最近、街の不動産屋の物件広告を見ていたのですがマンションで構造が「鉄骨造」となっている物件を発見。
さらにアパートなのに「鉄骨造」と書かれている物件も発見したのですが、この両者はいったいどこが違うでしょうか。
今回はこんな疑問を解決するために鉄骨造とはいったいなんなのか、アパートとマンションで意味合いは異なるのか、さらに防音性はどうなのかについてまとめてみました!
目次
鉄骨造は2種類ある
よく物件の詳細を見ると構造蘭に「鉄骨造」と書かれていることがありますが、これはいったい何なのか。
鉄骨造というのはひとまとめにした言い方で、実際は「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の二つがあります。
二つの違い、詳しくは「構造別防音性まとめ」にまとめてありますが、簡単に言うと骨組みが異なっています。
軽量鉄骨造:アパート
参照元:https://www.homes.co.jp/cont/buy_kodate/buy_kodate_00422/
軽量鉄骨の法定耐用年数は19年~最大で27年と言われています。
柱や梁は比較的細い(6mm未満)ので大量の鉄骨で建物を支えています。鉄骨の本数が多いので自由に間取りを組みにくいという特徴があります。
また、骨組みが細いので背の低い建物、アパートや小規模店舗によく使用されています。高い建物を建てようとすると骨組みが重量に耐えられないのでマンションには使用されていません。
軽量鉄骨で建設する場合はコストの安さが第一になるので、床や壁に使用される材料も安くなり、結果的に防音性が低い物件ができあがってしまいます。
重量鉄骨造:マンション
参照元:http://zerohome.co.jp/concept/
重量鉄骨の法定耐用年数は34年です。軽量鉄骨よりも耐用年数が長いです。
骨組みがしっかりしていて、鉄骨も1本1本が太い(最低でも6mm以上)ため、3階以上のマンションによく使用されています。
柱や梁が太いためそれを覆う壁や床も厚くなり、軽量鉄骨に比べると防音性が高くなりますが、その分コストがかかります。つまり賃料が高くなってしまいます。
仲介業者の方に詳しく聞けばその物件がこのどちらかなのかはわかると思いますが、アパートで鉄骨造と書かれている場合は軽量鉄骨、マンションの場合は重量鉄骨と考えておけば良いでしょう。
鉄骨造ってうるさい?防音性はどのぐらいなの?
確かに軽量鉄骨造のアパートと重量鉄骨で建設されたマンションを比較すると防音性に違いは出てきますが、めちゃくちゃ変わるというほどではありません。
鉄骨の太さによって使用する壁や床の厚さに差が出て、それが=防音性となるわけですが基本的な構造は一緒。
遮音性というのはL値で示されており、値が高ければ高いほど音が聞こえやすくなります。
これは日本建築学会が調査した建物の遮音性と等級の関係性です。
遮音等級 | 建物構造 | 音の聞こえ方 |
---|---|---|
L-35 | 日常生活で気になるような音はほぼ聞こえない | |
L-40 | 鉄筋鉄骨コンクリート造 | 防音性が高く外からの音も軽減される |
L-45 | 子供の泣き声や走り回る音は多少聞こえる | |
L-50 | 鉄筋コンクリート造 | 子供の泣き声や走り回る音は聞こえる |
L-55 | 洗濯機や掃除機は少し聞こえるが気にならない | |
L-60 | 重量鉄骨造 | 足音やドアの開閉音など振動を伴う音が聞こえる |
L-65 | 軽量鉄骨造 | 多少音量は軽減されるが生活音はほぼ聞こえる |
L-70 | 生活音はほとんど筒抜け | |
L-75 | 木造 | 生活音は筒抜けで小さな音まで聞こえる |
遮音等級では木造が最低レベルで軽量鉄骨アパートと重量鉄骨マンションはほとんど同じ値となっています。
【うるさいという意見】
しかも鉄骨造がこんなに
音響くとは思わなかった…。もっとよく調べればよかった。
ただ木造じゃないのに何で
こんなにうるさいんだろうか…。やっぱり住人によるのか。
— 上階の騒音(記録५✍) (@souinhigai202) November 30, 2021
やっぱりこのアパートもレオパ程じゃないけど壁が薄い、、、
だって隣人のいびきうるさいんだもの、、、軽量鉄骨造だけど結局聞こえるのね
やれやれ、、、
そりゃ寝れないわ
— 智 (@tomo_999k) August 10, 2020
鉄骨造1Rで不定期に同棲している隣人の話し声がうるさい。鉄骨造は会話が筒抜けなの知らんのかな。っていうか1Rに同棲はやめてほしい。
— Emon (@EmonK1925) June 16, 2014
僕が以前不動産に行った時に営業マンの方に防音性の違いを聞いたところ「正直、鉄骨造だとアパートでもマンションでもそんなに差はないですよ」と説明されました。
【意外とうるさくないという意見】
内見した物件は、女性限定の最上階で良かった、大和ハウスが建てたから?なのか鉄骨造なのに造りがしっかりして見えて、部屋の中も静かだった。でも、最寄り駅がまた同じは嫌❗しかも、部屋が西側……大阪めちゃくちゃ暑いしさ。これは、エアコンの電気代とか考えたら嫌だな。あー疲れた。→
— iamu (@zUUCMIeys) July 3, 2021
RCでもうるさい人いたら引越しした意味がないし、鉄骨造でも常識人が暮らしてたら騒音被害なんてないし
もうほんとガチャだよね😩— 騒音被害😇愚痴垢 (@a0501st) February 3, 2020
軽量鉄骨造だったんだけど今住んでる木造と比べて音が静かだった気がする 住民の騒音ほぼなかった
— む! (@All_1C) October 6, 2021
同じ鉄骨造でも建設方法によって壁や床に遮音性の高い素材を使っているかどうかで大きな差があります。
シャーメゾンの上階からの衝撃音を大幅に抑える「シャイド55」や「シャイド50」といった遮音性の高い床材や特殊な素材を界壁に設けている場合は防音性が高くなります。
また、結局は民度の問題なので隣人が静かな人であればうるさくないと感じるし、騒がしい民度の低い人ならうるさいと感じます。
軽量鉄骨アパートと重量鉄骨マンションでの音の響き方の違いについてさらに詳しくまとめてみました。
軽量鉄骨造の防音性
音の種類 | 音の聞こえ方 |
---|---|
足音 | 聞こえる |
ドアの開閉音 | 聞こえる |
テレビの音 | わずかに聞こえる |
洗濯機や掃除機の音 | 聞こえる |
会話 | わずかに聞こえる |
いびき | 聞こえる |
軽量鉄骨造では隣人の生活音はほとんど聞こえます。木造よりは多少聞こえにくかったり、本当に小さな音までは伝わってきませんが何かを床に落としたりドアを開いたりする音はよく聞こえます。
深夜に洗濯機を回せばその音は隣人まで聞こえてしまいますし、宅飲みをしようとすれば笑い声や性別まで判断できるぐらいには防音性が低いです。
重量鉄骨造の防音性
音の種類 | 音の聞こえ方 |
---|---|
足音 | 聞こえる |
ドアの開閉音 | わずかに聞こえる |
テレビの音 | 音量によってはわずかに聞こえる |
洗濯機や掃除機の音 | 聞こえる |
会話 | わずかに聞こえる |
いびき | 聞こえる |
重量鉄骨造でも生活音はある程度聞こえてしまいます。
テレビの音や会話など小さければほとんど聞こえないものの、普通にしゃべっていたり割と大きな音量でテレビを見ていれば人がいるかどうか、テレビがついているかどうかは簡単にわかってしまいます。
「いびきまで聞こえるの?」と思うかもしれませんが、意外といびきは重低音なので壁や床を簡単にすり抜けて聞こえます。
比較的防音性の高い鉄骨造の選び方
戸数の少ない物件を探す
生活音が響くかどうかは防音性が影響しますが、そもそも隣人がいなければ木造だろうと軽量鉄骨だろうと生活音が響くことはないので快適に過ごすことができます。
通常の賃貸物件は101号室~105号室といった具合に部屋が複数存在しますが、探してみると101号室~102号室までといった部屋数の少ない物件もあります。
戸建てのような見た目で隣の部屋がないような物件も存在するので、こういった部屋数の少ない物件に着目して探してみると防音性を気にせず生活することができます。
角部屋を選ぶ
隣人がうるさくするかどうかは実際に住んでみないとわかりませんが、角部屋であればそのリスクを2分の1に軽減することができます。
中部屋だと両隣りの生活音が聞こえてしまったり、逆に自分が少しでもうるさくしていると苦情が入る可能性が高いですが、角部屋であれば隣人1人のリスクだけで済みます。
また、角部屋は隣人が引っ越し等で空き室になったときに生活音を気にせず快適に過ごすことができる点。
上からの音に関しては我慢するしかありませんが、リスクを少しでも減らしたいなら角部屋は絶対に譲れない条件です。
大通りや路線沿いはなるべく避ける
軽量鉄骨はコストが安く造られているため車や電車、バイクなどの外からの騒音に対してもあまり期待することができません。
軽量鉄骨で大通りとか線路沿いに住むと間違いなく外からの騒音に悩まされることになるので、なるべく路地裏や住宅街を選ぶようにしましょう。
外からの騒音がないだけもかなり静かに過ごすことができます。
最上階を選ぶ
上からの足音や生活音を気にするようであれば1階ではなく最上階を選ぶようにしましょう。
最上階は若干家賃が高かったり、自力で引っ越し作業をするのは面倒ですがその分防犯面に優れていたり下の階からの生活音はあまり響かないのでメリットも多いです。
内見時にできる防音性の調べ方
同じ鉄骨造でも建設する業者によって防音性は変わってきます。良い素材を使っていれば防音性は高くなりますし、逆にコスト削減で安価な物を使えば防音性は低くなります。
手軽にある程度防音性を調べられる方法をまとめてみました。
床の防音性:その場でジャンプしてみる
素人目には床の素材が良いか悪いかなんてのは全くわかりません。1番わかりやすいのはその場でジャンプしてみて”どのぐらい振動が広がるのか”を見ることです。
床が厚かったり、良い素材を使っていると振動はちゃんと吸収されるのであまり響くこともありません。
逆に防音性の低い物件だとジャンプした時に部屋が揺れるような感覚、もしくはその振動が窓にまで伝わります。
私が以前住んでいた築年数のかなり古い建物はジャンプすると建物全体が揺れるような感覚(もちろんそんなはずはないんですけど)で、窓がガクガク揺れました。
床の防音性2:やわらかさを確かめる
良い素材だと適度な弾力があります。実際に触ってみてめちゃくちゃ硬さを感じるようなら足音が響きやすい物件の可能性が高いです。
少しやらわかさを感じるようならかなり良い素材を使っています。分譲賃貸の床なんかだと結構このパターンが多いです。
壁の防音性:ノックして反響音を確かめる
壁の中を確かめるには実際に叩いてみるのが一番手っ取り早いです。ノックしてみてあまり響かず、音がこちら側で止まっているようなら防音性の高い物件です。
逆に叩いたときに壁全体に振動が伝わるような感覚や突き抜けて隣の部屋にまで響くような感覚があれば少し防音性が不安な物件です。
鉄筋コンクリートマンションとかだと叩いてもぺちぺちするような音しか聞こえません。
木造アパートだと結構反響音があるので防音性が低いことがわかります。ただ、わりとメジャーな方法だけど確実にわかるわけではないのであくまで参考程度に。
壁に空洞を感じるけど実際は防音性がしっかりしている場合もあるので判断するのは結構難しいです。
営業マンに直接聞いてみる
地域密着型の不動産だったり、エリアで分けているような不動産だと持ち物件はかなり詳しいです。
それこそどの程度の防音性なのかまで把握していることも多いので、わからなかったら実際に聞いてみても良いでしょう。
それか「前住んでいた人はどのぐらいで退去したんですか?」と質問するのも有効。住む長さによって快適度を判断する指標になります。
まとめ
- 軽量鉄骨は木造より静かだが重量鉄骨造よりうるさい
- 軽量鉄骨アパートと重量鉄骨マンションの防音性はそこまで変わらない
- 鉄骨造がうるさいという意見は多い
- 防音性の高さを重視するなら鉄筋コンクリートがおすすめ
木造を選ぶぐらいなら軽量鉄骨アパートのほうが防音性が若干高いので良いと思います。
ただ「家賃が安くてマンションだから鉄骨造」という考え方だと後悔します。マンションの鉄骨造は重量鉄骨で軽量鉄骨とあまり防音性が変わらないので思っていたよりも音が響きやすいと感じます。
防音性を重視するなら鉄筋コンクリート造や分譲賃貸がおすすめです。
鉄骨造は中途半端な構造なので防音性はあまり高くありません。
防音性の高い物件を効率的に探すには
効率的に探したいのであれば構造別に検索できるサイトを利用すべきです。
色んな不動産サイトがありますが、ホームズであれば構造別に検索できるのでおすすめです。
自分で探すのが面倒だという方はイエプラなどのサイトを利用するのも一つの手。
イエプラはチャット上で条件を伝えると後は勝手に専門スタッフが探してくれます。
不動産店舗よりも取扱物件数が多く、ネットよりも新着物件を早く知ることができるので効率的です。
こういった無料で利用できるサイトは積極的に使っていくと良いでしょう。
少しでも参考になれば幸いです。
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