を見るとわかるものですが、それでもよくわからず、不安なら営業マンに直接聞いてみたり、問い合わせてみると良いでしょう。
たいていの場合はその理由を管理会社や大家に聞いてくれるので住むべきか判断しやすい一番賢いやり方です。
家賃が安くて不安だからといって借りらないというのももったいないですし、理由を聞かずに入居するのもずっと不安を抱えて精神衛生上よくないですからね。
最近では店舗を構えないオンライン不動産も主流になりつつあります。
『わざわざ問い合わせて聞くのが面倒』であればイエプラのような気軽にチャットで質問できるオンライン不動産がおすすめです。
問い合わせフォームを利用せずにURLを送って「こちらの物件相場より安いようですが、何か理由はありますか?」とチャットを打つだけで回答を得ることができます。
相談・交渉も顔を見ずにチャット上だけで行えるので、苦手な人でも気軽に使えるのが魅力です。
まとめ
- 家賃が相場よりも安いのは必ず理由がある
- 需要が低く入居者が集まらない物件は家賃が相場よりも低くなる
- あまりにも家賃が安すぎる場合は住みづらい可能性が高いので危ない
- 事故物件かどうかは簡単に調べることが可能
家賃が相場よりも安いのは必ずその物件に欠点があるためです。
少し安い程度であれば需要が低く入居者が集まらないため苦肉の策で大家が安くしていることもあります。
安すぎる理由を踏まえたうえで住むかどうかはあなた次第です。
実際に安すぎる物件に住んでいて「快適だ」という人もいますし、「やっぱり良くなかった」という人もいますからね。
家賃というのは想像以上に日々の生活に重くのしかかるものなので、もし社会人などであまり家に帰らないという方は多少の問題があっても家賃が安い部屋に住んだ方が良いと思います。