テラスハウス賃貸の騒音はどの程度?子供の足音は音漏れしやすい?

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

テラスハウスといえばテレビ番組のイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?

「テラスハウスに住んでみたい!」と憧れはあるもののテラスハウス自体が通常の賃貸と何が違うのか理解していない人も多いです。

そこで今回はテラスハウスとはどんな物件なのか、騒音はどの程度なのか住み心地についてメリットやデメリットを徹底解説していきます!

テラスハウスとは?

テラスハウスは戸建て住宅が連なっているような長屋建て住宅のことを指します。

テレビ番組のせいかシェアハウスと混合されがちですが、シェアハウスは物件を他人と複数人でシェアして住むような物件のこと。

友人と一緒にテラスハウスに住んだ場合はシェアハウスというよりもルームシェアになります。

テラスハウスの多くは2階建てで稀に3階建て物件も存在します。

マンションのように共有のエントランスがあるわけではなく、各部屋に玄関が設けられている点をみると戸建て住宅に非常によく似ています。

メゾネット物件との違い

メゾネット物件も部屋の中に階段があり1階と2階を行き来できる構造となっていますが、マンションっぽいか戸建てっぽいかという違いがあります。

メゾネットの場合は階層のあるマンションの中に1階~2階、3階~4階といったような構造をしています。

参照:https://woman.chintai/article/knowledge/0710_mesonetto_toha/

テラスハウスは長屋なので横に長い印象が強いです。

ただしメゾネットもテラスハウスも内部構造自体にほとんど違いはないので見た目上の違いが大きいです。

戸建て物件との違い

戸建ての場合は各住宅が独立しているといった特徴があります。

テラスハウスの場合は隣りの住宅と壁を共有しているような造りになっています。

例えるなら1つのカステラがテラスハウスで分断させて切り分けているのが戸建て住宅といったイメージ。

参照:https://iqrafudosan.com/channel/about-terrace-house

壁が隣接していても内部で当然内部で分かれています。

テラスハウスのほうは土地のスペースを取らずに複数の世帯を造ることができるので戸建てに比べると低コストです。

テラスハウスの騒音はどの程度?

住む上で一番気になるのは”音がどの程度響くのか”という点です。

suumoジャーナルが男女300名を対象に行った『住んでみて後悔・失敗したと思うことランキング』では防音性の低さが第1位となっています。

住んで後悔・失敗したこと(複数回答)
  1. 壁が薄い:19.3%
  2. キッチンが狭い:19.0%
  3. 隣人や周囲の音がうるさい:16.7%
  4. 収納が少ない:16.3%
  5. 部屋が寒い・暑い:16.0%
  6. 家賃が高い:15.3%

賃貸物件につきものなのが騒音トラブル。

床の防音性

テラスハウスの多くは戸建て住宅と同様に木造となっています。

これは日本建築学会が調査した建物の遮音性と等級の関係性です。

遮音等級建物構造音の聞こえ方
L-35 日常生活で気になるような音はほぼ聞こえない
L-40鉄筋鉄骨コンクリート造防音性が高く外からの音も軽減される
L-45 子供の泣き声や走り回る音は多少聞こえる
L-50鉄筋コンクリート造子供の泣き声や走り回る音は聞こえる
L-55 洗濯機や掃除機は少し聞こえるが気にならない
L-60重量鉄骨造足音やドアの開閉音など振動を伴う音が聞こえる
L-65軽量鉄骨造多少音量は軽減されるが生活音はほぼ聞こえる
L-70 生活音はほとんど筒抜け
L-75木造生活音は筒抜けで小さな音まで聞こえる

軽量鉄骨を用いた造りもありますが、どちらも賃貸では”アパート”に属するものです。

音の種類木造軽量鉄骨
遮音等級L-75L-65
足音聞こえる少し聞こえる
ドアの開閉音聞こえる聞こえる
テレビの音わずかに聞こえるわずかに聞こえる
洗濯機や掃除機の音聞こえる聞こえる
会話少し聞こえる少し聞こえる
いびき聞こえる聞こえる
小さな音わずかに聞こえるほぼ聞こえない

木造アパートの遮音等級は賃貸の構造上は最低レベルとなっています。

仕方ないとは言え、基本的な生活音はほとんど筒抜け状態になっているのが木造アパートの特徴です。

ただしテラスハウスは上下階がすべて自分の住まいとなるので「上からの足音がうるさい」といった問題にはなりません。

上階からの音がうるさかったとしても身内となるため注意すればどうにでもなりますし、防音対策も容易です。

壁の防音性

足音は63Hz~125Hzの低音となるため、話し声に比べると遮音しにくい周波数です。

こちらは木造アパートの床に一定の衝撃を上から加えたときの下の聞こえ方を表したグラフです。

足音

低音域である『足音』は衝撃を吸収しづらいため、音がダイレクトに伝わる性質があります。

床材で足音を吸収しきれないため、隣室にも足音が聞こえやすいということになります。

木造や軽量鉄骨造の界壁(隣室との壁)は建築基準法ギリギリの数値であるD-40付近となっています。

木造の界壁
軽量鉄骨造
構造壁の厚さD値防音評価
木造130mm~145mm40以下
軽量鉄骨造100mm~125mm40前後
重量鉄骨造125mm~150mm40~45
鉄筋コンクリート造120mm~180mm45~60

戸建てとは違い、隣との壁同士は接触している状態にあるため生活音、足音は聞こえてしまいます。

以前内見に行った物件はテラスハウスで内階段がついているタイプでしたが、隣室との壁際に設置されているせいか、敷地内の掲示板に『迷惑になるため足音に注意するように』といった紙が張り出されていました。

界壁音の大きさ木造軽鉄骨造
大人の足音45dB小さく聞こえる小さく聞こえる
子供の走る音65dB大きく聞こえる大きく聞こえる

本来の音の大きさであれば木造の界壁により吸収されるのでほとんど聞こえませんが、低音かつ振動音となるため透過損失がほとんどありません。

したがって、特に子供の走り回る音は小さくなることなくストレートに聞こえてしまいます。

子供のいない物件、高品質な物件であれば同じテラスハウスでもほとんど気にならない程度になる場合もあります。

高遮音システム採用の築浅物件なら騒音も静か

通常のテラスハウスは特に足音が隣室に聞こえてしまいやすく、騒音トラブルの原因になる傾向があります。

ただ、遮音システムを採用している大手ハウスメーカー施工の賃貸物件であれば比較的静かに過ごしやすいです。

例えば大東建託では2013年11月以降の物件に対して高遮音階段を導入しています。

遮音性の高い技術は2010年前後より採用され始めているため、大手ハウスメーカーで床材・界壁に遮音システムが取り入れられていればテラスハウスでも問題なく生活できるでしょう。

ハウスメーカー防音システム採用年月
シャーメゾンシャイド50
シャイド55
2011年
大和リビングサイレントハイブリットスラブ502012年
東建コーポレーションTKS50
TKS55
2013年
ミサワホーム床制御ダンパー2008年
セキスイハイム床制御ダンパー2011年
レオパレス21ノンサウンドシステム2013年
へーベルメゾンANR(旭化成ノイズリダクション)フロア2018年
大東建託ノイズレスフロア2011年

テラスハウスのデメリット

まずはテラスハウスに住む上で絶対に知っておきたいデメリットからまとめてみました。

木造が多く防音性が低い

テラスハウスの多くは木造建築で、上記で説明した通り防音性としてはかなり低い部類にあたります。

壁が隣接していない戸建てのようなタイプならともかく、隣接していることで多少なりとも生活音の影響は受けますし、階段があるので上り降りの音は毎日響いてしまいます。

また、一人暮らし用物件とは違いカップルや新婚など複数人で住んでいることが多いので話し声や笑い声等は自然と毎日聞こえてしまいます。

物件数自体が少ない

通常の賃貸物件とテラスハウスの物件数を比較してみました。

東京都内物件数
総物件数267,303件
テラスハウス3,784件
HOME’sの物件数より算出(2023年11月)

東京都内の物件ではテラスハウスは総物件数の8分の1程度。

物件数が少なければ少ないほど自分の条件に合った部屋を探すことができないのでテラスハウスだけで絞り込んで探そうとすると立地が悪かったり、条件が悪いことが多いというデメリットがあります。

たまたま部屋探しをしていて良いと思った物件がテラスハウスならまだいいですが、最初からテラスハウス1択で探すといつまで経っても部屋は見つからないかもしれません。

家賃が高い

CHINTAIに表示されているテラスハウスの家賃相場とsuumoの1LDK/2K/2DKの家賃相場を比較してみました。

家賃相場通常の物件テラスハウス
目黒区13.5万円13.05万円
大田区10.8万円12.50万円
世田谷区11.6万円18.85万円
中野区11.2万円13.90万円
杉並区10.9万円19.00万円

テラスハウスは物件数自体が少ないのでふり幅はあるものの全体的に通常の物件と比較するとかなり家賃も高くなっています。

平均2万円~6万円ほど家賃が高くなってしまっています。

需要がめちゃくちゃ高いわけではありませんが、物件数としてはかなり少ないので相対的に家賃相場も高くなる傾向にあるということです。

同じ条件なら通常の賃貸に住んだほうがはるかに家賃を抑えることができるので無理をしてまでテラスハウスを借りるのはかなりもったいないです。

掃除が面倒

毎日階段を使うのも面倒かもしれませんが、一番面倒なのは階段部分の掃除です。

ホコリ自体は溜まってしまうものの階段部分は掃除機をかけにくい部分なのでそれを定期的に掃除するのは面倒です。

また、戸建てやメゾネット物件と同様に1階部分と2階部分をすべて掃除するのも大変です。

コードタイプの掃除機だといちいちコンセントの抜き差しを行う必要があるので買うならコードレスのタイプを選ばないとストレスを感じることが多くなります。

テラスハウスのメリット

テラスハウスならではのメリットについてもまとめてみましたが正直言って思っているよりも魅力は少ないです。

戸建て感覚で住める

テラスハウスは戸建てと非常によく似た造りをしているので今後一軒家を買う予定の人にとってはどういった感じなのかを確かめることができる点が1つのメリットです。

専用庭が設けてあるようなテラスハウスであればガーデニングをしたりペットと庭で遊んだりすることも可能です。

1階と2階で生活空間を完全に分けることが可能なので【寝室は2階】と決めたり【仕事部屋は1階】といったように生活スタイルに合わせて部屋を使うことができるのも魅力です。

上下の音を配慮しなくて良い

テラスハウスはマンションやアパートとは違い上下の音で悩まされることがありません。

よくある悩みの1つが「上からの足音がうるさい」とか「子供が走り回ってしまって苦情がくる」という問題ですがテラスハウスの場合は下の階も自分の部屋なので多少走り回っても問題ありません。

もちろんあまりにもはしゃぎすぎると隣人まで音が響いてしまうのでやりすぎには注意が必要ですが、子供を育てる環境としては通常の賃貸物件よりはるかに良いです。

住人とすれ違わずに住む

アパートやマンションの場合はエントランスでちょうど他の住民と鉢合わせてしまったり、エレベーターに乗り込む際に鉢合わせると少し気まずい思いをしますがテラスハウスの場合はこういったことはまずありません。

すれ違ったところで何の問題もありませんが、こういったことに敏感な人はテラスハウスのほうが快適です。

テラスハウスの場合は玄関部分が独立してそれぞれの場所にありますし、共有スペース自体が設けられていないのでゆっくりポストに入っているものを確認したりすることが可能。

テラスハウスでできる音漏れ対策・防音方法

テラスハウスにどうしても住みたいけど騒音問題が不安という人のために自力でできる防音方法についてまとめてみました。

階段に防音マットを敷く

調べてみるとテラスハウスの騒音問題は話し声(喧嘩等)と階段を上ったり降りたりするときの足音です。

階段は段差があるので通常の平地に比べて音が大きくなってしまいます。

隣人の出す音を防ぐのは難しいですが自分が騒音の原因となることは防ぐことが可能です。

有効なのは階段用の防音マットを敷くこと。

階段マット 階段用滑り止め【70X22cm 15枚入り】HAODEMI 階段カーペット 吸着マット厚み4mm 階段敷き 足腰負担軽減 ズレない 階段用 ステップマット ワイド 階段クッション 床保護 転倒防止 キズ防止 猫犬階段滑り止めマット 子供や高齢者 ペットなどの安全対策に 床暖房対応(紺)

(385件)

¥4,980円~(税込)

足音はマット1つで簡単に対策可能なので買っておいて損はありません。

防音マットを敷いておく

子供のいる家庭であれば足音対策は必須です。

テラスハウスでも足音が隣室に響いてしまうことが多いため、騒音トラブルの原因になりやすいです。

種類遮音率料金相場
コルクマット約9.4db~
(LL-45相当)
約10,000円~
(3畳)
ジョイントマット約9.4db
(LL-45相当)
約8,000円~
(3畳)
防音専科
(防音マット)
最大82%
(LL-35)
49500円
(3畳)
防音カーペット約10db
(LL-35)
約25,000円
(3畳)
(防音)フロアマット約20%カット約12,000円
(3畳)
チェアマット数db程度約2,500円
スリッパ数db程度約2,000円

足音の防音対策はいくつもありますが、コルクマットやジョイントマットを遊び場に敷いておくのが良いでしょう。

高い金額に抵抗がないのであれば防音カーペットなどより遮音性能の高いものを購入すると良いでしょう。

内部屋側に家具を置く

隣人の話し声や生活音は壁を経由してこちらの部屋に伝わりますが、隣室に面した壁に背の高い本棚や壁一面のテレビボード、本棚を設置することに伝わる音が軽減されます。

本棚で遮音性をあげる

具体的な遮音性能についての研究はないため具体的な数値まで出すことはできませんが、遮蔽物を置くような感覚で設置してみましょう。

特にタンスや本棚のような質量の高いものは吸音率が高く、遮音シートや吸音材と組み合わせることでより高い効果を発揮します。

物の配置を見直すだけでも隣人の話し声が気にならなくなるお手軽方法なのでお試しください。

テラスハウスを探す際のコツ

テラスハウスで騒音に悩まされたり、後悔しないための部屋探しの方法についてまとめてみました。

メゾネット物件や戸建て賃貸も視野に入れる

テラスハウスは物件数自体がかなり少ないので、絞って探そうとしても条件に満たない部屋ばかりとなってしまいます。

視野を広げるためにもメゾネット物件や戸建て賃貸も一緒に探したほうが結果的に満足度の高い賃貸に住むことができます。

メゾネット物件の内装はほとんどテラスハウスと変わりませんし、戸建て賃貸に関しては庭付きも多いので割と良い物件が多いです。

角部屋を選ぶ

角部屋と中部屋の違い

隣人がうるさくするかどうかは実際に住んでみないとわかりませんが、角部屋であればそのリスクを2分の1に軽減することができます。

中部屋だと両隣りの生活音が聞こえてしまったり、逆に自分が少しでもうるさくしていると苦情が入る可能性が高いですが、角部屋であれば隣人1人のリスクだけで済みます。

また、角部屋は隣人が引っ越し等で空き室になったときに生活音を気にせず快適に過ごすことができる点。

テラスハウスの場合は上からの音に関しては対策する必要がないので角部屋を選ぶだけで方々1つの防音だけ考えれば良いのはかなり利点です。

隣室に住んでいる人について聞いておく

『どんな人が住んでいるのか』によって住み心地は大きく異なります。

大人の足音は意外と静かなことが多いですが、子供は走ることが多いため自然とうるさくなってしまいます。

内見時に『隣室はご家族が住まれていますか?』と聞いておくことで、住むかどうか迷ったときの目安となります。

子供のいない家庭であればある程度不安要素も取り除くことができます。

物件数が多い不動産を利用する

少しでも条件の良いテラスハウスを見つけるためにはなるべく取扱物件数の多い不動産を利用しましょう。

例えば店舗で「テラスハウスが良い」と言っても、見つかるのは1軒かせいぜい2軒程度。

スーモやホームズなどのポータルサイトであればほぼすべての物件を網羅しているので探すのに向いています。

もっとおすすめなのはイエプラという部屋探しサイト。

イエプラは条件を伝えると部屋を探してもらえるサイトですが、物件数はスーモやホームズと同程度で家にいながら新着物件を探すことができるので部屋探し全般として長けています。

チャット欄があるので細かい条件等も伝えることができるので家にいながら店舗で探している以上のサービスを得ることができます。

イエプラ公式ページへ

イエプラの評判は悪い?仲介手数料は?利用者の口コミを徹底調査

まとめ

MEMO
  • テラスハウスの多くは木造建築なので防音性は低い
  • 上下の音は気にしなくて良いが隣りと壁が接しているので音は伝わりやすい
  • 外観は違うが内装はメゾネット物件とほとんど同じ
  • テラスハウスは相場よりも家賃が高い
  • 専用庭がついているかは物件によって異なる
  • 将来戸建てを買いたいなら一度住んでみるのはあり

こうしてみてみるとデメリットの割にメリットが少ないように感じます。

テラスハウスの問題点は【壁が薄い】【家賃が高い】という問題です。

同じ家賃帯なら通常の物件のほうが高い防音性の物件が多いので住み心地という面で見ればあまりおすすめはできません。

ただし生活空間を完全に分けたいという理由がある(カップルや友人と一緒に住む場合等)ならテラスハウスの選択肢のうちの1つに入れて良いと思います。

テラスハウスに住みたいならメゾネット物件も視野に入れておきましょう。

少しでも参考になれば幸いです。